2020/10/31 のログ
ご案内:「落第街 路地裏」にオダ・エルネストさんが現れました。<補足:黒髪緑色の瞳/燃えるサムライゾンビのコスプレをした青年【乱入歓迎】>
オダ・エルネスト > ハロウィンは、仮装パーティー。
現代極東のハロウィンとはそのようにあるようだ。
言わば、公衆の面前で仮想と称して色々な格好が出来るということだ。

そんなオダが選んだ仮装のテーマは、

 エンチャント・ファイア
「火炎属性付与」

――燃えるサムライゾンビである。

実際に炎を身に纏うわけじゃなく、魔力光と特殊メイクを利用した迫真の仮装ではある。
だが、顔はばかりは日本人っぽくはならないのは生まれ的に仕方がない。

常世渋谷からわっはっはーと楽しんで歩き続けて何処まで往こうか、と風に導かれた結果

「何処だ……ここは」

オダ・エルネスト > 「なんだか、雰囲気が違うような……」

いや、違うな。
ここはこういう趣向。
浮浪者の如き人々も、今日はハロウィン!
敢えてそのような格好をするものもいる。
心が腐った仮装か身が腐った仮装かの違いだ。

そう考えれば、この場の雰囲気と自分の仮装はよく合っている!

「……トリック・オア・トリート」

声を低めて、魔術によってデスボイスもかくやという《化け物声》に周囲の者には聞こえるだろう声を出してこちらを伺う影に声を投げかける。

何故か、怯えるような気配が辺りからしている。
そんな気がする。

オダ・エルネスト >  
ドスドス……と歩み、影の方へ向かう。
エフェクト、というのは大切で実際には何も起きていなくても
迷彩やら聴覚阻害の魔術を組み合わせて足跡の場所に、焦げ跡と焼ける音が響く。
三分後には綺麗サッパリ消えたりするが、リアリティを与えるには努力が必要なのである。



―――その迫力に、相手からにはこう見えていた……。

『トリック・オア・トリート/死かその身を捧げるか選べ』

そう、化け物が言ったように聞こえた。
炎の怪物、落第街の奥には怪異がいるから、そこから現れた化け物のように見えた。
死した身のような存在が、鋭い眼光でこちらを見ているようだった。

恐怖が、身を竦ませる。

それから無言でこちらへとゆっくり歩んでくる。

オダ・エルネスト >  
浮浪者の仮装をした相手が情けない悲鳴を上げて思わず、
「おぉ……」と声を上げる。

相手の演技も恐ろしくよい。
失禁をしたように見せかける演出!
これには、オダも心底痺れた。

逃げる様も無様、
足腰に力が入ってない演技も一級品だ……!
成りきっている……浮浪者に!


「……なるほど、渡すお菓子がなかったんだな」

あんな演技者にもなれば、引く手数多であっただろう。

ご案内:「落第街 路地裏」にF.U.R.Yさんが現れました。<補足:二十台ごろの男性。ギラついた目と赤毛の混じったボサボサ髪、ボロボロのジャケット/乱入歓迎/戦闘ロール歓迎>
オダ・エルネスト > 「いいものを魅せてもらったな……」

演技力、表現力。
最近、自分には足りていないのではと少し悩んでいた要素。

真に迫ること。

それがコレほどの破壊力を魅せてくれるとはな……
道具の力だけではない圧倒的な個人の技術。

自身が後期の授業が始まってから遊んでいる《イワトビラキ》でのアバター・ノヒメに活かせる技をこんな所で得るとは想定外だった。

F.U.R.Y >  
「…‥‥」

燃えてる男がいる。
完全にここの住人じゃねぇ。
アホが服着て歩いてるような、お祭りバカな顔をしてやがる。

「なんだァ…? テメェ…」

目立つ奴に思わず声をかけちまうのは、悪い癖だ。
念のため、ヤベェ奴なら即座にブン殴る為、左腕は変貌させといた。

オダ・エルネスト > 声をかけられ、ゆらりと振り返る。
見れば、ボロボロな格好に黒色で異形な左腕。
やはり、ハロウィン。
恐らくコンセプトはチンピラ獣人とかそう言ったなんか変身ギミックのある仮装とみた。

「我が名は、火炎侍オダ」

魔術による変声で《化け物声》で言葉が発せられる。
特殊メイクによって腕や体の至るところは腐肉となり全身から火が出ている用に見える侍……というより落ち武者のような姿。
しかし、アメリカ人にはその違いが分からない。

「そして名を聞くのであれば、先ずは名乗れ……作法だ」

所謂ゾンビっぽい見た目であるが、その目だけは鋭さがある。
武士(もののふ)らしい目をせねばなるまいと誉れが瞳に輝く。

F.U.R.Y >  
怪異って奴か……?
この辺で見かけるのは珍しいが……
いャ、だとしてもこんな怪異みたことねェな。
ほっといたら街の奴らに手を出すかもしれねェ。

「あァ…? オレは……名乗るほどのモンじゃねェが、f.U.R.Y…ヒューリィ、って呼ぶぜ、他の奴らはよ。

 …ここに何の用だ?要件次第じゃ……」

がちゃん、と腕を構える。
カエンサムライつう事は、刀を使うのか?
いいや、どっちにしたって関係ねぇ、街でデカい顔されるのを見て黙ってちゃあ、面子が立たねぇ。

何より……その目だ。
闘(や)る気満々って目じゃねェか……
それなら、こっちだってその気でいかせてもらうぜ。

「”タダ”じゃ返せねェなァ…?」

オダ・エルネスト > 「《FURY/憤怒》か……」

中々面白い、自分が怪物らしい名乗りをすれば、
向こうも仮装名を名乗るか。

そして、
――先手を打たれた……!

こいつ、出来る……
『ここに何の用だ?要件次第じゃ』
この言葉の意味は、皆さんご理解の通り『トリック・オア・トリート』である。
そして、勘違いなきように念まで押されてしまっては敵わない。


「……《憤怒》を持つ者よ、貴様に渡すために我は来た」


お菓子を求められる側になるなろうとはな……
だが、準備は問題ない!

F.U.R.Y >  
”渡す”だと…?
オレに仲間はいねェ。つまり……コイツは”敵”としてオレの前の前に出て来た…っつゥ事か。

「……面白ェ」

ニィ、と口角がつり上がった。
名指しでこられるとは、オレも有名になったモンだ。
だが、好都合。

「確かに……こっちから行くばかりってのも楽しくねェからなァ…!」

向こうからくるなら、それこそ迎え撃つだけ。
単純なハナシだ。その方が分かりやすくていい。

「なら、来な…ッ! 
 テメェがその気なら……オレァ相手になってやるぜ…ッ!!
 
 何を渡してくれるってんだ…あァ!?」

獣の唸り声のような声と共に、相手の出方を――――――見る。

オダ・エルネスト > この懐には今日という日のために蓄え未だ少し残っているロリポップ(Lollipop)がある。
アメリカではそう呼ばれるこのキャンディ、大和人にはペロペロキャンディとか言っておけば通じるアレだ。
今日の収穫はハロウィンで声をかけてきてくれた謎の美女美少女にロリポップを与えて武士の誉れあるツーショット写メを撮ったこと。
ここに来て、同性ともハロウィンできる事を喜ぼう。

しかし、だいぶ期待させてしまっているようだ。


「急いては大した利も得れんぞ。
 《憤怒》よ、コレこそ今のお前に必要なのではないかと
 今、我は確信した」

落ち武者の如き甲冑を身に着けているが燃えている(ように見えるだけ)。
腰には模造刀の太刀。見える肌は腐っているように見えるが、
瞳に宿る眼光だけは腐乱死体とはかけ離れたものがあった。

半歩前に足を出し、半身を隠す同時に懐へと腕を入れて構える。

F.U.R.Y >  
――――こいつ、出来る。
立ち振る舞いはてんで隙だらけ、何時でも拳を叩き込める距離。
完全に刃物の間合いじゃねェ、こっちの間合い。

なのに……そのギラギラ輝く目だけは冷静に場を俯瞰してやがる。

――――先に動いたら、やられる。
そう思うだけの”圧”がありやがる。

オレにケンカを売ってきて、身構えるでもなく、平常心を貫き、完璧なまでに脱力するそれはまさしく……達人のそれにすら見えた。

「成程、な……腐っても武士、っつゥ訳かい」

汗が垂れる。
ここまで警戒させる”敵”は……珍しかった。
それほど、異質に思えた。

「……来な」

くいっ、と手を出す。
敵意、攻撃の動きがあれば、すぐにそれに合わせれる構え。
何が来ようと……オレは動じねぇぞという意志を見せつける。

オダ・エルネスト > ―――さあ、早くお菓子を渡せ。

そう言わんばかりに差し出される手。
その瞬間に、抜刀……ならぬ、抜飴。
刹那の見切り。

「今宵、貴様の手にあるべきは『勇』ではなく『優』だ」

害意なく敵意なく、
ハロウィンの義によってそこに経つ亡霊:燃えるサムライゾンビ(仮装)だ。
懐から腕が動いたと気づいた次の瞬間には、《憤怒》の手にはペロペロキャンディの柄が気がついたら握らされるカタチになっていることだろう。

「……天を見よ」

今宵は奇しくも満月。
ペロペロキャンディのように。

「これが我の《戯れ/トリック》だ」

F.U.R.Y >  
「――――ッ!!」

初動が――――見えなかった。
やり手とのケンカは、動きよりも速く相手の”敵意”を察知し動く必要がある。
そうしないと先手を取られ、後手に回る。
だからこそ、男もまた相手の”敵意”を察知する感覚に長けていた。

それでも―――――――
その動きからは、一寸ほどの”敵意”すら、感じられなかった。
それは少なからずの修羅場を潜ってきた自身のある男にとっても、全くもって経験した事のない事。

相手に、完全に先を行かれた。
一瞬遅れて動こうとした時――――――

F.U.R.Y >  
 
 
 
 
 
 

その手には、ペロペロキャンディが握られていた――――――










「…‥‥は?」

は?

オダ・エルネスト > 「《憤怒》よ、遊び心を身に着けよ」

遊び心とは、なんだろうな。
それっぽい玄人のような事を相手が衝撃を受けている間に差し込む。
案外、こういうのって刺さるらしいって祖国の諜報員の先達が言ってた。

「では、我は冥府へと帰るとしよう」

それだけ言えば、踵を返すようにして背を向ける。

F.U.R.Y >  
「ッ…おいッ!! 待てェ!!」

決着はついた。
そう言わんがばかりに去る男。
それに叫ぶ、後手を取った男。
二人の男には、歴然たる壁が聳え立っているようで……
どちらが”上”であるか、語る言葉など不要と示すかのように……
男たちの距離は、遠のくばかり。

認めたくねェが……”負けた”
相手は…”遊んで”いた。
もしも振るったのがペロペロキャンディじゃなく刀だったら、そこにあったのは…オレの首だ。
完全な”敗北”だった。

「ッ……この借り、絶対に返してやるからな…ッ!!!」

完全に、敗者の負け台詞だ。
その手に握られたペロペロキャンディが、空しくもその邂逅の異質さを、物語っていた――――

――――互いに、勘違いしたまま。 
 

オダ・エルネスト >  
「楽しみにしている……」

クツクツと喉を鳴らして、《化け物声》が笑いそう云う。
今宵はハロウィン。
返しは、クリスマスプレゼントか?

一瞬だけ、目くらましに炎のような光で目潰しを創り
闇に紛れてなんとかどうにか歩いて

異邦人街の見知った場所になんとかたどり着いたのはこれから5時間後の話になる。

ご案内:「落第街 路地裏」からF.U.R.Yさんが去りました。<補足:二十台ごろの男性。ギラついた目と赤毛の混じったボサボサ髪、ボロボロのジャケット/乱入歓迎/戦闘ロール歓迎>
ご案内:「落第街 路地裏」からオダ・エルネストさんが去りました。<補足:黒髪緑色の瞳/燃えるサムライゾンビのコスプレをした青年【乱入歓迎】>