2020/09/05 のログ
ご案内:「委員会街・風紀委員会本庁地下勾留室」に織機 雪兎さんが現れました。<補足:風紀委員の制服、腕章、黒タイツ、伊達メガネ。>
織機 雪兎 >
「ひいいいいあああああああああ!!!」
地下拘留室に情けない悲鳴が響く。
続いてドンドンドン!と扉を連打する音。
その音のかき消されて聞こえ辛いが、拘留室にはカサカサカサ、と割と聞きたくない音が大量に聞こえてくるだろう。
「やばいやばいやばいって! 開けて!! たすけて!!!」
背中にボンベを背負い、ガスマスクを装着した少女――織機雪兎がわめいている。
ムカデの大発生が起きた地下拘留所、そこのムカデ駆除に駆り出された――と言うか様々なミスの帳消しと引き換えに押し付けられたのだ。
ムカデ駆除ぐらいなら、と思って向かってみれば、予想の二十倍くらいムカデが居た。
半狂乱で地上へ至る扉――どうやら向こうから抑えられているらしい――を連打し、ドアノブをガチャガチャガチャ!と回す。
織機 雪兎 >
「ガサガサ! ガサガサいってるううううううううううううう!!!!」
背後から聞こえてくるあまり聞きたくない音の大合唱。
必死でガチャガチャガチャ!!!!とドアノブを回して全力で押すも、向こうからガッチリと押さえつけられていてビクともしない。
ドアの向こうからは『殺虫剤持たせただろ!!さっさと殺せ!!』『ガスマスクと酸素ボンベも持たせただろ!!早く殺せ!!』などと同じように必死な声も聞こえる。
「あ、ああ、ああああああ!!!!」
その声を聞いて思い出したかのように殺虫剤の噴霧器を取り出す。
いや取り出せない。
両手が、いや全身がガクガクと震えていて思うように動かない。
甘かった。
精々十匹程度のムカデを退治すればここ最近のミスが帳消しになると嬉々として飛びついたのだが、まさかこんな三桁に届こうと言う数のムカデを相手することになるとは。
「あああ!! あああああ!!!」
ガラン、と噴霧器を取り落とす。
慌てて拾おうとしたらムカデがわさわさと這い寄って来て、慌てて立ち上がる。
背中の殺虫剤のボンベに繋がったチューブを引っ張って、やっとこさ唯一の武器を手中に収めた。
織機 雪兎 >
「こ、ころして……ころして!!!!」
もう四分の三狂乱である。
噴霧器のトリガーに指こそかけているものの、それを引くだけの指の力が入らない。
楽になりたいと言う気持ちから思わず口から漏れた言葉には『お前が殺すんだよ!!』と背後の扉の向こうからの声。
「んぐ、えぅ、あああおう!!」
吐きそうになるも、ガスマスクをした状態で吐いたら大変なことになってしまう。
がたがたと震える手で噴霧器を構えるも、一体どこへ向けて放てばいいのか。
正直密室なので何も考えず引き金を引けばいいのだが、正気度が残り五ぐらいの状態ではその判断が出来ない。
ご案内:「委員会街・風紀委員会本庁地下勾留室」に日下 葵さんが現れました。<補足:黒髪 風紀委員の制服 コンバットナイフ ブレスレット>
ご案内:「委員会街・風紀委員会本庁地下勾留室」に燈上 蛍さんが現れました。<補足:【とうじょう ほたる】青交じりの黒髪に紅橙眼の青年/18歳184cm。髪を編み込んで白い彼岸花を髪に差している。風紀委員の制服に腕章。>
日下 葵 > 「現場ってここです?
はぁ、すでに先に別の委員が処理にあたっている?」
『あのポンコツ中で逃げ回ってばっかりで全然作業進まないんスよ!』
ムカデが大量に発生したという情報があった。
そこに応援に行ってくれと上司に言われて訪れたのがここ。
扉の向こうからは何か映画でしか聞いたことの無いような悲惨な声が聞こえていた。
(この声って雪兎さんですよねえ……)
自分と一緒に応援に来た風紀委員をちらりと横目に見て、ガスマスクをつける。
彼がガスマスクを着用するのを確認して、扉を開けてもらう>
燈上 蛍 >
応援に行ってくれと言われた人間その2である。
風紀委員ってこういう事もするんですねと思ったのは内緒。
白い花を頭につけた長身の青年は、憂いの表情に紅橙眼を細め、
指示に従ってガスマスクを装着している。
「……開けても大丈夫ですか、これは。」
安易に開けたら悲鳴の主と一緒にムカデ漏れてこない? 大丈夫??
一応許可が出れば、冷静に開ける男ではあるが…。
織機 雪兎 >
「あああああああ!?!?」
扉を背にガタガタ震えていれば、その扉が開く。
震える脚では身体を支えきれず、ごろんと仰向けに転がって。
ムカデは扉の向こうからの光から逃げるようにガサガサガサッと散会した。
「あ、ああ、あ――?」
ガスマスクを被った風紀が二人。
顔が見えないので誰だかわからない。
仰向けに転がったままその二つのガスマスクをぽかんと見上げていれば、
『閉めろ閉めろ!!どけ!!』
室内に蹴り転がされ、扉を閉められた。
「あああああ!!ああああああああああああ!!」
ムカデのような動きで地面を這いずりながら閉まった扉に縋り付いてダンダンダン!!と扉を叩く。
日下 葵 > 「……落ち着いてください。
あなたがムカデみたいな動きをするとうっかり間違って駆除してしまいそうです」
やっぱり雪兎さんだった。
フルフェイスマスクなので顔は見えなかったが、
動きと声でほぼ確信した。
地面を這う彼女をゴンッと軽く頭をどついて、
殺虫剤の噴霧器を構えた。
「えっと、燈上さんでしたっけ?
見ての通り彼女は色々限界そうですので、
私たちで駆除することになると思います」
よろしくお願いしますね。
と笑って、再度カサカサと這い寄ってくるムカデに殺虫剤を吹き付けていく>
燈上 蛍 >
光景に流石に一歩たたらを踏んだ。
虫にそこまで抵抗がある訳じゃないが、流石にこの量はヤバイ。
それに発狂している同年の子もヤバイ。
燃やした方が早いんじゃないかなんて思ったけれど、
ここは室内だ。冷静になろう。なりたい。
「ああ、ええ……最近刑事部へ配属になりました…。
燈上 蛍(とうじょう ほたる)です。」
思わず異能の本を出そうと髪に手を伸ばしかけたのを止めて、
殺虫剤のトリガーに手をかける。
「大丈夫でしょうか、彼女…。」
哀しくも一度出れたのに、
外の風紀委員によって戻されてしまった雪兎の状態を見て葵に聞く。
織機 雪兎 >
「あぁ。ああああ……」
扉が開かないことに絶望し、ずるずると扉に縋り付いたままペタリと座り込む。
ゴン、と頭を小突かれても頭が僅かに揺れる程度。
「ふえ、は、まもまも、せんぱ……?」
しかし知り合いの声を聞いて僅かに正気を取り戻す。
華麗に噴霧器を構える彼女と、もう一人知らない声の――恐らく男性――風紀委員をゆっくりと見て。
「うおおおおおおおおん!!」
泣き喚きながら葵に縋り付く。
足元をカサカサとムカデが走る。
「ひゃあああいああ!!!」
ずびゃび!と立ち上がって葵にがっちりとしがみ付いた。
日下 葵 > 「はい、葵です。
あなたの手伝いをしろといわれたものですから」
本当は私、刑事部なんだけどなぁと内心ため息。
虫すら殺せないのかこの後輩は。
とそちらにも呆れた表情を浮かべるが、その表情は見えないだろうし、
彼女が発狂しているのは虫の多さに対してだろう。
「彼女……織機さんはそのー…優しい子なので」
虫にも慈悲を感じてしまうんでしょうねえ。
なんてフォローをいれる。
フォローのつもりだ。
さて、さすがにこの量のムカデは想定外だなぁと思って這い寄るムカデに向き直る。
容赦なく殺虫剤を吹き付ける様子は落ち着いているように見えるが、
内心は驚きやら呆れやらいろいろごたついていた>
燈上 蛍 >
虫ってね、機敏な動きに対して反応する。
だからね…この3人の中でムカデが誰に対して一番反応するかというと…。
そう、葵に縋りついた発狂している彼女相手なのである。
ぐしゃぐしゃの顔であられもない声を上げて葵に引っ付いた同年の子に、
蛍は思わず仰け反ってしまった。
「……えぇ、まぁ、……そう、みたいですね…。」
女性に対して取る態度じゃないのは分かってはいるのだが…、
彼女に慣れていない側からすると、どうしても。
「しかし、数が多いですね……なんでまたこんなにわいたんでしょう…。」
ざっくりと殺虫剤を吹き付ければ、
それから逃げるように部屋を動き回る。
踏みそうになってガスマスクの奥の眉を顰めた。
日下 葵 > 「そうですねえ。
そんなに不衛生にしているようにも見えませんし」
自然発生にしては確かに数が多い。
私に引っ付いている雪兎さんがガクブルしているせいで
探さなくてもムカデが寄ってくる状況。
ムカデホイホイゆっきーなんて形容したらまた彼女の汚名が増えてしまうのだろうか。
「もし何か特別に原因があるなら根本的に原因をつぶす必要がありそうです」
ムカデに引いているのか雪兎さんに引いているのかわからない彼と談笑(談笑?)
しながら、手際よくムカデを駆除していく>
織機 雪兎 >
「ああ、あうあうあう」
二人が淡々とムカデを処理していくのを見て、ただひたすらガタガタ震えながら葵にしがみ付いている。
殺虫剤の効果でボトボト落ちてくるムカデを大げさな動きで葵にしがみ付いたまま避けて、それに反応して寄ってくるムカデからも逃げる。
葵にしがみ付いたままその周りをぐるぐるぐるぐる回っている自身の動きは、葵からしてみれば邪魔この上ないだろう。
「お、おり、おりは、織機、ゆき、ゆきと……ゆっ、ゆっきー……」
それでも初対面であろう蛍に対して自分の名前を告げる。
ガタガタ震えているし呂律が回っていない上にガスマスク越しなので酷く聞き取りづらいだろうが。
燈上 蛍 >
うーむ、混沌としている。
淡々と処理する葵、発狂している雪兎、それに引いている(?)蛍。
「え、えぇ……織機さん…よろしくお願いします……。」
どうにか名乗りを聞く。
先程も葵が名前を言ってくれていたのもあってなんとか認識できる。
しかしこれは談笑なのか?
談笑ととっていいのか?
「原因……巣みたいな発生源とか…あるんでしょうか……。」
逃げ回るように動き回る少女に殺虫剤をかけてしまわないように気を付ける。
日下 葵 > 「さぁ、どうなんでしょう?
私は虫に詳しくないので何ともわかりませんが、
駆除がひと段落したら別に調査してもらったほうが良いかもしれませんねえ」
再発したらどうせまた雪兎さんが何かのミスの帳消しで駆り出されるか、
私みたいな手の空いている風紀委員が駆り出されるかするのだろうから。
それにしても数が多い。
これ殺虫剤の量足りるのだろうか。
私一人のボンベでは間違いなく足りないだろう。
そうなったら彼女(ゆっきー)のボンベをブン取r…拝借することになるのだろうけど>
織機 雪兎 >
「お、ぉうふ、んんふ」
二人が淡々と冷静にムカデを駆除していく姿を見て、そして確実に数を減らしていく動くムカデを見て少しずつこちらも正気を取り戻していく。
がくがく全身を情けなく震わせながらも殺虫剤の噴霧器を手繰り寄せ、引き金を引いていく。
「な、なんか、こないだしゃふ、釈放した、おんなのこ、のあと、に、いきなり、だいひゃ、発生したらしい、けど……」
情けなく震える声で発生した経緯を説明。
いや経緯でも説明でもないのだが、自分も聞いた話なのでよくわからない。
へっぴり腰で殺虫剤を噴霧。
燈上 蛍 >
「…僕も専門外ですね。
本に載っているような知識なら多少はありますが……それにしてもこんな量は…。」
せいぜい毒がある、素肌を這われたら痛い。
それに光から逃げる負の走光性を持っているというぐらいだ。
細かい種類までは頭に入っていない。
「……なん…なんですって…?」
雪兎の言葉が聞き取れずに、近づいて少し中腰になった。
そこに、二人の間に、ムカデが上から強襲をかけた。
どこに落ちたかというと……哀しいかな、ムカデホイホイ状態の彼女の方に。
日下 葵 > 「釈放した直後に。なるほどねえ……」
さすがに慣れているのか、呂律が回っていない彼女の言葉を聞き取って見せる。
燈上さんの方は聞き取れなくて聞き返しているが。
もしその釈放された学生が原因となると、
異能や魔術で発生した可能性を視野に入れる必要が出てくるのか。
それが持続性のものだとすれば、
今私たちがこうして駆除をしても徒労に終わる可能性がある。
「おやおや、これはまた随分大物を引き寄せてくれました」
ドサッっと音がすれば、大層立派な大きさのムカデである。
ゆっきーの上に落ちてきたそれはまぁ……形容しがたいものだった。
ゆっきーに殺虫剤がかかることなんてお構いなく吹き付けるが、
身体の大きな虫は毒が効くまで時間がかかる。
耐えてくれ>
織機 雪兎 >
「しゃくひょ、釈放した、おんなの――」
もう一度同じセリフを言おうとしたら、ボトリと肩辺りに軽い衝撃。
がさがさと動き回っている感触。
ギギギ、とそちらを見れば、クソデカムカデが居た。
でっけぇ。
しばらくそれを眺めて、ギギギ、と二人の顔を見る。
織機 雪兎 >
「――あーーーーーーーーーーっ!! ああーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」
織機 雪兎 >
がちゃん、と噴霧器を取り落とし、大声。
余りのことに動くことすらままならず、へっぴり腰のまま両腕を軽く前方に突き出し、がくがくぶるぶる震えながら叫ぶ。
織機 雪兎 >
「あーーっ!!! あああーーーーーーっ!!!!! あぁーーーーーっあっあっあーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!!!!!」
織機 雪兎 >
中途半端な空気椅子みたいな体勢でひたすら叫ぶ。
燈上 蛍 >
「ああ、えぇ、釈放……し。」
漸く聞き取ろうとした時だったんだ。
黒くて細長いソレがもう やぁ! と言わんばかりに蛍と視線を合わせた。
「うわ、って、せんぱ、うわわっ」
流石に物静かな蛍からもある程度焦った声が出た。
いやそれ以上に冷静に殺虫剤を吹き付けている葵の方にも驚くが。
「あぁ、ぁ……ぁぁー…。」
クソデカムカデは……
どう足掻いても殺虫剤の効きが悪いとなれば、そう…逃げ回るのである。
叫ぶ少女の上を、逃げるのである。
嗚呼、南無。
この光景に蛍は固まるしか無かった。
地獄絵図かな?
日下 葵 > 「これは殺虫剤では効率が悪いですねえ……」
地獄絵図、と言われればこれが一例だろう。
一番の地獄を味わっているのは雪兎さんなんだろうけど。
さすがにこれには燈上さんも驚いたようで、
2人と1匹で仲良くお戯れのようだ。
固まる彼と逃げる1人と1匹の様子を見かねて、
一度噴霧器を仕舞って太ももからナイフを取り出して――
ザクリ。
ムカデの頭をナイフの先が落とす。
もちろん、頭を落とした程度で動きは止まらない、ので――
ザクリ、ザクリ、ザクリ。
ガスマスクをつけた風紀委員が巨大ムカデを刻んでいく。
「もう少しかかりそうなので、お二人で小さいのをお任せしても?」
そろそろ私の殺虫剤も切れそうですし。なんて>
織機 雪兎 >
ガサガサガサ!!!と苦しむムカデが暴れまわる。
肩の上で。
当然その感触は全て感じられて。
織機 雪兎 >
「あぁぁあああああああぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっ!!!!! あっ!! あっ!!!! あっああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!! あああああぁぁぁぁぁああっ!!!! あぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!」
織機 雪兎 >
動きに合わせて叫び声が跳ねる。
中腰の中途半端な空気椅子のような体勢のままで殺虫剤に塗れながら。
そのまま固まっていたら、ムカデの頭が落とされた。
ザクリと。
制服の肩にムカデの体液がびしゃりとまき散らされる。
「あ、あぁ、ああぁああぁ――――」
呆然としたままその様子を呆然と眺める。
そのまま言われた通りに殺虫剤をまき散らして。
言われたままに動くことで精神をギリギリ保っているような動き。
燈上 蛍 >
「 」
状況のせいで、思わずぽとぽとと地面に赤色が広がった。
それは、"赤い彼岸花"。
混乱で異能が発動するなんて思わなかった。
蛍にとっては赤い彼岸花は、火薬。
思わず火薬を生んでしまうほどの混乱だったようで。
なんだろうな、この状況。
日下 葵 > 「いやー、手こずりました。
この大きさになるとなかなか刃が通らないんですねえ」
何等分にしただろう。
綺麗に細切れになったムカデを足でどける。
細かいムカデは切るのは面倒だが、ここまで大きいと切ったほうが早いですねえ
なんていうと、二人の様子が悲惨だった。
ゆっきーは……いつも通りだ。
気になったのは燈上さんのほうだ。
「燈上さん?大丈夫ですか?」
グロテスクなのは苦手だったろうか、なんて今更の心配>
織機 雪兎 >
「 」
ガスマスクに隠れて見えないだろうが、その目は完全に死んでいる。
機械的に噴霧器の引き金を引いて殺虫剤をバラ撒いているだけだ。
ぶしゅーばしゅーとひたすら無言で。
「 」
ばしゅー。
ぶしゅー。
まだ動いているムカデを見付けてはそちらに噴霧器を向けて引き金を引く。
ばしゅー。
動いているムカデに噴霧器を向けて引き金を引く。
ぶしゅー。
動いているムカデに噴霧器を向けて引き金を引く。
ぼしゅー。
燈上 蛍 >
大丈夫ですかと聞かれて、意識が回復する。
「……す、すみません、散らかしてしまって…。」
落ちた彼岸花を足で寄せ集めながら、殺虫剤を撒く。
女性の方が咄嗟の場合に虫に対して強いというのはこういう状態なのだろうか。
いやそれにしたって『なかなか刃が通らない』では無いんだけど。
とりあえず雪兎の方も……なんというか、眼が座ってしまった。
「ええ、えぇ…大丈夫です…。」
日下 葵 > 「いえいえ、何か驚かせてしまったのかなと思いまして。
……こんなに大きなのが落ちてきたら驚くのも無理はないですよ」
そんな的外れな気遣いをする。
足元に広がる彼岸花。
恐らく彼の異能なのだろうが、何か引き金になったのだろうか。
「雪兎さんは大丈夫ですか?」
突然静かになってしまった彼女。
無言で殺虫剤を淡々と散布する彼女は一周不気味である>
織機 雪兎 >
動いているムカデに噴霧器を向けて引き金を引く。
ぶしゅー。
動いているムカデに噴霧器を向けて引き金を引く。
ばしゅー。
動いているムカデに噴霧器を向けて引き金を引く。
ぷしゅー。
動いていないムカデに噴霧器を向けて引き金を引く。
ぷすー。
動いていないムカデに噴霧器を向けて引き金を引く。
すかー。
もうとうに動いているムカデなどいないのに、ひたすら地面へ向けて殺虫剤がなくなった噴霧器の引き金を引いている。
「 」
問いかけには一切反応せず、ひたすらかちかちと引き金を引き続ける。
否、大丈夫かと聞かれて葵の方を見て、葵の顔に向けて引き金を引いている。
反応だけはしているようだ。
燈上 蛍 >
落ちた彼岸花はただの生花だ。
「ええまぁ、いろんな意味で驚いてしまって……。」
言及は避けた。
「僕よりも、彼女の方が大丈夫じゃないかと、思うんですが…。」
ムカデはもう粗方が殺虫剤により死がもたらされた。
床に大量にムカデと彼岸花が転がっている…。
それに向かってカチカチとトリガーを引き続けている彼女と葵を交互に見る。
日下 葵 > 「なるほど。まぁ絵面が絵面ですからね。
気分が悪くなったら休んでいても大丈夫ですよ」
自分の解体ショーが彼をそうさせているとは露知らず。
気遣いのポイントがズレているのは……今に始まったことではない。
「雪兎さん?それは私をからかっているんですか?」
彼女の噴霧器から噴き出すガスが髪を揺らす。
マスク越しの彼女の眼はとっくの昔に色を失ったようで、
特別揶揄っているとかではないのが見て取れた>
織機 雪兎 >
目の前の先輩に噴霧器を向けて引き金を引く。
ぷすー。
目の前の先輩に噴霧器を向けて引き金を引く。
ぽすー。
目の前の先輩に噴霧器を向けて引き金を引く。
ぺすー。
殺虫剤を押し出すガスだけが彼女の前髪を揺らして。
「 はっ!?」
正気に戻った。
かちかちと引き金を引いても殺虫剤が出てこないことに疑問を抱きつつ状況を確認するために後ろを振り返って、
「うわあああああああああああ!?!?!?!?」
大量のムカデの死体に驚いて葵に飛びついた。
燈上 蛍 >
急に出た叫び声にまた青年が仰け反った。
唐突な音が苦手なのかもしれない。
「ええまぁ、だい、じょうぶです……。
粗方ムカデは死んだみたいですし、後は片付けをするだけかと…。」
しかしまぁ量が量だから取りこぼしがありそうでならない。
これ…箒とチリトリで集めるんだろうか。
隙間から生きている個体が這い出てきそうでならない。
何か別の処理方法があれば良いのだが。
日下 葵 > 「そうですね、一旦はここで一区切りでしょうか。
殺虫剤も殆どなくなってしまいましたし」
足であらかたのムカデの死骸を集めると、
その量はなかなか悲惨な量になった。
今すぐ片付けられる量ではなさそうなムカデの山に、どうしたものかと立ち尽くす。
正気を取り戻して抱き着いている後輩にかまわず、
そのままずるずると後輩を一緒に出入口まで引き摺って行く。
「すみません、あらかた片付いたので、後片付けをお願いします」
扉の向こうで待っているであろう風紀委員に扉越しに声をかける>
織機 雪兎 >
「ひい、ひいいい」
尋常じゃない量のムカデの死骸に腰を抜かしている。
ずるずると引きずられていくが、途中でべちゃんと床にへばりつくように落ちた。
「は、はひ、たしゅ、たしゅけ」
そうして残った彼の方に助けを求める。
ムカデの死骸を避けつつ地面をずるずる這いずりながら彼の元へたどり着き、その脚に縋り付く。
ガクガクとマッサージ機のようなバイブレーションが彼の脚から伝わってくるだろう。
燈上 蛍 >
「あの、あんまり床に座ると死骸と殺虫剤が…とりあえず、立って…。」
最早今日が初対面ということすら彼女は忘れているのだろう。
死骸を避けたとしても、千切れた足とか落ちて居そうであるし、
何より殺虫剤の撒かれた床を這うのは肌によろしくない。
外で待機している風紀委員に声かけをしている葵を後目に、
脚に縋りついている雪兎にしゃがみ込み、手を取って立たせようとする。
「先輩、彼女はどうしましょう…。」
日下 葵 > 『ほ、本当に全部処理したのか?』
「処理しましたよ。
”大きいものは刻んであるので動きませんし”」
『お、おおきいのってなんだ!?』
「……いいから早く開けてください」
扉越しにビビってなかなか開けてくれない風紀委員に圧をかける。
恐る恐ると言った様子で開く扉。
「後片付けは他に任せて私たちは帰りましょうか。
ほら、雪兎さん。立ってください」
「すみません燈上さん、雪兎さんがそんな状態なので肩を貸してあげてください。
服も汚れてしまいましたし、さっさとシャワーでも浴びましょう」
それこそ肌が荒れてしまいます。
なんて言ってガスマスクを外した>
織機 雪兎 >
「あうあ、あうあうあうあう」
ガクガクと全身を震わせつつ、彼の手を掴んで立ち上がる。
ちなみにこの女、初対面であろうとそうでなかろうと誰に対してもだいたいこんな感じである。
「お、おぉ、ふぉおおぉぉおお」
ガクガクぶるぶる膝を残像が出来るほどに震わせつつ、ガスマスクを外す。
生まれたての小鹿とかどうとか言うレベルではない。
膝にモーターが仕込まれてるんじゃないだろうかと言うぐらい。
ずるずるとすり足でゆっくりと出口へ向かう。
燈上 蛍 >
「恐らく全部処理出来たはずです。」
開いた扉の向こうにそう声をかける。
何せ数が数故に、保証しきれないのだが…。
「…これ、肩を貸して歩けますかね……。
あぁ、"白"を外してから来れば良かったですね…。」
何かの怪異か? と言わんばかりに震えている彼女を見ながらガスマスクを外す。
「………。」
髪に差している白い彼岸花を軽く気にしてから。
「……、…織機さん、少し失礼します。」
ひょい、と少女を抱き上げた。
身長差、実に36cm。
蛍は細身とはいえ、流石にこの身長差と性別差があれば、持ち上げられるだろう。
暴れなければそのまま連れて行けるだろうか?
日下 葵 > 「まぁ、取りこぼしがあっても問題になる数ではないでしょう」
さすがに全部完璧にとなればそれなりの装備と人数をそろえる必要があるだろう。
マスクを外して宗谷っと満足に息ができるようになると、
髪をはらって二人をみやる。
「おお、さすがは男性と言った感じですねえ」
大柄な蛍さんと小柄な雪兎さんということもあって、
軽々と抱きかかえる様子を見て感心する。
まぁ、機械顔負けの震え方をしている雪兎さんを抱きかかえるのは
それなりに大変そうではあるが>
織機 雪兎 >
「わひゃぁ!?」
急に持ち上げられた。
これはもしかしてお姫様抱っこと言うやつでは?????
「ほは、ふひゅう……」
持ち上げられた瞬間震えが止まる。
胸の前で両手を抱えるように、脚はきゅっと縮こまらせて。
顔をちょっと赤らめつつ借りてきた猫のようにおとなしくなってしまった。
「ふぇ、あの、――ありがとうごじゃいまひゅ……」
消え入りそうな声。
燈上 蛍 >
「いえ、不快でしたら下ろしますので言ってください。」
雪兎を横抱きにすれば、ガスマスクを外した蛍の顔が間近に来る。
長めの黒髪に、うっすらと混じる青い髪。
紅橙眼は、静かに炎を湛えている。
そしてガスマスクで少しくしゃくしゃになってしまった、
髪に差された白い彼岸花。
「僕も殺虫剤を落としたい所ですし、上の仮眠室の所まで…。
確かあそこ、シャワーありましたよね…?」
そう葵に確認を取る。
日下 葵 > 「なかなか男前じゃあないですか。
雪兎さんもはや男前……じゃなくて一人前になれるといいですねえ」
どうにもこの後輩は現場が苦手らしい。
彼女らしいといえば彼女らしいので、
この抱きかかえられている光景も面白いものである。
「ええ、確かにあそこはシャワー室がありますから、そこへ行きますか。
雪兎さんを運ぶのは……せっかくですからお願いしましょうかね」
そう言って山積みにされたムカデの山を同僚たちに任せて、
我々は血やら粉末やらを落とすために仮眠室へ行くのであった>
ご案内:「委員会街・風紀委員会本庁地下勾留室」から燈上 蛍さんが去りました。<補足:【とうじょう ほたる】青交じりの黒髪に紅橙眼の青年/18歳184cm。髪を編み込んで白い彼岸花を髪に差している。風紀委員の制服に腕章。>
ご案内:「委員会街・風紀委員会本庁地下勾留室」から日下 葵さんが去りました。<補足:黒髪 風紀委員の制服 コンバットナイフ ブレスレット>
織機 雪兎 >
「わひゃい、しょんな、不快だなんてごにょごにょ」
お姫様抱っこなんてされたことが無かったのですっかり小さくなってしまっている。
その後は何か聞いてもごにょごにょとしか喋らず、シャワー室でも無言のままシャワーを浴びていたことだろう。
ちなみにミスは帳消しになったが、一人で解決できなかったと言うことで三分の一ほどしか減らなかったとかなんとか。
ご案内:「委員会街・風紀委員会本庁地下勾留室」から織機 雪兎さんが去りました。<補足:風紀委員の制服、腕章、黒タイツ、伊達メガネ。>