2020/08/14 のログ
ご案内:「違反部活群/違反組織群」に伊都波 凛霞さんが現れました。<補足:風紀委員。焦茶の長いポニーテールに焦茶の瞳。制服姿>
伊都波 凛霞 >
学園は夏季休業中
当然学生は一部を除き夏休みで
羽を伸ばし、うっかりハメを外してしまう生徒が多く出るのは、普通の学校と変わらない部分もあるだろうか
もちろん学生が主動で運営する学園都市である此処、常世学園では
ハメを外しすぎたとか、そんな優しいものでは収まらないのが実情
こういう時期は、違反部活群もまた活発化するのだ
端末で連絡を取り合いながら突入した違反部活の利用するビルの地下室
大量の木箱に乱雑に突っ込まれているのは、大量の銃火器
そしてそれの前には、既に床に倒れ伏して気絶した違反生徒達の姿があった
「──制圧終わったので、表の封鎖要員から人回してください」
淡々とした声で、端末から連絡を取るポニーテールの少女
その腕には風紀委員の腕章が巻かれていた
伊都波 凛霞 >
「(さて、と……)」
端末を胸元に仕舞い、部屋のチェックをはじめる
倒れている連中はすぐには起きてこれない…多分、30分ぐらいはしないと
そういう角度で、急所を叩き伏せた
──これまで凛霞はどちらかといえば裏方担当
自分から乗り込んで制圧するよりは、後方支援を自ら買って出ることが多かった
あまり実力を表にひけらかすつもりもなかったけれど、
最近の出来事の中で少しだけ考え方が変わったのだった
「──島外…からの品物じゃないなぁ。
どこかに武器の製造工場でもあるとか…?」
箱の中の銃火器を物色しながら、うーんと唸る
伊都波 凛霞 >
もし武器の密造なんかをやってる違反部活が存在するなら、どこかにファクトリーは在るだろう
…そして今しがた制圧したこの組織が繋がっているとしたら、芋づる式に摘発もできるかもしれない
とりあえず部屋の写真と、報告をまとめて端末に打ち込んでおく
木箱から一丁のSMGを持ち出して、その細部を観察する
「──…精度は悪そう。
パーツは…殆ど3Dプリンター製かな。
…これだけあるってことは安価で、モノも良くはない、けど」
大量に流通すれば、それはそれで問題だろう
精度が悪かろうと、引鉄を引けばとりあえず人は殺せる
ご案内:「違反部活群/違反組織群」にツァラさんが現れました。<補足:白髪蒼眼の少年/外見年齢12歳154cm/白に赤基調の振袖、へそ出しの紫袴。和風っぽい服。>
ツァラ >
凛霞の視界の端を、青く光る蝶が飛んだ。
「わぁ、まずそうー。」
背後から、声高な少年の声が少女の耳に唐突に届いた。
振り向くならば、地下室のボロい釣り蛍光灯に照らされて、白い髪が揺れた。
にっこりと笑みを浮かべて、少年が立っている。
今の今まで居なかったはずの少年が、立っている。
倒れている他の連中とは、服装は似ておらず。
3Dプリンターは正に文明の利器そのものだ。
正しく運用すれば、それはある意味創造を可能にしているのではないかという程の。
細胞から人体組織、食物、思い描くままに創り上げる。
しかしやはり哀しいかな、その創るというのは戦いにも向いている。
余程のことが無ければ、寸分違うことなく、"完璧"に同じモノが再現される。
伊都波 凛霞 >
「──……」
蒼い、光る蝶々を視界の端に捉える
それと同時に背後から聞こえる、声
上に連絡した人手はまだ来るわけがないし、そもそも同僚の声を聞き違わない
直前に視た、どこか現実離れした光る蝶
そして、背後に接近されるまで自分が"普通の人間の気配"に気づかないわけがなかった
故に…、逆に驚いた様子は見せず
ゆっくりと振り返る
「……君は?」
笑みを浮かべる少年に問いかける
怪異に慣れ親しんだ凛霞は直感的に、少年が普通の人間ではないことを僅かながら感じ取っていた
今しがた制圧した、この違反組織とはあまり噛み合わない雰囲気
手元の粗悪品のSMGは、とりあえず降ろしておこう
どのみち、弾倉は空っぽだろうけれど
ツァラ >
少年は酷く人懐こい笑みを浮かべている。
武器にも特に怯えるでなく、まるで子供が公園で友達と遊んでいるかのように。
「初めましてーおねーさん。
ちょっと賑やかだったから遊びに来ちゃった。
あんまり驚かないんだねぇ?」
笑顔の左目の下、紅い涙型の宝石のような装飾が煌めく。
弧を描く瞳はこんな地下室には似合わない、青空のような。
この暑い夏の天を染める、澄んだ色をしていた。
少女が驚かないことに興味津々だ。
両手をひらひらとさせて何も持ってませんよーなんて、凛霞にアピール。
伊都波 凛霞 >
──青い蝶を視た時に、何かを感じたけれど
目の前の少年は敵意がないことを示すように両手を振っている
木箱に物騒な銃火器が詰め込まれ、数人の違反学生が倒れている状況
それを賑やかと称し遊びに来たと言う
場馴れした落第街の住人──という雰囲気もしないし、
そもそもこのビルの入り口は他の風紀委員んが封鎖している
「遊びに来るところ、でもないけど…。
そうだね。君みたいな子には、結構慣れてるからかな。…どうやって此処に入ったの?」
質問ばっかりでごめんね、と付け加えて、
こちらも敵意はないよと示すために銃を木箱の中へと戻した
ツァラ >
「あはは、慣れてるんだ。ここはけっこーおねーさんみたいなヒト、多いね?
普通はこんなことすると色々な反応してくれるから、とっても面白いんだけど。
どうやって? 僕は"どこにでも居てどこにも居ないよ"
まぁ、あんまり美味しくは無い場所だけど、ね。」
そういってぐるりと周りを見渡す。
隙だって見せ放題だ。
そのまま捕縛することだって出来てしまいそうに見えるぐらいに。
声変わりのしていない少年の声は無邪気のようでいて、
時々言葉を転がすように弄ぶ。
「おねーさんたちも、こんな所で銃いっぱい相手に何してるの?
まるで"警察ごっこ"でもしてるみたいなさ。」
伊都波 凛霞 >
「私みたいな人、ね…」
落第街は異邦人街にも比較的近い
スラムに住む異邦人も多いという話だ
怪異や、妖しといった類のものに慣れている人間は多いだろう
何処にでも居て、何処にも居ない…と話す少年
そして最初にかけられた言葉…『まずそう』という言葉に沿うような言葉が続く
少年が真面目に答えない…というよりは、会話の筋が噛み合わないことを感じ、そっと背後の箱の側面へと触れる
この箱は正面…すなわち、自分が箱の方向を向いている間、自分の背後を"視ていた"
手で触れれば──そっと異能を発動する
キーン…と金属を擦るような音が頭の中に響くと共に、"記憶"が再生される
ほんの僅か、数瞬前の浅い記憶…凛霞の背後の映像
そこに、何かしらの情報はあるだろうか
「視ての通り、捕物の直後。
警察ごっこっていうか、警察みたいなものだしね」
そう言って風紀委員と書かれた腕章をひらひらと見せる
ツァラ >
箱が"視ていた"記憶が映し出される。
一般的にサイコメトリーと称されるそれは、
便利な超能力である反面、とある危険が付きまとう。
それは、"混同"を起こす危険性。
読み取った記憶がまるで自分が経験したかのように感じ、
行き過ぎるとそれは混同を起こし、己が別人のように、その記憶のままに行動し始める。
そこに果たして……己はいるのか。
――とはいえ、数分程度の軽い記憶ならそんなことはある訳が無いだろう。
瞬きもしない箱の映し出した"記憶"は、
凛霞が視界の端に捉えた青い光の蝶が彼女の背後に集結し、少年の姿を成したモノだった。
蝶自体はどこからともなく、あるいは蛍光灯の燐光から、
あるいは重火器の落とす影から出て来ては、集まって来ていた。
「警察『みたいなもの?』
"子供なのに"警察みたいなことしてるの? 面白いね?」
この常世の島にいるならほとんどが知っていることを、さも知らないように少年は問う。
伊都波 凛霞 >
──指をそっと離し、記憶の残滓との接続を"切る"
少年の言葉は幻惑でもなんでもなく、ただただ、きっとそのままの言葉
あるいは説明のしようなどないのかもしれない
これは、報告書には視たままを書くしかないなあ、なんて内心思う
「面白い?うーん、確かにそう感じる人には感じるのかな。
この島で生まれ育ったりしてるともう普通なんだけど…」
世界的には非常に珍しい場所、かもしれない
彼がこの世界という枠組みの中で生まれた存在かどうかも、わからないが
「此処は学生…、まぁ君のいうような子供が主体で運営されている島、だからね」
だから私も警察みたいなこと、してるんだよと。優しく諭すような物言いをする
ツァラ >
「僕の知ってる警察ってさぁ、上にエラソーな大人が陣取って、
いかにも自分達が法ですみたいな顔で、同じ人間を取り締まってる感じかな。
"美味しい"ヒトも居るけど、結構一握りだなぁ。」
後ろ手に指を組み、コンコンとつま先でろくに掃除もされていない埃の転がる床を突く。
コロンコロンと下駄特有の音が地下室に響いた。
先程から少年はよく、"美味しい"、"不味い"と口にする。
何に対してかは計り切れるだろうか?
「不思議、不思議だねぇ。大人に見守られて育つはずの子供が大人の真似事をして、
子供どころか、人間には収まりきらない力を持って、
僕らみたいなのにも驚かず、まるで共存するような所。
『オダクン』は"並行世界"がどうとかって言ってたけど、ここまで変わるもんだね?」
伊都波 凛霞 >
場所に続いて、人もまた、彼の言葉から美味しい…といったような味を評する言葉が出る
仮に怪異や物の怪と仮定すれば、食事方法が違ったり、五感にだって差異があって然り
「それはその言葉通り、彼らが法に基づいて動いているからかもしれないね」
勿論少年が視てきたものの中には、権力を傘に着た者達もいたのかもしれない
「君がさっきから言ってる美味しい、まずそう…っていうのが何を指してるかはわからないけど。
つまり『そういう人達』は美味しくない部類に入るんだね」
そして此処も、まずそうだと評価していた
なんとなく、物理的な話ではないということだけは伝わってくる
「不思議かな?不思議かも。
同じ世界でも国境を踏み越えれば人の生活なんて色々変わっていく、言葉も通じないくらい。
そもそも世界が違ったら、それこそどう変わっててもおかしくないんじゃないかな?」
言葉を述べつつ、倒れている違反学生の手に枷をかけはじめる
もうじき彼らも目が覚めるだろう。計算通りなら、あと十数分
「君がどういう世界から流れてきたかは知らないけど。
この島にはきっと君が『美味しい』と感じるものもたくさんあるんじゃないかな。
あんまりヘンなところに行かないようにだけして、あちこち歩きまわってみるといいよ」
そんな言葉をかける
そこまで言うのは…少年がこの場所を指して不味そう、と
そして悪い印象を持っているであろう警察の人間を美味しいと評さなかったこと
背中を見せて、仕事に移ったのも、少年の佇まいに在る種の信頼を覚えたからかもしれない
ツァラ >
「警察ってやっぱりさ、キホン的には哀しいコトが起きないと動かないんだよね。
普段から防犯装置として機能はしてても、真価を発揮するのはそういう時。
だからキミたち、おねーさんたちが"美味しくなる時"って、お仕事中はやっぱり少ないよね。」
自分から視線を外して仕事を再開するのを見ると、
少年は地面に伏せられている1人の背にぽすっと腰かけた。
そりゃあもう、その生き物がまるでその辺の椅子かのように。
その衝撃で相手が起きそうになるのを見ると、顔の近くに青く光る蝶がやって来て、
再びその身体からは力が失われていく。
にこっと笑みを浮かべた。
「仮にも聞きなれた言葉を聞いて、"同じ国だと呼ばれてる"とさ、
差異は結構気になったりしない? 僕はそんなかんじー。」
もしその腰かけているのに枷をかけにかかるなら立ち上がるだろう。
「あれ、警察みたいなコトしてるのなら、
"こんなところ"にいる僕を捕まえたり保護したりしないんだ。」
伊都波 凛霞 >
「そうだね。起こってから動くのが基本。
でも『起こったら動く』ことがわかってるから、抑止力にも一応なってるんだよ」
今度は美味しくなる時、ときた
つまり状態によって彼にとっての美味しさは変わるらしい
倒れている男の背中に腰掛ける様子に あーだめだよ、警告する
言わんこともなければ男が起き出し…青く光る蝶に導かれるようにして、再び倒れ伏した
最初に視たものと同じ蝶、少年の力か何か…なのだろう
一応男が生きているかどうかだけは確認しなければならないので首元にそっと触れる
「うーん。そういうこともあるかもね。
私は生まれた時からずっとこの島にいるから、あんまりわかんないけど」
手枷を掛け終えれば、ふぅと一息
「ん。保護の要請があるならするけど、強制はしないよ。
異邦の人には色々事情があることも多いし、キミがこの組織の一員とも思えない。
そもそも、コレでキミのこと拘束できないでしょ。多分」
言いながら、笑顔で手錠をくるくると回してみせた
ツァラ >
「あー大丈夫、生きてる生きてる。
殺そうと思うともっともっと苦しんでもらわないとだけど、そういうのは不味いもん。」
生命確認をすれば、全くもって弱ってる様子も無いだろう。
まぁ凛霞が与えたダメージに寄る所はあるとは思うが。
少年はうえーと舌を出してぺっぺとする真似をしている。
青く光る蝶は、少年の瞳と同じ色。
オオルリアゲハのような鮮やかな青色。
その蝶を見ると幸せになれるという。
「そっか、割と寛大なんだねぇキミたちって。
大人と子供の差が無い故なのかな。
んふふ、確かにソレでは捕まえられないかもね?
こんな世界だから捕まえる方法はいっぱいありそうだけどサ。」
少女の笑みに輪唱するように、きゃっきゃと笑い返した。
「もーそろそろ、おねーさんのお仲間さんが来るのかな?」
伊都波 凛霞 >
「ふーん…苦しいのはおいしくないんだ?
じゃあ逆に、楽しいのが美味しいのかな」
なんとなくアタリをつけてみる
人差し指を立てて、どう?そうなんじゃない? といった感じに笑って見せて
「どうかな。私は割とゆるゆるなところあるけど、
他の風紀委員だったら、もしかしたらこうはいかないかもね」
そう言うと今度は苦笑
話している間にコロコロと表情が変わるけれど、基本的に笑顔が多く見られる
「と…そうだね」
少年との会話に興じながら、感覚を張り直すと知った気配が近づいてくる
いつもスリーマンセルで活動する二人の気配は間違わない
「私より堅物さんが来るから、隠れるか帰ったほうがいいかもね?」
ツァラ >
「楽しいのはキホン的に美味しいねー。
でも、楽しいのに味が微妙に違ったりするから、美味しいとも限らなかったりするけどね?」
ぱちぱち、と正解に近づいたのに拍手を送った。
けれど、それは全て正解とも限らない、そんな言葉遊びを繰り返す。
足音が段々と近づいてくる。
ひらひらと、凛霞が幾度か見た蝶が辺りを舞う。
こんな地下室で、こんなにも寂れた場所で、幻想的に、
それはまるで異界の光景のように。
「ふふ、じゃーそうしよっと。
じゃあおねーさん、今度は美味しい時にでも……ね?」
少年が足元から蝶になって散っていく。
凛霞と組んでいる風紀委員が現着する頃には、その蝶も空中に溶けて消えた後だった。
『"僕は幸せの祟り神"、またね?』
少女の耳に少年の鈴のような声が響いた。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」からツァラさんが去りました。<補足:白髪蒼眼の少年/外見年齢12歳154cm/白に赤基調の振袖、へそ出しの紫袴。和風っぽい服。>
伊都波 凛霞 >
「あ、名前───」
聞いておけば良かったかな。と蝶を追いかけるように手を伸ばす
やがてそれが虚空に消え去れば、部屋はシン…と静まり返って
「…今度は美味しい時、かー……」
不思議な子だったなー、と思いつつ報告内容を脳内で反芻し纏める
彼のことについては…まぁ視たままに報告するしかないね。と改めて
「(──報告書に憶測を書いても仕方がないしね)」
足音が近づいてくる
『幸せの祟り神』
最後に響いた少年の声
ただの可愛らしい妖し、というわけでもなさそうだなあ…
そんなことを考えながら、ようやく合流した同僚二人と、現場の作業に戻るのだった
ご案内:「違反部活群/違反組織群」から伊都波 凛霞さんが去りました。<補足:風紀委員。焦茶の長いポニーテールに焦茶の瞳。制服姿>