2020/11/01 のログ
ご案内:「Free2」に白い少女さんが現れました。<補足:真っ白な髪、真っ白な服。青白い瞳。>
ご案内:「Free2」から白い少女さんが去りました。<補足:真っ白な髪、真っ白な服。青白い瞳。>
ご案内:「ちょっとむかしの、おはなし」に白い少女さんが現れました。<補足:真っ白な髪、真っ白な服。青白い瞳。>
白い少女 >
目がさめると、すぐちかくでじっと男の子が、女の子を見つめていました。
おへやの中に入っている男の子を見るのははじめてで、女の子はすこし、びっくりしました。
『くるしそうだったから』
男の子は、女の子が「どうしてここに?」と言うよりも先にそう言いました。
女の子のことがしんぱいで、見ていたみたいです。
あまりきもちをださないように見えた男の子が、自分のことをしんぱいしてくれていたのに、女の子はおどろきました。
女の子は「だいじょうぶだよ」と言って、男の子があんしんできるようににっこりとわらいました。
男の子はすこしあんしんしたようで、女の子もそれを見て、ほっとしました。
白い少女 >
男の子がろうかにもどろうとしたので、女の子は男の子の手をにぎって「まって」といいました。
ほんとうは、もっと前から男の子と話したかったけど、どうやって話しかければいいのかわからなかったのです。
だから、今だったら話せるかなとおもって、男の子にはなれてほしくなかったのです。
『なにか、あった?』
男の子はふしぎそうに、そう聞きました。
女の子がそうやって声をかけるのもはじめてだったから、男の子のほうも、びっくりしたようです。
女の子はすなおに、男の子に「おはなしがしたいんです」と言ってみました。
白い少女 >
女の子は、いろいろなことを男の子に聞いてみました。
どこからきたの? どうしてここにやってきたの?
すきなものはなに? いつもはなにをしてるの?
いろいろなことを、聞いてみました。
男の子は、たくさん答えてくれました。
少しまえまで、へいし、としてたたかっていたこと。
せんそう、がおわったから、へいしができなくなったこと。
ごはんを食べるために、そのあとも、おとなの人とたたかい、をさせてもらっていたこと。
そのときにこのお部屋をよういしてくれたおとなの人に、しごと、をしないかって、声をかけてもらったこと。
すきなものは……おもいつかなかったみたいで、ただ、じっとしてるのはあまりすきじゃない、と言っていました。
でもしごとだから、いつも女の子のことをみていたらしいです。
女の子は、それをきいてすこしふしぎに思いました。
じっとしているのはすきじゃないという男の子は、いつもじっとろうかに立っていて、そんなふうには思えなかったからです。
だから「それなら、おしごとのときにわたしとおはなし、しませんか?」と、男の子にきいてみました。
おせわをして、とおとなの人は言ってたけれど、はなしちゃだめ、とはいっていなかったので、男の子のしごと、のときに、おはなしをしても、いいんじゃないかなと思ったからです。
おへやにはあまり、あそべるようなものはないので、おはなしくらいしかできませんが、それでもじっとしてるよりもたのしいかな、なんて。
そんな風にいうと、男の子はこうききました。
『いいの?』
おんなのこは「はい」とにっこりわらっていいました。
女の子と男の子は、すこしだけ、なかよくなった気がしました。
白い少女 >
女の子と男の子は、まいにち話すようになりました。
女の子がとりだと思っていた、まどからみえるそらをとんでいるものは、男の子が言うにはひこうき、という人が作ったものらしくて、女の子はとてもびっくりしました。
「ほんとうはクロエってなまえなんです」といったら、男の子はじぶんのなまえを――――ばんというのだとほんとうに思っていたらしくて、とてもびっくりしたかおをしていました。
それをきいて、女の子がおもしろそうにわらうと、男の子もつられて、楽しそうにわらいました。
白い少女 >
それからもたくさん、いろいろなはなしをしました。
白い少女 >
むかし、しゅうどういんで食べたシチューのはなし。
ミルクでつくる、あったかいシチューをみんなでたべると、さむい日でもからだがぽかぽかしたことをはなしました。
『からだがあったかくなるたべものがあるの?』
そんなふうに言う男の子は、なんだかとってもふしぎそうでした。
白い少女 >
本でよんだ、とおくにあるしまのはなし。
ふつうのひととはちがうことのできるひとがあつまってるしまがあって、そこにはいろんな人がいるらしいと女の子がはなして、いっしょにどんなところだろうと、かんがえてみたり。
「いろんな人とともだちになれたら、とてもたのしそう」
女の子がそういうと、男の子は『ともだちって?』と言ったので、女の子はすこし、なやんでしまいました。
ともだちがなになのか、をおしえるのはむずかしくて、女の子はうーん、うーんとしながら
「いっしょにあそんだり、たくさんおはなしをしたりして、ずっといっしょにいたいなっておもう人のことだよ」
と、いいました。
そうしたら、男の子が
『じゃあ、クロエとおれも、ともだちだね』
と、わらっていいました。
白い少女 >
女の子は、それを見て……むねのあたりがぽかぽかと、とくんとくんとするのに、気がつきました。
なんだかいつもとちがうかんじに、女の子はふしぎな気持ちに、なりました。
白い少女 >
今日は、ここでおしまいです。
ご案内:「ちょっとむかしの、おはなし」から白い少女さんが去りました。<補足:真っ白な髪、真っ白な服。青白い瞳。>