2021/06/15 のログ
ご案内:「歓楽街」に神代理央さんが現れました。<補足:風紀委員の制服に腕章/腰には45口径の拳銃/金髪紅眼/顔立ちだけは少女っぽい>
神代理央 >  
ざあざあと降りしきる雨。
常世島に訪れた細やかではあるが、確かな異変は未だ終る事が無い。
それはどんな者にも降り注ぐ。
授業を終えて家路を急ぐ生徒にも。
部活動に打ち込む者にも。
悪徳を企む者にも。

――歓楽街の路地裏で、物言わぬ屍を踏み付ける少年の頭上にも。

「……また外れ、か。中々に上手くいかないものだな。
折角私の顔を知らぬゴロツキと鉢合わせ出来たというのに」

神代理央 >  
情報収集、等と上等なものではない。
珍しく自分の顔を知らないゴロツキに絡まれ、路地裏まで引っ張られていったのでついでにちょっと色々と聞き出そうとしただけ。

結果はまあ、見ての通りというべきか。
魔術も異能も使うまでもなく、拳銃一丁で片が付いた。

「というか、どうして拳銃相手に向かってくるかな…。怪異相手で人手も足りないというのに、処理を頼むのも面倒なんだが…」

溜息を吐き出して腰のホルスターに拳銃を戻し、雨宿りの為に軒下へ避難。
壁が汚れているのはいただけないが、まあ濡れ鼠になるよりはマシだろう。
どうしたものかな、なんて。思案に耽りながら懐から煙草を取り出す。
先端が雨水に濡れたそれに火を付けるのは、少し難儀だった。

ご案内:「歓楽街」に幣美奈穂さんが現れました。<補足:ちっちゃな巫女さん>
幣美奈穂 >  
「どこにお出かけですか?」

大きなふきの葉を両手で持って傘にしながら、前をゆくのを追いかけます。
出会ったのは、学園の門を出たところ。
呑気に帰ろうとしたときに、目が合ったのです。
そこから追いかけてここまで・・時々振り返ってくるので、待ってくれているようです。

「えいっ」

マネしてちっちゃくぴょんっと飛んでから、とてとて追いかけます。
そう、目の前におりますのは、50cmはあろうかという大きな蛙さん。
この時期だけ現れる雨蛙さんです。

げこっ

路地の横に蛙さんはくると、ふと、路地を覗き込みます。
「どうしましたの?」と呑気な声で尋ねて、蛙さんが何を見ているのかととてとてと追いかけ、一緒に覗き込もうとする美奈穂です。

神代理央 >  
路地に響く幼い少女の声。
ち、と僅かに舌打ちする。見られて不味い、という訳では無いが
わざわざ見せたいと思うものでもない。
ましてその声が聞き覚えのあるものであり、路地を覗き込んだ少女が見知った者であるというのなら――

「……この区域に遊びに来るのは感心しないな。
天気も悪い。大人しく家に居るべきだったと思うがね」

火の付かない煙草をしまい込んで。
小さな溜息と共に、幼い少女に視線を向けるだろうか。
足元に転がる死体は…まあ、なるべく彼女の視線に映さない様に立ち位置を努力はするが。

幣美奈穂 >  
路地を覗き込む蛙さんの上から、同じようにひょこりと覗き込むお顔。
お目めをぱちくりとするのです。

「あっ!、理央お兄様!
 今日はこっちでお仕事ですか?」

壁新聞、大変なようです。
へにゃりとほわほわした呑気なお顔です。

「ううん、遊んでませんわ。
 ここ・・どこかしら?」

下の蛙さんと顔を合わせます。
蛙さんの後ろをついてきただけなので、今、どこにいるのか判っていないのです。

「もうすぐ梅雨も終わりですものねぇ。
 蛙さんとはまた来年ですかしら?」

げこー、と。どう見てもただの蛙ではない大きな蛙さんと顔を合わせて、
鏡の様に少し首を傾げさせるのです。

神代理央 >  
「…此処が何処だか分からずにやって来たのか。まあ、それも幣らしいが…」

小さく溜息。歓楽街は別に来てはいけない、という場所ではない。
彼女の年齢では、些か不適切というだけ。

「此処は歓楽街…と言って分かるかな。そう呼ばれる区域だ。
悪い大人が多くうろついているから、幣くらいの歳の子には出来れば余り近付いて欲しくはない」

こつり、ぴちゃり、と。
水溜まりを革靴で踏み締めながら彼女と蛙へ。一人と一匹へ歩み寄る。

「だから、私の様な風紀委員が仕事で訪れるというわけだ。
悪い事は言わないから、大人しく家に帰りなさい」

と、自分をお兄様と呼ぶ少女の前で立ち止まってしゃがみ込む。
少女と目線を合わせれば、困った様に笑みを浮かべて首を傾げるだろうか。

幣美奈穂 >  
「大丈夫です!。蛙さんが判ってますから!
 悪い大人ですか?。
 それは叱らないといけません!」

えっへん!。大きな葉っぱの傘を持ちながら胸を反らす美奈穂です。
蛙頼りなのです。
悪い人がいると聞くと、ちょっとほっぺを膨らませて風紀委員風を吹かせるのです。
 
「今日は、男の子とモテ遊んでましたの?
 それとももしかして・・悪い大人の人と遊んでましたの?」

男の子のお友達と仲良しさん(特定の人から好かれるという「持てる」)で、
一緒に遊んだりお仕事してたのかしら、と。
邪意皆無に無邪気に神代様に尋ねる美奈穂です。
一般教養で同じ授業を受けるクラスメイトからの悪影響がないとは言えないかもしれません。
こんなところで遊んじゃだめですよ、とセンパイらしく注意をしてみます。

神代理央 >  
「……出来れば、蛙じゃなくて幣自身に分かっていて欲しいんだけどな。
……しかし…ふむ」

少女の可愛らしい発言の内容には苦笑いを浮かべつつ。
この街の危険性については、もう少しきちんと説明した方が良いのかと思案顔。
モテ遊ぶ、だと悪い大人と遊ぶと何だか微妙に違和感…というか勘違いされている気がしないでも無いのだが。
己自身が勘違いされている分には、まあ、仕方がない。
自分と余り年齢が変わらぬとはいえ、女子というのはそういう(?)話が好きなのだと噂に聞いた事はある。
危惧するべきはやはり――

「……悪い大人と一緒にいたのは事実だが、遊んでいた、という訳でも無い。
此処にいる悪い大人は、幣が思う様な者達じゃない。幣が叱って、大人しく引き下がる様な連中でも無い。
私の仕事は、そういう連中を暴力で抑えつける事だ。時には、殺してしまう事だってある。
幣が遊びに来るには、少し、早過ぎる場所だ」

ゆっくりと立ち上がると、少女を見下ろして訥々と言葉を紡ぐだろう。
多少過激な言葉になったとしても、多少は危機感。或いは身の危険を感じて欲しい。
見知った少女が悪辣の手に及ぶ事は避けたいし、それに――

(……強盗や恐喝くらいなら、まだ可愛げがあるかもしれんが…)

少女は、その年齢と態度に見合わぬ女性的な魅力を持っている。
学生街なら兎も角、こういった場所を無防備に歩き回らせるのは、宜しくは無いだろう。

幣美奈穂 >  
「・・どうしてですか?」

お目めをぱちぱちとしながら、不思議そうに首を傾げさせてしまう美奈穂です。
自分で知らない場所をどこかが判るなんて、そんなの難しいでしょ?、と。
自然にそう思っているのです。

「――はっ!?
 そうですわね、理央お兄様もお年頃ですから・・。
 『くっころ』というのを、されてたのですね・・。
 お友達に相談しなくちゃ・・」

少し生暖かい視線を向けます。
美奈穂、知ってます。
年頃の男の子は、ちゅーにとかいうのでそういうのに憧れたりもするそうです。
同級生が言ってました。
こういう時、どうすればいいか。またお友達に相談しないといけないことが増えました。

「わたくし、遊んだりしませんもの・・。
 毎日修練ですわ!
 それに、わたくし。けっこう強いんです!」

きりりっ。
立ち上がられると顔が上を向きまして、尻尾を振る子犬の様にきりりと見せます。
傍から見れば、常に楽しく遊んでいるように見える美奈穂です。

げーこっ。
雨蛙さんも見上げて、舌を一瞬伸ばして鳴くのです。
路地裏の奥からこっちにこっそり近づこうとしていた、ナイフを持っていた男の人に、
美奈穂から見える前に弾丸のような雨垂れをぶつけていた蛙さんです。
以外につおい。

神代理央 >  
「『くっころ』…?何だそれは。幣達くらいの女子の間で流行っている言葉か?」

きょとん、と不思議そうに首を傾げる。
因みに本人はくっころも厨二病も全く知らなかったり。
まあ、言動や立ち振る舞いは正しくその通りであるのだが。
同級生や同僚が何も言わないのは、本当に異能や魔術を行使出来る――と言っても、常世学園ではそれが大多数ではあろうが――からであるのだし。

「同じ風紀委員の仲間だ。別に幣が弱い、とは思っていないさ。
朧車の合同報告会の後も報告書には目を通している。
戦闘力に関しては、同年代の女子と同一視するつもりはないさ」

だからこそ、と言うべきか。或いは、と言うべきか。

「それでも、幣は人を疑う事を覚えるべきだ。
特にこういう場所では、な。
私から見れば、其処の蛙も最近の怪異騒ぎも相まって十分怪しく見えるよ。勿論、何かしようとは思わないがね」

ズン、と地響き。
蛙が雨垂れで打ち伏せ、倒れ込んだ男の背後から現れたのは路地裏一杯にその巨体を詰め込んだ金属の異形。
背中から生えた針鼠の様な砲身を軋ませながら、雨に打たれる儘彫像の様に立ち尽くす。

「……幣は人を疑わない良い子だとは思う。真直ぐな心と心情は、尊敬にすら値する。
だからこそ、こういった薄汚れた街には、なるべく近付かないで欲しいものなんだけどな」

再び困った様に笑いながら、少女の頭を撫でようと手を伸ばすだろうか。

幣美奈穂 >  
「えと・・こういう感じだそうです」

唇に人差し指を当てまして、上を見ましてから。
親指を唇の端に当てまして、斜めに神代様を見ます。
ちょっと流し目で、変な色気が出てしまうような表情。

「・・くっころっ!」

流し目な表情と、天真爛漫な台詞がまるであってません。
お友達の真似をしているつもりなのです。

「・・それって、しんどくないですか?
 蛙さん、お友達ですわ」

疑う、というのにまた首を傾げさせます。
そして蛙さんと顔を合わせてから、げこっ、というお返事と一緒にお友達と言うのです。
ずんっと地響きに「きゃっ!?」と少し驚いた声を出しまして、なになに、ときょろきょろする美奈穂ですけど。
頭を撫でられそうになりますと、「わんっ」とばかりに目を嬉しそうに細めて少し背伸びして頭を差し出します。

「あっ、でしたら今度、お掃除してみます!。
 綺麗にしたら大丈夫でしょう?」

頭を撫でられましたらふにゃふにゃ。
ここに「今度」と一人で来ることはできないでしょうけど。

神代理央 >  
「………………ええと。それはその、どういうシチュエーションで使うんだろうか…?」

行動の色気と、発言の陽気さのミスマッチさに、益々不思議そうに首を傾げるばかり。
いやまあ、盛るゴロツキには色々と効果的なのかもしれないけど。
それは本来の使い方ではない様な…いや、合っているのだろうか…?

「……ああ、そうだな。しんどいよ。でも、それが仕事だ。
だから、幣にはそういう事をさせたくはないのさ。少なくとも、今は…だけどね。
幣がもう少し大きくなったら、そういう事もあるかもしれないけど」

もしかしたら、年齢を重ねずともそういう『機会』があるのかもしれない。
或いは、既にそんな悲しい出来事を少女は体験しているのかもしれない。
いずれにせよ、それは己には伺い知れぬ事だ。今は唯、目の前の年下の少女を気遣う事しか出来ないのだから。

だから、背伸びをしてまで頭を差し出した少女の頭を優しくぽふぽふ、と撫でて。
続く少女の言葉に、クスリと微笑むのだろう。

「…ああ、そうだな。街が綺麗になれば悪い連中もきっと心を入れ替える。
掃除の準備をする為にも、私も仕事を頑張らないといけないな」

歓楽街そのものが悪い、とは言わない。
少女の言う通り、街を綺麗に掃除すれば治安も良くなるかもしれない。
そして、少女がそういった行動を安心して取る様にする為にも…違反部活生への対処は、より厳格に行わなければならないだろう。

「…さあ、私も仕事は終わりにするから今夜は一緒に帰ろうか。
幣みたいな可愛い女の子を一人で帰す訳にもいかないし、そこの蛙を疑った非礼を詫びなければならないしね」

ふにゃふにゃと可愛らしい様子を見せる少女の髪を撫で、最後にそっと頬を撫でた後。
雨で少女が冷えぬ様に、自分の上着を脱いで少女の肩にかける。
そうして、少女と蛙に交互に視線を向けた後、にこりと微笑むのだろう。

幣美奈穂 >  
「・・さぁ?。理央お兄様はしたりしてないのですか?」

どういう時に使うかなんて、知りません。
ただ、くっころさんというのは綺麗な男の人や女の人にいるそうです。

「他の人の浮気を疑い、くっころとかしながら壁新聞貼る・・。
 大変なのですね・・広報部のお仕事って・・。
 ――はっ!?、疑うっていうの判りました!」

こう、タブロイド新聞とかで『~~発表!(小さく「かも?」とつく』記事を想像します。
ああいうのをやっているのでしょうか?

ぽふぽふされてご満悦ですが。
雨のせいでしっとり髪な美奈穂なのです。
「お掃除とかなら得意です!」葉っぱの傘を握る手をぎゅっとします。
白い巫女装束の上は、雨に濡れていれば。下の赤襦袢をほんのりですが透けさせています。
その上に上着を着せられますと、その大きさに「うわぁ」とくるりと回るのです。

「はいっ。
 じゃあ・・蛙さん、お願いいたします」

帰ると言うのに、ちょっと照れたような笑顔を浮かべて見せてから。
下にいる蛙さんにお願いします。
と、げこっ。
小さく頷くと、のそのそぴょんっ!と道案内をする蛙さん。
葉っぱの傘を一生懸命に持ち上げまして、神代様も傘の中に入れながらついていく美奈穂です。

――この後、この蛙さんがきちんと路面電車の停留所に行き。
その上、料金まで払って学生通り方向の電車に乗るとは誰も思わなかったことでしょう・・。

神代理央 >  
「……少なくとも、私は使った事はないが…。まあ、今度調べてみるよ。使う…使う……?」

演劇か何かの仕草なのかな、なんて思いながら首を振る。
後日、その意味を知った少年は苦笑いと溜息を同時に吐き出す事になったりするのだとか。
どちらかというと、『くっころ』は言われる側が多いかな…と思ったりしたことは、誰も知らない。

「…待て、多分、何か違うぞ。うん、絶対違う。
……今度風紀委員のまともな女子に、幣の教育を頼まないといけないかなぁ…」

いや、疑う事を教えたくはないので悩みどころ。
そのままの少女でいて欲しい気もするが、危険な所には立ち入って欲しくないとも思う。
彼女の友人達に期待するしかないかな…なんて、ちょっと遠い目。

さて、艶やかな黒髪の触り心地に目を細めつつ上着を被せる。
雨に冷えぬ様に、と思っての事だったが濡れた巫女装束を隠せるのなら尚重畳。
襦袢はしっかりと肌を隠すし透けていても問題は無いだろうが、一応下着の区分に入る装いであるのだし。
出来れば、歓楽街の男共には見せたくはない。

「うん。それじゃあ、行こうか。
……ところで、その蛙は本当に怪異の類じゃないんだよな?
いやまあ、危害が無いのなら別に良いんだけど…」

なんて、取り留めのない会話をしながら二人と一匹は帰路へ着く。
少女が一生懸命葉っぱの傘を持ち上げれば、ちょっとだけ笑みを零してその傘を借りて
少女の方に傘を傾けながら停留所までのんびりと歩いていくのだろう。

置き去りにされた死体は結局同僚達が処理する事になり、可愛らしい少女(と蛙)と相合傘で帰宅した少年に恨みがましい完了メールを送ったのだとか。

ご案内:「歓楽街」から幣美奈穂さんが去りました。<補足:ちっちゃな巫女さん>
ご案内:「歓楽街」から神代理央さんが去りました。<補足:風紀委員の制服に腕章/腰には45口径の拳銃/金髪紅眼/顔立ちだけは少女っぽい>