2016/12/13 のログ
ご案内:「違反部活群・屋上」に黒龍さんが現れました。<補足:【人間形態】 黒いツンツン短髪鋭い金眼、黒いスーツ(ネクタイ無し)、黒い革靴、サングラス、隻腕>
黒龍 > 「おいおいおい、何だぁ?あの炎のデカブツは…何処ぞのバカがはっちゃけてやがんのかぁ?」
そんな事を呟くのは、とある建物の屋上に佇んで葉巻を蒸かしている一人の男。
サングラス、黒いスーツ、革靴、そして夜風に揺れる左袖…つまり隻腕だ。
元々、今この男が居る建物は、最近ここらで幅を利かせていた組織のアジトの一つだったらしい。
とはいえ、男がそんな事情を細かく把握してる筈も無く。
ただ、成り行きで喧嘩を売られてアジトに乗り込んだ…で、現在に至る。
見れば、アジトのあちこちには不自然な罅割れがあったり、一部煙が出ているが…男は気にしない。
幸い、全員気絶しているだけで生きてはいる。無闇矢鱈に殺す趣味は無い。
(つーか、ぶっ殺す価値もねぇし…殺ったら殺ったらで面倒な事になんだろーしな)
さて、そんな既に潰した有象無象はどうでもいい。問題なのはあのよく分からん炎のデカブツだ。
黒龍 > 「ひぃ…ふぅ…みぃ…4人。と、幾つか…で、あの炎のデカブツか。」
あそこに居る連中の大まかな数だけならこの距離でも把握は出来る。
路地裏に程近い立地だからか、この屋上からなら案外近い場所だ。
あれだけ頭数が居るなら、まぁどうにか収まるだろう……根拠は無いが。
「……まぁ、暇潰しにはなるか。こっちの魔術とか異能を知るのも悪くねーし」
あそこに介入するつもりは無い。既に頭数が揃っているのならば出張る必要性もないだろう。
それに、これだけの騒ぎなら風紀何とかが既にあの人数の中に含まれている可能性もある。
そういう治安組織とは相性が悪いし苦手なのもあり、高みの見物の一因はそこだった。
「さぁて、どうすんだあそこの連中は。このまま手をこまねいてると、ここら一帯燃え尽きてオシマイだぜ?」
黒龍 > 「へぇ、剣士に精霊に龍のチビ共と来たか…こっちで同族を見るのも妙な気分だが…」
葉巻を蒸かしながら目を細める。サングラスをちょいとズラして、黄金の双眸で彼らの戦いを凝視する。
本音を言うなら、あそこに割り込んで暴れまくりたいものだが…後が面倒だろう。
「…で、奮闘してんのが3人、へたり込んでるのが1人。発端…つぅか原因はあのガキか?」
誰も彼も面識なんてありはしないし、途中から見物を始めたので始まりを見ていないが。
凡その状況推測は見ていれば大体は把握できる。
「あーークソ、ああいう歯応えありそうなデカブツとやりあってみてぇもんだなぁ」
ついつい乱入しそうになる己をここはグッと抑える。血気盛んに飛び込んでも連中が混乱するだけだろう。
黒龍 > 「……さぁて、連中で何とかなりそうなら大人しくしてるのが利口なんだろーが」
葉巻を蒸かしながら右手を頭上に掲げる。バキバキバキバキッ!!と、そこから巨大な氷の槍が出現する。念の為に更に重ね掛けで倍率ドン。
槍、というより巨大なランスのようなソレを頭上に掲げながら様子見中。
「まぁ、必要ねーかもしれんが、援護の名目で一発くらいかますのもアリだよなぁ」
と、ワクワクしてたら何か沈静化していた。…おおぃ!?という表情を浮かべて。
舌打ちをしながら掲げていたランスを後ろに放り投げる。氷の槍が建物を一部ぶち抜いたがキニシナイ。
黒龍 > 「あーーやっぱ見てるだけっつぅのも悪くはねぇが…どうにもなぁ」
昔よりは堪えられるようになったが、見物だけでお預け、というのは矢張りしんどい。
仕方ないので、この近辺に多少飛び火していたモノを小規模の水の魔術を行使して撃ち抜く様に消火しておく。
まぁ、このくらいのフォローしておかないと、何かモヤモヤするというのもあるが。
一通りアフターフォロー的なものをこっそり済ませておきつつ、2本目の葉巻を咥えて。
(しかし、あの炎のデカブツ…魔術の類じゃねぇのか?異能の方なのか?正直わかんねーな)
今はもう沈静化してしまったソレ。奮闘した連中の方を眺めながらボンヤリ思う。で、何か変な骸骨みたいなのがこっちに来た。
(…あ?何だありゃ…アンデッド?使い魔の類か?)
骸骨のそれを屋上から見下ろす形で凝視中。と、何か視線があった気がした。目があるかどうかはさて置き。
「あーー…俺にゃ構うな。他の方に行け。こっちは特に問題ねーから。飛び火とかもしてねーし、負傷者もいねぇ」
言葉が通じるかは分からないが、そう言葉と軽いジェスチャーで伝えておく。やや見詰め合った後、骸骨は別の方へガシャガシャ移動して行く。
(…つぅか、下でノびてる連中の事は黙っておいた方が良さそうだしな…)
ご案内:「違反部活群・屋上」に八百万 頼さんが現れました。<補足:白シャツ、黒のベスト、赤いネクタイ、黒いスラックス、黒のサスペンダー、革靴。ファーフード付きオリーブ色コート。ネクタイは緩ませている。>
八百万 頼 >
いやぁ、エライ騒ぎになってしまいましたなー、兄さん。
(すぐ隣から声を掛ける。
まるでずっと隣で見ていたような口ぶりで、唐突に現れる。
ニコニコ猫のように笑いながら。)
炎の巨人、初めて見ましたわ。
いや情報屋なんてやっとりますとそう言う噂話なんかは耳にしますけどな。
そうそう、噂話と言えば、噂が立つと噂通りの怪異が起きる、なんて言うのも最近ありますなぁ。
小さめの犯罪組織が次々潰されとる、なんてことも聞きますし、兄さんも大変ですやろ。
(そのままベラベラと喋りだす。
相手がどういう反応をしようがお構いなく、と言った調子だ。)
黒龍 > 「…あぁ?何だテメェは…つぅか、どっから沸いて出やがった」
唐突に隣から声を掛けられる。だが、男も男でその不意の来訪者に胡乱げながらも然程動じない。
何時ものチンピラもどきな態度でそちらを睨みつつも、彼の言葉に葉巻を蒸かしながら。
「炎の巨人…ねぇ?噂って事はありゃ”前例”でもあんのかよ?
…つぅか、大変も何もねーよ。この前もどっかの人身売買組織?だか何だかが潰されたとかなら聞いたが」
あくまで聞いただけだ。しかもそっちは完全に無関係である。
まぁ、現在進行形で二人が居るこの建物。とある組織のアジトの一つは紛れも無くこのチンピラが潰したのだが。
八百万 頼 >
この街で情報屋やっとります、八百万頼言います。
以後お見知り置きを。
(猫のような笑みを顔面に貼り付けたまま、自己紹介。
チンピラのような態度にも臆した様子はない。)
ボクもちゃんと調べたわけや無いからよう知らんのですけどね。
前にああして炎の巨人が大暴れした事があったらしいですわ。
(今みたいな感じに、と、先ほどまで炎の巨人が暴れていた辺りを示す。)
いやいや、大変ですやろ。
こないなとこで暮らしてると、それだけで痛くもない腹探られる言う事ありますし。
――兄さんみたいな生徒登録しとらん、身分証持ってないモンは特に。
(にいい、と。
笑顔を猫から狐めいたものに変えながら。)
黒龍 > 「情報屋ぁ…?……つぅと、単なる野次馬目的って訳でもなさそーだが?」
そもそも、今このタイミングで唐突に現れたのもおかしい。チェシャ猫じみた男の目的は…何だ?
葉巻を蒸かしながら、サングラスの奥の金眼をスゥ、と細めて行く。
「…何だ、前例ありって事か。そうなると、張本人はただでは済まねーだろうな」
二度目、となると単なる事情聴取だけで済むとはとても思えないが。
一度、沈静化した炎の巨人が暴れていた方を眺める。既にそこにはあのデカブツは居ないが。
「――何だ、そっちが本題かよテメェ。回りくどいのは嫌いなんだよクソが」
舌打ちする。かといって大人しく生徒登録する気も連行される気も無いが。
八百万 頼 >
情報屋は情報を集めるんがお仕事ですからなぁ。
(右手にいつの間にか持っていた扇子を、ばさりと広げて口元を隠すように。
細い目は、目の前の男を真っ直ぐ見ているようで、見ていないようでもある。)
なんでも、異能の制御がうまく出来てへん言うことも聞きましたわ。
時と場合に寄るやろうけど、まぁ本人にとっては面倒な事になるやろうなぁ。
(くっくっと、面白そうな笑顔を見せて。
事件が起これば情報が動く。
情報屋としては稼ぐチャンスだからだ。)
あらま、ホンマに登録してへんのですか。
いやぁ言ってみるモンですなぁ。
(ケラケラと扇子で口元を隠したまま愉快そうに笑って。
言葉とは逆に、その目は最初から知っていたと語っている。)
黒龍 > 「だったら良いネタが出来て良かったじゃねぇか…商売繁盛だろーが」
見れば、何時の間にか持っていた扇子で口元を隠す仕草をしている男。
細い目元からは意図が全く窺えない。情報屋、というのを完全に鵜呑みにはしないが。
(…少なくとも、相手に感情や考えを悟らせない立ち回りは心得てる…か。苦手なタイプだぜクソ…)
「異能の制御、ねぇ?異能なんてモンが俺には縁がねーから分からねー話だ。
…面倒な事になるとはいっても、孤立無援って訳じゃねーだろあのガキも。
どういう扱いになるか俺にゃ分からんが…」
面白そうな笑顔を見せる情報屋とは対照的に、チンピラ男は面白くも無さそうに葉巻の煙を盛大に吐き出す。
既にあっちはあっちで後始末の段階に入っているようだし、こちらへのアクションも無い。
あの骸骨と接触してしまったのは凡ミスだが…どうやら影響は無さそうだ。
「……カマ掛けとか、性格悪ぃだろこのキツネ野郎が」
が、そういうのに苦手な己も頭が足りない、いや駆け引きに慣れていないと言えるか。
自分の浅慮さを嘆いてもしょうがないが。葉巻を蒸かしながら一度目を閉じて。
「……で?然るべき場所に俺の事でも通報でもすんのか?」
八百万 頼 >
ホンマに、お陰で商品たっくさん仕入れられましたわ。
――いやいや。
兄さん異能の塊みたいなもんですやろ。
(今度こそカマを掛けてみる。
とは言え人間でない事はなんとなくわかる。
心理戦に慣れていないと見て、更に情報を引き出そうと言うつもりだ。)
確かに、頼れる友人やら先生やらは居てますやろ。
せやけどそん中に味方のフリした蛇やら狐やらが居る可能性もありますさかいな。
どうなるやらわかりませんわ。
(かく言う自分も彼女の知り合いである。
自身が彼女の味方かどうかは――)
褒め言葉と受け取らせてもらいます。
――さて、どうしますやら。
せやけどボクも商売人です。
金になるなら、なんでもしまっせ?
ご案内:「違反部活群・屋上」に黒龍さんが現れました。<補足:【人間形態】 黒いツンツン短髪鋭い金眼、黒いスーツ(ネクタイ無し)、黒い革靴、サングラス、隻腕>
黒龍 > 「あぁ?俺の何処が異能の塊だっつーの」
惚けたようにも本気で言ってる様にも聞こえる声色と表情で口にする。
別に、全くこれっぽっちも腹芸が出来ないという訳ではない。
とはいえ、その点は自称・情報屋のこの男の方が上手なのは事実だろうが。
「――で、テメェがあのガキのダチや知り合いだった場合はテメェはどう立ち回る訳よ?」
淡々とそんな問い掛けを口にする。情報屋らしい返事が返ってくるのか。
それとも、思わせぶりな発現で煙に巻いて来るのか。
「悪ぃが金になるような情報(ネタ)は持ち合わせがねーよ。
風紀何とかとかに通報すんなら好きにしろってな。」
強がりでも何でもなく、淡々とそう口にする。自由気儘が信条であり己の矜持。
敵対する気は特に無いのだが、己の矜持を曲げる気も無い。
八百万 頼 >
またまたぁ。
兄さん人間やあらしまへんやろ。
そんなごつい身体と変な魔力、人間はもってませんわ。
(笑いながらそのごつい身体のいかつい肩を触ろうと手を伸ばす。
触れれば良し。
触れず分からずじまいでも良し。
それは見せずに、自然な感じで。)
そんなん。助けるに決まってるやないですか。
トモダチは大事にせなあきませんからな。
(即答。
しかし口調は軽すぎる。
明らかに嘘と分かる言葉だけに、逆に本当に嘘かどうか分からなくなるように。)
それがな、兄さん。
情報屋なんてやっとると、入ってくるモンは情報だけやないんですわ。
物騒なモンとか、使い捨てに出来る人足とか、表に出せへんヤバイモンとか――
(そこで一度言葉を切り、右手を顔の前に。)
――こう言う便利なモンとか。
(そこにあるのは、偽造された学生証。
ご丁寧に、目の前の男の顔写真と名前が印刷されている。)
ご案内:「違反部活群・屋上」に黒龍さんが現れました。<補足:【人間形態】 黒いツンツン短髪鋭い金眼、黒いスーツ(ネクタイ無し)、黒い革靴、サングラス、隻腕>
黒龍 > (チッ、魔力の波長の違和感を読み取られたってか。やっぱこの世界だとそっちも目立つ訳か…)
体格は鍛えてるとか何とかで誤魔化しは出来ようが、魔力の質とかまではそうはいかない。
かといってバカ正直に『俺はドラゴンだ』と口にする気も無いが。
そして、肩に触れられる直前、無造作に咥えていた葉巻を右手で持ち。
…レッツ・根性焼き。の、如くその手に押し付けんとする。
ただし、かなり緩慢な動作なので手を引っ込めたりするのは容易いだろうが。
「野郎にベタベタ触れられる趣味はねーんだよ。…うわ、胡散臭ぇ」
そして、明らかに嘘と分かるが、そうとも言い切れるかは正直曖昧な返答。
煙に巻いてくるのが無駄に上手い。情報屋ってのはみんなこういうタイプなのだろうか?
「――あぁ?それは…」
不意に男が目の前に出してきたそれに、胡乱げに提示されたそれを凝視する。
自分の顔…そして名前。ご丁寧に黒龍と書かれている。
こっちで名乗ったのはまだ一人だけの筈だが…色々探られていると見るべきか矢張り。
(つぅと、コイツは俺の種族とかここに居る経緯も把握してる可能性がありやがるな…タチ悪ぃ)
「…で?対価は?偽造したモンだろそれ?生憎と金も情報も持ち合わせがねーぞ?」
八百万 頼 >
(葉巻の先が手に触れる。
しかし構わず更に腕を進めて。
腕どころか、肌に生える産毛の一本すら焼けたような様子もない。
にんまりと笑ったまま、腕を伸ばす。)
胡散臭いなんて。
ボクは清廉潔白がモットーの清く正しい情報屋さんや。
(にんまり。
あまりにも怪しすぎるその言葉は、そうすることで煙に巻く、自身の話術の一つである。
怪しいと思わせるだけで、あとは相手の方が勝手に思考の深みにはまってくれる。)
読み取られて問題ないように、データベースの方にもちゃんと登録したるで。
ま、そっちも正規のデータベースやないけどな。
(指で器用にくるくるとカードを回しながらのたまう。)
お金はいりまへん。
たまーにちょーっとお手伝いして貰えればええ。
オモロイ情報持ってきてもろたりとか、お使い頼まれてくれたりとか。
タダでとは言わへんし、そもそも兄さんの気分次第でよろしわ。
まぁ早い話が――あげます。
黒龍 > 「……いや、テメェどんだけ胡散臭ぇんだよ気持ち悪ぃ。火傷してる様子すらねぇ。つか魔術とかじゃねーだろそれ。異能ってヤツか?」
と、根性焼が効果が無いのを見て嫌そうな顔になりつつ腕を引っ込めて。仕方ないので男が手を伸ばしても届かない程度まで引いて置くことにする。
こういう胡散臭い男がただ触るだけ、なんてのは不自然すぎるのだ。
「情報屋に正しいもクソもねーだろ。扱う情報次第では善人でも悪人でもなるだろーよ」
もっともこれは男の意見だ。自分が元居た世界にも情報屋は居た。
そして、彼らの価値基準は善悪問わず情報そのものだ。そこに情は一切無かった。
あるのは利益、不利益、自分にとっての価値があるか無いか。そんなものだ。
そして、深みに嵌まりそうになるのが墓穴になるのだと反射的に気付く。
野生、というより龍の勘とでも言うべきか。だから敢えてこの男の胡散臭さについては”考えない”。
「…そりゃ破格の条件に聞こえるが、どう考えても裏があるようにしか見えねぇがな…が、貰えるなら貰うが」
偽造、とはいえあって便利なのは間違いないのだ。
身分証明があれば、色々と動き易くなるのは否定出来ない事実でもある。
(とはいえ、十中八九何か裏があるのは明白だろうがな…ある意味で首輪か)
ともあれ、偽造学生証については貰う事にしておこう。交換条件も請け負った。
まぁ、自由気儘な男なので、本当に気が向いた時にしか情報は提供しないだろうが。
八百万 頼 >
(逃げられてようやく、諦めたように手を引いた。
それでも名前からある程度種族は予想が付くのだけれど。)
だからこそボクはみんなが幸せになる情報だけを集めて、それをみんなが幸せになるように有効に使わせてもらっとるんや。
情報屋に善悪も正誤も無いからこそ、な。
(男の意見は正しい。
情報は道具であり、ただの情報だ。
どんな情報であれ求められれば売るし、だからこそ何でも集める。
当然そんな事はおくびにも出さず、胡散臭い言葉をのたまうのみ。)
ほな、これこれこう言う裏があります、言うた方がええか?
それを信じてしまうん?
こんな胡散臭いボクの言う言葉を?
(にい、と狐のような笑みを深くする。
裏がある、と考えた時点でもう既にこちらの術中だ。
この選択肢に正解などない。)
そこやないやろ。
ボクは駒が手に入る。
兄さんは身分証と仕事が手に入る。
この取引が兄さんにとって妥当なもんかどうか。
――とりあえず、交渉成立やな。
(考えるべきはこの一点だ、と。
手の中から学生証が消える。
両腕を開いて、タネの仕込を終えた手品師のようなポーズ。
学生証は、既に男の胸ポケットの中に入っている。)
黒龍 > そう、名前…当然、把握されると”縛られる”恐れがある為に偽名ではあるが、名前がそもそもネタバレだ。
が、それでも一目で龍と断定できるほどの判断材料がある訳でもない。
魔力の質を指摘されたが、種族まで特定されるようなお粗末は流石にやらかしていない。
(まぁ、バレたとしてもそれはそれで気が楽だがな…)
何故なら、龍への対抗策をとられても、逆にこちらとしても逆算し易いのだ。
むしろ、種族がバレた方が相手の出方をある程度予測に収める事が出来る。
それでも、こういう虚虚実実入り混じった、詐術溢れる会話は不得手なのは事実だが。
「幸せ…ねぇ。ハッ…」
苦笑とも失笑とも言うべき笑みが浮かぶ。が、それ以上特に言う事は無い。
幸せ、という単語がとても空虚に聞こえただけの事だ。
「…んっとに面倒臭ぇ男だなテメェは。まぁいい、ギブアンドテイクって事で乗ってやる」
が、彼の駒に成り下がる気は無い…と、叛骨神を出した時点である意味で向こうの術中にもなりかねぬ。
だから、駒という点は敢えてグッとここは飲み込む。男にも忍耐というのはある。
そして、何時の間にか胸ポケットに違和感。探ってみれば先ほどの偽造学生証。
手品師か何かか…魔術の気配は感じ取れないので、矢張り異能の類か。
と、いう思考は程々に切り上げる。無知は論外だが考えすぎてもこの男相手には逆効果だ。
「ま、動き易いに越した事はねぇ、か。そんじゃここらで俺はお暇すんぜ。
…ああ、そうそう流石に風紀何とかもここら来るかもしれねぇし、そっちも退散した方がいいぜ」
そもそもこの場所が犯罪組織のアジトで男が潰したトコなのだが。
言うやいなや、トンッ!と軽い跳躍で隣の建物へと飛び移り。
「そんじゃ、あばよヤオヨロズ」
等と簡潔な挨拶を一応はして、屋根から屋根へとニンジャのように飛び移って立ち去るのである。
ご案内:「違反部活群・屋上」から黒龍さんが去りました。<補足:【人間形態】 黒いツンツン短髪鋭い金眼、黒いスーツ(ネクタイ無し)、黒い革靴、サングラス、隻腕>
八百万 頼 >
何かおもろいもん見付けたら、「八百万情報商会」まで連絡してや。
(ニンジャめいてビルを飛び移って移動していく男を手を振って見送る。
男の姿が見えなくなる前に、踵を返してビルの中へ。
中には男がぶちのめしたチンピラどもが転がっている。
目を覚ましたものも居るようだ。)
たまにはお得意さんのために、苦手な演説もしときましょか。
――やーやーみなさんおそろいで!
(やがて、もう一度小さな騒ぎが起きるが、すぐに静かになった。
あとから来た風紀委員が気付くかどうかは分からないが、そこで気絶していたチンピラの数は半分ほどに数を減らしていた。)
ご案内:「違反部活群・屋上」から八百万 頼さんが去りました。<補足:白シャツ、黒のベスト、赤いネクタイ、黒いスラックス、黒のサスペンダー、革靴。ファーフード付きオリーブ色コート。ネクタイは緩ませている。>