2015/06/10 - 20:54~18:23 のログ
ご案内:「屋上」に遠条寺菖蒲さんが現れました。<補足:長い黒髪を結い上げてポニーテールにした青い瞳の女生徒。護身に小太刀を携帯している生徒会幹部候補生>
遠条寺菖蒲 > 夜の屋上で風に髪の毛を游ばれて、それを心地よく感じる。
屋上から見える街並みは菖蒲にとってこれまでただの景色であり、写真や絵画と言った画面の向こうの世界。
そのはずだったのだが、ここ数日で世界はガラリと変わりはじめた。
島の全体から見ればまだまだ訪れていない場所の方が多い。
それでもわずかでも覗いた世界が余りにも明るかったから、
この景色を前よりも美しく尊いものに感じる。
手の内にある缶飲料のアイスココアを一口飲みフェンスから少し離れてベンチに腰を下ろす。
「こんなにここって広かったんだ……」
誰に言うわけでもなくそう言葉を漏らした。
遠条寺菖蒲 > 夜の闇は光を飲み込むように深いけれど、人々の輝きはそれに抗うように眩く煌めく。
そこには温もりを感じるとさえ、今の菖蒲には感じる。
きっとまだまだこれから色々あることだろう。
色々な人とともこれから出会うだろうし、友人のように笑い合う相手もそのうち出来るかも知れない。
これまではそんな事を考える余裕もなかったものだが、今の菖蒲にはその余裕が生まれ始めている。
今までの行動を制限され縛られていた世界にはもう、戻れない。
ご案内:「屋上」にラヴィニアさんが現れました。<補足:水泳部の一年生。イタリアから留学してきた元修道女>
ラヴィニア > 「あら」
わずかな音とともに一声。
屋上空間を囲うフェンスに“降りてきた”その姿は、スリットの入った真っ黒なロングスカートをはためかせ、同じく黒いヴェールをしているために闇に半分溶けて見える。
わずかに驚いたように、屋上にいる遠条寺へ浅く眉を上げた。
遠条寺菖蒲 > ラヴィニアの声を聞いてゆっくりとそちらを向く。
驚いたような顔を僅かに浮かべてフェンスの上に器用に立つ少女を見る。
「……あ、あの!」
幻想的だと思った。
闇に紛れるようなその立ち姿がどこか魅力的に映って。
だから、
「あ、危ないですよ!」
そう思ったことを口にした。
ラヴィニア > ぱちくりと眼をしばたたかせ、一瞬の沈黙がある。
あまりにも外れているが、あまりにも正しい指摘。
黒髪を闇に流して、宝石のような瞳でこちらを見ている年上の女生徒。
「ぷ」
直後、軽く吹き出すと、ひょいと遠条寺の側に飛び降りる。
「ぁは……いえ、確かにそうですわね。危険ですわ。ありがとうございますお姉さま。夜分御機嫌よう」
着地するとそのままわずかに体を傾けスカートの端を軽く持って頭を下げた。
遠条寺菖蒲 > ヴェールによって隠れた顔がどのように変化したのかはその時、よく見えなかったが、
そんなに悪い雰囲気じゃないのは感じ取る。
軽々と跳んで自分の方へ来る少女に危ないって言ってるのに、なんて心配を抱く菖蒲だった。
ラヴィニアの挨拶に対して僅かに頭を下げて答える。
「こんばんわ、良かった。今日はそれなりに風が強いからちょっと見てて心臓に悪かったんですよ?」
スカートもだいぶ風に揺れていたし男子学生が屋上にいたら目に毒だったかもしれないなんて考えた。
「私は遠条寺菖蒲(えんじょうじあやめ)です。てっきり屋上には私一人かと思っていたのでちょっと驚いちゃいました」
自己紹介と共に軽く笑ってラヴィニアに言う。
ラヴィニア > 胸元で軽く手を組み、わずかに首を傾げるようにして
「ご心配をおかけしてしまったようで、申し訳ございませんわ。
遠条寺お姉さまですね。ラヴィニアです、よろしくお願い致します」
笑顔へ、口元が軽く釣り上がるように笑みを返す。
そうして挨拶を終えると、軽く周りを見渡してみせた。
「それにしても、お姉さまの方もこのような時間にどうなさいましたか?
わたくしは丁度帰宅でして……あ、学園備え付けの教会堂をご存知ですか?あちらに住まわせて頂いているのですが」
遠条寺菖蒲 > 「こちらこそよろしくお願いしますねラヴィニアさん」
名前を覚えるように口に出す。
「教会ですか?大体の場所は記憶してますが実際には行ったことがないので案内としては少し不安になりますけど……。
私はちょっと委員会の仕事終わりで帰る前に夜景でもと思って、というところです」
そう言って視線を街の光へと向けた。
どこか憧れを抱く子供用な瞳をして。
視線を戻して
「不安はありますが、良ければ案内しましょうか?」
と道案内をしましょうかと提案をした。
ラヴィニア > 「あら、委員のお仕事ですか。お疲れ様ですわ。何をなさっておられるのかしら……」
そう問い返しながら、遠条寺の最後の言葉を反芻する。
帰る道は当然わかっている。何の迷いもない。
とはいえ、好意を無碍にするのは人の善い行いではないし、何より面白そうだ。
そうソレッラ(シスター)・ラヴィニスは考える。
修道院ぐらしではこのような機会はなかった。
夜景の光を反射して星空のように輝く瞳。先輩にあたる人物と同道するのも楽しかろう。
再び口元に笑みを浮かべる。
「ありがとうございます。お言葉に甘えさせていただきますわ。
しかしお邪魔ではありませんか?」
遠条寺菖蒲 > 「えっと、その生徒会の役員を少々」
はにかんでそういう。そこには委員会の名前を出すことへのちょっとした躊躇いがあったように思えるかもしれない。
「いえ、私も帰るところですから少し寄り道をする程度と考えればさして問題はありませんよ」
それにこうして誰かと言葉を交わすのは楽しい、と言う台詞はちょっと恥ずかしくて口から出なかった。
「それと、夜に黒いヴェールって、その趣味をとやかく言われるのは不快かも知れませんが、視界悪くないですか?」
オドオドとした様子でそう尋ねてみる。
ラヴィニア > 問題はない、という言葉に軽く会釈して感謝の意を示す。
そしてそのまま頭の修道女のヴェールから顔へと垂れた薄布を指で押し開くように上げた。
奥からオレンジ色の瞳が覗く。
「少し」
答えて、悪戯をするような目を向ける。
「深い意味はございませんわ。故郷にいた頃の衣装なものですから」
遠条寺菖蒲 > 礼儀正しい子だ、と感じて自分もシャキッとしないととお姉さまと呼ばれているので少し気合を入れようとするもどこに力を入れるべきか悩み身振りが一瞬不可解になった。
ラヴィニアの顔を見て、思ったのは似合っていると言う感想だった。
金髪でオレンジ色の瞳とあたたかみを感じる見た目に黒い格好というのはなんだか見た目から感じる温度差を程よいものだと思えて少し見とれる。
そもそも余りコレまで人と交友がなかったがゆえにマジマジと人の顔を見てるのも数少ない経験である。
「似合っていると思うわ。でもきっとドレスなどの方が可愛らしいのでしょうね」
今の格好も悪くはないのだけれど、きっとこの少女はドレスなんか来たら人形のように可愛らしいのだろうと菖蒲は思って自分の手を合わせて想像した。
ラヴィニア > 身動ぎした遠条寺に再び首を傾げる。浅く半眼の瞳がまっすぐ遠条寺を見ている。
面白い女性だなと考えている。
自分の周囲に今までいた人間はもっと2つのどちらかが多かった。
つまりもっと洗練され隙のない者。己を遣う者か、あるいは強敵。
または愚か。有象無象の敵か、あるいは肥えた半島の豚。
目の前の“お姉さま”はその身が洗練され張り詰めてはいるのに、同時に一瞬一瞬でストンと抜けたようなものを感じる。
「ドレス、ですか。そういったものには縁がありませんわ。
生まれてこの方修道院暮らしでしたもので。
こちらでは着物というものがあるのでしたわね。お姉さまはそう言ったものをお召になられるのかしら」
遠条寺菖蒲 > 一瞬の挙動不審にラヴィニアの視線が冷たくなったような気がして、
不審な人と思われただろうか、などと勘違いする。
「勿体無いように思うわ」
着物。
着物か、確かにこの島に着て式典やまれに普段着で着る人を見て印象は変わったものだけれど、私の持つ着物は戦装束だ。
あまりいい印象はない。
「何度か着たことはあるけれど、私が着て似合うかしら?」
着物を着た自分の姿と言うのは写真にも鏡越しにも確認したことはないので似合うのかは分からない。
「自分ではちょっと分からないから」
ラヴィニア > 「あら」
着たことがある、という言葉ににこっと破顔する。
叩く、というほどではないが開いた手をあわせ
「あまり詳しくはございませんので、なんとも申せませんけれど、いつか是非見てみたいものですわ。
ええ、ええ、そうですわね。ですからよろしければいつか見せてくださいねっ」
言葉尻がはねて、そのまま手を差し出す
「それでは体も冷えますし、参りましょうか」
遠条寺菖蒲 > 「分かったわ。そのうち見せるわ」
こう純粋に期待されるのは悪くない気持ちがある。
だから、自分の着物姿というものにあまりいい印象がなくともいいかと思うのだった。
「約束するわね」
と差し出された手を握って「そうね」と言葉を返して屋上の出口へと向かう。
ラヴィニア > 「ふふふ❤」
微笑んで、先達に従い歩いて行く。
やや前を行く後頭部を眺め、目を細める。
このところ色々と厄介もあったが、それでも今日はいい夜だとラヴィニアは思った。
遠条寺菖蒲 > そして案内に不安のあった菖蒲は微妙に手を引くはずがラヴィニアに手を引かれる感じで屋上を後にする。
ご案内:「屋上」から遠条寺菖蒲さんが去りました。<補足:長い黒髪を結い上げてポニーテールにした青い瞳の女生徒。護身に小太刀を携帯している生徒会幹部候補生>
ご案内:「屋上」からラヴィニアさんが去りました。<補足:水泳部の一年生。イタリアから留学してきた元修道女>