2015/06/13 - 21:18~04:10 のログご案内:「商店街」に鈴成静佳さんが現れました。<補足:160cm、黒髪ショートの少女/スラックス&パーカー/待ち合わせ中(PL)>
鈴成静佳 > ♪〜
(授業が終わり、普段着に着替えてから商店街へとやってきた静佳。平然を装い、大型電器量販店のPCゲームコーナー(18禁)へと入り、出てくる)
(その手には、厳重に包装された箱の入った袋)
ムフフ、プレゼント購入ミッション完了ッ!(その足取りは軽い)

ご案内:「商店街」に久喜棗さんが現れました。
ご案内:「商店街」に大好きなお母さんへさんが現れました。<補足:黒いマタニティドレス 妊婦 幼女>
久喜棗 > 今日はスマホの付属機器を求め家電量販店へとやってきた棗であったが
遠くで見知った顔を認識し、声をかけるために近寄る

「おお、静佳ではないか!奇遇じゃなこんなところで、元気にしておったか?」

挨拶し、ふと静佳の手元に気付く。綺麗に包装された箱は外から何が入ってるかはわからない

「ん、ところで今日はここに何をしに来たのじゃ?」

鈴成静佳 > あっ、棗ちゃん!(角の生えた娘の存在に気付き、電器屋のほうへ戻る)久しぶり!
棗ちゃんこそ何しに電器屋へ?
……んー、アタシのコレはね、誕生日プレゼント! この前寮のお風呂で一緒に入ったもう一人の子(氷架さん)のね!
(大きさの割に軽そうな箱をカラカラと振る)

大好きなお母さんへ > 鈴成と久喜が遭遇し、言葉を交わしていると、ゆっくりと路地裏から何かが出てきた
その背は低い。見た目から察するに、凡そ6~7歳といった所だろうか
ただし、その腹部は異常なまでに膨らんでおり、肥えているだとか、そういう次元を超えていた
幼子は、妊娠していたのだ

そして
何より
その幼子は


紛うことなく「母」だった

鈴成静佳 > ……ん?
(路地裏から出てきた、異様な身なりの幼女。『お母さん』ではないか)
……あれ!? お母さん!? なんでこんなとこに!?(駆け寄る)

久喜棗 > 「うむ、久しぶりじゃな!おお、誕生日プレゼントとは友達思いの子じゃのう
 儂の方は最近スマホというやつを買ってな、なにか良いケースでもないかと探しておったのだよ
 お、そうじゃそうじゃ。せっかくだから静佳の電話番号とめるあどという奴を教えてくれぬか?
 これがあればいつでも文を送れるらしいのじゃ」

といって静佳に自分の番号を表示させた画面のスマホを渡す
そこでふと気配に気づき振り返る。そこには自分よりも更に幼い容姿の女の子が居た

「あ、ははうえ!ははうえではないか!ははうえ…?」

そこまで言って微かな、しかし明確な疑問が頭に浮かぶ
鬼である自分には母は居ないはず、では目の前の女の子は一体…
そんな当然の疑問は、だがすぐにかき消された

大好きなお母さんへ > 幼子が二人を見上げる
一方は幼子を「お母さん」と呼んだ
もう一方は幼子を「ははうえ」と呼んだ
そして、その瞬間、鈴成と久喜は、「姉妹」になった

「――あらぁ、ふたりとも。きぐうねえ」
愛しそうに膨らんだ腹を撫でながら、二人の元へと近寄る
もちろん、幼子と鈴成、久喜は「初対面」だ
しかし、その絆は、家族の絆そのもので

本当のお母さんよりも、ずっと、お母さんであった

「ふたりそろってナカがいいわねぇ、おかいもの?」

極自然に、何でもない会話を広げる

鈴成静佳 > お母さん、久しぶりっ!(抱き上げようとする)……うわっ、なにそのお腹! もう子供作らないって言ってなかったっけ?
まったくお母さんも隅に置けないなぁ……! ちゃんとお父さんの子供だよね??(憎たらしい笑みを浮かべて問いただす)

ううん、棗ちゃ……おね……おねえちゃん?(一瞬思考が混乱するが)……おねえちゃんとは偶然逢ったんだよ。アタシはアタシで買い物に来たの。フフッ!
あ、そうだね、せっかくスマホ買ったならアドレス交換しとかないとね! 姉妹だもん!
(スマホを取り出して端末同士をごっつんこ。非接触によるメアド交換だ)

久喜棗 > 「うむ、今日はな、静姉ぇ…」

と言いかけるが先に静佳におねえちゃんと呼ばれ、言い直す
ああそうだ、自分がお姉ちゃんなのだしっかりしなければ

「静佳とは別の用事で来たのじゃ、静佳は友達にプレゼントをあげるらしいのじゃ
 偉いのう、流石は儂の妹じゃ」

記憶が、歪む。だがその歪みに棗は気づけない

「ははうえは今日はどうしたのじゃ?何ぞ家電でも買い替えかのう?」

大好きなお母さんへ > 二人の名前を聞いて、静かに、微笑んだ
当たり前だ、幼子は二人とは初対面
いくら「実の娘」とはいえ、名前も知らないのだ

「そんなこと、いったかしらぁ……ふふっ、それいがいにだれがいるのよ
もう、「しずか」ったらおませさんなんですから……
すこしは「なつめ」をみならってほしいものね?」

甘い
言葉が、甘い
ゆっくり、ゆっくり、熱を帯びた声が、二人の認識を、溶かしていく
落雷を浴びたあの日
あの満月の夜

そこに、「お母さん」が
           い
            た

「あら、えらい。しずかはやさしいコねぇ
……って、ふたりともずるぅ~い!
「おかあさん」にも、まだおしえてくれてないのに!」

ぷりぷり可愛らしく怒りながら、自らのスマートフォンを取り出す

アドレス帳には、もちろん、いとしいいとしい子どもたちの名前が連なっている

鈴成静佳 > (棗さんは500歳超えだ。16歳の静佳から見れば姉だ。当然の論理である)
えへへ、寮の友達へのプレゼントなんだ。中身は……内緒!
(スマホを『お母さん』にも向けて、アドレス交換)
……ふふん、アタシをこんなにおませさんに仕立てあげたのはお母さんじゃん!
おねえちゃんはおねえちゃんでちょっと物腰が古臭すぎるのよ! 一部の人にしかウケないよ、そういうの!

あー……立ち話じゃ落ち着かないから、その辺の喫茶店でも行こうか。ね? お母さん身重でしょ?
(2人の手を引いて、近所のファミレスへ向かおうとする)

久喜棗 > 喉元に小骨が刺さったような引っ掛かりを感じる
具体的に何がおかしいのかはわからない、だが明らかな異常がそこにはあった
しかしこれは棗にとって初めての心地よさでもあった
親の居ない棗にとって「おかあさん」の優しさはあまりにも甘く柔らかで疑問の余地がないものだった

「すまぬな、儂もつい最近スマホを使うようになってな
 もちろんははうえとも交換するぞ」

そう言って静佳に続き自分も「おかあさん」とアドレス交換を行う

「古臭いと言われてものう…儂は実際古いのだから、仕方なかろう
 うむ、そうじゃな。せっかく外でバッタリ出会ったのだから軽く食事でもしていくとするか」

大好きなお母さんへ > 「あら、「おかあさん」にもないしょなの? ああ、「しずか」がはんこうきだわ……」

およよ、とわざとらしく嘘泣き
少なくとも「お母さん」は自分のことを本当に「お母さん」だと思っている
「お母さん」を演じているわけではなく、「お母さん」なのだから「お母さん」なのだ
「お母さん」は「お母さん」以外の何者でもなく揺るぎなく「お母さん」なので疑う余地もなく「お母さん」である

「ありがとう、ふたりとも! ふふ、「おかあさん」まいにちだってメールしちゃうんですからね
……まあ、まだあんまりつかいかた、なれてないんだけど……」

二人のアドレス帳には、それぞれ「お母さん」「ははうえ」と記録された
名前などない
「お母さん」は「お母さん」であり、それ以上でも、それ以下でもないのだから

「まあ、ふたりともほんとうにやさしくそだったわね……よぉし、ここは「おかあさん」がおごってあげる!」

そしてそのまま3人で、ファミリーレストランへと向かう、が

「あ、お母さん」
「おー、おかんやん!」
「母ちゃん……!?」

ぞろり、ぞろり
二人の兄弟が
二人の姉妹が

「増殖」えていく

鈴成静佳 > んー、まあ、お母さんにならいいか、見せても。プレゼントだから包装は開けないけどね。……怒らないでね?
(と言って、財布から家電量販店のレシートを取り出す。そこには《PCゲーム:白濁♥女子寮 -ふたなり佳ちゃんオスイキ天国-》という商品名が記載されている)
……ゴメンねー、お母さんの会社のソフトじゃなくてさ。でもこれがあの子の趣味に合ってるとアタシは思ったのよ!
(どうやら静佳の本当の母親はエロゲー会社勤務のようだ)

(静佳は物事を深く考えない性質だ。完璧に『お母さん』の異能にどっぷり飲み込まれている)
(ファミレスは空いている時間帯。6人がけのボックス席に通されると、静佳は『お母さん』の隣に座る。2人で『お母さん』を挟み込むように座るよう、棗おねえちゃんに促す)

(……しかし、ほどなくして『兄弟姉妹』が店内に溢れ出す)
……あれ? あれれ? お母さん、こんなに産んでたっけ???

久喜棗 > 「ほれー、静佳が隠し事などするからははうえが悲しんでおるではないか
 家族の間で隠し事などダメじゃぞー?」

嘘泣きする「おかあさん」に悪ノリしてニヤニヤと含み笑いしながら静佳を責める

「儂も毎日ははうえにメールするぞ!
 なぁにこういうのは慣れじゃよ慣れ
 儂もちっとは手こずったが何度も練習する内にちゃんと出来るようになったからのう」

たわいもない会話のやりとりをしながら歩いていく
何の変哲もない幸せな日常、だが異常は収まるばかりか加速していく
おかあさん、おかあさん、周りの人間がそうつぶやくたびに兄弟が増えていく
棗はそれでも、こんなにたくさんの兄弟が一同に集まるなんて偶然もあるものだぐらいにしか感じなかった
この異常事態を疑問に感じない事こそが本当の異常なのだが

「むう、ははうえにだけ見せるなどずるいぞー、儂にも見せぬかー」

「おかあさん」にだけこっそりとプレゼントの中身を見せる静佳に、後ろから覗きこもうとピョンピョンはねてみる

鈴成静佳 > だーめっ! 棗おねえちゃんは清純派なんだから、こんな下劣なタイトル見たら失神しちゃうもん!
アタシだって最初見た時はドン引きしたし……(嘘臭いはぐらかし方をしながら、レシートをしまい込む)
ま、いわゆる「エロゲー」ってやつよ。氷架ちゃんの趣味なの(言いふらし)。今度遊びに行ってごらんよ?

大好きなお母さんへ > 「……まあ……」

ちらり、と静佳に見せてもらったプレゼントは、少々「お母さん」の想像を超えていた
さしもの「お母さん」も、目を丸くして、そして、悟った

わたしは、アダルトゲームを制作する会社の社員なのだ、と

「……いいのよぉ、こういうのは、あうものをするのがイチバンだもの」

くす、と内緒話でもするように笑った
棗には内緒だ

「あら、「なつめ」はさすがおねえさんねえ、「おかあさん」、いつまでたってもなれないわあ
こんど、やりかたとかおしえてねえ?」

かと言って、静佳を贔屓しすぎるわけでもなく、棗にも同じように、約束と取り付けてあげた
お母さんにとっては、ふたりとも、みんな、等しく愛しい「我が子」なのだから
喧嘩などしたら、「お母さん」は、きっと、悲しむだろう


百鬼夜行
もし、仮に、「お母さん」を「お母さん」に見えない存在がいるとすれば
人をぞろぞろと連れ歩き、その先頭に立つその姿を
或いは
   或いは


店内が、「我が子」たちで満ちる
店員も「我が子」
店長も「我が子」
清掃員も「我が子」
無数の「我が子」が中規模の店内を埋め尽くす




ぱぁん




「お母さん」が両の手をぴしゃりと叩いた

「……ああ、ごめんよ母さん」
「お母さんの邪魔しちゃいけないね」
「またこんどあそんでねおかーさん!!」
「おふくろ、先家帰ってるぜ」

静佳と棗、それにファミレスの店員以外の「我が子」たちが、一斉に帰っていく

呪いだ
「おかあさんちょっとフタリとおはなしがあるから、
みんなはサキにかえってなさい ヨリミチしちゃダメよぉ」
という意志が、二人と店員以外に波紋のように広がった

「……ええ、わすれちゃったのぉ? あなたたちは、いーっぱい、「かぞく」がいるでしょう……?」
にこりと
微笑んだ

鈴成静佳 > (秒単位で増えていく『兄弟姉妹』にはむしろ静佳が戸惑いを覚えていた。少し前まで、静佳には兄が1人だけだった気がする……気のせいか?)
(気のせいだ)
(そうか)

(母親の威厳か。柏手1つで散っていく『兄弟姉妹』に、息苦しさが和らいでいくのを感じると、ふぅ、と1つため息を付く)
(ひとまず溜飲がさがると、やはり『お母さん』への敬慕の念が増してくる)
……いやー、こんなにいっぱい産んでたなんて、やっぱりお母さんはすごいや。アタシも早くお母さんみたいないいオンナになりたいなー。
「いっぱい勉強して、早くいい人見つけて、早く結婚して、いっぱい子供を産んでね」って。この島に来る直前にお母さんに言われた言葉、覚えてるよ。そのために勉強も頑張ってるよ!
……男のほうは、まだ、ビミョーだけどね。フフッ。

久喜棗 > 「え、えろげー?というとあの猥褻ゲームか?
 そ、そうか…あの子は真面目なように見えたが意外とムッツリなのじゃな…」

ほうほうと感心したように相槌を打つ、今度氷架の所へ遊びに行く時に話を聞いてみよう

「しかしあの子はまだ18になっておらぬのではなかったかな?
 あまり厳しく言うわけではないが、そういったものは本来はちゃんと大人になってからするものじゃぞ」

と一言だけ注意した後、未成年にも酒を勧める自分が言うのでは説得力がないな、などと自嘲した

いつしか周り中囲むように兄弟だらけだった
ざわざわと周りが騒がしくなり流石の棗も得体のしれない不安感を感じ始めたその時、「おかあさん」がパンと手を打った
それを合図にするように兄弟たちは離れていく
棗はやはり「おかあさん」は頼りになるなぁなどとズレた思いを抱くだけだった

鈴成静佳 > ムッツリだよー。めっちゃムッツリ。アタシと正反対だねー。(鼻の下をこすりながら)

おとなになってからとか……そう固いこといわないの、棗おねえちゃん!
16歳も18歳も500歳も誤差のウチだよ、あははー(恐ろしい歳の差の姉ができたせいか、静佳の中で年齢の概念が崩れつつある)

……おっ、料理きたきた!(なぜか静佳の目の前に並べられるお子様ランチ) いっただきまーす!

大好きなお母さんへ > 静佳の「お母さん」の情報が、少しずつ埋められる
かなり性に対して大らかな人物であり、それでいて、明るく、静佳のことを思いやっている「お母さん」
静佳の大好きな「お母さん」だ



塗り替えられる
       塗り替えられていく
大好きな「お母さん」の顔
大好きな「お母さん」の体
大好きな「お母さん」の声
全てが、まるっきり、最初からそうだったかのように
それに、きっと
大好きな「お母さん」も、きっと
――二人の、姉妹だ

「「しずか」ならだいじょうぶよぉ、ね、「なつめ」?
でも、あせってへんなオトコのヒトにつかまっちゃだめよぉ?
ちゃんと、「おかあさん」にしょうかいするように」

ああ、きっとその彼氏も、静佳の兄弟だろう
人類みな兄弟だ!

「「なつめ」はおねえちゃんでしっかりものやさんだけど、そーいうところはウトいわよねぇ
イマドキのコって、けっこう、はやいっていうわよぉ?」

そのうちに、「息子」が嬉しそうに料理を持ってくる
兄の経営する店で、頑張ってるよ! とでも言いたげだ

「ふふ、ありがとう……いただきます」
お母さんの注文したものは、デミグラスハンバーグだ

久喜棗 > 大浴場の時に自分がされたことを思い出し、ムッツリはどちらかというと静佳の方では?などと思いもしたが
可愛い妹のやることだし、ただのスキンシップなのだろう……多分。と思いツッコミはせず
代わりに静佳へと生暖かい視線と苦笑いを向ける

「ま…まぁそうじゃな。だが少なくとも風紀委員には見つかるでないぞ
 彼奴らは儂と違ってうるさい上に実力行使もしてくるでな
 そういえば静佳は寮生活であったな…寮には風紀委員も手出しはせぬのかな?」

と小首を傾げる。そもそも自分と静佳は姉妹なのに何故違う場所で暮らしているのか
更につっこめば「おかあさん」とも共に暮らした記憶が……そこまでで思考は途切れ、疑問は霞の向こうへと消える
後には何を考えていたのかも忘れ、モヤモヤとした感覚だけが残った

棗のもとに注文したハンバーグが届けられ、フォークで口へと運んでいく

「ふふ、今日はははうえとお揃いじゃな!
 ここのハンバーグはなかなか美味しいのう、なぁははうえ
 って静佳、お主なんでお子様ランチなぞ頼んでおるのじゃ…」

鈴成静佳 > (注釈:静佳はムッツリスケベではなくただのスケベである)
まぁねー、風紀の人とかはコワイよね。それに、寮にも風紀の人はいるよ。
でもエロゲーくらい普通だって! 風紀の子だってきっとやってるよ! うんうん。アタシはPC持ってないからできないけど。
こっそりやるとか買うとか、方法はいくらだってあるからね。それにエロゲー程度なら捕まっても怒られる程度だよ。
(この持論にはそこそこ自信があるようだ)

……あれ? アタシがお子様ランチっておかしい?(首をかしげ)
アタシ、この100人兄弟のなかで末っ子も末っ子だったから、これ頼まなきゃなーって感じがね……あれ……感じたっけ……(やや訝しみつつもお子様ランチを頬張っていく16歳)

うん、変なオトコには気をつけるよ。でも大丈夫!
アタシ、どんな奴に捕まっても逃げられる魔術をマスターしたからね! すごいでしょー、お母さん!(胸を張る)

久喜棗 > 「静佳はともかく風紀のものがエロゲーをやっておったらさすがにマズいのではないかな…
 いや、実際どうかはわからぬがな……というより今どきの若者はそんなに性が乱れておるのか
 儂の若い頃はエロゲーどころか春画の一つすら手に入れるのに相当な苦労をしたというのにうらやま…いや、けしからんな!」

零しそうになった言葉をゴホンゴホンと咳払いすることで誤魔化す
棗も固いことは言うが興味自体は人一倍あるようだ
一番のムッツリはもしかしたら自分なのかもしれない

「いや、おかしいというよりよく注文が断られなかったのう…
 注文した時変な顔をされなかったか?静佳よ」

大好きなお母さんへ > 「ああ、ふうきいいんサンたちはこわいってきくわねぇ
いっかい、「あって」みないとなあ……ふふ」

全く生まれも育ちも異なる人間を血縁関係にすると、当然矛盾も生まれる
しかし、矛盾について考えれば考えるほど、「まあ、いいか」で済まされる
兄弟であることを、何故そうなのかと、考える必要など、
――ないのだ

「まあ、そうねえ。オトシゴロということで、おめこぼししてくれるかも……? じしんはないけどぉ
……フフ、いいえ? ぜんぜんヘンじゃないわよお
かわいい「しずか」は、いつもおこさまランチですもね
でも、「なつめ」のいうとおり、ハンバーグもおいしいわよぉ」

キコキコとナイフで自らのハンバーグを切って

「はい、あーん♥」

と、静佳にハンバーグの刺さったフォークを差し出した

「……へえ? すごいわねえ「しずか」! さすがは「おかあさん」のコだわあ
どんなまほうなのぉ?」

鈴成静佳 > んー、そんな変かなぁ?
(お子様ランチを注文した時の店員……もとい『お兄ちゃん』の表情を思い出してみる。「またか、この妹はいつまでも末っ子根性か」とでも言わんばかりの仏頂面であった)
……変じゃないよー? ねーお母さん?
あ、お母さんありがとう! あーん♥(ボテ腹幼女から差し出されたハンバーグを嬉しそうに頬張る16歳)……おいしい!

ん、アタシの魔術ね、テレポート! 見てて……
(隣にいた静佳の身体の輪郭が一瞬ブレる。次の瞬間には、静佳は『お母さん』の隣から正面の席に移動していた)
……んふふー。すごいでしょ!

久喜棗 > 「おかあさん」が静佳にフォークで一切れのハンバーグをあーんと渡しているのを見て
自分も同じメニューではなく違うメニューにすればよかったと、少しだけ後悔する
そうすれば「おかあさん」に自分もハンバーグを分けてもらえたのに
無性に「おかあさん」に甘えたい気持ちが湧いてきて止まらなかった
静佳を褒める「おかあさん」を見ていると自分も自分もと心のなかがそわそわしてきてしまう
だが自分はお姉さんなのだから我慢しないとダメだ、静佳の前なのだから

「おお、テレポートなどすごいではないか静佳!
 お主もとうとういっぱしに魔法が使えるようになったのだなぁ」

「おかあさん」といっしょになってオーバーに感動してみせる

大好きなお母さんへ > 「ええ、ヘンじゃないわよぉ。「しずか」はみんなのかわいい、いもうとですもの!
ふふ、そーぉ? でも、たまにはべつのものもたのんでもいいかもしれないわね?
このハンバーグみたいに、あたらしいデアイがあるかもしれないわよぉ?」

ちら、と棗に視線を配る
おねえちゃんだから、と自分を抑制している顔
「お母さん」にはなんでもお見通しだ
「お母さん」ほど、我が子の理解者はいないのだから

「「なつめ」もたべざかりよね、ほら、「おかあさん」のもあげるから、
いっぱいたべて、おおきくなるのよ? あーん♥」

500年の時を超え、なお身体が大きくならず、幼いままの棗
それを知ってか知らずが、「大きくなるように」と、同じようにハンバーグのついたフォークを差し出した

「わ! テレポート! すごいじゃない「しずか」っ、
それならアブないヒトにねらわれてもだいじょうぶねえ」

えらいえらいと拍手をした後に、手を向かいの静佳へと伸ばす

「撫でてあげる」というおまじない

鈴成静佳 > (再び瞬間移動して元の席にもどり、続きを食べつつ)ふふん、まぁねー。棗おねえちゃんと風呂に入ったあの日にはすでにほとんどマスターしてたよ。見せる機会なかったけどね。
あと……他の魔術はちっとも覚えられないんだ。この転移魔術だけ特別っぽい。あははー。
(ハンバーグをあーん♥してもらえたことにソワソワする棗おねえちゃんの気持ちの機微は察していないようだ)

うん、今度はお兄ちゃんお姉ちゃんのプレッシャーに負けないで好きなの頼んでみるよ!
ここのファミレスはマルゲリータピザが美味しいんだよ! みんなで食べたいね!
(かわいいいもうとと言われて満面の笑みを浮かべる。そしてボテ腹幼女……『お母さん』の腹を眺める。もうじき、もっとかわいい妹が産まれるのだ。楽しみだ)

(そして、『お母さん』が頭を撫でようとすると、静佳は猫背になって頭を下ろし)
ん、やだ、お兄ちゃん達や棗おねえちゃんが見てるのにそんな恥ずかしいよ、お母さん……んふふー♪
(されるがままに、幼女に頭を撫でられてご満悦の16歳)

久喜棗 > 心を見透かされたように「おかあさん」に優しくされ、少し照れくさそうに微笑む

「わ、儂はたべざかりというような歳ではないぞははうえ
 まぁでもせっかくははうえがくれるのじゃからな、ここはありがたくいただくとしよう」

素直ではない言葉とは裏腹に嬉しそうにハンバーグを頬張る
いつの間にか喉につっかえていた小骨も消え去りこの異常な空間で幸福感を満喫していた

「そうかそうか、あの頃の静佳とは違うのじゃなぁ
 もうこうして子供扱いしてやれるのもあとわずかなのじゃろうな」

あの頃とはいつの話なのか、少なくとも棗にはそんな記憶は全くない
だがそんなことは今の棗にとってはどうでもいい話だ、蚊ほども気にならない些細な話だ

「しかし他の魔法はダメとは奇妙な話じゃな、何ぞ心当たりでもあらぬのか?静佳よ」

鈴成静佳 > 心当たりねぇ……(しばし首をかしげるが)まぁ、アタシがバカだからかなー(単刀直入)。
瞬間移動の魔術だけ「イメージ」がしっくり固まって、それ以外がちんぷんかんぷん。きっと偶然ってやつだね。あはは。

……そう、アタシだってもうすぐお姉ちゃんになるんだから。棗おねえちゃんと同じ!
オトナなことも結構いろいろ手を出してきたし、子供扱いはヤメにしてほしいね!(ない胸を張る)

大好きなお母さんへ > 「ふうん……それはどうしてかしらねえ、「おかあさん」にもわからないわあ……
でも、きっと、そのテレポートのまじゅつは、カミサマが「しずか」にくださったものなのかもしれないわねえ」

しみじみと頷いて、同じく注文していたコーラを啜る
家族の団欒、楽しい外食だ

「いいのいいの、きにしないでじゃんじゃんたべて!
「しずか」も「なつめ」も、「おかあさん」のかわいいかわいいムスメなんだから
ちょっとぐらい、あげたくもなるのよぉ」

ふふっと、嬉しそうに頬張る棗を見て「お母さん」も幸せそうに笑んだ
500年生きたと行っても、血を分けた娘は娘
いつまでたっても子供は子供なわけで

「ふふ、でも、オトナでいるのにつかれたら……たまに、コドモにもどってもいいのよぉ
「おかあさん」は、いつでもまっているから。ね?」

ゆっくりと静佳の頭を撫でながら、慈しむように




やがて、3人の皿が空になる
「ふう、食べたわねえ……ふたりとがいしょくなんて、いつぶりかしら?
「おかあさん」、すっごくたのしかったわぁ♪」

鈴成静佳 > ホントこの術は便利! もちろん食い逃げとかには使わないけどね。
あとたまーに失敗して服が脱げたりするけどね。アハハ。外で脱げちゃうのももう慣れちゃった感あるよ。
いやー、修羅場のときの半狂乱のお母さんを思い出すなぁ。血は争えないってやつだね。んふふっ!
(盛大に思い出し笑いをしながら、供された食後のコーヒーをブラックですする。精一杯のオトナアピールだ)

うん、アタシはもう殆どオトナだけど、それでも、いつまでもお母さんの子供だからね。
また島に来てね! 今度は寮にも遊びに来てよ! お風呂が気持ちいいよ!
前みたいにみんなで洗いっこしよ!(曇り一つ無い笑顔で『お母さん』と『棗おねえちゃん』を見つめる)

久喜棗 > 「なるほどのう、つまりはコツの問題なのかも知れぬな
 残念ながら儂の魔法の知識はごく狭い領域ゆえ手助けしてやれぬが
 それを先生に伝えれば助言を貰えるのではないか?
 ふふ、そう言うでない。お主がすぐ大人になってしまったらははうえも悲しむぞ?
 大人にはゆっくりとなればいい、急いでも良いことはないのじゃからな」

オトナなことと言われてもせいぜいエッチなゲームをしたとかお酒を飲んだとか、その程度だろうと
棗は優しい目で妹である静佳を見つめる
空になった皿の前で満足そうにお腹を擦る
本当に久々の家族団らんの食事に棗はお腹も心も満腹になった

「そうじゃなぁ、ははうえと食事するなど久しぶりじゃのう…」

久しぶり、というが前回の記憶はもちろん無い
思い出そうとすれば偽記憶が形成されるだろう

「そうじゃ、静佳はいいこと言うのう!
 あそこのお風呂はあまり人も来なくて貸し切りみたいに使えてな、湯船も広くて温度もちょうどよくて
 三人で入るにはピッタリじゃな」

「おかあさん」の返事も聞かずに今度の約束を勝手に並べ立てる
まるで子供のようにはしゃぎながら「おかあさん」に甘えようとした

「ふぅー、流石に満腹じゃ。そろそろ帰るとするか
 静佳もははうえも元気そうで安心したわ
 今度メールをするから、その時にでも予定を合わせるとしようか」

言って席を立つ、親子の関係の者が別れて帰るのは何となく変にも思えたが
やはりそういった違和感は軽くにしか感じることはなかった

ご案内:「商店街」から久喜棗さんが去りました。
大好きなお母さんへ > 「おふろ……いいわねえ、そうね、こんどごいっしょしようかしらぁ?」

くすっと笑って、その時のことを考えた
きっと、お腹の子も喜んでくれる
そう信じて、愛しそうに胎を撫でた
もちろん、娘のお願いごとを、聞き入れないお母さんではない
できるだけ娘の願いは聞き入れたいし、甘えさせてあげたい

「お母さん」は、子離れができていなかった


「ええ、そうねえ。ふふ、おかいけいは「おかあさん」がはらうから、きにしなくていいわよぉ?」

そして、代金を払って、各々「別の道」を進んだ





なぜなら




3人は、親子でも何でもない、他人だからだ

鈴成静佳 > それじゃーまたね! お母さん、棗おねえちゃん! 元気でね!
(手を振り、それぞれの家へと帰っていく3人。プレゼントを抱え、ルームメイトの元へ)

……んふふ、お母さん妊娠かー、さすがだなー。この母あってのこのアタシってとこだわね。
それに棗おねえちゃん……あれ? 棗……おねえちゃん?(ふと立ち止まり)

なんでアタシ、棗ちゃんのこと「おねえちゃん」なんて呼んでたんだ?
(腕組みをしてしばし唸る)……うーん、あの立ち振舞はおばーちゃん臭いとは思ったけどおねーちゃんって感じはないし……

……ま、いいか! アタシ疲れてたんだな!(すぐに悩むのをやめ、頬をパンパン)
帰ったら氷架ちゃんのことおねーちゃんって呼ばないようにせいぜい気をつけなくちゃ!(気を取り直し、スキップで寮へと帰っていく)

ご案内:「商店街」から鈴成静佳さんが去りました。<補足:160cm、黒髪ショートの少女/スラックス&パーカー/リミット2時半>
大好きなお母さんへ > そこには、確かに、「愛」があった
親子の「絆」があった
家族の「情」があった

けれども、それらは全部嘘っぱち

「……ああ……」

お母さんは、泣いている
お母さんは、お母さんではないから、泣いている

「はやく……」

はやく
   はやく

 は
 や
 く


「……かんぺきな、「おかあさん」にならなくちゃ……」




お母さんは、そのままお家へと帰った
愛しい我が子たちが待つお家


――総会本部へと

ご案内:「商店街」から大好きなお母さんへさんが去りました。<補足:黒いマタニティドレス 妊婦 幼女>