2021/07/19 のログ
ご案内:「扶桑百貨店 レストラン街(10・11F)」に幣美奈穂さんが現れました。<補足:ちっちゃな巫女さん>
幣美奈穂 >
風紀委員会業務の定時(17時)を過ぎまして、まだ外は明るい夏の夕方。
ぎゅっとポーチを身体の前に抱きしめまして、どきどきと百貨店の魔術的移動システムに入ります。
てってけてー。
今夜はお家で飼っている?にゃんこさんはお出かけなようです。
お夕食、どうしましょうか。
余り物ですませましょうか、と考えたのですが。
帰り道の学生街で、自分のお家の建物と同じぐらいにおっきなビル。
扶桑百貨店が目に入ったのです。
そういえば――。
とある方に聞いた情報、そのお店がどこにあるのかと友人に聞きますと。
なんと、ここの11階にあるそうです。
めったに外食しない、お食事は自炊派な美奈穂ですが。
そこのお料理にちょっと興味津々・・。
思い切って今日のお夕食は外食です!
行ったことのある外食と言ったら、お蕎麦屋さんやお寿司屋さん、天婦羅屋さんなど。
和食然としたところがほとんど。数えるほどです。
それよりは、甘味処の方が多いのです。
お夕食に洋食、贅沢です。
幣美奈穂 >
どれぐらいのお値段か判らないので、一店一店、じっくりみます。
ほうほう、こちらは異世界華国風・・こちらは全てロボットが・・。
お店の特徴や、展示されているウィンドウディスプレイを眺めるだけで興味が惹かれます。
こちらは怪魚貝類専門のバル。
美奈穂が料理したことがないお魚さんが沢山ありそうです。
色々とあります。
お寿司もあります・・くるくるとなんか動いてます。
窓にぺたっとひっついてジーっと見ますと、なんと、お寿司が動いてます!
・・回転寿司って、ぐるぐるお皿が回っているのかと思ってましたけど。
お皿がぐるぐると移動しているのなのですね・・。
取るのが難しそうです。
いえいえ、今日の目標はあのお店です。
ぶるぶるお顔を横に振りまして、誘惑に抗うのです。
幣美奈穂 >
神話料理『ク・リトル・リトル』、気になります。
なんか、すっごく邪な気配がします。
・・こんなお店、案内板にはなかった気がするのですけれど。
他の店と並びを見比べてみます。
このお店、お店とお店の間に無理矢理空間を広げて入り口にしてませんでしょうか?
背負っていたカバンから簡単神事セットを取り出しまして。
えいえいとクリスタル岩塩を置きまして。
榊でとりゃとりゃと払っておきます。
ぼわぼわばしゅぅ~んと、その邪な店の入り口が消えてきます。
なんか叫び声が聞こえましたが、無視しましょう。
変な空間の歪みが無くなったフロア。
使ったお道具も片づけをしまして、お店探し再開です。
幣美奈穂 >
なにか面白そうなお店があります。
季節限定の『流し料理屋』さんだそうです。
どんなお店なのか窓から覗いてみますと・・中にはスライダー。
その横に固定された柱、その上に色々なお料理。
見ますと、1回300円でスライダーで滑り、滑っている間に横にある柱の上のお料理を取るという
バイキング形式のようです。
皆さん水着で楽しそうです!
・・あ~・・お高そうな料理は取りにくいように高かったり離れていたりと。
工夫がある様です。
美奈穂には無理っぽいところなのです。
あっ、あの人凄いですわ!。
一回でお皿山盛りに飲み物2カップもとってます!
――見ているだけで楽しそうなレストランです。
幣美奈穂 >
――見つけました!
あのお店ですね。レトルト屋の『エンピレオ』さん!
11階の一角にありました。
てけてけと脚が速まります。
かなりお高そうなお店です・・。
サンプル品などがウィンドウで飾られていたりしませんので、戸惑います。
でも、お店の前にメニュー表があったのでそれを拝見です。
・・カレー、2500円。
えっ?、お高過ぎじゃありませんか?
学校の食堂なら、250円でジャガイモやニンジンもごろごろです。
300円でチキンカツもつけれます。
写真を見ますと・・何かお野菜が入っているように見えません。
ごろごろお野菜やごろごろお肉はどこなのでしょう?
首を傾げさせまして、写真を細かくチェックしてしまいます。
コース料理もあります・・びっくりお値段!
これじゃあ、お夕食に考えておりました予算を越えてしまいます・・。
オムライス、1800円・・オムライス、大好きです。
うぬぬぬぬっ。
ハンバーグもあります。お高いです。
ぺらぺらしてますと、お飲み物・・ジュースが1000円!?
な、なにか特別なオレンジなのでしょうか?
禁止区域に生えている幻のオレンジとか・・。
幣美奈穂 >
ポーチに入れましたがま口財布を取り出しまして。
開けて中身とお料理、見比べます。
ほとんど使わない美奈穂、家からの仕送りとかお小遣い、風紀委員などのお仕事など。
お金はそれなりにしっかりありますけれど。
根付いている節約根性、深く悩んでしまうのです。
だけど、美味しいレトルト屋さんだって聞きましたし(勘違い)。
どんなのか興味があるのです。
ビーフシチューも美味しそうです。
うぬうぬと心の葛藤で悩んでいますと、お店から店員さんが。
待ち合わせとか、保護者の方はとかと聞かれましたので。
「あの、お夕食。一人で食べに来たのですけど・・」
メニューと店員さんを見比べます。
そしますと、中に入ってじっくり選んでくれてもいいということ。
少し早めでしたので席に余裕があるだそうです。
それでしたら・・とついていくと。
窓際の景色がよく見えるテーブル。
思わず、ちょこちょこと窓際に行きまして窓にぺったりひっつきます。
お家で見るより低いですが、こっちの方向を見る事はめったにありません。
下の方まで見えて、ちょっとお腹がきゅんとなります。
思う存分に見てましたら、笑顔で椅子を引いている店員さん。
ちょっと恥ずかしくなって耳を桜色にしながら、椅子の上に正座です。
幣美奈穂 >
メニュー表を両手に、うーんうーん。
悩んでも答えが出ません。
でも大丈夫、こういう時はどうすればいいか叔母様に教えていただいております。
「あの、あまり食べれないのですけど。お勧めのレトルトを・・」
と言って、あっ、と思い出します。
そうです。
このレトルト屋さん、レトルトと言ったらだめなのでした。
「その、お勧めのプラスチックフィルム若しくは金属はく又はこれらを多層に合わせたものを袋状その他の形に成形した容器に調製した食品を詰め、熱溶融により密封し、加圧加熱殺菌したものはなんですかしら?」
小首をかしげて尋ねます。
これで完璧なはずです。
店員さんが固まったように見えましたので、更に首を傾げさせます。
「あっ、どんなのか見たいので。
温める前のも見てみたいです!」
にっこりと笑顔でお伝えします。
美味しかったら、特別用として買ってもと思うのです。
レトルトですから。
動き出した店員さん、もう少しお話。
いつもご飯半膳ぐらいしか食べないことや、今日はお肉よりもお魚さん気分な事。
パンよりご飯派なことなどなど。
結果、3300円のレディース向け夏野菜和膳で抹茶アイスとさんぴん茶付きになります。
少しお時間が掛かるというので、待つことにします。
その間、少しずつ日が傾いていく窓からの風景を見ながら、
少し柑橘風味のあるお水と、茶請けに出ているぼんぼんを頂く美奈穂なのです。
幣美奈穂 >
展望レストラン『エンピレオ』で、料理をレトルトにしたうえで、と注文してきた客がやってきたのです。
実践的調理部への挑戦。
昨今、様々な有名店が店の味として、監修してレトルトとして売りにもだしている時代。
レストランにまで来て、レトルトにしろと言ってくる客が現れたのだ。
その上、出来るまで居座るとのこと。
猶予は一時間。
――実験的調理法をよく知る者も協力しての戦争である。
やり方は様々にあるが・・食感が薄れたり、味がぼやけるなど。
時間短縮魔法を使って様々な試行が行われる。
容器にも変更が必要となる。
各々を小さなパックとし、朱塗りの盆に漆器の器などを並べた通常のものでいいのか、
それともお弁当のようなお重に詰めた方がいいのか。
料理ごとの温め時間や温め方法に差異があってもいいものか。
様々な検討がなされるのである。
幣美奈穂 >
ぽややんとお外を見まして楽しんでおります美奈穂です。
明日のお弁当、どうしましょうとか考える余裕もあります。
湯葉料理とかいいかもしれません!
そこで、ふと、気付いたことがあるのです。
言ってもいいのかなー、と店員さんに目を向けますと目があいます。
近付いてきて『もう少しお待ちください』と柔和に伝えられますが。
「あのぉ。電子レンジとか使うのですか?
わたくし、電子レンジとか使えなくて・・」
眉尻を下げてしょぼんとしたお顔。
そう、電化製品は大抵壊れますので苦手です。
そして、調理部へのハードルをあげる一言なのです。
幣美奈穂 >
うとうととしかけた頃。
出来上がったものが運ばれてきます。
それは、わんこそばの器が重なったよう高さ15cmほどの筒にも見える形。
「大きいのですね・・」
直径10cmほどの器が5段。
朱塗りの漆器の様に見えますが、自然分解の素材だそうです。
ほうほうと見ましてから、どう温めるのかと店員さんを見ますと。
卓上コンロが机の上に。
そして、お湯を入れたお鍋。
温めも見せてくださるようです。
外を包むフィルムを外しますと、上1段目は外し、2段目は中に真空パックされたものを開けます。
それ以降はそのままのようです。
1段目のものは横に置かれ、蓋を取り外されますと中に固形のころんとしたもの。
蓋は二段目の上に付けられます。
1段目のものは大きさの違う器になっておりまして、
お湯を入れたらできる那須のお吸い物に、お湯を入れて天つゆにするもの。
あと野菜用のお皿のようです。
バーニャカウダーソースは袋に入っているのをぴゅーっと入れてくれます。
ぐつぐつお湯のお鍋に、残るが浸けられます。
強火でぐつぐつ10分だそうです。
ふむふむ。
煮ると茹でると蒸すを使い分けているようです。
いい匂いがしてきました。
その間に、別にケトルを沸かしてあるようです。
お吸い物と天つゆ用なのでしょう。
ふむふむ。
美味しそうですね!
幣美奈穂 >
時間が来れば、引き上げられて布巾で拭かれた後に目の前に並べられます。
ふっくらもちもちな炊き込み鶏めし。
夏野菜蒸し。
アスパラとエビ、アナゴ、キスなどの天ぷら。
筑前煮と胡麻和えおひたしに高野豆腐とさやえんどう。
・・写真とちょっと違うようです。
お刺身はないのですか?、と店員さんを見ます。
あちらは調理料理で、レトルトだとちょっと変わる様です。
ほうほうなのです・・炊き込みは五穀米にもち米もブレンドですね。
じっくり食べれて美味しいです!。
あ、半分は残してお吸い物を掛けて鶏めし茶漬けにしても美味しいと。
お高い味がします(きりっ)。
蒸し野菜は袋から開けられまして、店員さんが箸で綺麗に見えるように並べてくださいます。
いいですね蒸し野菜。お野菜が甘くなります!
お野菜ソース、出来ればもう少し和風に近付けれませんか?
お醤油だと味が濃くなりそうですから、胡麻咥えたらいいかと思います。
はむはむ。
幣美奈穂 >
――天ぷらは、ぱりっ感はさすがにないのですね。。
これなら、衣に味を付けてしっとり感を前に出した方が・・。
揚げたて、美味しいですものねー。
あんむあんむ。
お吸い物で口をリセット。
汁が出やすいものですから、容器内の内壁はもっと高くした方がいいと思いますわ。
ほら、高野豆腐の味がおひたしや筑前煮にも・・。
でもお高い味ですね!。3300円するお味です!
ふうっと食後のデザートです。
こういうお弁当とか、楽しいかもしれません。
お湯でぐつぐつしてできるあったか高級お弁当。
たまにはいいのかもしれません。
――ごちそうさまでした。
ゆっくり最後まで食べて、お腹ぽんぽこりんな美奈穂です。
店員さんにもお礼を言いまして、お金を払ってお外にです。
・・お高いお夕食でしたけれど、レトルトとして美味しい方なレトルトです。
流石、レトルト専門店なお店です!
そう、最後までレトルト屋さんと思われたままな高級レストランを後にする美奈穂なのでした。
ご案内:「扶桑百貨店 レストラン街(10・11F)」から幣美奈穂さんが去りました。<補足:ちっちゃな巫女さん>