2020/09/09 のログ
ご案内:「宗教施設群-修道院」にオダ・エルネストさんが現れました。<補足:黒髪緑色の瞳/日本人離れした容姿/黒い祭服で黒川装丁の本を手にした青年【乱入歓迎】>
オダ・エルネスト >  
この修道院の管理者が不在で数日になる。
買い出しに行ったりなんなりしてる間に、誰かが来たような様子はあったが……。
運悪くすれ違っているらしい。
マリーが帰ってきていれば、まあ、なんか置き手紙とかあるだろうし。
彼女の布団を借りて寝泊まりした身としては夜に誰かが来れば分かるかなぁと待ってもいたのだが。


「……施療院の方に寝泊まりしてるのかも知れんが、一度は帰ってきてもいいような気はする」


鍵をかけに来るくらいはした方がいい。
魔術を使えばかけれないこともないだろうし、居住区を探せば合鍵くらいはあるかも知れん。

そんな風に黒い祭服をまだ来たまま青年が唸る。

しかし、そうして彼女を捕らえて"得する"ことはあるのだろうか。
個人的に思考してみてもない。

彼女は異邦人だとしても、正規学生の一年だ。
いくら放浪癖があり、あっちこっちなんでも手を伸ばすような損な性格をしてようと……あーなんかやっぱ単純に面倒事に捕まって帰ってきてない、そんな予測になる。

「どうしたものか……」

ここでボーッとするのも割と暇なところではある。

ご案内:「宗教施設群-修道院」に日月 輝さんが現れました。<補足:身長155cm/フリルとリボンにまみれた洋装/目隠しを着けている>
日月 輝 > 跳んで、飛んで、足を棒にするまでも無く異能を十全に用いて数日。
もしかしたら、ひょっこりと戻ってきているんじゃあないかと、期待をしなかったと言えば嘘になる。

「どうしたものかしら……」

あれからマリーは登校していない。
施術院の方にも顔を出していない。
明さんの言葉を疑う訳では無いけれど、いよいよと誰かに誘拐された説が色濃くなろうもの。
あたしには使えるコネが多くない。
当たり前よね。ただの学生で、ただのマリーの一友人だもの。
こうして悩んで、もう一度現場を見ておこうと立ち返って

「………あ?」

その修道院の中に、何処かで見たような誰かを視止めて、アイマスクの裏の視線が尖る。
確か、BBQの時に居た男だ。

「……アンタ、何してんの?」

自然と、声が尖る。

オダ・エルネスト >  
誰かが来たようだ、と黒川装丁の本を手に両腕を広げて歓待すればオダもそちらのことを思い出したのような雰囲気を出す。

「やぁ、確かBBQの時にいたマリーと親しげだった子か。
 覚えてるかな? 星条旗柄の格好をしていたんだが……少し地味だったか?」

ホッとしたような雰囲気で、よかったよかったと笑みを浮かべる。

「あの日はアルコールを入れていたのもあって、
 すまないが、君の名前をちゃんと覚えてないみたいだ。
 紳士としては、失格かな?」

ハッハッハッハ、と軽く笑った後に、一息ついて腕を下へ下げた。

 一転、真剣な顔と声色になる。


「何かと言われれば、家主が鍵もかけずに不在だったので不用心だと思ったのでな。
 留守番というところだ」

日月 輝 > 憶えているわ。アメリカ色の鷹揚な彼。
明さんの言っていたように"落ち着いて歩く人"。
彼女は言っていた。室内に争った痕跡は無いと、つまりは、顔見知りであると。

──こいつか。

「……」

笑う男に一歩、踏み込む。"体重はかけない"
そのまま、"体重をかけて"跳ぼうとして、その直前。
男の一転した様子に踏みとどまる。──とても、案じたように見えたから。

「……そうよね、不用心よね。でも……どうして貴方が留守番を?」

踏み止まって、普通に歩いて、彼に近づき言葉を重ねる。

「自主的に?それとも、誰かに頼まれて?」

アイマスクの裏の視線は、品定めるようなもの。

オダ・エルネスト >  
どうして、そんなの決まっているだろう。

「どうして、か……。
 『あんなバカ/戦友』でも帰ってくる場所が荒れてたら嫌だろう。

 だから、勝手にここを守護ってやろうと思っただけだよ―――」

とそこまで言って不敵な笑みを浮かべて続けた。

「――私は、強いからな」

不遜に言い放つ。 慢心から無防備なのか。
それでも自信に満ち満ちた声を響かせて、瞳を煌めかせる。


「今の私に出来るのは、彼女の帰る場所を守護ることくらいだ」

日月 輝 > 深呼吸をする。
彼ではないな、と思う。
よく、推理小説なんかでは犯人は現場に戻るなんて言われるけれど
そうであるなら、帰ってくる場所云々とは言わないものよね。
彼、確か。ええと、オダ何某さん。その言葉からしてマリーが数日不在な事を知っているみたいだし。

「御人好しね貴方──ええと、オダさん、だったかしら。
 お名前はお気になさらず。あたしもウロ覚えだったから。
 改めましてあたしは日月輝。お日様の日にお月様の月でたちもち、輝くと書いてあきら」

改めての自己紹介をし、もう一度呼気を吐く。
所謂"殺る気"というものはそれでおしまい。
この島において不遜な物言いが出来るというのなら、彼もきっと、一角の異能者であるのだから。
──明さんに曰く、卓越した魔術者か異能者が犯人。ともあるけれど。

「それで、守護ると仰るオダさんはさだめし腕に自信があると思うのだけど
 空間移動系の異能や魔術を得意とされていて?」

視線は彼の持つ黒革装丁の本へと向く。アイマスク越しであるから彼には判らないかもだけど。
違和感を少し感じるけれど……あれは、魔術書かしら?

オダ・エルネスト >  
「輝くと書いてあきら……いい名前だ」

親の顔を見て褒めちぎリたくなるほどだな、と内心思い何度も頷く。
名はその者を表わす。
言霊は呪いにもなるが、願われた名は祝福として与えられる。

「御人好しなのは、持つ者の特権だ。
 空間移動系の魔術か……使えないと言えば嘘になるが、
 六月に転入してきたばかりでな、今使ったら恐らく転移事故にしかならないから、使えないな」

まだ土地感もない、とぼやいて苦笑する。
卓越した魔術師――世界魔術協会の本部とコネがあれば、魔女や魔術の秘奥を扱う大学の教授にオダを知る者が何人か居る――なのは間違いではない。
彼は異能と魔導によってその人生を歩んできた。
閑話休題。

コホン、と一息ついて。

「私も改めて、名乗ろう。
 私は、オダ。 オダ・エルネスト。
 マリーとは地獄の苦しみを共にした戦友の一人だ」

そう言えば、ゆっくりと右手をそちらへと伸ばし握手を求めた。

「私は、先日の雨の日の晩に一度来た時からマリーを見ていないのだが、
 輝はマリーの姿をどこかで確認してないかな? 流石にここを開けっ放しというのは、な」

肩を竦めて、困ってるんだと笑った。

日月 輝 > 「……あ、ありがとう。……あたしも好きな名前よ
 男みたいな名前だ。なんて言った奴は──いえ、それはともかく」

臆面も無く名前を褒めるオダさんに言葉が迷う。
危うく口が滑りそうになって、けれども踏み止まれたのは、彼が魔術について口にするから。

「御自分で仰るなんて自信家ね。……それで魔術……
 そっか。土地勘が無いと転移事故とか、するものよね」

考えてみれば当然の話をされて頷く。
何処かに飛ぶ魔術は、当然その行き先を精緻に知らねば成り立たない。
例えば、あたしが転移魔術を使えたとして、この島の彼処に飛べるかと言われたらそれは無理。
あたしも彼同様、この島に来て長い訳ではないのだから。

──翻り、転移能力に長けた誰かは、この島に住んで長い者。の可能性が高い。

「ありがとう。ええと、エルネストさんね。
 マリーとは戦友……戦友かあ……あの子、結構パワフルだものね……」

犯人(誘拐事件であるならばだけど)の目算に些かの方向性を得てもう一度頷く。
それから彼、エルネストさんと確と握手をするわ。

「あたしもその日から見ていないの。エルネストさんよりは前に来たんだけど……
 その時に一緒に居た人が足跡に詳しい方でね。ティーカップが散乱していて、
 帰りの足跡も無くて、それで、もしかして誘拐されたんじゃないか。って」

多分、きっと、ひょっこり帰ってくると思うんですけど──と言葉を続けて、
少しだけ視線が泳ぐ。随分と綺麗になっている気がして、落着するアイマスク越しの視線はエルネストさんだ。

「落第街の方にマリーの施術院があるんですけど、其方にも立ち寄っていないみたいで。
 ……ところで、随分と綺麗になっているように思うのですけど、お掃除を?」

足跡も何もかも無い。
奥の部屋に割れたティーカップが散乱している筈だけれど、片付けられてしまったかしら?

オダ・エルネスト >  
「好きな名前を茶化す奴には分からせてやるのは間違いじゃないさ。
 私のことは、好きに読んでくれて構わないさ」

名前。
祖国では名前とは誇るべきモノの一つであり、侮辱すべきではないモノの一つだ。
故に、他人の名を称賛することは挨拶のようでもあるが、
この学園に来てからは久しくしていなかった。

「理解が早くて助かる。
 いくら私が天才と言えど知らぬ土地では、無理はある」

魔術とは、極めれば理詰め。
機械言語で構築されていると言っても間違いではない部分まで詰めることもまた可能。

「会得を目指すなら、やはり勤務歴の長い教師の方などに尋ねるのが一番だ。
 理論や理屈ならば研究者の方に資料や解説を求めるのが早いとは思うぞ」

悠長なプランを口にするが、何処か目の前の少女は焦っていたように見えた。
得てして、そういう場合は空回りしやすい。
その考えが、杞憂でないと認識するのは、続いた言葉。

そう誘拐、その言葉を聞けば顎に手を当てて思考する。

「誘拐か……あまり、信じられる話ではないが
 そうだな、マリーは異邦人というのもあるしな……

―――廻天會。

 そう呼ばれる、反異能・反魔術・反異邦人結社があるのは知ってるだろうか?
 だが、彼らはその思想を掲げるが故に転移魔術などは扱わない、らしい」

不安な要素を語るのならば、そこも考えるべきではないだろうか、と。
しかし、確かに少女の言う通りひょっこり返ってくる気もする。

「施療院の方に言ってたわけでもないのか……



 こう見えても掃除は得意な方でな、綺麗になったろ?」

力こぶでも作るかのように腕を上げて親指で自分の顔を指さして、
歯を輝かせる笑顔でドヤ顔をキメた。

日月 輝 > 「ありがとう」

エルネストさんの言葉を頼みとするなら、犯人が居るとするなら土地勘のある人物となる。
それだけでも収穫よね。
マリーが平穏に対応をし、この学園島に親しんだ男性。が怪しいと解ったんだもの。
だから名前の事も含めて御礼だって言うし、穏やかに口元を緩めもする。

彼の口にする魔術プランは耳を滑ってしまうけれど、誘拐と聞いて思案する言葉はそうはいかない。

「廻天會……噂程度には。所謂テロリストめいた連中って話ですけれど……
 反異能、反魔術の人達が転移術を使うのは……一応、知り合いに聞いてはみますね」

胡乱な組織の実態なんて知る由も無い。それは断定系を用いないエルネストさんも同じと見えるわ。
でも風紀委員なら?この島の治安に携わる人達ならどうかしら。
後で山本さんに聞いてみよう。そう心に決めて、次にはその心がずっこけて消えそうになる。

「──え、ええ。それはもう見事に。ちょっと、失礼」

輝かしい笑顔を見せるエルネストさんに一言告げて修道院の奥へ。
ティーカップが散乱していた部屋は綺麗さっぱりと掃除されていた。
足跡も痕跡もあったかもしれない証拠も綺麗さっぱり掃除されてしまった。
でも、それを咎めるのはお門違いと云うもの。
エルネストさんは何も知らずに善意でそうしただけなのだから。

「見事なお手並みねエルネストさん。きっとマリーも……ええ、マリーも喜ぶと思う。
 で、そうなのよ。施術院にも居ないみたいで……学校にも来ていなくて。
 もしエルネストさんが見掛けたら連絡してくださる?」

奥の部屋からエルネストさんの元に戻り、称える言葉を送りながらに携帯デバイスを取り出す。

「あたしも何か判ったら連絡するから」

オダ・エルネスト > 「友人に褒めていただけるとは、暇だったので気張った甲斐があった」

誇るように目をつむり笑みを受けべた。
見事、それは最高の賛辞だ。

デバイスを差し出されれば、オダも携帯デバイスを取り出して躊躇なく連絡先の交換に応じるだろう。

「逆に私にも何かあれば連絡をくれたまえ、飛んででも駆けつけよう。
 輝、もしかすると厄介事かも知れない。
 その場合でも、焦るなよ」

この子は、なにか覚悟をしたら躊躇しない。
抑えることが出来ないのではないか、と最初に自分を見ていた空気を思い出して敢えて口にした。

日月 輝 > 「ええ、連絡するわ。きっと……ん。嫌ね、焦るように見えて?
 急いては事を仕損じるのだし、慌てる乞食は貰いが少ないもの。
 何より──そういうの、可愛く無いわ。
 あたし、可愛くないと嫌だもの。」

連絡先を交換し終えた後のこと。
案ずるようなことを言うエルネストさんに、あたしは努めて務めて語調を上げて取り繕う。

「だから平気よ。平気へっちゃら。勿論マリーもきっとね。
 ……それじゃ、そろそろお暇するわ。またね」

足取り軽く挨拶をして修道院の外へ出で、暫く道を歩いて──はたと立ち止まる。

「……そういえばエルネストさん。留守番はともかく、なんで神父様の恰好を──?」

聞くの忘れちゃったわ。
でも、自然に着ていたし多分彼もそっち系なのかしら。
アメリカ人だと言っていたし、きっとそうね。

そんな事を思いながらに雑踏に消える。

ご案内:「宗教施設群-修道院」から日月 輝さんが去りました。<補足:身長155cm/フリルとリボンにまみれた洋装/目隠しを着けている>
オダ・エルネスト >  
「それは、すまなかった。 私の勘違いだったか」

悪びれた風はなく、それならそれでいいというふうに笑みを浮かべた。

「――これは私の独り言だが、アイマスクで届いてないと思うかも知れないが―――声と視線は雄弁だよ。
 手早く誤魔化すなら、不敵に笑っていきたまえ」

返事は求めていない。
去りゆく少女の背に向けて呟いてしまった独り言。


さて、結局戸締まりどうしようかとか、相談し忘れたな……。

ご案内:「宗教施設群-修道院」からオダ・エルネストさんが去りました。<補足:黒髪緑色の瞳/日本人離れした容姿/黒い祭服で黒川装丁の本を手にした青年【乱入歓迎】>