2020/09/18 のログ
ご案内:「委員会街・風紀委員会本部ロビー」に追影切人さんが現れました。<補足:風紀委員会の制服(着崩している)、左目に黒い眼帯、左手に黒い革手袋>
風紀幹部の一人 > 『では、今回の第一級監視対象『影切る凶刃』及びー―”仮性怪異”『マーナガルム』の定期報告はこれにて終了とする。ご苦労だったな、追影君』

その男は、怜悧な表情でそう告げた。やっと終わったかとばかりに自分は立ち上がり、さっさと堅苦しいこの部屋を後にしようとする。

――その背中に、一度だけ声が掛かった。

『ああ、そうそう――そろそろ君をまた”投入”するかもしれない。よろしく頼むよ。
―――監視対象とはいえ、”追影”の苗字を持つなら――きっちりやり遂げてくれると私は信じているよ』

――答える気も起きず、さっさと乱暴にドアを閉めてその部屋を後にしたのが10分程度前の事。

追影切人 > 「――クソうぜぇ、これだから婉曲な言い方をするヤツは苦手だ」
追影切人 > 叫びには遠く、大声を挙げた訳でもない。しかし、心底うんざりだ、という気分を隠しもせずにぶちまけた。

ここは風紀委員貝本部のロビーだ――人の行き来もそれなりに多い。
ある者は無視し、ある者は視線を向けながら通り過ぎ、ある者は「うげっ!?」といった表情を浮かべて逃げるように方向転換する。

――そんな周囲の様子を気にした様子も無く…と、いうか本部に訪れる度にこんな反応ばかりだからもう慣れた。

(――しっかし、俺を投入だぁ?どうせ監視付きで限定条件化での”運用”だろーがよ)

ああ、クソうぜぇ、ともう一度今度は小さく呟いて舌打ち。ロビーの一角のソファーを占拠しながらだらける。
そもそも、この赤い制服は趣味じゃないし堅苦しい。だから着崩している…正直脱ぎたい。

追影切人 > 「…そもそも、仮性怪異だとかマーナガルムって何だよ、変な呼び名が増えてんじゃねーか」

まぁ、識別コードみたいなものだとは分かっているが。事実、今の自分は徐々にだが怪異化が進行している。
既に左手首から先は怪異になっており、こうして左手だけ黒い革手袋を嵌めている…蒸れるから外したい。

「――ったく、怪異化の解除の仕方も手掛かりすらねーし、どうしたもんかな」

別に自分がどうなろうが因果応報の末路だろうが、怪異に成り果てるのはちょっと困る。
ロビーにある自販機で買い込んだコーヒー(無糖)をぐびっと飲みながら黄昏モードだ。

まぁ、周囲から見れば眼帯のチンピラじみた奴が不機嫌そうな表情で座っているように見えるかもしれないが。

追影切人 > 「――つーか、あの野郎…苗字の事にまで触れやがって。嫌がらせかよ」

そもそも、本来この男に名前も苗字も無い。切人は便宜上名乗っているだけだったが苗字は――


『――私のを君にあげよう。苗字くらいないと格好つかないだろう?』


――ああ、くっそ、わーってるよ。アンタから貰った苗字は俺がきっちり受け継いでるさ。
だから、今の名前を捨てる気は無いし、この苗字は数少ない、いやほぼ唯一の己の”財産”だ。

「――しかし、俺が投入っつーとどっかの違反組織か違反部活の摘発か――」

あるいは”殲滅”か。『デッドブルー』の山とか面倒臭い事は勘弁なのだが。
コーヒーを合間にちびちびと飲みつつ、煙草も吸いたいが――流石にここではまぁ、そりゃ無理な話だ。

ご案内:「委員会街・風紀委員会本部ロビー」にレオさんが現れました。<補足:新参の風紀委員。最近公安をクビになった。乱入歓迎。>
レオ > 「ははは…お疲れ様です」

そういって男の横から青年の声が聞こえる。
声の主は……男の真横から。

男がもたれて腕の置き場にしていたのが、『青年の頭』だった。
やけにふさふさした腕置きだと思ったかもしれない(?

苦笑しながら「ど、どうも…」とちびちびとペットボトルの水を飲んで挨拶をしている。

追影切人 > ――そういや、このソファー、やたらと感触が独特だな…こう、ふさふさって感じの…。
と、何となくそのまま隻眼を横に向けた――何時の間にか一人の少年が居た。

(…あ?何時から居やがったんだコイツ?つーか、何だ。どういう状況?)

確かなのは、自分が腕の置き場にしていたのが彼の頭だったという事…ああ、道理でさっきからすげぇ目で偶に周囲から見られていた訳だ。
――いや、気付かなかった俺も俺だがよ?周囲もちったぁ一言くらい指摘してもいいんじゃねーのか?

「あーー…わりぃな、気付かなかった」

と、ぞんざいだが一応謝罪はちゃんとしておきつつ、腕を彼の頭から退かしておく。
…見覚えの無い顔だ。まぁ、基本的にあまり周囲と接点がある訳でもないし物覚えはあんまり良くない。

「――――しっかし…また”おかしな鍛え方”してんだなオマエ…その指とかよ?」

と、ペットボトルを持つ彼の手指を軽く顎でくいっと示しながら。一目だけで何かを見抜いたらしい。

(――そっち方面はよくわかんねーが…剣術の類、しかもかなり独特のヤツを修めてるっぽいな。
――”切れ味”も悪くねぇ)

『斬る事』に少しでも関連するなら、その点だけは男の洞察力は異常なレベルだ。だから見抜けた。

レオ > 「いえ、こちらこそ…すごく怒っていたようなので、何時声かけようかなーと思ってましたが…」

あはは、と苦笑をする。苦笑の多い青年だ。
のかされればぴょんと跳ねた頭が復活する。中々癖毛のようで、あちこち髪の毛が跳ねている。

目の傷に、絞った筋肉……風紀委員の腕章はあるけど、風紀の人なのかな…?
そう思っているうちに、相手の方から声をかけられる。
え?と驚きながらも、それに応対するだろう。

「あ、あぁー…教わった剣術がちょっと特徴的で、人差し指と中指を凄い使うから鍛錬でも重視されるんです。」

前に出会った先輩にも同じように指摘された、肉刺を何度も潰し骨折や突き指を繰り返した結果に出来た指。
前の…月夜見先輩は不思議な雰囲気の人だった。目の前に広がる情報を取り漏らさないような、そんな事が出来てしまう雰囲気の、不思議な先輩。

この人のは、感覚だけど少し違う。
体格、視線、振舞いが戦う人間の動き。
指先に気が付いたのも、指の歪さに気が付いて聞いてきたのだろうと察するだろう。

―――強そうだな、でも変な死の気配がする。
特に、左手から。

男を見ながら、そう思った。

「…と、すみません名乗りもせずに。
 レオ・スプリッグス・ウイットフォードです。最近から風紀委員にお世話になっています。
 先輩の方は…どういった名前で?」

追影切人 > 「あ?…あー別に怒っちゃいねーよ。ちとイラついてただけだ」

それを怒っているというのでは?と、思うかもしれないが男の中では怒りとイラつきは全く別らしい。
しかし、やたらと癖毛な相手だ。何かふさふさしてるけど弾力があったのはそのせいか。

「――へぇ?そりゃ面白い剣術じゃねーか。今度ちょっと斬りあいしようぜ」

と、好奇心が惹かれたのかそんな物騒なお誘いを。まるで挨拶でもするかのようなノリである。
彼が思い浮かべた女性と男は全く雰囲気も佇まいも違う。確実に共通しているのは”一点”のみだ。
――少なくとも、周囲にはそう見られている事だろう。

(――で、”これ”に気付くってこたぁ、怪異とかの気配のも鋭い、のは確定か)

勘が鋭かったり優れた何かしらの感覚の持ち主ならば、男の黒い革手袋で覆った左手の異質さは感じ取れるだろう。
少なくとも、隣の相手はそれを感じ取った――戦闘技能は十分だと見ていいだろう。

「…俺は2年の追影切人だ。まぁ、普段はこんな堅苦しい制服なんて着ちゃいねーけど。
一応、まぁ風紀委員会の所属って事になってる…らしーぜ?」

と、何処か伝聞か他人事のようにそう答えて緩く肩を竦める。しかし…彼の名前は何か覚えがある気が。

「レオ・スプリッグス・ウイットフォード…なーんか、最近聞いたような気が……あぁ」

思い出した。

追影切人 > 「オマエか、例の『公安を三日でクビになった男(スリーデイズ・ロストマン)』ってのは」
レオ > 「あはは、模擬戦は得意ではないですが、それでもよk…‥」

言いかけた言葉が止まる。

それ、未だに噂になっているんですか。

というか、何かルビまで入っているんですが。

”代行者”よりも聞きたくない噂なんですが・



「………あ、あは、は……」
空笑いが響く。目が死んでいる…!

追影切人 > 「――つーか、公安を三日でクビって、オマエ何やらかしたんだ…。」

何となく半眼で隣の相手を見遣る。実は問題児だったのか?…まぁ、それはそれとして。
あと、ルビとかなんで入ってるかって?知らん、誰かがそれっぽく当て嵌めたんだろう。

「まぁ、噂とか疎い俺が知ってるくれーだから、意外と知られてんじゃねーの?
俺も偶然小耳に挟んだ程度だけどよ?まぁ、やたらと特徴的な呼び名だから記憶に残ってたっつーか」

まぁ、流石に自分”達”のような”問題児”ではなかろうが、コイツも中々に曲者な気がしてきた。

「つーか、最近前線の人員を増員してるとか聞いたが、レオもその類か?」

男はバリバリ前線タイプだが、立場的にそうそう駆り出される事は無い。
少なくとも――”性悪女”はともかく、”女狐”は相応に現場には出ていそうだが。

「んで、おーーい生きてるか?目が死んでるぞオマエ」

ご案内:「委員会街・風紀委員会本部ロビー」に幣美奈穂さんが現れました。<補足:華奢なちっちゃい巫女さん>
幣美奈穂 >  
風紀委員の過酷なお仕事をしてきた美奈穂。
ハンカチで拭いてもまだ濡れた髪・・犬くさいです。
次こそは・・!
と思い、報告書を書きに委員会に戻ってこようとしてまして。
扉を開けようとして・・聞こえてきたお言葉。

「スリーサイズ・ラッキーマン!。
 なんか邪な感じがいたします!」

ぱぁーんっ!
扉の先に誰がいるかも確認せず、勢いよく扉を開けます。
聞こえてきた言葉、これは風紀を乱しかねない感じがしたのです。

レオ > 「あはは‥・何したんでしょうね…」
苦笑してはぐらかす。実際、何でクビになったかは分かっていないのだ。

「…早くその名前、忘れられないかなぁ…‥と、あぁ…
 
 そう、ですね。最近前線で…落第街の違法組織の摘発とかをやっています。
 前に怪我して、数日待機命令が出ましたが…今朝完治したので、これから復帰ですね。」

「っと…」

レオ > 入ってきた少女を見て、少しびっくりする。
身長140以下の背丈、見るからに少女といった出で立ち。
迷子かな?レオは訝しんだ。

「あ、えっとー‥‥君ここは関係者以外は入っちゃだめだよ。
 どうしたの?迷子?」

ちょこんと腰を落として、女の子に目線を合わせて優しく聞く。
迷子なら、出口まで案内しなければ。

追影切人 > 「いや、それただのスケベ野郎じゃねーか」

と、いきなり現れたちっちゃい巫女?少女に取り敢えず条件反射みたいに突っ込みは入れておきつつ。
レオの方を見ると苦笑しつつ黄昏た空気をしていた…あ、こいつ多分苦労人ってやつだな…と、何となく察した。

「へぇ、そりゃご苦労さん。――あー、そうなると俺も摘発とかに回される可能性があんのか」

独り言のように。どのみち、自分が投入される現場なんてロクなもんでもないだろうが。
しかし、苦労人な上に仕事熱心ときた。風紀の仕事はまともにやってない…出来ない視点から見ると色々と溜め込みそうだな、と漠然と思っており。

あと、そこのちんまい巫女。むしろ風紀を乱してるのはオマエの発言じゃねーかな、と男は思っているが、口には出さないのがせめてもの配慮である。

で。レオの対応を眺めていたが、「いや、案外そこのちんまい巫女も風紀なんじゃねーの?」と、一応言ってみたり。

幣美奈穂 >  
「・・!
 わたくし、もうオトナですわ!。
 迷子になったりしませんの」

ケルベロスにぺろぺろされて犬臭い美奈穂。
背伸びをしまして、レオ様に主張します。
もう中等部なのです。

「お、オトナなお話なのですか・・?」

少しお顔を赤らめて、切人様とレオ様を見比べてしまうのですけれど。

「摘発・・そういうお仕事は、まだしたことがありません」

こくり。
なんか真面目な風紀のお話だったようです。
美奈穂に任されるのは、あること以外は平和なのが多いのです。
今日は、獣系怪異への予防接種のお願いのお手紙の配達でした。

レオ >  
「えぇ? そんなまさk…え、そうなの?」

風紀委員、と言われきょとんとした顔で見る。
明らかに年下。小学生程の見た目に見える。
こんな子も風紀委員なのか…じゃあ、先輩?

「ああいえ、雑談というか…って、どうしたんです?顔が赤いですけど……
 あー…摘発。まぁ、僕らみたいな所は少数な所ですしね…風紀内でも」

摘発、違法組織に飛び込んで捕まえる、最悪の場合殺害するという任務は、当然危険が伴う。
今目の前にいる少女がやるのはまさしく危険だろう。
そうでなくても、好き好んでそんな危険な仕事をやる人間は少ない。

「あ、えーっと…レオ・スプリッグス・ウイットフォードです。
 先輩は…?」

追影切人 > 「――まぁ、この島じゃ見た目とか当てになんねーヤツも普通にゴロゴロ居るからな。
そこのちんまい巫女が風紀で俺らより”先輩”でも別に不思議じゃねーだろーよ」

レオと違い、本当に彼女が風紀の一員でも特に驚く素振りは見せない。
むしろ、ああ、やっぱそうか、といった感じで頬杖を着きながら二人のやり取りを眺めており。

「いや、別にそんなスケベな話は特にしてねーよ…んで、俺は2年の追影切人だ、そっちは?」

と、巫女少女に一応名乗りつつ、そちらの名前も聞いておこうかと。
レオの話にそちらへとまた視線を向けつつ。

「摘発で済めばまだ”マシ”っていやぁマシだけどな…まぁ」

ちんまい巫女を見る。こいつの前であれこれ言う話でもねーな、と思いつつ一息。コーヒーを飲みつつ。
ちなみに、先輩だろうが教師だろうが敬語はまず使わない男なので、当然のようにタメ口である。

幣美奈穂 >  
まだ大きくなります。成長期なんです、
と脚をぷるぷるさせながら背伸び。ぎゅっと胸前で握った両手。
体幹はいいのでよろついたりはしないのですけど。

「!。わたくし、風紀委員です」

えっへん、胸を張って見せます。

風紀委員4年目。
怪異関係でかつ、風紀委員か祭祀局かという境界な時以外は。
風紀委員の『雑事』を行うベテランです。
・・年齢や運動神経から、荒事とはほぼ無縁なのです。

「4年生。中等部の幣美奈穂と申します・・
 今日は、マ王様とか、ペロペロスちゃんと会ってきました」

踵を降ろしますと、ほっとしながら両手を前に揃えまして。
ぺこりん。
そろそろふくらはぎが危ない感じだったのです。

ほむほむ。摘発の話に頷いておきます。
興味はあります。

「やっぱり、そういう摘発の時はアンパンと牛乳が支給されると聞きましたけど。
 レオ様も切人様も、経験があるのですか?」

レオ > 「4年…4年生!?」
先輩だった。
しかも大分先輩だった。

「しっ。失礼しました!!その、完全に迷子だとばかり…と、え?」

切人の方を見る
アンパン?牛乳?
そんなの出たっけ?っていう顔

追影切人 > (へぇ、体幹はしっかりしてるな、このちんまい巫女…成程、それこそ見た目通りじゃねーってやつだな)

「4年ねぇ、確かに先輩だが…まぁ、何かピンとこねーから、普通に呼ばせて貰うわ」

と、そこはこの男らしい台詞で答える。先輩だろうとそうでなかろうと、話し方が変わる事はない。

(あと、マ王とかペロペロスって何だ…まぁいいか)

正直よく分からなかったが、まぁ分からなくても大丈夫そうだからそうしておこう。
あと、レオ…そんな目で見られても困るんだが。そもそもこっちは自由に風紀の現場に出れる立場じゃねーんだって。

「あーー…まぁ、少なくとも俺はアンパンも牛乳も出た事は流石にねーな…。
まぁ、仕事を頑張ってる美奈穂へのご褒美?みたいなもんじゃねーの?」

よく分からんけど、そう申してみる。正直誰かのフォローとかは大の苦手なのだが。
口が上手い類ではない…そういうのは何処ぞの”やつがれ”の領分だろう。

幣美奈穂 >  
「もう中等部生ですから迷子になりません!。
 これからは迷大人です!
 はいっ、レオ様と切人様でいいですかしら?
 それともレオお兄様の方がいいですか?」

ふふぅ~ん。お鼻高々にみせます。
華奢なうえちっちゃいので、威厳は0です。
こちらからの呼び方も尋ねてみるのです。

「?。お二人とも知らないのですか?。
 もっと厳しい摘発じゃないと駄目なのかしら?
 わたくしも、頂けるようなお仕事まだかしらって待ってるのですけど・・」

首をかくりと傾げさせます。
真面目なお顔で、おめめぱちぱち。
片手の人差し指を顎に軽く当てます。

レオ > 「う、うぅーん…‥・
 普通にレオ、で大丈夫ですよ、幣美先輩。
 様は流石に…恥ずかしいので」

苦笑した。
様呼びなんて慣れた事すらない。

ふふーんとする少女に、可愛らしいなと思いつつも、あまり子供扱いするのも怒られそうだと口に出すのはやめた。

「というより、出ないんじゃないでしょうかね…?あんまり聞いた事ないし…」

レオの対応する摘発、とは、摘発とは名ばかりの暴力による鎮圧が近い。
秘密裏に行われる違法部活の鎮圧。つまるところ…違法部活を暴力的に壊滅させるような仕事だ。
勝手が違うので、分からない。

「っと‥‥そうだ時間とらせてしまいましたね。
 えーっと…書類、持ってきたんですね。すこし持ちましょうか?」

追影切人 > 「あーー、別に様付けはいらんが、そっちの好きに呼べばいいんじゃねーか…レオお兄様、ねぇ?」

成程、確かにレオの物腰とかは女受けが良さそうだな…そういうのよく分からんから多分、だけども。

「まぁ、普通は出ねぇだろうよ…あと、別に前線とか摘発だけが風紀の仕事じゃねーだろ。
事務方に他部署との連絡係に情報処理、あと雑事…裏方や後方支援も立派な”お仕事”だろーよ」

と、この男にしては案外とまともな言葉を漏らしつつ…まぁ、自分みたいな監視対象はそもそも動きが制限されているので、何ともいえないが。

ちなみに、この男が投入される場合は鎮圧ではなく”壊滅”が前提である。汚れ役、後始末係…そんなものだ。

「おー親切だな色男。まー頑張れ」

そして、手伝う気が全く無さそうな男である。普段は割と怠惰なのだ。

幣美奈穂 >  
ちゃっと横を向いて、少し声を低くしまして。

「『スリーサイズ、ホシは現れたか』」

そして、逆側を向きますと。

「『スカーフェイス、まだだな』
 そう会話しながら、牛乳とアンパンを頂きますの」

と、なんか一人芝居しましてから、きらきらとしたお目めをお二人に向けます。
渾名といいますか、二つ名で呼び合うのがその世界では常識です。
摘発=刑事ドラマなのを考えているのです。

「わたくしも、もうオトナですから。
 もう少しいろいろお仕事しても大丈夫と思いますの・・」

4年もしているのに、なんか他の風紀委員の活動の話を聞きますと。
なんか、自分にまかされるお仕事と随分違うのです。

「あっ、提出するだけですから・・」

と、毛筆で書かれたお仕事の報告書をぺらり、見せます。
1/3が、5匹に予防接種のお願いのお手紙を届けた事。
1/3に、それぞれの獣系怪異のもふ具合や可愛さ。
残り1/3には、アライグマ・ひよこ・フクロウ・ハクビシン・ケルベロスの絵が上手に描かれているのです。

レオ > 「(可愛らしいなぁ)」

その様子を見てほのぼのした。
なんとなく和む。

「まぁ、暇をしていた所ですから、別に気にせずとも大丈夫ですよ。
 っと…これが予防接種の?動物と…可愛らしい怪異か、怪獣のような…」

報告書を見ながらそんな感想を溢す。
こんな仕事もあるんだな…
それに比べて今自分がやってる仕事と言えば…

……

‥‥‥‥

…‥‥‥‥


「…なんか、こう…こういう仕事を見てると……



 こういう普通の仕事がやりたかったなぁ、ってなりますね…」

少し乾いた笑みがこぼれた。

追影切人 > (いや、スカーフェイスはまだいいとして、スリーサイズって呼び名はどうなんだよ…って思うのは俺だけか?)

レオを見る――あ、駄目だコイツ可愛らしいとしか思ってねぇ顔付きだ。たぶんそういう顔だ。
レオが美奈穂の報告書を眺める横から、こちらも取り敢えずひょいっと覗き込むようにしてどんなものかと眺めてみる。

「あーーー……まぁ、いいんじゃねーの?」

昔、世話になった人の影響で多少”絵”は描けるが、こういう平和な絵は自分には無理だろう。
レオの言葉にちらり、とそちらを隻眼で一瞥してから顔を引っ込めて一息。

「レオ、そう言いたくなる気持ちになるのは否定しねーけどよ。
――適材適所、選り好みしてたら風紀の仕事とかやれたもんじゃねーと思うぞ。
…ま、俺も何を血迷ったか書類仕事をたまーにやらされたりするけどよ。

――美奈穂には美奈穂の、そしてレオ、オマエにはオマエしか出来ねー”仕事”があんだろ、そこは忘れずにいとけ」


…ああ、少し説教くさくなったな、ガラじゃねーのに。コーヒーの残りを飲み干して一息。

「んで、美奈穂。色々な仕事をやりたい気持ちはいいとして、お前に今任されている仕事をきちんとやり続けろ。そういうのが大事だって聞いた事あんぜ?」

幣美奈穂 >  
「この子がマ王様。
 このペロペロスちゃんに、最後にぺろぺろされてぐっしょりです」

アライグマの絵を指さしてマ王様といい。
ケルベロスの絵を指さしてちょっとほっぺを膨らまします。

常世の現世に人と交わり暮らす怪異。
念のために予防接種をしてもらい、変な病気がでないように予防です。

「今日はたくさん歩きました!。
 ・・わたくしもえいやぁってするようなお仕事できますかしら・・」

切人様をみまして、尋ねてみます。
適材適所!。なんか、自分も摘発できそうな気がしてきました!

「はい。お仕事言われましたの、きちんとします・・。
 けど、なんか歩いてみてくるだけでいいって言われること多くて・・」

なんでかしら、と首を傾げさせます。
実は、まだ常世に現出していない穢れをもつ怪異の気配を。
ふらふらと感性で見つけ、事前に浄化することを自然なお勤めとしてるのですけど。
美奈穂にはとくに伝えられていないことなのでした。

レオ > 「適材適所、かぁ…そうですね、僕なんて剣振るくらいしか取り柄もないですし…書類仕事もあんまり得意じゃないし…」

かなしい顔をした。

「ッと、じゃあ、一緒にこの報告書を持っていきましょうか。
 えーっと、何処に持っていけばいいんですかね?」

そう言いながら書類をとんとん、とし、ついていく構えをする。
先輩の仕事だ、暇なんだから手伝うに越した事はない。

「…でも、いいですね。こんなふうに動物と触れ合える仕事も。
 よければ道中、どんな動物がいたのかとかお聞きしても大丈夫ですか?」

追影切人 > 「はっ、それを言ったら俺は斬る事しか出来ねーよ。しかも今はそれすらロクに出来ないナマクラだぜ?」

皮肉げに苦笑を零しつつ、レオへと肩を竦めてみせる。追影切人は剣は振るわない。振るうのは”刃”だ。

「あーーー俺みたいなヤツの言葉を真に受けすぎんなよレオ。真面目過ぎるぞオマエ。
こういうのは話半分で聞いておいていいんだっての。美奈穂もだ。
もうちょい成長したら多分、色々任されるかもしれねーだろ?今だけは我慢しとけ」

彼女の本当の役割は男は知らないし、レオの背景も勿論知らない。
そもそも、自分みたいなナマクラのアドバイスや説教なんて別にマジに聞く必要も無いわけで。

「さて、俺ぁそろそろ行くわ。レオ、美奈穂をしっかりエスコートしてやれよ。
美奈穂もご苦労さん、んじゃ、また会う事がありゃそん時にな」

こちらも空き缶をノールックシュートで空き缶専用のゴミ箱に一発で放り込みつつ立ち上がり。
二人に軽く右手をひらり、と気だるそうに振ってからこの場を一足先に後にするのだった。

幣美奈穂 >   
「わたくしも、わたくしも!。刀、振るのできますわ!」

ぐっと手を軽く握り胸の前。
やる気たくさんです。

「もう、わたくしオトナですのに・・」

と、成長したらというのにほっぺを少し膨らませてしまいます。

「あっ、はい。
 切人お兄様、お疲れ様です・・ごみを投げたら委員会の方にまた怒られますわよ!
 ――こっちの事務室に提出するところが・・」

先輩です。
先輩風紀委員として、後輩さんに教えることができるのです。
小股で小さい歩幅、とてとてっという人より遅い歩みで。
なんか、るんるんっとした気分になってしまいます。

そうして、今日もにぎやかな風紀委員会なのでした・・。

レオ > 「へぇ…皆さんも武術習ってるんですね。
 そういう人、多いのかな…」

ぼんやりと思いつつ、手を振られれば。

「あぁ、お疲れ様です。それじゃあ幣先輩、いきましょうか」

そういってぺこりと見送った後、目の前の少女の方を向く。
よいしょと荷物を持って、ちっちゃな先輩についてゆくだろう…

ご案内:「委員会街・風紀委員会本部ロビー」からレオさんが去りました。<補足:新参の風紀委員。最近公安をクビになった。乱入歓迎。>
ご案内:「委員会街・風紀委員会本部ロビー」から幣美奈穂さんが去りました。<補足:華奢なちっちゃい巫女さん>
ご案内:「委員会街・風紀委員会本部ロビー」から追影切人さんが去りました。<補足:風紀委員会の制服(着崩している)、左目に黒い眼帯、左手に黒い革手袋>