2017/04/23 - 22:32~23:43 のログ
ご案内:「常世会病院」にステーシーさんが現れました。<補足:パジャマ姿の猫耳剣客。(乱入歓迎)>
ステーシー >  
「…………」

無言で病室から窓の外を眺めている。
当初、全治二ヶ月コースで運び込まれたステーシーだったが、意識が戻ると同時にプラーナで傷を賦活。
驚異的速度で治癒させるに至った。

そして大きな病院から、常世会病院に移された。けど。

「……百鬼」

その名前を呟いた。
夢の中で自分の刀に宿る神から告げられた名。
違反部活であの惨劇を引き起こした殺人鬼。

そして、ステーシーの枕元には彼が持っていた刀が置いてあった。
『元々ステーシーの所持物だった』という扱いになっているらしい。
かといって、大量に人を斬った刀。証拠として押さえてもらうべきか…

ステーシー > 自分を助けてくれたヴェイパージェイル先生からのメモ。
『刀を預ける、返しに来い』
つまり、百鬼は再戦を望んでいる……?

気持ちが落ち込んだ。
自分が持つ300パーセントの斬撃で仕留めきれず、それを上回る斬撃で倒されたのだ。

このままでは終われない。
必ずこの黒刀を持って百鬼に会いに行かなければならない。
その時に、己が正義の水鏡と再び向き合うこととなる。

しかし。

「暇ね………」

テレビが置いてある棚に読み終わった本が積んであった。大量に。

ステーシー >  
もう傷は治っているのだから、適当な理由をつけて退院したい。
でも経過観察とか、事情聴取とか、様々な理由が絡んでいて難しい。

手を伸ばして適当な本を手に取った。

『敗北を経て、猫は丸くなった』という本だった。
友達にこれを初めて渡された時、目を疑った。
今の私にぴったりだ。
あてつけだろうか。あるいは何も考えないでセレクトしただけだろうか。

ステーシー >  
敗北……自分は決して常勝無敗というわけではない。
それでも、殺し屋に剣技で圧倒されたのは堪える。

本をぱらぱらとめくった。
…なんだか、楽しくない。

本は面白い。はっきり言って、ここが病室でなければ笑っていると思う。
ただ、敗北のイメージは心を弱らせる。
……退院したら、ヴェイパージェイル先生にお礼を言いに行かなければ。

どうでもいいけど普通病院(外科)ってパジャマくらい支給してくれない?
私、自前の猫のマスコットが描かれまくってるパジャマなんだけど。
人が来るたび若干恥ずかしい。

ステーシー >  
そろそろお昼だ。
お昼ごはんだ。
気が重い。

病院の、ご飯は、美味しくない。

こんなことならコーンフレークでも食べさせてくれればいいものを。
栄養バランス抜群だし。牛乳かけるともっとバランスよくなる。
あと私はカリカリしたものが好きだ。

別に内臓を壊したわけじゃないのだから、外科くらい美味しい病院食を出してもいいのではないだろうか。

ステーシー >  
病院の自販機にコンポタでも売っているだろうか。
だったら後で買いに行こう。

そう考えているうちに病院食が運ばれてきた。

「ありがとうございます」

笑顔で配膳してくれた看護婦さんを見送った。
問題はここから。

メニューは、なんかの白身魚の塩焼き。
そしてひじきの煮物。
ニンジンが入ってる薄いスープ(コンソメ? 薄すぎてわからない)。
最後にご飯。

手を合わせていただきます。

まずはひじきに箸を伸ばす。
食べると海鮮だぁーウワーという香りがした。
味はなかった。

「……この塩気でミネラルとか大丈夫なのかしら…」

ステーシー >  
次に薄いスープの器を手にした。
スプーンでいただきます。

「…コンソメ……? いや、塩……違う、もっとこう…」

味はなかった。
薄すぎてわからない。
素材を生かした料理だ。
素材しか生きてないとも言える。

次になんかの白身魚の塩焼きだ。
よくわからない白身魚は、ゼラチン質を伴い箸で切ろうとするとニュルリと逃げた。

……食欲をなくすなぁ。

何とか箸で身肉を切って口の中に運ぶ。
なんの魚だろう。トコヨ・アメリカン・キャット・フィッシュかな?
そもそもあの魚の名前には問題があると思う。
常世なのかアメリカなのか、猫なのか魚なのかハッキリしてほしい。

ステーシー >  
でもこのよくわからない白身魚はまぁまぁ食べれた。
これならご飯を片付けられるかもしれない。
私はよくわからない魚のよくわからない味が口に残っているうちにご飯を口にした。

―――――味はなかった。

 
「……どういうことだよ!!」

ご飯に味がないってどういうこと!?
入院患者の心をそうまでして折りたいのかッ!!
というか毎度違う趣向を凝らした不味いご飯が出てくるのにビックリするよ!!
技巧の無駄遣いだろ!!!

もそもそと昼食を食べながら私は誓った。

百鬼にも同じ飯を食わしてやる、と。

不味い飯に磨かれた、傷ついた刃は―――再び蘇る。

ご案内:「常世会病院」からステーシーさんが去りました。<補足:パジャマ姿の猫耳剣客。(乱入歓迎)>