2020/08/15 のログ
ご案内:「レイチェルの自室」にレイチェルさんが現れました。<補足:金髪の長耳少女。パジャマを着用。>
レイチェル >
シャワーを浴びて、髪を乾かした後。
机の上に置いてある色褪せたネコマニャンのぬいぐるみを
手に取ると、レイチェルはベッドへ横になった。
「ジェレミア、頑張って欲しいなぁ……」
境遇を考えると、他人の気がしない。
ただその起源は、似ているようで全く異なる。
ただ、引き金を引いたのが、自身の意志か。或いは、異能の力か。
それは、大きな差だと、レイチェルは考えていた。
彼の行く末を、見守っていきたいものだ。
そのことを改めて胸に刻んだレイチェルは、窓から見る星を、見上げる。
落第街で華霧と再会したのも、こんな星空だったっけ、と。
一人口元を優しく緩めながら、レイチェルはネコマニャンと一緒に星を見ていた。
レイチェル >
あの日のことを、振り返る。
あの日、星空の下で自らが言い放った言葉。
たった一言だけ口にした、レイチェルの我儘。本当の気持ち。
それは、『一緒に未来を生きたい』という我儘だった。
あれは、レイチェル自身の想いをそのまま、口にした言葉だった。
今にしても、それは偽りのない気持ちだと胸を張って言える。
しかし、その奥底にあるものには、自分自身でも気づいていなかった。
「……オレが華霧に感じてる『好き』って、やっぱり――」
レイチェルは、その白い両腕をピンと伸ばし、
両手で掴んだネコマニャンのぬいぐるみと正面から向き合うと、ぽつり、と口から漏らす。
続く言葉は、呟くように、小さく。
隣に誰か立っていたとしても、きっと聞こえないくらいに小さく。
聞こえていたとしたらそれはきっと、レイチェルと神様だけ。
「――『そういう』こと、なのかな?」
レイチェル >
長年使われて、くたびれてぐったりとしたネコマニャンは何も答えず、
ただじっとその大きな瞳で、レイチェルを見つめているのみ。
輝く月と星空だけがただ静かに、彼女の悩める胸中を照らしていた。
分からぬまま、もやもやとした感情が、レイチェルの中に溢れてくる。
そして思わず、ネコマニャンのぬいぐるみをぎゅっと抱きしめるのだった。
「……早く、会いたいな」
彼女と会って、話がしたい。色んなことを、知りたい。
居場所になると、そう決めたから。
その後も物思いに耽り、星空を眺めたその後で。
レイチェルはネコマニャンと共に、布団の中に潜ったのだった。
輝く星を散りばめた夜は、ゆっくりと更けていく――。
ご案内:「レイチェルの自室」からレイチェルさんが去りました。<補足:金髪の長耳少女。パジャマを着用。>