2020/09/09 のログ
ご案内:「常世ディスティニーランド」にレイチェルさんが現れました。<補足:金髪眼帯の長耳少女。黒のワンピースに茶色のジャケットを羽織っている。髪は下ろしており、リボンはつけていない。>
ご案内:「常世ディスティニーランド」に伊都波 凛霞さんが現れました。<補足:焦茶の長いポニーテールに焦茶の瞳、白のニットセーターにエンジのスカート、黒ストにスニーカーのおでかけスタイル>
ご案内:「常世ディスティニーランド」に園刃 華霧さんが現れました。<補足:整えられた髪、黒いチョーカー、そして>
レイチェル >  
ここは、常世ディスティニーランド。
学生達の夢の町である。
学生街からの専用バスに少しばかり揺られていれば、ここに辿り着くことができる。

「よっしゃー、やっと着いたぜー! せっかくだからじゃんじゃん遊ぼーな!」

黒のワンピースに茶色のジャケットをラフに羽織ったレイチェルは、
元気よく腕を天へと伸ばしてそう高らかに宣言する。
涼しげに吹く風が、金の髪を揺らしていた。

久々のオフ、そして久々の遊び場である。
普段よりずっと、テンションは高いようだった。

入り口からすぐの、運命のバザール。
様々なお土産品店やレストランが並ぶエリアを通り抜けながら。

「何処行こっかなぁ~?」

紙製のマップを開いて、そう二人に問いかけるレイチェル。
彼女の耳はちょっとピンと立っていて、少し揺れている。

伊都波 凛霞 >  
「いえーい♪」

レイチェルが腕を天に伸ばすのに合わせて、凛霞も拳を突き上げる
お出かけコーデに身を包んだ凛霞は普段よりもやや柔らかな印象
トレードマークのポニーテールはそのままに、リボンなんかは明るい色を選んで、休日を満喫する気マンマンである

「ふふ、時間はたっぷりあるから迷っちゃいますよね」

人気のあるアトラクションはやっぱり待ち時間あるのかなー?
なんて思いながら、横からマップを覗き込み、隣を歩いて

園刃 華霧 >  
「……ァー」

楽しみのはずだけれど、微妙にテンションがまだ上がらない。
ちょっと今日は格好が落ち着かない。

そんな自分は
黒のキャスケット、ワインレッドのワンピース。
さらにダークネイビーのカーディガンを羽織って、手には軽く片手で抱えられる程度のポーチ。

制服からガラリと変わった格好である。
戻して……アタシの制服……落ち着かない……


「うん、いくゾー」

微妙に格好に引っ張られたのか、まだおとなしめであった。

レイチェル >  
「そうだなー、時間はたっぷりあるもんな!
 絶叫系とかいけるか?
 このスペースエリアの……『大気圏突破ローラーコースター』とか、
 絶対すげーだろこれ! オレ、行ってみてーなー」

『大気圏突破ローラーコースター』。
スペースシャトル型ジェットコースターで、
大気圏突破とトラブルをイメージしたアトラクションなのだとか。
なんとも豪快である。

遊園地に来るのが初めてのレイチェルは、ウキウキ気分で笑顔を
振りまきながら、二人に目をやる。

「しかしまぁ、制服脱ぐとオフって感じがするよなー。
 凛霞のコーデすげー似合ってるし、華霧もすげー可愛いよ」

凛霞のコーデは、いかにもお出かけ用といった感じで素敵だ。
華霧は……本人としては気に入っていないのだろうか。
少なくとも、そわそわしている感じがする。
まぁ、制服以外着てるの見たことないもんな、と。
ちょっと納得。それでも。

――可愛いんだけどな。

ちょっと困ったようにレイチェルは笑う。

伊都波 凛霞 >  
「ふふ、レイチェルさんもやっぱり制服姿とは印象違いますよねー」

温泉のときも思ったけどー、と笑う

さて、対してかぎりんのテンションはやや上がりきらない様子
落ち着かない様子からすると、場所のせいかそれとも服装のせいか

「かぎりんの制服以外の格好ってほとんどみないもんねえ…可愛いのでまず一枚!」

スマホを取り出して、レイチェルとのツーショットでパシャリ
今日はたくさん、楽しい記録を残すのだ

「あ、開幕から絶叫系いっちゃいます?名前からして凄そう~、いってみよ!」

園刃 華霧 >  
「この手ノとこハ、初めテだかラなー……」

一応、予備知識は持っているが……何しろ実地経験は皆無。
何が自分の性に合っているかも、ハッキリとはわからない。


「絶叫系? まァ、とリあえズ、行ってミればワカるかナ?
 アタシは、なンかこのパニック……なんとか?が気にナるカなー」

いわゆるお化け屋敷系のアレであった。

「ん、ヤ……うん……ちょっト、落ち着カなイんダけどナ……
 制服以外着るの、この間のバニーとかミたいナの以外じゃほボ初めてダし……」

気に入らない、というより落ち着かない。
いつもと違う感じ、という違和感はなかなか拭えないのだ。

「ァ、別に楽しくナイわけじゃナいぞ?」

あ、ちょっとしまったかな?と思い返し、にっこり写真に写る

レイチェル >  
「ったりめーだ! 開幕から全力で楽しんでいくぜ」

凛霞の問いかけには、そう答えて元気よく拳を握って戦いを前にするような、
不敵な笑みを見せるレイチェル。
せっかくお洒落なコーデをしているのだが、やはり中身はレイチェルであった。
遊園地は、戦いではないのだが。

そうしてツーショットを撮られれば、目を丸くする。
何だかちょっと恥ずかしいけれど、嬉しかった。
レイチェルも手元のスマホを取り出せば、華霧と凛霞をお返しと
ばかりにツーショットでぱちり。
そうして、へへっと笑って見せる。

「華霧も初めてなんだな、オレも初めてだよ。
 色々調べて知識は、一応あるんだけどなー。
 凛霞は結構こういう所慣れてそうだよな」

華霧の呟きにそう返しつつ、歩を進めていく。

「パニック……? ああ、このパニックゴーストハウスな。
 へー、華霧ってこういうホラー系好きなの?」

マップを開きながら歩いていけば、
『大気圏突破ローラーコースター』には、すぐにたどり着いた。
大した待ち時間もなく、すぐにスペースシャトル型コースターに
乗り込むことができるだろう。

伊都波 凛霞 >  
「あっ!ちょっと待って今半眼だった!たぶん!」

まさかのカウンターに慌てる
ぐぬぬ、意外とエンジョイパワーが溢れているぞこの先輩
そしてかぎりんからバニーの言葉が出る
そういえば、ゆっきーからなんか画像届いてたなあ、なんて

「へー、パニックゴーストハウス…?」

あ、これお化け屋敷的なヤツだ…
頬に汗しっとり
実は結構苦手、でも3人で入れるなら大丈夫…か…?

さて、到着してみれば幸い待ち時間もないようで、さっそく3人は乗り込むことができるのだろう

「早い時間だと案外混んでないのかもしれないですね」

ちょっとわくわく。絶叫系は実は結構すき

園刃 華霧 >  
「はー……」

思わず、見上げる。『大気圏突破ローラーコースター』とやら。
なんか、なんだ?
知ってはいたが、実物はもっとなんだろう、こう。
すごい。

「ンで、これ、乗るノ?うン。
 え、ナに? バーを、下ろス?」

完全にお上りさん状態で人形のように言われるままに、
ちょこん、と席に座る。

「アー、やッパ混むモんナんだナー。
 へー……」

動き出すまでの間、きょろきょろと周りを見回す。
やはりオノボリさん状態だ。

レイチェル >  
歩きながら頭に浮かべていたのはゆっきーから送られてきた
華霧のバニー姿だった。
どうしてああなったんだろう、と色々ぐるぐる頭に浮かべながら
何となく聞くことができなかった。
また機会を改めて聞こうか、などと思いつつ。

とにかく今は、遊園地だ!

「まー、華霧も楽しんでくれてるなら良かったよ」

気を遣わせてしまったかな、とちょっと申し訳なく思いつつ
柳眉を下げて笑うレイチェルであった。

「へへっ、良いじゃねぇかこれから沢山撮るんだから」

半眼写真に慌てる凛霞に悪戯っぽく返すレイチェル。
写真に対する反応一つとっても可愛らしさに溢れる後輩。
男子達に人気なのも頷ける話だ。



さて。『大気圏突破ローラーコースター』だ。
バーを下ろして、3人横並びになってシートに座る。
眼前に広がるのは、見るからに激しい動きをすることが
予想されるレールだ。天に登る直線レールやら、ぐるぐると
捻りながら進むレールやら。

「……なんかちょっと緊張してきた」

口元をきゅっと結びながら、しっかりとバーを掴むレイチェル。
そうして、コースターは動き出した……!

少しばかりの緩やかな上昇を続けた後、コースターは風を切り、
唸りを挙げながら上へ下へと暴れまわる。

「ちょ、待て! 捻りはなし! 捻りはなし!!!」

ただ落ちるくらいなら、経験がない訳ではない。
風紀活動の中で、高層ビルから飛び降りたことだってある。
でも。
でも。
捻りはなしだ。自分の意志と関係なく、右へ左へぐるぐると回るその感覚。
思わず小さく「ひっ」と悲鳴をあげてしまうレイチェルであった。
二人に聞かれてなかっただろうな、と目を丸くしつつ。
ちょっと耳まで赤い。

伊都波 凛霞 >  
カタカタと音を立てて登ってゆく

「この瞬間が一番どきどきするよねー」

わくわく、隣に視線を向けてみると
ほんの少し緊張した面持ちの先輩が見える
遊園地は初めてだって言っていたし、無理もないなーと表情を綻ばせる

さて、頂点に辿り着けば…あとは落ちてゆく

「うひゃーっ=v

楽しげな黄色い悲鳴をあげる凛霞

ぎゅんぎゅんとうねるレールを超高速で駆け抜けてゆく

きゃーきゃー言いつつ、ちらりと様子を伺ってみると…
あ、それなりにガチの反応してる……かわいい

そして超スピードで右へ左へと駆け抜ける中で…
一番ヤバいポイントで笑顔と共にピースサイン、そう…アトラクション中の写真が撮影されることは予想済みである

園刃 華霧 >  
「おット」

がたん、と乗り物が動き出す。
うん、なんか上にゆっくり登っていく……
こっからものすごく動き出すんだっけ?

と、思う間に

ゴォッ

風を切る音とともに走り出す。
おー、すごい

宙を駆け降りた時以来かもしれない、この感覚


「ひゃっほおおおおおお!!」

思わず歓声をあげる。
なるほど、これは確かに楽しい!


「ぅん?」

なんか隣で小さな悲鳴が聞こえたな?
そっかー…そっかー……?

ちょっと別種の笑みも浮かんでいた。

レイチェル >  
さて、『大気圏突破ローラーコースター』を乗り終えた後。
出口で写真が売られていた。
そこに映っていたのは見事にピースサインを決めている凛霞と、
楽しそうに歓声を挙げている様子の華霧、そして――がちがちに
固まって、俯きながらカメラの方へ目線を向けている
レイチェルだった。

「うわぁ……」

写真を撮られるのは聞いていない。
めちゃくちゃに恥ずかしい。
流石にこの写真は買わない。
最後の方、慣れてきてからは楽しかったのだが、
それにしてもなかなかの刺激だった。
まだ頭がくらくらする、そんな感覚がある。


さて、三者三様にコースターを楽しんだところで、
出口の先で聞こえてくるのは子どもの鳴き声だった。

見れば男の子が一人で立ち尽くしている。
親とはぐれたのだろうか、不安そうに辺りを見回している。

レイチェルはそれに気がつくと近寄って。

「なぁ、お前……」

声を、かけたのだが。

迷子の男の子 >  
「うわあああああんっ!」

レイチェルの顔を見るなり、男の子は泣き出してしまった!

周囲の学生たちが、じっとりとした目で二人を見ている……。

レイチェル >  
「……」
レイチェルはぎこちない動きで首をぎぎぎ、と動かすと
無言のまま戦友二人に助けを求めたのだった。
男の子の方を、つんと指さして。

伊都波 凛霞 >  
「○○番くださーい!」

迷うことなくクライマックス時のアトラクション写真を購入している凛霞だった
元気いっぱいである
不本意な表情で映っているのもそれはそれ、楽しい記憶の一片である

「はー、迫力満点だったねえ… …ん?」

さて写真を受け取って戻ろうとすると、子供の泣き声
声の出処は……

「どうしたんです?」

きょとんとした顔で、泣きじゃくる子供と、それを指差して固まるレイチェルの姿
早足で駆け寄って、交互に顔を見る

「どうしたのボク?なんで泣いてるのー?」

しゃがみこんで、視線の高さを合わせながら問いかける
近くに親らしい姿は…なさそう。迷子かな…なんてアタリをつけて

園刃 華霧 >  
初めての絶叫系、とやらはなかなか楽しめた。
いいね、こういうの。
楽しくなってしまう。

「エ、写真? ふーン、こンなの撮ってタのカー。
 記念だシな、買おウ。」

なんかすごい顔のチェルもいるし……いいじゃない。


「ァん……? ガキ……?」


あーもー、チェルはすぐそういうのに手を出すんだからー
……あ、泣かせた
あーあ

「しょーガないナー、チェルはー」

なんて、寄る前にリンリンがさっと向こうに行った。
やるねぇ

「どーシたー? 迷子かー?」

同じく、少し離れてしゃがみこんで様子を見る

迷子の男の子 > 凛霞が視線を合わせて対応するのなら、男の子は涙を拭って、
嗚咽混じりに話し始める。

「おかーさん、いなくなっちゃった……」

視線を合わせてくれて理由を聞いてくれる凛霞に少し安心感を
覚えたのか、ちょっと落ち着いたようだ。
しかし、まだ泣いている。

そうしてもう一人、華霧が少し距離を空けて話を聞いてくれるのなら、
もう少し穏やかな表情になって、男の子の涙は止まり始める。

「……まいごになっちゃった」

レイチェル >  
「……悪ぃ、助かった」

二人の対応のおかげで、子どもは落ち着いたようだ。
周囲の人々の目線も、いつの間にか逸れていた。

子どもを泣かせてはいけないので華霧よりも更に距離を
空けた所までととと、と離れつつ。

「二人とも、すげぇな……」

そう口にして一歩だけ、子どもへと近づく。
すると、男の子はまたぐすり、と泣き始める。

「……うう」

レイチェルは大人しく華霧の後ろへと戻ったのだった。

「なぁ、二人とも。こいつのこと、何とかしてやりてぇと
 思うんだけど……」

この場の隅っこで、レイチェルはそうして、ぽつりと呟くのだった。
今日はオフだ。風紀委員の腕章は腕にない。
それでも。

伊都波 凛霞 >  
「お母さんとはぐれちゃったんだね。大丈夫、ちゃんと会えるよー」

元気づけるような言葉を投げかけつつ、安心させるように微笑んで
涙を拭う男の子のその手をとって、立ち上がる

「不安で泣いちゃったみたいですね」

レイチェルが怖くて泣いたわけではないだろう。…たぶん
あくまで不安で泣いちゃったんだということを強調するような言葉である
…あ、でも近づいたら更に泣いた。……威圧感でもあるのかな

「迷子センターってどこだっけ。園内放送かけてもらえばすぐ見つかるんじゃないかな」

なんとかしてやりたい、と言う彼女へ、微笑む
そんなの聞かれるまでもないですよ、という意思を込めて

迷子の男の子 >  
「ほんと……? ちゃんとあえる……?」

元気づけるような言葉に曇っていた顔が少しだけ、晴れやかになった。
レイチェルのことはまだ警戒しているようであるが、
凛霞と華霧には心を許し始めているようだった。特に怯える様子はない。

園刃 華霧 >  
「やレやれ……」

肩をすくめる。
どうせそう言うだろうと思った。
チェルが言わなくてもリンリンが。
リンリンが言わなきゃどうせアタシが。

まあ、誰かが言い出してただろう。

「マ―、そレが手っ取り早ソーネ。センター、とか探さナくてモ、
 どーセその辺に、此処のスタッフ、とかガいるダろ?
 そノほーガ確実デ早くナい?」

きょろきょろと辺りを見回す。
なんなら、騒ぎにもなったしもう近くまで来てるかもしれない。


「まカせナ。そコのおねーちゃンは、お話カら飛びデたシンデレラで。
 そこのおねーちゃンは、ああ見えテ、悪者をやっつケる優しクてたのもシいおねーサんだ。
 大体のコとは、ナんとかナるサ。」

けらけらと笑う。

迷子の男の子 >  
「しんでれら!? ほんと!? 
 おねーちゃん、しんでれらさんだったの……!?」

華霧の言葉に、男の子は目を丸くして凛霞を見上げる。
そうして、ぱあっと笑顔を咲かせる。
まだまだ物語に憧れる歳だ。
華霧の優しい嘘を、男の子はきっちり信じたらしい。

「……わるものをやっつける……ひーろーのおねえちゃん……?」

そうしてレイチェルの方を見やれば、少しまだ怖そうだが、
男の子の方から少しだけ近づいた。

レイチェル >  
「……おう」

凛霞のフォローが胸に刺さる。
後輩の優しさが胸に染み込んでじくじくと痛い。
頬を掻きながら、レイチェルは力なく笑うのだった。

「……ま、その通り! オレはヒーローだ! 
 そいつの言う通りだから、任せとけ!」

びしっと、男の子には指をさしつつ。
自分で言ってめちゃくちゃ恥ずかしくなりつつ。
それでもこの嘘には乗っておいた方が良いと思ったのだった。


「迷子センター……それもいいが、確かに華霧の言う通り、
 スタッフに引き渡すってのもありか」

そうして、華霧と共にきょろきょろと周囲を見回す。
母親が近くまで来ている可能性は、ある。

しかしレイチェルの目に、母親は映らない。

伊都波 凛霞 >  
「かぎりん!?」

何を言い出したのかと思えば…ドレスもガラスの靴もないっていうのに微妙じゃ…
と思えば、男の子は満面の笑顔になっていた
……嗚呼、頭ごなしに否定できる状況じゃない

「そ、そうだよぉ…あのお姉ちゃんも、強そうに見えるからちょっと怖かったんだねえ」

男の子の手を引いて、あたりを見渡す

スタッフは…着包みや仮装でキャストとして紛れている、はず

近くにいないかな?と探してみるが…

「ね、名前は?大きな声でお母さん、探してみようか」

男の子に問いかける
大きな声で迷子の母親を探せば、スタッフがいたら気付いてくれる可能性も高まる

「お、王子様も探さなきゃいけないんだけど…先に君のお母さんを探そう!」

れん >  
「ぼくは……れんっていうの。よろしくね、しんでれらさん!」

そうして凛霞に手を引かれながら、『れん』と名乗った男の子は
歩き出す。すっかり、凛霞に懐いているようだ。
笑顔で、自分の名前を明かすのだった。

「おかーさん……!」

言われた通り、精一杯声を出して母親を呼び始める『れん』。
凛霞と共に男の子が歩いていくその最中。


人混みの中、華霧の近くで、辺りをきょろきょろと見回している女性が
見えたことだろうか。

園刃 華霧 >  
「ひひひ、御伽話の世界ナんだロ?
 なら、アタシらも御伽噺にならナいとナ?」

抗議の声を上げるリンリンに笑って返す。
実際、効果はあったのだから勝ちである。
まあ、こういう使い方ならいいだろう?

で、ついでに自分ももう一回、周りを見回す。

「ンー……?」

おっと、なんか探しものしてるっぽい人間発見。


「おーイ、シンデレラ。
 こっち……ってーカ、アッチ!」

アレじゃない?と指差し確認指示。
ついでに、チェルにも見えるように。

レイチェル >  
「……おっ? ありゃ、母親かもな」

華霧の指示を受けてレイチェルがそちらを見やれば、
確かに周囲を見渡している母親らしき女性が居た。
母親は気付いていないようで、
このままではこの場を通り過ぎていってしまう。
レイチェルは、動いた。足早に女性に近寄って、声をかける。

「あのー……男の子が迷子になってて……もしかして、
 あんた探してない?」

レイチェルはそう口にして凛霞と手を繋いでいる男の子を
指さす。

『れん君……!』

女性は頭を頭をぺこりと下げると、凛霞と『れん』の方へと
駆け寄っていく。


「……さんきゅー、華霧。お前が言ってくれなきゃ気付かなかった」

そう口にしてレイチェルは華霧に、にっと微笑みかけた。

れん >  
「あ、おかーさん……!」

凛霞に手を引かれていた男の子は、視界の端から駆け寄ってきた
母親の方へ指をさした。


凛霞に対しても、申し訳ありませんでしたと頭を下げる母親。


「しんでれらさんが、いっしょにさがしてくれたのー!」

男の子は、満面の笑みで母親にそう告げている。

伊都波 凛霞 >  
「れん君のお母さん、いませんかー?」

うるさくない程度に声を張り上げて、少年の母親を探す
不安にならないよう、きゅっと、しっかりその手を握って…

華霧とレイチェルが母親らしき人を見つければ、
良かったと胸を撫で下ろしつつ、少年の背中にそって触れて、母親の元へいくように促して…

「良かった。れん君のお母さんですね?
 怪我なんかをしてなくって、何よりです」

安心したような笑顔で、少年の母親を迎える

シンデレラさんと呼ばれれば、あははとちょっとだけ困った笑顔になってしまうけど

「見つかって良かったね。泣かなかったし、えらい!
 君ならきっと、王子様にもヒーローにもなれるよ。れん君」

男の子の前にしゃがみこんで、頭を撫でて…あとはお母さんに任せよう
もし母親がお礼をしようとするならばそれは丁重にお断りして、二人の元へと戻ろうか

れん >  
『本当に、なんとお礼を言っていいか……』

何度もぺこぺこと頭を下げる母親。
そして、『れん』はと言えば。

「おうじさまにも……ひーろーにもなれる……? 
 ほんと……!?」

男の子は、ぱあっと再び、笑顔を咲かせる。

「じゃあぼく、かっこいいおうじさまになって、
 しんでれらさんとけっこん、する!」

男の子は無邪気に笑って、バンザイの形で両手をあげるのだった。
こらこら、と母親に宥められつつ、人混みを抜けて去っていく。


その去り際に、近場に居た華霧にも、母親は
『本当に、ありがとうございました』と、深々と頭を下げて
去っていくことだろう。
『れん』もまた、「ありがとー!」と、華霧とレイチェルに手を振るのだった。

園刃 華霧 >  
子どもが母親の手に渡るのを確認する。
問題なさそうだな・

「じゃーナ、れんくん。
 今度ハ手ェ離すンじゃナいぞー?」

ばいばい、と手をふる。
最小限の動きで最大限の成果を得たので満足である。

そして、さん人集まれば……

「ほイほい、と解決解決。」

にしし、と歯を見せて笑う。

レイチェル >  
「いやー、ほんとオレだけじゃどうしようもなかったぜ……
 助かった」

目の前の二人は、自分が男の子を助けようと言い出さずとも、
きっと動いていただろう。そういう奴らだ。
だから、ありがとうは言わない。
そして、そんな関係だからこそ、
一緒に居るのが心地良いのだと、レイチェルは改めて感じていた。


「さて! 気を取り直して、ディスティニーを満喫するぜ!」

ぐっと拳を握るレイチェルは、マップを広げて場所を確認する。
ふむ、と少しばかり静止した後。

「ここからだとパニックゴーストハウスは近いな。
 せっかくだ、行ってみるかー!」

華霧が行きたいと言っていた、パニックゴーストハウス。
最近出来たばかりのアトラクションらしい。

少しすれば、辿り着く。

見た目は洋館で、おどろおどろしい雰囲気の佇まいだ。
紫色のライトに照らし出されたその建物の周囲には、
暗い顔をしてにこりとも笑わない執事服のスタッフ達が控えている。

行列は……あまり多くはないようだ。


「ははー、結構雰囲気あるなここ」

建物を見上げて、感嘆の声を漏らす。
恐怖は感じない。元より、悪霊退治だって幾らでもやってきているのだから、
作り物の悪霊に恐怖など感じることはない。
だから、余裕の表情でにこやかに二人へ声をかける。

「じゃ、いこーぜ!」

伊都波 凛霞 >  
ばいばーい、と男の子に笑顔で手を振り返して…二人の元へ

「かーぎーりーん!」

とつとつな無茶振りに、笑いながら肩をがくんがくん
まったく、アドリブは苦手なのに
でも結果として男の子は笑顔になったのだから…まぁ、いいか…

さて、気を取り直して…とランド散策の続き

おー!とレイチェルに乗るようにして次の行き先は……

「………」

ごくり

ああ、ものすごくなんというか、物々しいというか、わかりやすい……

「ちょ、ちょっと待ってね。まだ、こ、心の準備が……」

笑顔を取り繕ってはいるが、明らかにこう…ビビっている

園刃 華霧 >  
「わぶっ、わぶぶぶ」

がっくんがっくん
ゆれるゆれる、まって、やばいきつい
くびがもげる

……どうにかもげる前に助かった


「おー、なンか雰囲気ある?っていウのかナ?」


あれ?
リンリンが怯えてるように見える、けど……
気の所為、かな……?

場内音声 >  
「ようこそ、呪われた屋敷へ。この屋敷では過去に何人もの人間が
 息絶え、今も亡霊となって彷徨っている……。
 地獄と繋がった、悪霊の屋敷だ。入ったらもう、二度と出られない
 ……」

不気味な音声が鳴り響けば、入ってすぐの所にあった大きな鏡に
三人が映っている。

鏡の中の三人の後ろに、憎悪に満ちた表情の、腐り果てた死体が
現れて首元に腕を回そうとしているリアルな映像が映し出される。

レイチェル >  
「……へぇ」

不気味な声を耳にしながら、辺りを見回す。
装飾から何から、非常に凝っていて、本物の屋敷みたいだ。

そして、目の前に現れた巨大な鏡。
その鏡に映し出されたのは、三体のゾンビだ。

――なるほど、凝ってんな。

感心しながら、レイチェルは余裕の表情で立っている。
こんなもので驚くレイチェルではない。
捻りではビビってたが。

伊都波 凛霞 >  
ガシッ!!
ガッ!!!

鏡に映し出されたそれが出た瞬間、
右の手でレイチェルの左手を
左の手で華霧の右手を
それぞれ凄まじい速度で、捕まえて、握りしめる

「──………」

目を見開いて、鏡の中姿に釘付けになっている凛霞
二人の手を捕まえているその両手が小刻みにに震えている…

「て、て、手を繋いで、進もうね……!!
 暗いと あぶないかも しれない し…!!」

迫真のテンション

園刃 華霧 >  
「ン―…」

なるほど、こういう感じか。
あ、ゾンビ出てきた。

……違反部活のイカレ野郎のほうが怖い気がするな?

まあ適度に面白いから……

ガッ!!!

え?
なんか掴まれた。
思わずビクッとする。
何、この迫力
リンリンが怖い

レイチェル >  
「おいっ!?」

ゾンビに驚きはしなかった。
しなかった、が。

突然掴んできた凛霞の方に寧ろびっくりする。
もしかして凛霞、ホラーとかダメなタイプなのか。
入り口でこれとなると……大丈夫なのか、色々と。
レイチェルはそんな心配をしながら、歩を進めることとした。


「……あー、そーだな。
 暗いもんな、一緒に歩こう」

そう口にしつつ、レイチェルはしっかり手を繋ぐのだった。


さて、廊下を進んでいけば、ドアの下から血が流れてきたり、
突然天井から大きな顔が飛び出してきたり、
結構な数のびっくりポイントが襲いかかってくるのだった。

そうして、その先に。暗い地下室へ進む階段が見えている。
その先はかなり暗く、何が飛び出てくるのか、わからない。
何だかギチギチと、切れ味の悪い刃物を研いでいるような音もする。

伊都波 凛霞 >  
「あ゛ー!!」
「わ゛ー!!」
「ひやあああ」

びっくりポイント毎に割とガチめの悲鳴をあげる凛霞
普段から怪異とかを見慣れている筈の少女が、割とこういうものが苦手なのは意外だろう、が…

「き、気をつけていきますよ、気をつけて…
 ほら、絶対なんか、絶対でてきますから、絶対…!!!」

毎回最大級の警戒をしているはずなのにかならずびっくりポイントで驚いている
これだけリアクションする客ならば、脅かす方も本望だろう

二人の手を握る手はがっちりと、握りしめて、離さない

園刃 華霧 >  
「ェ、えー」

やだ、驚きポイントごとのやつはそんなこわくもなかったんだけど……
ひたすらにリンリンが怖い。
これ、腕折られたりシないよな……?

「り、リンリン。だいじょうぶ、落ち着こうな?
 アタシもチェルモいるからな?」

思わずなだめながら歩く。
さて、なんか色々起こりそうな階段が見えてきたぞ……
もう、不安しか無いんだが……別の意味で。

意を決して歩みをすすめる。

ぎゃあぎゃあと、何かがなく声。
カサカサと何かがうごめくような音……

……うん、これまずくない?

レイチェル >  
「……り、凛霞?」

びっくりポイントごとに凄まじい勢いで悲鳴をあげる凛霞。
何だかすごく、意外だ。取り乱すにしても、ここまで大きく
揺れている彼女を見たことはない。

「そうそう、華霧もオレも居るからさ。大丈夫だ」

華霧の声に合わせながら、何とか凛霞を宥めて、
大丈夫大丈夫と小さく声をかけたりしつつ、歩を進めていく。

「……う。ま、まぁ行ってみるか」

ちょっと耳に入った嫌な音。
正直かなり嫌な気がしたが、その先へと入っていく。

そしてそこに居たのは……

血塗れの台に横たわる男。その男の前で、刃物を研いでいる
ぶくぶくと太ったエプロン姿の男。
勿論そのエプロンは、血に塗れていて。
男は、薄明るい照明を反射して煌めく包丁を持って、こちらへ
狂ったような笑い声をあげながら走り出してくる!

――B級映画かよ。こんなんじゃビビらねーっつの。

「なんだ、思ったより……」

ふふん、と空いた手を自らの腰にやって、むふー、と
余裕の笑みを見せるレイチェルであった。

が。

カサカサ。

カサカサカサ。

部屋中の穴から、隙間から、小さな虫が這い出してくる。
這い出した虫は、三人の方へと向かってきて……

レイチェル >  
「いやあああああああああああああああ!?!?!?!?」

レイチェル >  
直後、凄まじい悲鳴があがったのだった。
思わず、凛霞に懸命に抱きつきながら走り出すレイチェル!

伊都波 凛霞 >  
二人のおかげで、なんとか耐えた
いや悲鳴はあげてたけど…
怖いものは物の数ではないが、びっくりさせにくるのはダメ
しかもこういうアトラクションは、この道のプロが仕組んでいる
こう、人間の感性の隙に漬け込んだ驚かせかたをしてくる……

「うう…手、絶対離しちゃダメですからね、絶対はな……」

突然、レイチェルがものすごい悲鳴をあげる、と同時に

ぷすー…

窒素ガスかな?きっとそう、首筋を撫でるように噴射されたそれが

「ふぁあああ!!!?」

もだもだ、抱きつかれながら走るものだから当然スピードも出ないしなんだかのろのろ
目を白黒させながら、心臓もばっくんばっくん、やや青ざめた顔で…必死
二人の手はがっちりを掴んで離さないまま、もつれるような足取りで先に向かっていっている

これには仕掛け人もにっこり

園刃 華霧 >  
「ァ」

あ 虫
でちゃった
あー……

上がる悲鳴
……うん、そうだよね

「ェ、ぁ……ちょ、ォ、ん……!?」

リンリンは手を離さない。
チェルは爆走しようとしている。

もうなにかメタメタな力が掛かって、引きずられる
いや、スピード自体は出てないんだけれど、
ペースが無茶苦茶だからやっぱり引きずられる。

「ァー…………っっ」

ずるずるずるずる

「おチつ、けぇぇ……」

引きずられながら上げる声が虚しく響く

レイチェル >  
「やだやだ、何で虫ーー!? 虫なのーーー!?」

視界がぐるぐると回っている。
右も左も上も下もわからないような状況で、光を目指す。
何とかかんとか暗い地下室から外の世界へ……出た!

「……はぁ……はぁ……」

荒い息を吐きながら、ぐるぐるとした目も収まってきた。
そして聞こえてきた華霧の声に、ハッと我に返るレイチェル。
見やれば、凛霞も華霧もボロボロだった。

「か、華霧!? ご、ごごごめんっ! ごめんなっ!!!」

反射的に抱きついて逃げている内に、大変なことになっていた。
館の出口を前にして、あわわと慌てるレイチェル。

伊都波 凛霞 >  
「…な」

「なかなか…、よ、よくできて、ました、ね……」

平静を装おうとしてまったく装えていない
普段なら二人の様子を気遣えるはずの凛霞がまったくそんな余裕がない

「でも一番びっくりしたのレイチェルさんの声だった……」

ぜえぜえ
呼吸がまだ落ち着かない

園刃 華霧 >  
わかったことがある。
此処は、危ない。
とりあえず、この二人を揃えてきてはいけない

面白いのは確かだけど、危険だ

メ…ッセージ……で…す…
これが…せい…いっぱい…です

「ァ―……だい、じょ、ぶ……
 チェルに、リンリン、はー……?」

心配されれば、むしろ二人の方を心配する。
まさか、こんなことになってしまうなんて……

レイチェル >  
「む、虫だけはどうしてもな……」

まだ震えている肩を何とか深呼吸で落ち着けながら、レイチェルは
凛霞と華霧に向けて笑顔を見せる。
まだまだ強張った笑顔であったが。

「すげぇ……どっきり体験をさせて貰えたぜ……」

どくどくと高鳴る鼓動を感じつつ、ゆっくりと外へ出ていく。
外の空気を全身に受ける。こんなにも風が心地よいことが、
これまでに何度あっただろうか。

「と、とりあえず……ちょっと腰を落ち着けて……
 飯でも食いに行くか? それとも、観覧車にでも乗ろうか」

何だか凄い光景を見た後ではあるが、とにかく腰を落ち着けたかった
のだった。見れば、もうすぐ昼だった。

伊都波 凛霞 >  
「ご、ごめんね二人とも…」

ようやく落ち着いて、外に出ればやや申し訳なさそうな顔
手をつないでもらえてれば大丈夫かなー、なんて思っていたらまさかこんなことになるなんて

はぁー、とため息
お化け屋敷が苦手なんて情けない
でも、虫が苦手だというレイチェルを見れば、それもお互い様だったかな、なんて

「そ、そうですね」

施設の大時計を見れば、もうすぐお昼時だ
はやめにいったほうが混まずに済みそうだろうか

「ちょっと休憩しましょうか」

にこりと笑って、ようやくいつもの調子

園刃 華霧 >  
虫が苦手という親友。

「うン……しって、ル……」

まだちょっと息も絶え絶えだけれど、目は笑ってる。
いや、これも楽しいといえば楽しいんだ。
流石に、疲れたけど

「リンリン、コういウの、苦手、なンだな……」

しみじみと口にする。

「ァ―、うん。
 ノンビリ、しよ」

レイチェル >  
「いやほんと、凛霞の意外な一面も知れたぜ……」

完璧超人と呼ばれる彼女だが、驚かしてくるお化けは怖いらしい。
後輩であり、友達である彼女のことを一つ深く知れて嬉しかった。
 
「だよなー……」

華霧には既に知られている弱点だ。
昔、虫型の悪魔と対峙した際にすっかりトラウマを刻まれて
しまっているのだ。
こればっかりは、時が経ってもなかなか克服できずにいる。


「じゃあ、それで決定。ゆったりコースと行くか」

マップを開けば、近くに食べ放題のバイキングを楽しめる
店があるらしい。その名も『フードキングダム』。
凄いインパクトのある名前である。

「ここ行こうか、和食も洋食も色々あるんだってさ」

伊都波 凛霞 >  
「やー…お恥ずかしい…。
 こう、脅かされるってわかってると緊張しちゃって…」

苦笑する
苦手、ではあるもの、嫌いというわけではなさそうで…

「レイチェルさんも虫が苦手だったんですね…」

本庁地下がムカデだらけだったの、ゾッとしただろうなーと思いつつ
もしかしたら知らないのかもしれない、だったら言わないほうが良さそうだ

「ふーどきんぐだむ…す、すごい名前…」

否応なく期待してしまうような…

園刃 華霧 >  
ごはん処の話になった。
ほほう


「ふーどきんぐだむ……いいな!」

思わず、目が輝く。
ちょっと元気がでてきたぞ?

洋食、和食、中華……おお、色々ありそうだ……

レイチェル >  
フードキングダムの店構えは、凄まじかった。
巨大な寿司やハンバーグ、炒飯が木製の看板の横に所狭しと
飾られている。よく見れば、巨大なハンバーグの上にマスコット
であるディスティニーマウスが寝そべっていた。

「……いや、ほんとすごそーだな」

店内に入れば、待たずに入れるようだった。
店員に案内されて、席に移動する間に、
様々な種類の料理が並んでいるのを見ることができた。
本当に、何でもありそうだ。


席にまで到着。レイチェルは腰を落ち着ける。
そうして店員が運んできた水を手に取ると、渇いた喉に流し込む。

「華霧、凛霞。料理を取ってきてくれよ。
 オレはこっちで荷物、見とくからさ。後で取りに行く」

伊都波 凛霞 >  
「わー…ごはん食べるところも凄い…」

思わず店内を見回して、感嘆してしまうくらい
まさに夢の国、非現実的な感覚を味わうことができる

席に座れば先にと促されて

「それじゃ適当に摘めそうなものとかも見てきますね」

色とりどりの料理が並ぶ幻想的な光景に飛び込んでゆく
こんなにあったら、何を選ぶかも悩んでしまう

園刃 華霧 >  
「バイキング、かぁ……」

思えば出禁になった店もあって、最近こういう系のところに来たことがなかった。
それが解禁されるなんて夢のようだ。

それにしても外観もヤバいけど、中もヤバいな……
なんかキラキラしてる感じがある

「ん、じゃあ行ってくる」

手をフリフリして、食品スペースへ
皿を無造作にとって……

「お、サラダ。まズはやっぱ葉っぱダよナー」

ひょいひょいとサラダを盛り付けていく。
ポテトサラダ、なんて寄り道はしない・
まずは葉っぱだけ

レイチェル >  
――いい店があって、良かった良かった。

遠目に二人を見ながら、レイチェルはそんなことを思っていた。
お化け屋敷では悪夢を見たが、フードキングダムはそういった
ことを忘れさせてくれるほどに魅力的な店に思えた。
自身もわくわくしているし、二人も明るい表情で向かって
くれたものだから、レイチェルは心底嬉しかった。

「さて、二人はどんな皿を持ってくるんだか」

背もたれに深く身体を預けながら、料理を選ぶ彼女たちを
見守るレイチェル。

伊都波 凛霞 >  
鼻歌まじりに、お皿に料理を盛り付けていく

いかにも凛霞らしい…といえばそう見えるような
サラダ、お肉料理、パスタ、デザート…
バランスの良い盛り付け方
見た目も綺麗に整えて、上機嫌で席へと戻ってくる

量は…少女にしては結構盛ったほうか
こんな時くらいカロリーを気にせずどーんと食べたいものだ

「おまたせしました、レイチェルさんもどうぞー」

バイキングって性格出ますよね、なんて笑って
それぞれの食事がどうなるのか、楽しみだ

園刃 華霧 >  
バランスは大事だ。とても大事だ。
ゆえに、サラダ、お肉、メイン、パスタ、ご飯、スープ、デザート……

それぞれを"山盛り"用意する

定番な感もあるローストビーフ。これは切り分けてたから新しいし、ものもいい。
ちょっと変わったところで生春巻き。
みんな大好き唐揚げ。

etcetc…

スープといいつつ、カレーをもったり
味噌スープは……まあいいか

ようやっと

両手いっぱい、というか……どうやって持っているのかわからない奇跡のバランスで
とんでもなく色々持ってくる

レイチェル >  
「へぇ……」

凛霞の皿は、なるほどバランスが良い。
優等生である彼女らしい選択といえよう。

対し、華霧の皿。
こちらもバランスは良い。バランスはとても良いのだが、
何分量が凄い。
流石華霧だな、と内心でいつもの称賛を贈るレイチェル。

「じゃ、オレも取ってくるよ」

そう言って、レイチェルも皿を持って料理を取りに行く。
サラダ、唐揚げ、ポテト、ふっくらパンにスープ、デザートのプリン。
野菜を多めにして、全体的にバランス良く仕上げる。
目を引くのは麻婆豆腐を入れた皿である。
ぐつぐつと煮えた赤の海から漂う香りが食欲をそそる。

「それじゃいただきまーす、と」

全員の皿が揃ったら、そう口にして箸をつけようと……
その前に、スマホを取り出して自分を含めた三人をパシャリ。
これは、大切な記録だ。

「いやー、やっと落ち着いた。
 午前中だけでもいろいろあって楽しかったな」

伊都波 凛霞 >  
いただきまーす、の前に写真をパシャリ
もっともこちらはバイキングの写真だ
せっかく綺麗に盛り付けたんだし、崩れる前にね

…とか思ってたらもっとすごいの盛り付けてきたかぎりん
こっちも撮っちゃおう

「半日程度じゃまわり切れそうにないですよね、さすがディスティニーランド」

来るのははじめてだったけど、ここまでの規模だとは思わなかった

「ふふ、すっごく楽しい。
 こうやって仲間の皆で遊びに来るの、心待ちだったんですよ」

仲間、というのは風紀で知り合った友人達だ
それなりに忙しい業務の中、なかなか機会がないのは仕方がない

ポーチから絶叫マシーンの買った写真を取り出して、ふふっと笑う
これは大変貴重な写真だ

園刃 華霧 >  
「ん、写真? ンじゃ、アタシも」

三人でぱしゃり。
ご飯もぱしゃり。

うんうん、良い記録だ。

「んじゃ、いったダきまース」

イッセーの、でもしゃあ

「……ン。そッカ。
 そウいえば……」

リンリンと留置所で話した話を思い出す。
そっか、なるほどな。

「こレから、一杯、もっと遊びに行こーナ。」

にしし、とわらう

レイチェル >  
皆で一斉にご飯を食べ始める。
どれもこれも、かなり美味しい。
ここに来る為に、ディスティニーランドに来てもいいかもしれないと
思えるほどだ。

それにしても、見れば見るほど華霧の皿は凄い。
最初にこの大食いを見た時は呆れと驚きが勝っていたものだが、
今ではもう、すごいな、という言葉しか出てこなくなっている。
いつかクッキーだけじゃなくて、自分の料理も食べてほしいな、
などとちょっと脳裏に浮かべて、ふるふると首を横に振った。
今日は三人で遊びに来ている。
全力で『親友』との日常を楽しむと決めたのだ。

凛霞の方へと視線を移す。
凛霞は料理の写真を撮っている。SNSにアップするのだろうか。
よく見れば本当に、丁寧な盛り付けをしている。
やはり彼女らしいな、と内心で、常日頃の彼女に対する評価と
照らし合わせていたのだった。
ここのところは、完璧超人らしいところだ。

ポーチから取り出した絶叫マシンの写真については、
うえー、と口にして振り払うように空中で手を振るレイチェル
であったが。

「ああ、オレもすっげー楽しいよ。
 また色んな所に遊びに行くの、楽しみにしてるぜ」

そう口にして、へへっと笑うのだった。

そうして満足行くまで、食事を終えて。

「じゃあ次は~……ファンシー観覧車、乗りに行くか!?
 ここから近いみたいだし!」

何でも妖精をモチーフにした観覧車なんだとか。
食後のゆったりとした時を過ごすには、
きっといい場所だと思った。
ぐっと握りしめた拳をテーブルの中央へ出して、レイチェルは
元気に笑う。

伊都波 凛霞 >  
味は当然のように絶品…
それでいて、やはり皆で食べる食事は最高で、
舌鼓を打ちながら、あれが美味しいこれが美味しいと談笑に興じる
一度来ただけではとてもじゃないが全てを味わうことができない

自らの写真に反応を示すレイチェルに悪戯な笑みを浮かべてみたり
食べ始めてもやっぱりすごい華霧のお皿に苦笑してみたり……

「観覧車!ふふ、いいですね。のんびりできそう~」

でもかぎりんはあの量をもう食べ終わったのかな?と視線を送りつつ、
突き出された拳には応えるように、コツンとその小さな拳を合わせた。いえーい

園刃 華霧 >  
「ン―……これハ、ウまい……」

もっしゃもっしゃもっしゃ。
ひたすら食べ続ける。
割とペースは早い。
一口も意外と多い。

途中おかわりにいったりしたけれど、
出禁食らったりシないよね……


「ふぅ……」

食べ終わってみれば、だいぶ満足だった。

「観覧車?
 あの、なんか、回るやつ?」

そんな雑な認識でいた。
面白いのかわからないけれど、まあ
せっかくだし、いくか。

手を伸ばして、コツっと拳を合わせた。

レイチェル >  
そうして、すっかり食事に満足した三人は観覧車へと向かう。
妖精をモチーフにしているだけあって、
本当に可憐なデザインだった。

乗り込めば3人だけの空間が、少しずつ空へ登っていく。

見下ろせば、ディスティニーランド全体を眺めることができた。
豆粒みたいな人が、沢山歩いている。
視点が変わるだけで、随分と感覚も違うものだと、改めて思う。

「華霧、凛霞。
 ほんと、二人と来ることができて良かったぜ」

そう呟く。感謝の言葉だ。
本当に、嬉しい。そして、楽しい。
こんなに素敵な休日を過ごしたのは、いつぶりだろうか。
もしかしたら初めて、かもしれない。

「大好きだぜ、二人とも」

そうしてちょっと視線を逸らして窓の外を見ながら、
レイチェルは穏やかに微笑むのだった。

「こんな穏やかな日々が、いつまでも続いてくれたら。
 いや、違うな。
 オレ達みんなで、作って……守っていかなきゃな」

――それが、オレ達の仕事なんだ。

眼下に広がる大きな世界を見下ろして、
レイチェルは、決意を胸に抱くのだった。

伊都波 凛霞 >  
観覧車が登ってゆけば、少しずつ少しずつ、
地表が遠ざかり…遠くまで、景色が開けてゆく

わー、と童心に戻ったようにそれを楽しみ、景色を動画に撮ったりなんかして…
のんびり、ゆっくりとまわるそれの中で、一頻り愉しめば後はのんびり
そう広くない空間を3人で専有し、言葉を交わす

「私も二人が、風紀の仲間や皆が大好き」

レイチェルの言葉に応えるようにして、自身はまっすぐに、その言葉を投げかける

「ふふ。そうですね。いつまでも続くように…」

風紀委員である自分達の決意を握りしめるように、言葉を噛みしめる
ほんの昨日、本庁で交した言葉を思い出しながら…凛霞もまた、こんな時間が続けばいいなと
続けていけるように頑張ろうと、改めて思うのだった

園刃 華霧 >  
「ァ―……時計塔とはマた違うナがめダなー……」

ほえーっと地上を眺める。
人が豆粒みたいにみえる。
あれか。これは人間がゴミのようだってやつか?


「ン? あぁ……」

大好きだと言われて

「アタシも二人共大好きさ」

にしし、と笑う。


「そーダな。"みんな"で"なかよく"守っていこう。
 お互い、無理シすぎないよう二。ずっと、ナ」

本当に。
この瞬間だけがずっと繋げばいいと思う。
まあ、そうはいかないから
実際のところは持ちつ持たれつ、
うまい具合にやっていくんだろうな。

ご案内:「常世ディスティニーランド」からレイチェルさんが去りました。<補足:金髪眼帯の長耳少女。黒のワンピースに茶色のジャケットを羽織っている。髪は下ろしており、リボンはつけていない。>
ご案内:「常世ディスティニーランド」から伊都波 凛霞さんが去りました。<補足:焦茶の長いポニーテールに焦茶の瞳、白のニットセーターにエンジのスカート、黒ストにスニーカーのおでかけスタイル>
ご案内:「常世ディスティニーランド」から園刃 華霧さんが去りました。<補足:整えられた髪、黒いチョーカー、そして>