2020/08/18 のログ
ご案内:「歓楽街」に葉山翔一さんが現れました。<補足:ざんばら頭/着崩した制服  リミット0時>
葉山翔一 > 普段は商売か仕入れの二択でしか来ることのない歓楽街。
偶には純粋に何かを楽しもうとやってくるが…そうすると案外何をしていいか浮かばない。
普段よく顔を出すゲームセンターもつい仕入れをかんがえてしまうので足を運ばず。
かと言って露店を眺めればこれは売れそうとやはり考えてしまう。

「やばいな……遊ぶってのが……」

時々に遊びに行く以外、何をしていいか浮かばないという絶望。
折角真っ当な学生になったのに学生らしい遊びが浮かばない事に肩が落ち。
どうしたものかと困った顔で壁に背を預けて空を見上げる。

ご案内:「歓楽街」に紅葉さんが現れました。<補足:薄手のインナーに肩出しジャケット、スキニーパンツ>
紅葉 >  
落胆するあなたの前に一人の女性が歩み寄る。
女性にしては長身で、すらっと伸びた足をより長く見せるパンツスタイル。
柔和な印象を与える糸目が特徴的なその顔には微笑を湛えている。

「なんやの、そない浮かん顔して。嫌(や)な事でもあったん?」

訛り気味の口調も相俟って、かなり気安い様子で喋りかけてきた。
うっすら頬が紅潮し、近くに寄ると酒臭いのが分かるだろう。

葉山翔一 > 今まで生きるのにそれなりに必死だったとはいえ遊び方がほぼ判らないというのは致命的。
かと言い唐突に知り合いにメールを飛ばすのも流石に悪いという常識程度はあり。
マジで困っていると急に声をかけられ視線を移し。

「ん、いやな。ちょっとある事が判ってショックを受けてる…だな」

失礼とは思いつつも上から下と見れば女性としてはそこそこの身長。
パンツスタイルがよく似合う女性。
見覚えのない顔は薄く赤く見え、酒の匂いに酔っているとみてしまう。

紅葉 >  
じっくり見られても気にしないどころか、むしろ胸元を強調するように腕を組んでみせる。
肩を出した服装でこの歓楽街を歩いている辺り自覚はあるのだろう。
あなたの返答を聞いて、もともと細い目がさらに細まった気がした。

「何があったかは知らんけど、そら災難やなぁ。
 愚痴なら聞いたるで? こう見えて、うち"かうんせらぁ"やさかい」

言いながら、お猪口を持つような手の動きでクイッと。
嫌な事は飲んで忘れようとでも言わんばかりだ。

葉山翔一 > 胸を見せつけるように腕を組まれると見るのは礼儀を見てしまい。
肩が出た服装は大胆だとは思うが歓楽街ではいたって普通に見え。
細く見える目が更に細くなれば何だ、と言うように見返し。

「災難というよりは情けないって感じだよ。
……あぁ、カウンセラーか。それはつまり…一杯奢れってことか?」

手の動きがお猪口を持つような動きに見え。
もしかして酒か?と苦笑を浮かべてはそれで良いなら一本ぐらい買ってもと思いながら聞いてみる。

紅葉 >  
「んふ、話の分かるニイさんは好きやで♪」

その言葉を聞いた女性は見るからに上機嫌になった。
両手を合わせ、首と一緒に小さく傾けて喜ぶ。
少女がやるような仕草だが、不思議と様になっている。

「ほな、あっちの店でも行こか。その前に自己紹介せなな。
 うちは紅葉と書いてクレハ、よろしゅう♪」

通り沿いにある飲み屋を指差しながらそう名乗った。

葉山翔一 > 「この辺りじゃ似たようなのはよく見るんだよな…」

アレとかな、と視線を移すと誰かに酒を集っている酔っ払い。
アレに比べれば余程にいいと喜ぶ女性に視線を戻し。
背は似たぐらいだが仕草に違和感が全くない事が少々気にはなるが会えて聞かず。
女性にそう言う事を聞くと大抵は地雷だと学んでいるだけに。

「言っとくが一杯だけだからな。後俺は飲めないぞ。
俺は葉山だ、よよろしくでいいのか……」

名前を聞くとつい律義に名乗り返してしまい。
指差された飲み屋に目を向ければ早速と連れたって向かい、入店し丁度良く席があればすぐさまにキープをして。

紅葉 >  
「くっふふ……まぁせやね。あんたはん運がエエで♪」

そこら辺の酔っ払いと一緒にされても動じない。なにせ同じ酔っ払いだ。
そちらが特に触れなければ、こちらも特に年齢の話はしない。

「あ、でも落ち込んどるんが気ぃなって声かけたんは本当やで?
 一杯でも十分やさかい。葉山はんも呑んでったらええのに」

くつくつと笑いながら飲み屋の暖簾をくぐる。
席に着いてからの動作にも無駄がない。てきぱきとお通し用の小皿などを並べていく。

葉山翔一 > 運が良いと言われると一瞬何がと思い、次には笑ってしまう。

「確かに俺は運がいいな。変なのに絡まれないだけ運がいい」

別の酔っぱらいに絡まれるのはしぶとく絡まれている。
あれを見れば自分は確かに運が良いと納得してしまう。

「それはありがとうな。しかし…この辺りだと珍しいな、そういうの。
酔いつぶしてとか変に考えれたらいやだからな、一杯だけだ。
未成年に酒を勧めるなよ」

この辺りで年齢を気にするのは風紀ぐらいだが一応そう告げ。
無駄お通しを並べていく店員い感心しつつも女性にメニューを差し出し好きに頼んでくれと。

紅葉 >  
差し出されたメニューを開きつつ、珍しいと言われればまた笑う。

「言うたやろ、うち"かうんせらぁ"やって。
 せやから職業柄っちゅうんやろか、悩める若者はほっとけないんよ」

悩める若者を飲みに誘うカウンセラーがどこにいるというのか。
未成年だと言われても、ええやんちょっとくらい……と食い下がってくる。

「くふふ、うちのこと酔い潰せたら大したもんやで」

よほど酒の強さに自信があるのか、不敵な笑みを浮かべながらメニューに目を通す。
それから少し悩んで、カシスオレンジと鶏唐揚げを注文した。

葉山翔一 > 「真っ当なカウンセラーがこんな所に居ると思えないんだが…?
どう見ても酒を集りに来たって感じに思えてな」

それなら飲みに誘うのはおかしいだろうという呆れ目。
何だろう、時折に部屋に転がり込んでくる用心棒と同じ空気を女性から感じて。

「先に財布が空になるからしないっての。
で、話を聞いてくれるんだよな?」

女性の注文が終われば簡単にコーラと枝豆を頼んで店員を遠ざけ。
悩んでいた事、悲しい事に年頃の遊びが浮かばなかった事を話していく。

紅葉 >  
「ええやん趣味で呑むくらい。"かうんせらぁ"かて人間なんやし」

などと言って口を尖らせてみたりする。
既にうっすら酔っているせいか、いちいち子供っぽい。
しかし、話が始まればグラスを傾けながら静かに聴いていた。

「……なるほどなぁ。けっこう多いんよ、そういう相談。
 ほら、この島って店の経営も生徒がやっとったりするやろ?」

常世学園における部活動は一般的な教育機関のそれではない。
学生が店を構えることも珍しくはなく、社会人としての生活を余儀なくされる。

「遊ぶっちゅう事を知らんまま来てもうて、いざ休みもろても何したらええか分からん……ってな。
 あんたはんもそういうクチやろか?」

葉山翔一 > 「カウンセリングを酔ってやるのが問題だと思わないか…?」

呑むのは否定しないがそれで話を聞けるのかと疑いの目。
しかも仕草が酔っているせいもあるのか子供っぽくどうにも信用しきれず。
それはそれでまあいいかと流せば相談を始めて。

「俺も店はまあ…やってるからな。
やっぱその類になる訳か?」

この手の相談が多いと聞くとそうなのかとつい聞き返し。
真っ当な生徒だけでなく二級生徒も店を持っているのは歓楽街や落第街ではある事。
まさかその一人に自分が入っているという自覚はなかっただけに。

「まさにそれだよ。知り合いと行く時には色々と行くんだが…。
一人になるとさっぱりなんだよな。それで悩んでた」

そう言えばコーラに口をつけて合っていると返して。

紅葉 >  
「うちは酒が入っとらんと調子出ぇへんから、これでええんよ」

揚げたての唐揚げを口へ運び、脂っぽくなったところにカシスオレンジの酸味が通り抜けていく。
一杯きりなので大事に呑んでいるようだ。

「人と遊ぶんはまた楽しみ方がちゃうもんなぁ。まいど予定が合うとも限らんし。
 この辺も、あんまし一人遊びには向いてへん場所ばっかりやしなぁ」

ゲームセンターやカラオケボックス等、どれも基本は複数人で来るようなものばかり。
ギャンブルや風俗であれば一人でも楽しめるが……教師としてそれは勧められない。
それに、ここまでの反応からして女遊びに興じるタイプでもなさそうだ。

「うちがいつも言うとるんは、無理に外で遊ぼうとせんでもええっちゅうことやな。
 なんか一人で打ち込める趣味とか探してみるのもええで?」

友達と予定が合わない時、なんとなく手持ち無沙汰な時……
そんな時に暇を潰せる趣味があれば退屈せずに済むからだ。
ちなみに、紅葉にとっては飲酒がそれに当たる。だめな大人である。

葉山翔一 > 「何かで見たアル中ドクターか何かか…?」

確か漫画何かでそう言うのを見た事を思い出し女性を眺め。
唐揚げを口に運び酒を飲む姿はとてもそうは見えない、失礼ながら…。

「それなんだよな。無理に振り回すのは趣味じゃないからね。
この辺は仕入れで来るのがメインだったからなぁ…」

ゲームセンターや露店巡りは楽しむよりも商品の仕入れがメイン。
カラオケは行った事はないがよく考えれば歌はほとんど知らない。
ギャンブルに関しては無駄と考え、風俗は態々行かなくても当てはあったりする。

「無理に外でか……それだと寝て過ごすになるんだよな。
一人で打ち込めるか…そう言う考えがあったか」

そこは盲点だったと一人でできる事までは考えが回っていなく。
一人でやるには何がいいだろうかと、枝豆を摘みながら考えて。

紅葉 >  
「……それに、相談する側と一緒に呑むんも決して無駄やないんやで?」

テーブルに頬杖をついて見上げるような姿勢。
薄く開かれた睫毛の下からは真紅のがちらりと覗いている。

「酔うと気持ちが大きくなって……普段言わん本音が口から漏れたりするさかい。
 酒の力を借りる、って言うやん? 一種の薬みたいなもんや」

先程から酒を勧めてきたのにはそういう理由もあったらしい。
とはいえ強要はしない。気持ちよく飲めない酒に意味はないのだ。

「ま、個人の趣味にまで口出しはせぇへんよ。
 それこそ、あちこち回って探してみるのもええかもな。
 意外なところで一生もんの趣味と出会えるかもしれへんよ」

そう言って、アドバイスは終わりだとばかりに残った酒を一気に呷る。

葉山翔一 > 「……それは少しは納得できたよ」

酒とジュースという違いがあるがこういう席で出なければ離せない事も確かにある。
酔っているのに真面目な言葉に見返すと薄く開かれた睫毛の奥に真紅が見え。

「そう言うもんなのか?俺はそこまでそんな事がないからな…。
酒の力を借りたら酷い間違いをやりそうな気がするんだよな」

つい時々飲んでいる事を口にしてしまい、理由を聞けば納得も出来るは同時に酷い失敗もしそうな予感。

「そこまで言われたら俺も困るって。
でもまあ……助かったよ。少し探してみる事にするな。
それで一生ものの趣味と出会えたら最高なんだけどな」

違いないと笑えばいつの間にか空になっていた枝豆の容器をおし、コーラを飲みつくして。

紅葉 >  
「そん時ゃそん時、酒の勢いってことで笑い話にしたらええ。
 なんなら今度は相談なしのサシ呑みでもええんやで?」

くつくつと笑って、飲めそうな気配に口角を上げた。
お互いグラスが空いたところでテーブルを片付け始める。

「くふふ、うちの方こそ奢ってもらっておおきに♪」

おつまみ代は勘定に含まれていないので、お札を一枚置いていく。
釣りはええからまた付き合うてな、と言い残して店を後にした。
すぐに追いかけたとしても付近に彼女の姿はなく、視界の隅を淡く光る蝶が一匹、ひらひらと舞っているだけだ。

ご案内:「歓楽街」から紅葉さんが去りました。<補足:薄手のインナーに肩出しジャケット、スキニーパンツ>
葉山翔一 > 「その時はそれでいいんだけどな。素面になったら恥ずかしいだろ。
…次は奢らないからな?」

今日は話を聞いてもらったから奢るんだと告げ。
グラスが空になってしまえばお開きの合図。

「話を聞いてもらって何もなしってのも悪いしな。
って、俺は奢るって話だろ」

置かれたお札に慌てて店を出る女性を追うがその姿は見つけられず。
目に付いたのこの場では珍しい蝶の姿。
この金は次に会った時に返そうと考え支払いを済ませれば塒へと戻っていき。

ご案内:「歓楽街」から葉山翔一さんが去りました。<補足:ざんばら頭/着崩した制服  リミット0時>