2020/09/20 のログ
ご案内:「宗教施設群-とある修道院」にオダ・エルネストさんが現れました。<補足:【乱入歓迎】黒髪緑色の瞳/日本人離れした容姿/黒い祭服で黒川装丁の本を手にした青年【乱入歓迎】>
オダ・エルネスト >  
主不在の聖域に、土足で踏み込み清める男一匹。
古い建物は適度に人の手を入れねば、ダメになるのも早い。
であるからして、手入れは必須。
管理者が裏で育てている畑は雑草と害虫駆除くらいはする。

そんな修道院の表には今、表に『シスター不在中!現在のお話相手はオッダ神父!』と雑に紙を貼り付けた看板が出されている。
※悩み事、相談事は迷宮入りする可能性があります。

そんな修道院の中では、黒い祭服の男が―――
 
 
 
―――踊っていた。
 
 
 
ステップ、ステップ、ターン!リズムに合わせて伸ばした手に下ろして、カッと音がしそうな機敏な動きを魅せる。

オダ・エルネスト >  
しかし、これはただ踊っているだけではない。
イメージした通りに身体を動かす、一種の'''''''合気''''''である。

どれくらいの速度で、指の高さまで寸分違わず動かす訓練。
それは肉体を完全に熟知し支配するということ。

拳を作る動作一つとってもそれは脳内描いた『影』の後をトレース出来ているのか。
それをただ確かめながら動いている。

それがただのアイドルの踊りのようでも、これは苛烈な訓練である……!


「ふぅ……」

人差し指で天を指し、息を吐く。
完全にキマっていた。

オダ・エルネスト > 少し離れたところに置いてあった携帯端末を手にして、
自分の動きを再確認する。

「ターンの後の腕周りの挙動が少し、ズレてるな……しばらく本格的な訓練をしてなかったツケか。
 それにこっちは少し顔の向きが違うな……。
 学園祭――常世祭――までに仕上げられるのか、この私を……いや、間に合わせてみせるさ」
 
祭服の男は録画した自分の踊りをみて握りこぶしを作る。
オダ・エルネストは日々進化中。

「さて、そろそろ夕暮れか……」

先日、お見舞いに行った後、暇そうだったので本を幾つか持っていったりしたが、
あの様子じゃ、直ぐに読み飽きてしまいそうだ。

だが、きっと彼女に必要なのは時間と彼女を求める『人』との繋がりだ。


―――私は、まだ彼女たちのようにはなれない。


自嘲めいた笑みを浮かべて、お茶を用意する。
これを飲み終えたら今日は店じまいとしよう。

ご案内:「宗教施設群-とある修道院」にカルマさんが現れました。<補足:仮面にマント、スーツ>
カルマ > はてさて……
かの有名なる美しき聖女、なるものをこの目に入れようと思い……
更には、時勢さえ許せば戴き物をしようかと思ったのだが……

「『シスター不在中!現在のお話相手はオッダ神父!』……だと……?」

なんと、いうことだ……!?
私の神はどこへいってしまったというのだ……!?

しかし、此処まできて収穫なしというのは如何にも惜しい。
であれば……この、『オッダ神父』なる者にせめてもの去就を聞くしかなかろうか……


「失礼……」

ソレは静かに教会へ足を踏み入れた。
もちろん、紳士の証たる仮面にマントはそのままだ。

オダ・エルネスト >  
扉を開ければ、差し込む日差し、
其の先に一人の黒い祭服の男。

客人の到来に手にしていたティーカップをサイドテーブルに置くと
組んでいた脚を無駄に天まで上げて弧を描くようにして下ろした。

ターンッ!と音を鳴らして、勢いをつけて立ち上がる。

バッと両手を広げ、いつの間にか左手には黒川装丁の本を手にして笑顔で男が応える。


「ようこそ、薔薇の修道院へ」


誰も『薔薇の』などと呼んだこともないし、周囲に薔薇、生えてたっけかとかそういうレベル。

無駄に歯が輝く笑顔にて迎えることだろう―――……、

カルマ > 「ほう……」

差し込む日差しは輝かしく。
そしてそこに座るは光を闇に染める祭服姿の男。

おお……そして、彼の男は……
美事な軌跡を描き足を踏み降ろす。

ターンッ

その音は静寂なる教会になんと美しく響くことか……っ

「なるほど……『薔薇の修道院』……
 美しき聖女が守る修道院と聞いてはいたが。
 よもや、代理を預かる男までもが美の体現とは思いも寄らなかったよ」

私はこの男に敬意を表そう。
この輝きを持つ男に。
であれば、まずは……

「お出迎えいただき、感謝の極み。
 私はカルマ。通称『愛深きカルマ』と名乗るもの。
 以後、お見知り置きいただきたい。」

ばさり、とマントを翻す。
腕をあげ、指を立てる。

差し込む日差しの粒子が私とかの神父の邂逅を称えることだろう。

オダ・エルネスト > 「すまない……あなたが求める聖女は今、神の試練に挑んでいるところだ」

そう口にしながら一度目を閉じて天を仰ぎ見れば、今度は本を抱きしめるようにしてやや下を向く。
貴方が求めた聖女の事を思ってか男はそう苦しそうな顔をして答えたようだった。
彼女の宗教に修行ってあるの? 男は知らない。
でも、多分生きることが試練ならそれって大変だ、間違ってない。

「迷人を歓迎するのは、神父として当然のこと。
 私はオダ。 オダ・エルネストだ。
 愛部垣カルマ……その称賛、ありがたく受け取ろう」

中々奇抜なファッションセンスな人だな、と改めて確認する。
仮装パーティーの時期にはまだ早いが、ここは修道院その打ち合わせが今から来ていたとしても不思議じゃない、かと疑問は尽く滅却する。

「今日この日の出会いは恐らく善因善果による出会い、
 神にもカルマ、貴方の来訪は読めていなかったに違いない」

こほん、と咳払いを一つ。

「それで、本日は何か悩み事か相談事でも?」

多分こういう確認でいいはず、これまで何故か迎えれば扉を閉じて去っていく近隣住民たちがいたが、
どうやら、何も間違っちゃいなかった。

このカルマの言葉を借りるならば、私が―――美しすぎたか……。

「フ……」

思わず、笑みを浮かべてしまった。

カルマ > 「なんと……神の試練……!」

祭服の男はその端正な顔を歪め、天を見る。
そして下を向き……絞り出すような苦しみを込めた声で答えた。

なるほど、そういうことか。
『美しき修道女』ではなく『美しき聖女』と、私の耳には伝わってきた。
すなわち……かの女史は偉大なる神の試練に立ち向かうほどの、敬虔なる聖女!

おお……これぞまさしく私が求めるべき聖女であったはず!
今日この時、出会えなかったのは悔やまれる……
さぞや輝かしき宝を秘めていたのに違いないというのに

「オダ・エルネスト……それが貴殿の名か。
 ほう……名前にすら、気品がある。」

思わず嘆息をする。
待て――考えてもみれば、このオダ神父。
かの聖女の薫陶を得たか、さもなければ聖女を導いた男に相違ない。

ここで帰っても良かったのだが……よかろう。
貴方の器も計らせていただこうか。


「ほう……神父、神にも分からぬことがある……と?」


男は言った。善因善果による出会い、と。
すなわち、因果と神の思惑は別の領域にある、と。時として、神に使える徒としてはあるまじき言の葉と言えるかもしれない。しかし、それを恐気もなく口にした。その、意図を……求めよう。


「フ……」

ばさり、とマントを再びはためかせる。

「生憎と、悩み事も相談事も私にはなく。
 ただ、名高き聖女にお目見えしようと思っただけなのだが……
 試練とあれば、帰りはまだ先かね?」

仮面の下で深い笑みをたたえる。
もちろん見えるわけもないが、魂で感じ取れるはずだ。そう、貴様なら!

オダ・エルネスト > 「まだ、詳しい日程は分からないが此度の試練は、彼女にとって転機となったかと思われるところ。
 彼女とはこの世にて地獄の苦しみを分かち合った戦友でもある。
 私は彼女が一日も早くこの場所に帰ってきてくれることを願っているよ」

首から下げた十字架の装飾を手に小さく、十字を切って祈る。
……で、彼女の宗教って十字を切っても大丈夫なの?
でも、祖国で流行ってた宗教ってこんなんだったから、今度ちゃんと聞いてみるか……などと考えて。

仮面で表情は読めなくとも、伝わることはある。
それは声であったりその人の所作であったりする。

「……そろそろ閉める時間ではあったのだが、
 どうだろうか、良ければ一緒にお茶でも」

 そう言えば、先程までオダがいた場所にはティーセットがある。
 淹れてる茶は、恐らく香り的に緑茶の類かと思われる。

カルマ > 「ふむ……それほどの試練か……
 戦友? 戦友だと…… かの聖女と共に戦場に立ったと?」

なんと、この男は……いや、聖女は戦場にすら立ったと……そういうのか。
ますます興味深い。
『美しき聖女』、ああ……君は一体、どのような人物なのか……ッ!!

十字を切る……
そういえば、異邦の聖女、という噂もあったが。
つまるところ、宗教の行き着くところは同じだということだろうか……
いやまて。彼女がこちらの宗教に感化されたということは……?

「茶……? なるほど、雅なことだ。
 喜んで、その提案をお受けしようではないか!」

ばさり、とマントを翻して神父の対面に座る。
マントは椅子の背もたれへと美しくかかる。
片足をあげ、優雅に組んだ。

オダ・エルネスト >  
「あの地獄の中でも、彼女は美しかったよ……」

何処かはるか昔を思い出すかのように斜め上を見て、笑みを浮かべた。

真夏の海の家でのバイト。 水着姿で火照った肌の彼女は艷やかであった。
しかし、あのままでは焼けて大変なことになっていた。
まさに真夏の地獄であった。

「ちょっと私の使ってるティーカップは柄が違うのだが、先日割れていたのを生活委員会の方に頼んで修復してもらってな。
 少々、美に欠けるところとは思うが、直ったものを使いたくなる心、理解していただければ幸いだ」

そう言われて、ティーセットを見れば、確かにテーブルの上にある他の皿を含めたものとは意匠が異なる。

「カルマは緑茶には砂糖は入れる方か?
 好みで使ってくれ」

ポットから空いてるカップに緑茶を注ぎ、テーブルの上にある小瓶を開けると角砂糖が幾つも入っているようだ。

「しかし、マリー……ああ、ここのシスター・マルレーネのことだが、
 彼女の名声が広がっている事は、我が事のように嬉しいよ」

そう言いながら、右手でカップを取れるように置く。

カルマ > 「なに、形あるものはいずれ壊れるもの。ゆえに美とは、儚きものだ。
 ソレを思えば輝く瞬間を封じ込めることが寛容ではある、が……」

そう、それこそが私の目的。
女性が美しく輝く瞬間に身にまとう薄布……これ以上の美があるとでもいうのだろうか。
そして、その輝く瞬間を圧縮し、手に収め、保管する……
これは、偉大なる所業であると自負している。

「しかし美が壊れるのもまた、必然ではある。
 それを惜しむのであれば……如何にして修繕するか。それが肝であろう、と私は思う。
 そして、その代償に些か趣が異なるものがあるというのであれば……それもまた、美であろう。
 神父は如何思うかな?」

すっかり腰を落ち着けて自論を語る。
美――良いテーマではないか!

「緑茶に砂糖、か……ふむ、不勉強にして今まで試したことはなかったな。
 この機会に試させていただくとしようか」

目の前に差し出された緑茶を一瞥する。
そして、迷いなく小瓶から角砂糖を入れていく。
ひとつ ふたつ みっつ よっつ いつつ……

「ほう!シスター・マルレーネ!
 おお……なんと、可憐な響きであろうか……
 神父、彼女がどのような人物か伺っても?」

ああ……空想が広がる。
我が内の聖女が更に輝いていく。

オダ・エルネスト >  
「詩的だな……だが、そう捉えてもらえる事に感謝の念は尽きない。
 砕けた物が、再び無事だった頃の姿を魅せてくれる――修復技術が発展しているにも関わらず、手続きや費用がかかるのはカルマの言う通り形ある美の尊さを忘れない為か、とは考えさせられるところか」


顎に手を当てて、真面目に考える。

「……美意識、とは難しいなカルマ。
 君がこれまで試したことがなかったように、ジャパンでは緑茶に砂糖というと顔を顰める人も居るという。
 私からすれば普通でも、受け入れられないこともある」

であれば、私の口から語るマリーは誰かにとっては美しくないかも知れない。



「そうだな―――聖女たらんと見えないところでバタ足している人だ」


本人にその気はなくとも、
『宗教』という生き方を知らないのであればそうなるのは必然となる。
そういうつもりはなくとも、そうなっている。


「故に、シスターとしての彼女は美しい」

カルマ > 「そう。我らは美を尊ぶがゆえに、美の損失を恐れ。
 そして、美が損なわれてしまった時に如何にそれを取り戻すかに腐心する。」

私は謳うように語り上げる。

「それだ、オダ神父。人は、己と違うものを受け入れがたく思う。そういう生き物である。
 特に、美については……だな。アレは、感性によって差が出てしまう。」

そして、受け入れられないものは時として否定、さもなければ排除の憂き目を見る。
実に嘆かわしいことだ。


「ゆえに、その不均衡を正すというのが君たち宗教家の役目ではなかろうか?
 無論、全てを受け入れるなど不可能であろうが……理解を示すことは寛容であろう?」


そう、例えば……女性の身につける崇高な布を愛でる、この趣味も。
理解のない余人から見れば、蛇蝎のように忌み嫌われる。
芸術とは孤独なものだな……

「――聖女たらんと、か」

それは……実に、重い。
かの女史は、自らに重い使命を課し聖女として藻掻いているのだと。
なんと……なんと尊きことか。
そして……なんと悲しきことか。

それは……実に美しきことであろう。


「あぁ……それは……さぞや美しきシスターであろうな。
 しかし……シスターとしての、か……」

それは……彼女という存在の重さか。

オダ・エルネスト > カルマの言葉には、同意できる点がある。
理解できるからこそ頷いてしまう。

「カルマ、あまり勘違いしてはいけない。
 宗教とは受け入れる事『も』役目でもあるが、それは教えを、道を示してのことだ
 その道は、『否定』の先にもある。

 何が言いたいかと言えば、宗教家とは人によっては他者を切り捨てる側面もあるということだ。
 少し、君は『組織としての宗教』に『個人の抱く宗教』の理想までも抱いてしまっている」

困ったような顔をしながら、語る。

「それは、無論悪いとは言わないがその理想が裏切られた時、宗教というものが憎くなる。

――そういう時がないとも限らない」
 
なんでも無いように、
ティーカップを口に運びながら考える。

彼女が他人のために動くのが、
宗教というものに縛られて、そうあることしか出来ないのであれば、


―――私は、久しぶりに宗教というものが嫌いになりそうだ。
 
 
「私は、彼女がこの学園で一人の『生徒』として輝くことも期待している」

そう言葉にしてから、思わず軽く笑った。
彼女のほうが年上のはずだが、なんだか父兄のような事を言ったような気がした。

カルマ > 「ほう、なるほど! 確かに! 然り!
 これはこれは、私の不見識を晒してしまったようだなオダ神父。
 いやはや、まったく……」

聖女との邂逅を夢見たが、まさかこのような見識を得ることができるとは。
まさに、神のいたずらとでもいうべきか。

「他者を切り捨てる側面、か……確かに、そのようなものもあろう。
 でもなければ、過去、宗教による争いなど起こるわけはないな。
 さて、しかして――
 神父、あなたの想起するものはそんな上っ面だけの話ではなさそうだが、如何に?」

そこまでいったところで……流石に喉が渇く。
いただいた緑茶を早速ふくもう。
そう、この仮面は高機能だ。つけたままでも茶を飲むくらい余裕……

あっっっまあああああっっっっっっ
角砂糖5個は多かったか……?

「ンッンッ……
 つまり、神父は彼女の『人』としての幸せを望む、と……そういうことか。
 ふむ……そうまで言わしめるとは。よほど、己に厳しく。己を殺すほどに、荒行を積んだ聖女どのであるということか。」

それはなんと苛烈であることか。
それはなんと可憐であることか。
それはなんと悲劇であることか。

それは……私なりの救済が必要かもしれないな……

オダ・エルネスト > 「ははは、カルマここで私が全てを答えることは簡単だろう」

そこで一本指を立てる。

「しかし、仮にも神父を名乗る私の口からこれ以上、
 水底を覗くような言葉を口にするのはあまり美しくないだろう」

最新の仮装衣装というのはハイテクなものだなぁと眺めながら。

「故に、カルマ。
 君も機会があれば彼女に君の輝きをみせてやってくれ」

よろしく頼む、と笑みを浮かべてそちらを見た。

カルマ > 「ははははははは!君は気を持たせる男だな、オダ神父!
 いいだろう、しかしその美学は気に入った。すばらしい!」

高く高く、笑い笑う。
実に爽快な男ではないか。

「無論。もとより、今日の来訪は『美しき聖女』との邂逅を目的としたものだった。
 それが叶わなかったのは無念であるが……こうして、貴殿と語らえたのは無上の幸せだと私は思う。
 それは、無念を補ってあまりあることだろう。」

さて、そこまでいって――覚悟を決める。
口をつけた茶を残してしまうのは、美学に反する。
これを……飲む、のか……
ええい、ままよ!

あっっまあっっっっ

「ンッ……
 ちなみに。聖女……いや、シスター・マルレーネの試練は何処で?
 叶うならば、そちらでの邂逅をしても良いと思う。
 それともかの聖女に少しでも早く会おうと、思うのは……些かに我慢弱かろうか?」

輝かしき男の笑みを見据え……尋ねる。
これだけの輝きを持つ男の認める聖女。
一体どれほどの輝きを秘めるのか……
そして、それを守る薄布は……どれほどの神秘を秘めているのか。

この高ぶる気持ち、抑えられない……っ
まさしく、愛、といえよう

オダ・エルネスト >  
必ず、邪智暴虐の宗教の神をわからせねばならぬと決意した。

オダに宗教の事は分からぬ。 オダは、実は神父ではない。 学園に転入し、娯楽で遊んで暮らしてきた。
けれども、邪神に対しては、人一倍に敏感であった。


「君がマリーとの出会いを臨むのであれば、試練を終えて、
 ここに戻ってきた彼女の輝きこそを見てやって欲しい」

それに、だ―――と意味ありげに首を傾けてそちらを見た。


「我慢し耐えた後に味わう、それは最上の美味を前にする興奮と同じ。
 であれば摘み食いしたくなる気持ちも理解できる――が」
 
 
 
 
 
 
         「 そこは、君の美学は反していないか。 」
 
 
 
 
 
 
「美味しいと予測出来る料理なら是非、完成品を味わうべきだ。 違うかな?」

万全でないならば、食す価値もなしではないか。

カルマ > ああ……神父よ、君はなんと私を唆らせるのか……
君が男であることが実に、実に悔やまれる……
いや、実はボーイッシュな神父なんてことは……いや、ないな。

それにしても――

おまえの望みは叶ったぞ。おまえは、私の心に勝ったのだ。信実とは、決して空虚な妄想ではなかった。どうか、私も仲間に入れてくれまいか。どうか、私の願いを聞き入れて、おまえの仲間の一人にしてほしい。

そんな想いが頭をよぎる。
だが――

「は、はははははは!今日は本当に、まったく……己の不出来を思い知らされる日だな神父!
 いやまさしく、君は正しく『導く者』なのだろう! 」


立ち上がり、マントを翻す


「ああ、オダ神父よ。君の言うとおりだ!私はやはり、我慢弱かったようだ。
 であれば……そう、私は完成品を味わうために。聖女の帰還を待つとしようではないか!
 まさしく、君と私の美学の通り、だ」

またもマントを翻し、手を差し出す。
かの勇士と、友好を結ぶ……これもまた、神の導きだろうか。

いや、神などというものを信じる気など毛頭ないのだが。

オダ・エルネスト >  
「いや、このくらいの事は恐らく冷静になれば君自身でも気づけたはずだ。
 つまり、これは余計なお節介だった訳だ」

何かに深く拘りを持つ君ならば、そうだったとオダは信じる。
故に、これは言う必要もなかったことだったと。
万歳、カルマ万歳。


「私も落ち着きがなく、我慢弱い男だ。 その気持は理解するよ」

そう僅かにかつての失敗に神父は赤面しつつ、差し出された手を握った。

「さて、そろそろお開きの時間だ」

互いのティーカップは、そろそろなくなっているだろう。
今回の邂逅もまた素晴らしき運命の巡り合わせであった。

カルマ > 「ああ……そうだな。すまない、思ったより長居をしてしまったようだ。
 救いを求めてやってくる子羊たちもいることであろうな。」

そうであれば。
私はこの場には相応しくないだろう。
早々に立ち去るべきだ。

「さらばだ、オダ・エルネスト。
 当然、聖女殿とは完成品として会うつもりだが……
 しかして、君ともまた語らいたいものだな!」

ばさりとマントを翻し、出口へと歩みをすすめる。
そう、今日はお別れのときだ。

愛深きカルマはクールに去るとしよう。

オダ・エルネスト >  
「また逢おう、同志カルマ。
 私も君との再び語らい合う日を楽しみにしている。

 君にも光輝の出会いがあらんことを」

去りゆく相手を胸の前で黒川装丁の本を片手に持って、笑顔で見送るだろう。




「――さて、片付けするか……私がいないときにもそれなりに来客もあるようだしな」

別に荒らしているわけではないので咎めたりはしないし、
彼女を求めて誰かが来るのは―――その気持ちを止める権利は私にはないし私が気にする事でもない。

ご案内:「宗教施設群-とある修道院」からオダ・エルネストさんが去りました。<補足:【乱入歓迎】黒髪緑色の瞳/日本人離れした容姿/黒い祭服で黒川装丁の本を手にした青年【乱入歓迎】>
ご案内:「宗教施設群-とある修道院」からカルマさんが去りました。<補足:仮面にマント、スーツ>