2015/05/31 - 21:39~12:44 のログ
ご案内:「教室」に橿原眞人さんが現れました。<補足:制服姿の青年/表向きは至って真面目な生徒>
橿原眞人 > 『――えー、諸君らも知っている通り、この地球では21世紀初頭のいわゆる世界の「大変容」によって……』

(午後の気怠い時刻、大教室の中で「歴史」の授業が行われていた。教壇に立つ壮年の教師がモニターに様々な画像を映し出す。21世紀初頭の世界の変容と呼ばれる大事件についての画像だ。このような物はいくらでも見てきた。黒髪の青年、常世学園1年生の橿原眞人は、退屈そうにしながら、ちらとモニターを見たり、手元のタブレットを見たりしていた。)
……そんなことは、何度も聞いたよ。
(大教室の後ろの方の席に座りながら、一人そう呟いた。中には熱心に授業を聞いている学生もいたが、眞人にとっては耳にタコができるくらい何度も聞かされた話だった。)

橿原眞人 > 世界の変容、異能と魔術、そして異界の「門」……そんなことは誰でも知ってるってのに。……俺が知りたいのはそんなことじゃないんだ。
(とはいえ、そんなことを呟いても仕方がないことは眞人も知っている。この講義を履修したのは自分自身だ。ひどく退屈だが、抜け出すほど眞人は適当でもない。日本本土でも何度も何度も繰り返し聞かされてきた、「当たり前」とされる話に耳を傾けていた。)
ここに来たら、他では聞けない話もあると思ったんだけどな。
(自分の机の右前方に置かれた最新式のタブレットのモニターを、眞人は左ひじを突きながら素早く動かしていた。画面に映るのは無数の文字、文字、文字の海であった。その大海に眞人は授業の最中に挑んでいた。)
……だめか。
(しばらく素早くタブレットに移ったキーボードを操作していたものの、諦めたように右手をひらひらと振る。タブレットには何のデータベースのようなものが映っていた。)
大した情報は載ってない、か……やはり、「常世財団」の本部にアクセスするしかなさそうだな。
(そう、眞人が行っていたのはハッキングであった。今回は、運営する研究所の一つにハッキングを試みた。しかしその情報も、一般に公開されているものでしかなかった。手早く侵入の痕跡を消すと、眞人はため息を吐く。)

橿原眞人 > (世界の変容、異能と魔術、異界の「門」――それらしくいっているが、結局のところ詳しいことはほとんど明らかになっていない。もちろん、異能や魔術などについての個別の研究は存在する。だが、それらがなぜ21世紀初頭に起こったのか、何が原因なのか。その答えを出している者はまだこの世界にいない。原因は複合的であるとは言われているものの、その程度分かっているに過ぎない。眞人が知りたいのはそれだった。世界の「真実」……それを、眞人は知りたかった。自分にとっては、この世界は当たり前だった。自分の生まれた頃には既に世界には異能や魔術が溢れ、異邦人たちが訪れていた。いくら大人たちが変容の衝撃を語ったところで、逆に眞人はこれ以前の世界こそ想像できない。)
……昔の戦争みたいなもんだよな。
(一人そう呟く。世界の変容したとき、様々な問題が起こったという。というより今でも起こり続けているのだが、その混乱は今とは比べ物にならなかったのだろう。本来存在しないと思っていたものが次々と現れたのだ。世界の終わりを語ったものがいても不思議ではなかっただろう。しかし、眞人にはその実感はない。生まれた時に当たり前だったのだから。昔の起こった戦争の話をされても実感がわかないのと同じだ。……そして、その当たり前に眞人は疑念を抱いていた。どうしようもない疑念。「真実」を希求する思い。それこそが眞人を動かす全てだった。)

『……では、今日の講義はこれにて終わります。来週は小テストを行うから、皆復習しておくように』

(その教師の声と共に、チャイムが鳴り響いた。眞人の午後の講義はこれで終わりだ。この教室もしばらくの休み時間に入る。)

橿原眞人 > ……はあ、授業、変えるか。
(この講義はどうにも眞人が求めているそれとは違っていた。おそらくは異邦人向けの授業だったのだろう。歴史は好きなほうだったが、こうも同じ話を繰り返されてはたまったものではない。授業が終わったため、ぞろぞろと生徒たちが椅子から立ち上がり、教室から出始めるたり、談笑を始めたりする。眞人は後ろの座席の隅の方に座りつつ、適当に時間を潰していた。教室の出入り口は今人で溢れているし、この時間は丁度多くの学生の下校時刻に被るころだ。駅も混んでいるだろう。)
常世財団の本部への侵入は一度失敗してるしな……何だよ、あのセキュリティ。滅茶苦茶だ。
(世界の「真実」を知るために、一度眞人は常世財団のコンピューターに侵入しようとしたことがある。しかし、それは阻まれ、失敗に終わった。危うく眞人もその痕跡を残して捕えられるところであった。眞人の異能、《銀の鍵》――それはあらゆる「門」を開く力だ。たとえ、ネットワーク上のゲートであっても開けてしまう。だが、常世財団のそれは開けることは叶わなかった。)
異能用のセキュリティ、か。まるでこういう異能があることを予測していたみたいな機能だな……。
(窓の外には広大な常世学園の街並みが広がっている。多くの学生や教師、異能者に魔術師、異界の存在までいる。かつての世界ではありえなかったことであるし、今でも常世学園は異質だ。ここまで様々な存在があつまった街もないだろう。むろん、そのための街ではあるのだが。)

ご案内:「教室」におこんさんが現れました。
ご案内:「教室」に稲葉聡美さんが現れました。
稲葉聡美 > (黒髪の少女ーー稲葉聡美は残されたモニターの情報を熱心に自分の情報端末に写している。だが幾分要領が悪いようで、何度も慌てた表情になって作業を中断している)
おこん > これこれ、そこの若者よ。(つんつん。 なんだか憂いている表情の男子の脇腹を容赦なくつつく。 いつの間に入ってきたか、あるいは隣に来るまで気づかなかったのか… そういった経緯を無視して現れたそれは、試すような視線を向けて。) ずいぶんと退屈そうな顔ではないか。 授業が気に入らぬの買え? 何か悩みがあるならワシに話してみよ。 なに、悪いようにはせぬ。 狐につままれたものと思ってじゃな、気楽に話してみい。(つんつん。男子の返答を待つ間にも容赦なく脇腹を突く。 別に興味を引きたいのではなくて、突付いて遊びたいだけだということがよくわかるだろう。) そこの女子もじゃ。 急いで作業をすると手抜かりがあるかもしれぬぞ。 こやつに写させてもらえ。 どうせ……この授業が退屈だったんじゃろ?(視線を教壇の方にやる。 退屈だなんて言われたらさすがに教師が起こるかもしれないから、念のための確認。大丈夫。)
橿原眞人 > ……うぉっ!? な、なに……!?
(適当に窓の外を眺めていると、突如わき腹を何かで突かれ、素っ頓狂な声を上げる。わき腹を突いた何かの方をサッとみれば、幼い姿の少女がいた。ヒトにはありえざる耳や尻尾などを見れば、異邦人か、元々この世界に存在していて、「復活」とともにこの世に舞い戻った妖怪変化の類だろう。)
んだよ、ビックリしたな……ちょ、うぉっ! 突くなって!!
(突かれてやめろやめろといいながらその手を止めようとする。子供のような姿でこのような反応、この少女も暇していたに違いない。)
いや、お前みたいなちびっ子に相談する悩みなんてないっていうか……お、おお? ま、まあ、いいけど……なあ、写したかったら写していいぞ。
(目の前の狐の少女が誰か知らないようだ。明らかに子供扱いしつつ、その狐の童女が教室に残っていた黒髪の少女にこちらへ来いという。いきなりのことにしどろもどろになりながら、自分も黒髪の少女に声をかける。)

稲葉聡美 > ……をををっ!?(近くの男子生徒の脇腹をつついている小柄な女性の声に気づく。自分より頭ひとつ以上小さい体躯ながら、その話しぶりから、恐らく生徒ではあるまい……鈍感な少女にも察することが出来た)
あ……ごめんなさいっす。わたし、先生の話を追い切れなくて……(はにかみながら橿原の近くの席に移ってきた)

おこん > やめろやめろと言われても、ワシがその頼みを聞いてやる道理なぞないが、突くのは止めてやろう。(おとなしく相手に両手を差し出して、わざと掴まれる。 一向に悪びれない表情で言葉を返すと、代わりに襲いかかるのは9本の尻尾。 相手の腕に、腹に絡みついて、くすぐるようにするすると動く。) 若者よ、見てみろ! この女生徒の素直なこと! …まあこの科目、教えることが多くての。 事前にみっちり予習でもしておかねば、きちんと理解できるものはあまりおらぬのよ。 それに、教える側もおぬしらと同じでつめ込まれている状態でな…そんな状態でよく教えるというのも難しかろうて。 自分の事を責めるでないぞ。(なんとなく申し訳なさそうにする女生徒に、ゆっくりと頷いて見せる。 大丈夫、と笑い欠けてから、片目をつぶってみせる。) それにしても、おぬしら…この世界のことから学ぶもよいが、まずは身の回りから学んでみぬかえ? 人ならざるものに異邦人…とかくこの世は未知に溢れすぎてしもうた。 それを解きほぐす学問を修めてみぬかと言っておるのじゃ。 このワシのもとでな。(ふふんと誇らしげな顔。 男子生徒をいじり回すのは止めて、二人にゆっくりと目をやって。)
橿原眞人 > あー……、先生の話っていっても、なんか、こう、知ってる話ばっかりじゃなかったか? 世界の変容とかさ。だから退屈だったよ。
というか、授業の板書ならそのまんまデータであげるよ。写すよりいいだろ? んー、ああ、そうだ。俺は橿原眞人、ただの一年だ。
(罰が悪そうに頭をかきながら聡美に言う。既に転送の準備はしてあるらしく、すぐにでも相手の端末に先程の授業の板書データを送れる状態だ。適当に聞いてはいたものの、一応片手間に写しておいたのだ。)
っておい、今度は何……や、やめ、やめろって!! ちょっと!! し、知らねえよいきなり人のわき腹突いてきたちびっ子が何言ってるんだ! ちょ、やめ……!
(手を掴んだところに九本の尻尾が襲い掛かってくる。眞人の腕や腹に絡みついてくすぐってくるからたまらない。必死に笑いをこらえる眞人であった。)
……わ、わかった、ごめん。すまなかった……ええ? 異邦人について?
(ようやく解放されたので息を整えつつ、おこんの言葉に怪訝な顔をする。)
それっていったい……ああ、ってことは。もしかして……先生なの?
(誇らしげな顔をしているおこんを見ながらそう言う。この狐娘、自分と黒髪の少女に何か誘いをかけに来たのか。)

稲葉聡美 > (男子生徒にやわらかな責め苦を与えている尻尾ーーそして自信げに紡ぎだされる言葉から、おこんが異能なる教師であることを確信する。たちまち少女の顔は尊敬の念に満ち溢れた。)
おっ、おおっ、ぜひ、ぜひ聡美にも教えてほしいっす!
(先の授業の始末は頭から追いやられてしまったようだ。)

稲葉聡美 > あっ……ありがとうございまっす。……かしはら先輩。いただきまっす!
(情報端末にデータが届く発信音が鳴り、前の授業のことを思い出した。すぐに情報端末のタッチパネルを操作してデータを処理しておく)

おこん > なんじゃ情けない声を上げおって。 まぐわう時もそんな声上げとるのか、んんー? (ひとしきり尻尾で弄った後、開放しする。 先生かとの問いかけに満足げに頷いて、稲葉の方を見てから、男子生徒の方をちらり。) 女生徒の方はとっくにわかっておったようじゃがの。 いかにも、ワシは化け狐のおこん。 おぬしら生徒たちの蒙を啓するのが生業よ。 橿原、そして聡美よ。 世界にはワシのような妖怪、異なる時間軸からの存在、それに異世界からの稀人…どれだけいるかわかるかのう? この世界を解き明かすための鍵はそこかしこにいるのに、わしらはそれらと正しく付き合うことができず、右も左もわからぬ有り様…。 真に情けない。 そこで、じゃぞ。 ワシが教えるのは、その”付き合い方”よ。 こみゅにけーしょーんじゃ。 妖怪とも、機械とも、宇宙的存在とも、異なる世界の民とも対話ができるようになるための方法を教えておる。 今やっておった、知ってる話よりは楽しそうであろう?(まあ、難しい話ではあるがの、と口元を隠しながら笑いかけて。目を細め、二人の反応を見るように首を巡らせる。)
稲葉聡美 > こっ、こみゅにけーしょーん……(少女はあたりを見回す。おこんが言うような、機械で構成された鉄の塊のような者や、人の姿すらしていない者が、この教室には溢れている。)
すごい……すっごい楽しそうっす!(椅子から立ち上がりこそしないものの、両手を握りしめて心底楽しみそうにしている。)

橿原眞人 > は、はぁっ!? ま、まぐわう時って……な、何言ってんだよ!! そんなんじゃねーよ!! ク、クソッ! 離せ!!
(おこんの言葉に驚いたような顔をして、ひとしきり弄られた後にようやく解放され、荒い息を吐く。)
……ここは先生だって多いんだ、知らないことだってありますよ。
(おこんの視線に、顔を背けながら言う。一応、敬語にしたらしい。)
……「世界を解き明かすための鍵」か……。
(しばらく黙っておこんの話を聞いていたが。「世界を解き明かすための鍵」という言葉に反応をする。まさに、それこそ自分が求めていたものなのだ。)
こみゅにけーしょん、ねえ……先生みたいな小さいのがそんなの教えられるんですか? まあ、そりゃ……さっきの話より興味はありますけどね。「世界を解き明かす鍵」だっていうんだから……しかし宇宙的存在ともって……そんなの本当にできるんすか? 今でも色んな問題があるっていうのに。
(眞人は懐疑的な見解を述べる。元々自分で体験したことでないと信用しない性質だ。隣で楽しそうにしている聡美とは対照であるものの、興味は惹かれたようである。)

おこん > うむ、こみゅにけーしょーん。おぬし、とてもノリがよいのう。 それくらい前のめりじゃと、ワシの授業はきっとやりやすいぞ。(拳を握りしめて興味を示す様子の彼女に、思わず表情もほころぶ。 ひとしきりいじり終えた後、なんだかすごい息を荒げている男子生徒を見て、ふむんと小さく息を漏らした。) その反応、おぬし生息子か。 まあするしないはともかく、もう少し余裕を持たぬと他の者にもバレるぞ。(えっらい剣幕の相手を、自分の口元を隠しながら諭す。 とは言え揶揄混じりなのは、にやにやと笑っている目から明らかで。) 姿こそこうじゃがの、齢は遥かに経ておるでな。 鎌倉の大仏作るときに、資金を出してやったりもしたわい。(言った所でそれが本当とも嘘ともつかぬのだけれど、誇らしげに身振り手振りを交えて説明。 相手の問いかけにはふふん、と笑ってみせて。) おぬしの目の前におるものは何じゃ? 齢数千を超える化け狐ぞ? 異星の”人間”ですらない存在が、こうしておぬしらとわかりあう方法を学問にまとめ上げ、しかもそれを伝授しようというのじゃ。 それでも”本当にできるか”と問えるかの? (自分は人間ではない。 そして目の前の二人は人間。 それらがこうして話をしている事自体が、相互理解の階であると示す。 理解が早い様子の稲葉の方に目をやって「なー」と同意を求めるように首を傾げた。)
稲葉聡美 > ……っ(鎌倉の大仏ーー齢数千ーー化け狐ーー非日常の言葉が当たり前のように飛び出すおこんの言葉に息を呑む。しかし、自分に好意を向けてくれるおこんの表情からーーとりあえず彼女もまた悪戯げな「なー」という表情を橿原に向けた。)
なー、っす。

橿原眞人 > ……な、なに? ち、ちがいますよ、そんなのじゃない!! ク、クソッ、何が生息子だっ……! な、何がばれるって……クッ!
(この先生は苦手なタイプだとそう思った。その目がにやにやとしているのがより腹立たしい)
……鎌倉の大仏って……800年ぐらい前かよ! とんでもねえババアだな! とはいえ、確かに今の時代じゃ何がいても不思議じゃないからな……。
(一応信じることにはしたらしく、身振り手振りで説明する様子を眺めている。)
……ま、まあ、そりゃたしかに、そうだが……現にこうしてること自体、理解できてるってことだな……先生、俺も理解していますよ! クソッ、調子がでねえ……!
(相手の言うことはちゃんと理解したというも、同意を求めるのは聡美のほうに、である。)
……わかりましたよ。興味が出てきました。それで、どうすりゃいいんですか。先生の授業にいけばいいんですか?

おこん > ほれー、聡美もこうしてワシに同意してくれておるじゃろ。 あとで職員室に来るとよかろう。 授業の変更手続きはしておくでな。 なに、誘ったのはワシじゃ。きちんと面倒を見てやるからのう。(素直な女の子である彼女にうんうんって満足気にお返事をしてあげて、尻尾で彼女の身体に軽くポンポンと触れる。 マーキング…じゃなくて、彼女への挨拶代わり。) ふふん、なんじゃ?何がバレるか言うてもよいのか? 聡美に聞こえるぞ? 正確に言えば数千年じゃが、パッとでてきておぬしらがすぐ分かるのはそれくらいじゃろ。 (からかいながら相手の言葉に耳を傾けるも、”理解している”という言葉を聞いて、我が意を得たりとばかりに唇の橋を釣り上げる。) はて、おぬしはワシの事を理解しておるのかの。 ワシがおぬしの真似をしておるだけかもしれぬ。 …というところを解き明かす学問じゃ。 おう、ワシの授業に来い来い。 きちんと世話をしてやるわい。 筆おろしだろうがちょっとむらっと来た時じゃろうが、いつでも相手になってやるからの♪(よかったのう、と続けて。)
稲葉聡美 > (おこんの言葉に交じる姦濫な単語を、理解するほどの知識を少女は持たないーーが、とりあえず調子を合わせている。)
かしはら先輩!おこん先生にお世話してもらうっす!筆おろししてもらうっす!!

橿原眞人 > クッ……あー、あーっ!! 言うな、言わないでください!!
(からかいの言葉に必死に反応する眞人であった。一人頭を抱える。)
……あんまり興味なかった分野ですがね、確かに先生のおっしゃる通りのような気もします。俺も色々世界の変容の事は知りたいから……わかりました。ならこのつまんねえ授業とはおさらば……って。
(筆おろしだのなんだのと言われてまた頭を抱える。顔を赤くして席を思わず立ちながら。)
な、何言ってんですか!! そんなの必要ありませんよ!! そ、そんな小さいナリの婆さんになんて!! ほら、ここに女子いるんですよ……って。
おい!! そんなデカい声でいうんじゃねえよ!!? それはそんな、使っていい言葉じゃないんだよ!!
(聡美を盾に話から逃れようとしたが、逆に聡美のほうが話に乗ってしまった。乗ってしまったというより、よく知らないために話を合わせたのだろう。)
筆おろしなんて必要ないから!! はぁ、はぁっ……疲れた。
(どすっと椅子に崩れ落ちた。)

稲葉聡美 > ……ほえ
(とりあえず声のトーンを落とす聡美。しかし話の方向性に関しては一切理解できていない)

おこん > そうじゃよなー! 聡美もそう思うじゃろ? なに、筆の一つも降ろさねば男たるもの一人前ではないからのう!(聡美の言葉にうんうん、とわざとらしく頷いてみせる。 彼女がわかっているのかいないのかはともかく、今は尻馬に乗るべきタイミングなのは間違いないからだ。) なんじゃ? 怖いのかー? おぬしのう、何を怯えているか知らぬが、齢数千の化け狐じゃぞ、手練手管もそりゃあもう見事なものでのう… ああ、ワシに溺れてしまうことを心配しておるのじゃな。 それならわからなくもない。 ふふふ、小さいなりの婆に掌の上で転がされておるのはだれじゃ? んふふ… ともかく、話はキマったようじゃのう。 おぬしら二人はワシの生徒じゃ。 がっつりたたきこんでやるから安心せい! 面積は小さいが、どーんとこの胸に飛び込んでくるとよいぞ!(幼く柔らかい胸を誇らしげに張って、二人に宣言してみせた。)
橿原眞人 > 必要ねーよ! 数千歳のババアになんで、なんで俺がっ! こ、怖くねーし、そ、そんな溺れるわけねーだろ! あークソッ、なんなんだ今日はッ!!
こ、転がされてなんかない……いや、もう、疲れた……。
(頭を抱える。ハッカーということをばれないように普通に生きていたのに、思わぬ注目を浴びてしまった。ひどく憂鬱そうな表情を眞人は浮かべる。)
いいか、稲葉さん……筆おろしがどうとか、そういうこと誰にもいうなよ、いわないでくれよ、わかったな。
(聡美の方を見てそう承諾させようとするのであった。)
ハハ、そんな胸に飛び込めるかよ……まあ、とにかく先生、よろしくお願いします。なんだかわからないが、退屈はしなさそうだ。
稲葉さんも、よろしくな。
(肩をすくめて平静を装いながらそう言った)

稲葉聡美 > わ、わかったっす……かしはら先輩がおこん先生に筆おろししてもらう件については、ナイショっす……ナイショっす。

よっし。おこんせんせい、よろしくっす!(お辞儀をして、聡美もまた胸を張る。その胸もまた幼く平坦である。)

おこん > そうじゃのー。 聡美はきちんと約束が守れる子じゃろうから、こやつがワシに筆おろししてもらう件は内緒じゃということもしっかり守ってくれるじゃろう。 ワシの方こそ、よろしく頼むぞ。 お主のような者は実によい。 明るいことは、相手を知る上では第一じゃからな。(ちょっぴり幼気な彼女の元気いっぱいな様子に、思わず表情もほころぶ。 彼女の礼に答えるように、自分も頭を下げて。) そうじゃのう。 まあ筆おろしも済ませてない小童なら、まぐわうことのよさなどわからぬであろうからの!(ころころと笑って相手の言葉を受け流す。 きちんと挨拶してくれた相手に首肯で返して。) よろしく頼むぞ。 おぬしはここはあるのじゃから…あとは目を見開くだけじゃ。(頭を指さして一言。) さて…ではせっかくじゃから、ワシのおごりで牛丼でも食べに行くか。 おぬしらもついてまいれ!(もちろん授業がなければの話なのだけれど、ひとの都合を気にして誘わないほど薄情でもない。)
橿原眞人 > いや、そうじゃないですよ!! 筆おろししてもらう事を内緒にするんじゃなくて……いやそもそもしてもらわねーから!!!
クッ……今後このペースでやられてたまるか……。
(ぶつぶつと一人そう呟く。)
研究は好きなほうですからね。世界の真実の鍵を解くためっていうならやってやりますよ。目だって開きますよ。
(自分の目のあたりを叩いてニッと笑った。)
どう見ても幼女な先生におごってもらうとは気が引けますがね。驕りとあらばついていきますよ。
(机の上のものをしまいつつ立ち上がる。)
今日はもう授業もないですからね。

稲葉聡美 > (しどろもどろする橿原を邪気なくニコニコ眺めている。)
牛丼っすか!行きます!行きますっす!
(唯一の荷物である板状の情報端末を抱える。)

ご案内:「教室」に久喜棗さんが現れました。
久喜棗 > (誰もいない教室のドアをガラリと開け入ってくる)
何やら淫乱子狐の悪い気配が漂っていた気がしたが、もう居なくなっておるか…

おこん > 据え膳食わぬはなんとやらと言ってのう、ワシがここまで言うておるのに嫌がるとは、男の風下にもおけぬやつじゃな。 まあ牛丼一つで心が買えるとは言わぬが、挨拶代わりよ。 それだけやる気がれば十分…さあて、では行くかのう。(二人に呼びかけて、教室を出ようとしたところで…声をかけられるとぴたりと足を止める。)おや、誰かと思えば鬼の… ワシは淫乱でもなければ子狐でもないがの、もしそんなのを探しておるのなら…確かに教室にはおらぬな。(二人の生徒たちに目配せし、「先に行っていてもよい」と示して。)
稲葉聡美 > (ほぼ入れ替わりだろうか……自分たちが出て行くのとは別のドア開閉音に気がついて立ち止まる)
橿原眞人 > 据え膳とかそう言うのはな、俺はいいんですよ……! はあ、じゃあ行きましょうか……。
(外に出る準備をして教室の外にでかかったときである。なにやら他に教室に入ってきた者がいたようだ。)
ん……?
(聡美が立ち止ったので自分も同じように立ち止まる。)

久喜棗 > (外に居たことに声をかけられてから気付き、おこんたちに向き直る)
む、出よったな!
飽きもせず男漁りを続けて清純な少年少女をかどわかすなど許せん所業
そこに直れ子狐よ、今日こそ成敗してくれよう!

稲葉聡美 > はわわ!(驚き、教室に戻った先で見たのはこれまた小さな角つきの少女である……おこん先生に敵意を向けている空気を察して、聡美も身構える。ーー最も彼女には一切の戦闘の心得はないが)
おこん > なに、ワシはこれから牛丼をこやつらと食べに行くので忙しいのじゃ。 やるなら後にしてくれぬかのう。 せっかくじゃからおぬしにもおごってやる。ここはひとつ、な?(めでたい日なのだ、と鬼のカノジョに声をかける。 二人には自分の因縁で喧嘩にまきこみたくはないし、どうしたものかのうと小さく呟いて。)
久喜棗 > (怯えた聡美を見て思わず敵意を発するのを止め)
むぅ…仕方ない。今日の所はお主らの生徒に免じて引き上げてやろう。
だが覚えておくがいい、この儂がこの学園にあるかぎりお主の破廉恥行為は許さぬとな!
(おこんの誘いを断るように背を向けいずこかへと去っていった)

橿原眞人 > なんだなんだ。また小さいのが出てきた……。しかも知り合いっぽいということは……。
(現れた有角の少女もまた、おこんと同じように数千歳なのだろうか。いくら変容した世界だとはいえ、ここに来るまではそんな存在は身近にいなかった。)
……なんだか、あの子の言ってることは正しい気がしましたね。
(去りゆく有角の少女を見ながら、淫乱だの破廉恥だのなんだの言われていたためである。ちらとおこんを横目で見る。)

稲葉聡美 > ふう……(張り詰めた空気が解れるのを感じて、少女は強張った体を戻すことが出来た。ーーしかしおこんの誘いが断られたことに少し寂しげである)
ーーおこん先生、今の子は?

おこん > 悪いのう、今度ワシがたーっぷりと相手してやるからな!それこそ夜通しでも構わぬぞ!(律儀に去ってくれる相手の背中に声をかける。 二人に向き直り、聡美の問いかけに頷いて。)ありゃあワシの古くからの知り合いじゃ。 ヤツめ、生真面目な性格でのう。 ワシがちょっとなにかするああやって直ぐ叱りに来るんじゃ。 とはいえ性格は悪いやつではないし…一度しっとりと、否、たっぷりと二人で話し合って見たいところじゃのう。(ぬらりと自分の舌を舐めて呟く。 9本の尻尾の先端までぴんと力が篭る様は、じゃっかん不穏な気配をもたらしていた。) さ、それはともかく飯じゃぞ、飯!出発じゃー!(ほれほれ!と二人をセカして、教室を出ていこうとするのでした。)
橿原眞人 > ……まあ、なんかわかりませんけどそれこそコミュニケーション学の実演をしてもらいたいところですね。そんな感じのこと言ってるからあんな風にいわれるんじゃないですかね……。
(色々因縁があるのだという。しかしながら、今この場では何もなかったのでほっとする。そうして扉を開けると、)
じゃあ俺が先に言って席でも取ってますよ。通りのあの店ですよね?
(おこん先生と一緒にいればまた何か言われる。また何か聡美が変なことを覚えてしまうと思ったのか、そういうと軽く廊下を駆け出して、牛丼屋の方へと向かっていったのであった)

稲葉聡美 > へえー……わっ。わわっ、わかったっす。(おこん先生に急かされるまま。別段の疑問の余地もなく教室を出て行く。)
ご案内:「教室」から橿原眞人さんが去りました。<補足:制服姿の青年/表向きは至って真面目な生徒>
ご案内:「教室」から稲葉聡美さんが去りました。
ご案内:「教室」から久喜棗さんが去りました。
ご案内:「教室」からおこんさんが去りました。<補足:眠気がピンチなのでこれで…! 久喜さんすみませんです!>