2015/06/14 - 01:04~02:21 のログ
ご案内:「◆速度Free(違法描写注意)3」に秋尾 鬨堂さんが現れました。<補足:悪魔のLと呼ばれたマシンを操るドライバー。踏んでいける男>
秋尾 鬨堂 > 環状線、内回り――。
この常世島には、主に物流を目的としたハイウェイが何本も通っている。
鉄道だけでは賄い切れない需要を、張り巡らされた道路が補う。
特に忙しないのが、島中心部の学園地区まわり。
物資を中央に送るべく、学園地区と各地区を繋ぐバイパスラインも活発だ。
図式としては、学園地区をグルッと囲む環状高速道路があり。
そして、島全体を一周する環状道路が、その外側にある。
2つの輪をつなぐのは、鉄道のカバーしにくい峠道など。
その二本の環状線内側、どの時間帯にも比較的混んでいる道を―流している。
秋尾 鬨堂 > 「さーて…事故渋滞はナシ、星は見える」
良いコンディションだ。
スムーズに道が流れている。
まだ午前一時過ぎ、煽ってくるクルマは少ない。
クルーズ速度で、時折休憩を挟みながら。
気持ちは切れないが、ノるための何かは、まだ足りない。
…そう考えると、サービスエリアの看板が左手に見えてくる。
ちょうどいいところか。
秋尾 鬨堂 > ―――研究区、這沢サービスエリア。その中の喫茶スペース。
水出しの薄いコーヒーを手にこうして座っていると、
まるで気の抜けた雰囲気に呑まれそうになる。
うつ伏せに仮眠している男は、身なりからして仕事帰りか。
友達に電話で彼氏の愚痴をまくし立てる若い女は、その熱気だけが浮いている。
ちらりと横目で見ても、楽しい物じゃない。
何に落胆している?
当たり前の光景。
何に期待していれば、それを受け入れられない。
誰を待っている?
秋尾 鬨堂 > 『踏める』誰かを。
そして、その誰かを魅了する、『踏ませる』マシンを。
誰と示し会わせるでもなく、ただ惹かれ合うままに。
待っているとでも云うのだろうか。
「…ちょっと、感傷的すぎるかナ」
スティックの砂糖をざらざらと入れて、マドラーでかき混ぜつつ。
甘い。
秋尾 鬨堂 > 休憩の時間は終わり。
また、環状線を走り続けていれば。
あの馬力に、悪魔のトルクに乗り続けていれば。
いずれ追い付いてくる者は現れる。
ここはそういうところだから。
ご案内:「◆速度Free(違法描写注意)3」から秋尾 鬨堂さんが去りました。<補足:悪魔のLと呼ばれたマシンを操るドライバー。踏んでいける男>