2015/06/08 - 19:35~00:06 のログ
ご案内:「サイバーカフェ「超電導」」に橿原眞人さんが現れました。<補足:【乱入歓迎】 制服姿の青年、眼鏡/表向きは至って真面目な生徒>
橿原眞人 > 午後であった。
学生街にある非常に珍奇な喫茶店のテラス席で眞人は食事を取っていた。
店主の趣味により、店にはいくつもの電光掲示板が張りつけられており、それらから流れてくる言葉のほとんどがよくわからない日本語であった。
インテリアも異様に凝っており、どこか退廃的な趣すらある。ピカピカとまだ陽も出ているのにも関わらずネオンが輝いている。
「……まずいな、これ」
眞人が頼んだのは超未来合成食などと書かれたセットであったが、コーヒーと一緒についていたよくわからない固形物の食べ物は味が非常によくなかった。
何故これで経営が続いているのかだろうと人は思うかもしれないが、コアなファンがいるのである。
「まあ、通信機器ならここのに勝てるのは中々ないからいいんだが」
ここの店が提供しているネットワークの速さは学園随一であった。そのために眞人もここへきていたのだ。
橿原眞人 > 恐らく豆ではない何かから淹れたと思われるコーヒーを飲みながら、眞人はタブレットを起動し、ネットワークに接続する。
そして、適当に学園内のニュースを眺めていた。やはり今話題なのは風紀委員会と公安委員会の一部署の事件についてであった。
とはいえ、眞人は全然絡んでいない事件であるし、眞人の狙うは常世財団であり、学園のネットワークである。
今は丁度事後処理などで混乱している時期のはずだ。学内ネットワークを探るのには良い時期だろう。
眞人は適当に学内ネットワークの一領域を眺め、侵入しやすそうな経路を探していた。無論、ここで侵入するわけではない。それは後のことだ。
「それにしても、昨日はミスったな」
昨日のことを思いだす。電子魔導書に用いる高次の魔導書のデータを手に入れようとして禁書庫に入ったはいいもの、そこにいたのは教師だった。
しかも通常の教師ではなく、何か秘密を抱えているようだった。眞人も危うく死ぬところだったものの、何とか逃げおおせた。しかし人に見られたのは問題であった。
橿原眞人 > 日本語か中国語かよくわからない文字列が喫茶店内の電光掲示板の中を飛び回る。
他の客も店主と同じ趣味なのか、奇妙な日本語を使っていた。
何かしらのSF小説のパロディと思われる文言なども壁にかかれているものの、眞人は詳しくないのでよくわからない。
店の奥には実物大の「階差機関」や「解析機関」が再現されたものが置かれていた。それもサイバーパンクの範疇なのか? と眞人は思いつつ、まずいコーヒーと合成食を食べる。そういえばスチームパンクもこの店の主人の趣味だったなと思い返す。
橿原眞人 > さすがにこの場所ではネットワークの中に没入することはできない。
眞人の“師匠”のように、どのような仕組みなのかわからないが存在そのものをネットワーク上に転写できるのなら別であるが、眞人にそんなことはできそうにもない。
気が付けば師匠の影を視界に探している。早く師匠を見つけ出さなければならない。
「師匠の最後の通信には財団のこと、ルルイエ領域について書かれていた。後、かつて存在したらしい結社のことだ」
師匠がルルイエ領域なる場所で消息を絶つ前に、眞人が受け取った通信にはそういったことが書かれていた。
結局まだ眞人は財団のコンピューターにハッキングすることも、ルルイエ領域についても何ら情報は得られていなかった。学園のセキュリティを突破するための電子魔術がまだ不完全だったからだ。
「早くしないと。師匠抜きじゃ、真実の探求なんてできない」
眞人がハッキングで得た情報と言えば、学園都市の闇の一部であり、またそれを覆せるような力も眞人にはなかった。世界の真実を知るためには、何としても師匠の力が必要だった。
ご案内:「サイバーカフェ「超電導」」に三千歳 泪さんが現れました。<補足:金髪碧眼ダブルおさげの女子生徒。重たそうな巨大モンキーレンチつき。>
三千歳 泪 > 店の片隅のテーブルのひとつ。馴染みのお客さんたちに囲まれて、そんなに広くもない店の中に人口密集地が形成されていた。
ささやき交わす言葉が聞こえる。驚嘆。感嘆。あるいは賛嘆。ぽつりとこぼれて漂う言葉が泡のように積み上がっていく。
がやがや。ざわざわ。ひそひそ。その真っ只中にはマレビトの姿を映した少女がひとり。私だ。
「ねぇマスター? マスター!! みんな触ってみたいって言ってるんだけど!」
橿原眞人 > 場所が場所故に別に優雅でもない食事を送っていたところ、不意に何やら囁き声が聞こえ始めた。
振り返ってみればなにやら店の片隅に人だかりが出来ていた。客が少ないと思ったらここに集まっていたのかと、眞人は席を立つ。
「何かやってるのか……?」
驚嘆。感嘆の声を聞けば気になってくる。
たまにこの店は利用するのだが、こんなことはあまりない。
人だかりの中に眞人もまぎれて様子を見る。
何やら一人の少女がマスターにしきりに話しかけていた。
三千歳 泪 > 「大丈夫? ほんとにOK?? OK! ヒューヒューさっすがー太っ腹だね! 聞いたか野郎ども! というわけでー…いいってさ!!」
どっと人波が崩れて数えきれない手がのびてくる。後ろにいたお客さんの太鼓っぱらにのしかかられてテーブルに押し潰された。
今日の依頼の品物は、とても古いものらしい最初期のプログラムのひとつ。コンピュータが一部屋まるごと占領していた頃の、型番さえもない時代の遺物。
奇跡のような力を秘めた、小さな穴のパターンのかたまり。不思議な色の樹脂でできた、まぼろしのパンチカード。その名は……。
「なんだっけ?? あうっ、重い! 重いよ重いってば! ぐぐぐ…せっかく直したんだから大事にしてよね。壊しちゃったら弁償もんだよー」
橿原眞人 > 「クソッ、よく見えないな。ん、ありゃあ…‥」
人ごみの中、背を伸ばしてみてみると、その少女が何やら非常に古めかしいパンチカードに、何かしたらしい。
パンチカード。今ではおそらくほとんど使われていないだろう。コンピューターが非常に大きかった時代の名残り。最初期のプログラム。眞人もちゃんと見たのは初めてだ。
「パ、パンチカードだあ? 今の時代にそれかよ、まるで『ディファレンスエンジン』だな……! モーダスかよ!」
時代の最新を往く眞人にとってはそのパンチカードは骨董品に近いものだ。思わず素っ頓狂な声を上げる。
昔読んだ小説のことを思いだす。内容はよく覚えていないが、蒸気機関が世界を席巻したという架空の時代小説だ。
客たちの異様な興奮を見るに、彼らにとっては価値があるものらしい。
「な、なあ、兄さん。あれ何なんだよ」
近くの男に聞いてみるも何やら興奮しており大して教えてくれなかった。
三千歳 泪 > 大事な宝物をとりあって一触即発。というわけでもないみたい。むしろ周りをよく見れば、祈りをささげる神父さまみたいな顔をしている人ばかり。
僧院のように敬虔で、おごそかな空気が立ち込めている。このプログラムはきっと神さまと同じくらい大事なものなのだ。
だから、今にも窒息しそうな私に気付いてくれる人なんてどこにもいない。誰か。助けて。私このまま死んじゃうのかな。意識が遠のいていくみたい。
おかーさんがきれいな河の向こうで笑ってる。でもふっつーに生きてるよねおかーさん。今ごろみかん剥きながらワイドショーでも見てるんじゃないかな…。
「息……が…!!」
橿原眞人 > 「な、なんなんだこいつら……そんな骨董品がそんなに大事かよ」
眞人にはよくわからなかったが、彼らにとってあのパンチカードは崇拝の対象に近しいものであったようだ。
瞳を輝かせて、客たちは何やら荘厳な雰囲気になりつつあった。
「あっ、あれはさすがにまずそうだな。あいつら何も気が付いてねえ! おい、その子が死んじまうぞ!」
敬虔な信徒のようにパンチカードを眺めて、そのパンチカードを直したらしい少女は客に押しつぶされそうになっていた。
眞人は客を押し分け、少女を押しつぶしていた腹をどけた。
「おい、大丈夫かあんた。なんかすごい事したらしいが……」
三千歳 泪 > 「優しい…んだね。いい、んだ…。私はもう、いいから…逃げて。君だけでも…!」
身体の節々がいたくていたくてすぐには動けそうにない。隙間が空いたのはほんの一瞬の出来事だから、じきにここにも肉の暴力がやってくる。
でも、その子はとても真剣な目をしていて。諦めるなといわれた気がした。不思議だよね。手、伸ばさなきゃって思わせてくれたんだ――。
―――。
「いやー今度ばかりダメかと思ったよ。生きてるのが不思議なくらいだ。ありがとうメガネくん。君は命の恩人だね!」
橿原眞人 > 「いやわけのわからねえこと言うなよ! さっさと出てこい!」
何やら末期の台詞のようなことを言い始めていた少女を眞人は引っ張りだした。
眞人も肉の暴力に殴られ続けながら少女の手を取ったのである。
「……いや、そんな大げさな話じゃないと思うけどな。でも俺も疲れたよ」
助け出した少女に礼を言われつつ眞人はズレた眼鏡を直す。
「それで、あんた一体何してたんだ? この店であんなに人だかり出来てるところ見たことないぜ。あ、あと俺は橿原眞人だ。メガネくんはやめてくれよな」
ふう、とため息を吐きながら近くの席に座る。
ご案内:「サイバーカフェ「超電導」」に久喜棗さんが現れました。
三千歳 泪 > 「もうあっちには戻れそうにないね…楽しそうだなぁ! うんうん、あとはマスターに任せよう。お客さんの扱いなれてそうだし」
「何って、見てのとおりさ。頼まごとが片付いたから、品物をとどけにきたってわけ。あんないわくつきのブツだとは思わなかったけどね!」
「私は三千歳泪(みちとせ・なみだ)。三千歳(さんぜんさい)だけど16歳だよ。すごいでしょ。そんな私を《直し屋》さんと人は呼ぶ…」
「でもメガネくんも捨てがたいと思うんだよね。もし許してくれるなら私のことるいるいって呼んでもいいよ。これは取引だ。よく考えたまえよメガネくん」
腕を振り回すたび間接がボキボキいってる。マスターに慰めの言葉と報酬をもらった。サイケな色をした飲み物はサービスなんだってさ。
久喜棗 > (サイバーパンクな内装の店内には似つかわしくない和装の少女が不思議そうに混雑を眺める)
大変な混みあいじゃのう…いったいここに何があるというのじゃ?
(そして近くに居た眞人に気付き手を振り呼んでみる)
おお、眞人ではないかこんなところで奇遇じゃの
ん、そこの女子はなんじゃ、お主の彼女か何かか?(と泪に目を向けながら聞いてみる)
三千歳 泪 > 「ふっふっふ、やっぱりそう見えちゃうかー。何を隠そう彼とはるいるいと呼び合う仲だよ! ね、眞人?」
いくしかねえ。面白そうなのでのっかってみる。腕を絡めてみよう。
橿原眞人 > 「ああ、頼まれてたのか。パンチカードなんていつの時代のものだって感じだけど、ここの人らにとっちゃあ、確かにすげえもんなのかもな。いわくつきと言われると少し気になってくるな……」
《直し屋》ねえ、と相槌を打ちながら、まずいコーヒーを啜る。泪の前に置かれたサイケデリックな色の飲み物はこの店ならではだ。
「待ってくれよ、俺はメガネくんでいいからるいるいは勘弁してくれ。俺があんたのことそんな風に呼んでたら変に思われるだろ。まあなんだ、無事でよかったぜ……お?」
そんな風に話していると、突如名前を呼ばれたのでそのほうを見ると、有角の棗がいた。確か自称鬼だ。
眞人も小さく手を振りかえす。
「俺も婆さんがこんな店に来るとは思わなかったな……ち、ちげーよ。今あったばかりの子だよ! おい、お前も紛らわしいことするんじゃねえ!」
彼女かなどと聞かれると違う違うと首を横に振る。そうすると、泪が棗に話を合わせて腕を絡めてきたので非常に慌てている。
久喜棗 > (半分冗談で聞いてみたものの予想外の肯定の返事に驚く。しかしすぐに満面の笑顔で喜び)
おお、よかったではないか眞人よ!お主はどうにも奥手のように見えたがやることはやっておったのじゃなぁ…少し見直したぞ
(しかし直後の眞人の否定にガッカリと肩を落とし)
なんじゃそうか…しかし女の子をおまえ呼ばわりとはいかんな、そんな態度では女子からモテぬぞ?
うむ、儂もこのようなところにはあまり来ぬのだが。今回はなんとなくじゃよ
三千歳 泪 > 「眞人ってばはずかしがっちゃって…うっわー全否定された! 30秒ももたなかったよ…ひっどいなぁ。異例のスピード破局だね。芸能人みたいだ」
「そんなだからメガネくんって言われるんだよ。おばーちゃんからももっと言ってやって下さいよ。ひ孫の顔が見れなくてもいいの?」
「婆さん」と名前呼び。つまりこの二人は血を分けた家族にちがいない。いつもながらに完璧な推理だ。
橿原眞人 > 「じゃ、じゃあ君って呼べばいいのか……? いやそもそも俺は別にモテたいわけじゃないから! お、おい、やめろ、やめろって! 何がスピード破局だよ! メガネくんだよ!」
棗や泪の言葉にタジタジであった。どうにもこの現実世界では上手い対応が思いつかない眞人である。
「いや、ちょっと待てよ。何が曾孫だよ! 勘違いしてそうだけど、別にこの婆さんは俺の婆さんじゃないからな!!」
泪の思い切った勘違いを慌てて訂正するのであった。
「俺はなんだ、そういうのは今は良いんだよ……」
久喜棗 > 今はいい後でやるなど、そんな事を言っておったらすぐ老人になってしまうぞ?
ただでさえお主ら人間は短い生涯なのだから、もっと生き急ぐぐらいでちょうどいいのじゃ
そもそもお主、既に17歳じゃろ?儂の若い頃は男子はそのぐらいの年齢になれば嫁の一人ぐらい当然のように持っていたというに
最近の若い者は奥手が多いと聞くがこれが草食化というやつか、嘆かわしいのう…
いっそ今のは相手の流れに乗って既成事実を作るぐらいの強引さがなければいけんぞ、うむ
(昔話を交えつつえんえんと老人特有の説教が続く)
三千歳 泪 > 「待って。そこ否定するのはよくないよ! 私はいいけど、おばーちゃん傷つくじゃない。謝ったほうがいいと思う」
「これってあれかな。おかーさんのことババアって言ったりするの。気持ちはわかるけどさ、そういうのってもっと恥ずかしいんだよ」
いくら命の恩人でも見過ごしてはいけない。いっていいことと悪いことがあるんだよ。
私も気がつかないところで誰かを傷つけてるかもしれない。気をつけないと。
サイバーパンク飲料はブルーハワイみたいな味がして意外とイケた。あとで舌がヘンな色になってそうだけど。
橿原眞人 > 昏々と棗に説教され、小さくなっていく眞人。
「そ、そりゃまあ、行動を起こさないといつまでたってもあれだというのはわかるが…‥。
……い、いつの時代だよ17歳で嫁がいたとか。元服の時代じゃねーんだぞ。
いや、だから、俺は奥手とかそういうのじゃなくてさ! 今はあれだ、忙しいんだよ……。
待ってくれよ、なんで携帯電話も知らなかったやつに俺は延々と説教されてるんだ!」
いまどきの若いものを嘆く棗にボコボコにされながら何とか反論するのであった。
「いや、だからそうじゃないんだって! そういうのじゃなくてだな!
自称数百歳だか数千歳なんだぜ、そりゃ婆さんだろ! 別に血縁関係ねえよ!」
そして、泪にも説教される眞人であった。ごまかすように合成固形食を食べるもののやはりまずい。
「うへえ……なあ、婆さ……棗もなんか頼んだらどうだ。変なものしかないけどな、ここ」
久喜棗 > (泪の言葉に苦笑しながら手を左右に振り言葉を否定する)
眞人の言うとおり血縁ではないぞ、まぁ孫のようには思っとるがの
(反論にむっとした表情で眞人に言い返す)
携帯は関係なかろう、携帯は!
むしろお主は携帯に夢中になっているせいで女性と付き合う機会が無いのではないか?
ふむ…そうじゃな、しかしここはへんてこなメニューばかりじゃのう
眞人よ、どれがおすすめなのじゃ?
三千歳 泪 > 「大丈夫大丈夫、私なんか三千歳だよ。おばーちゃんが若いっていいなー。小さい頃からいっしょに遊んでもらったりしてたんでしょ?」
「え、そうなの? 違うんだ。そっか。でもほら、孫みたいって言ってるよ!」
「しかもかわいい。これ重要。テストに出ます。おばーちゃん棗さんっていうんだ。おいしそうな名前だねー」
「私のおすすめは…よくわかんないや。マスター! この店でいちばんヘンな食べものを!!」
小腹がすいたのでちょっと食べていこう。メニューも見ていないので何が出てくるかわからない。次の予定? 大丈夫、まだまだ平気。
橿原眞人 > 携帯に夢中になっているせいで、と言われれば確かにそうである。
自身の目的のためとはいえ、電脳世界に没入している時間は長い。学校が終わればすぐに寮に帰る日々である。
今日は特別だったのだ。
「そ、それを言うかよ! 俺はあれだ、目的があってやってるんだよ!
クッ、好き放題言いやがって……まあ、いい」
そして、棗にメニューを出す。
「まあここはほんとに店主の趣味の店だからな。
基本的にSFチックな物しかでてこねえぞ。そうだな……。
この合成ベーコンと合成卵のサンドでどうだ。何が合成なのか知らねえけどな。
どうも、解析機関で計算し尽くして作ってくれるらしいぜ。
ついでに七色に輝くジュースもついてくるぜ」
泪の様子を見て、こいつ変なやつだな……と思う眞人である。
「ま、まあ、俺は孫でもなんでもいいけどな! 美味しそうな名前って……。
あっ、おい! そんあんお頼んだらほんとに変なものでてくるぞ!!」
ここは主人の趣味でやっている。そんな店で一番変なものをと言えばどれだけのものがでてくるのかわからない。
久喜棗 > (泪の言葉を言葉通りに受け取り少し驚いてみせる)
む、外見にとらわれぬよう人を見ていたつもりじゃったがそうか、お主は儂よりも歳上であったか
しかし三千歳とはずいぶん長生きじゃのう…ということはお主は人間ではないのか?(と変わったところがないか泪の体を観察してみる)
うむ、儂は久喜棗じゃ。名前を言って美味しそうなどと感想を言われたことはあまり無かったのう、変わったやつじゃ
って、何を妙なものを注文しようとしておる!?
お主それ食べられるんじゃろうな!?
ふむ、まぁ儂が言っても仕方ないことか。いくら言おうとお主自身にやる気がなければ叶わぬ話じゃからのう
お主、そもそもちゃんと女の子に興味があるんじゃろうな?それとも男色か?
(店員を呼びつけて眞人の進めたメニューを注文する)
ほほう、確かにサンドイッチならそう変なものは出て来ぬじゃろうな。儂もそれを注文しよう
七色に輝くジュースとやらは不安じゃが……
三千歳 泪 > 「ちょっと普通じゃないとこあるけど、人間だよ棗さん」
「おばーちゃんは過保護だなぁ! 頼んだものは全部おいしくいただきます。感謝も忘れずにね。好き嫌いはするなって言われてるしさ」
「……んん…? なに、これ。ねぇなにこれ! みてみて、足が出てる!! 生きてるのかな。もしかして踊り食いってこと? 信じらんない!!」
「動いてるよーほらほら! 見た? もういい? 食べちゃうよ? いっただっきまーす!」
三千歳泪。その姿は歴史の闇に消えたマレビトたちの裔にして、比類なき鋼鉄の胃袋をそなえた食の求道者である。
たぶんエビみたいな生き物だし、パンズとお肉に挟まってそのまま出てきたってことは殻ごと食べられちゃうってことだよね。
うん。魚介系の味だ。生でもイケる系の。
久喜棗 > (泪の目の前に現れた「この店でいちばんヘンな食べもの」は恐らく海棲生物ということだけはかろうじて理解できた)
(しかしその姿は棗の知るどんな生き物とも特徴的な相似はあれども同じではない、強いて言えばエビのような名状しがたいナマモノだった)
な、なんじゃろうな…ははは、味の方はどうじゃ?
(と恐る恐る聞いてみる、傍目にはとてもじゃないが美味しそうというか食べられるものには見えない)
橿原眞人 > 三千歳という言葉を聞いて驚いている棗を見てハハ、と笑っている。
この鬼はかなり純粋なように思える。
「興味あるよ! 男色じゃねーよ!
クソッ、変な言いがかりつけやがって。ただなんだ、上手く話せないだけなんだよ……。
ああ、ここの料理は食えないわけじゃない。ただなんか、未来的過ぎるんだよな……。
大丈夫だ、異様に輝いてるとは思うが飲めないわけじゃないぜ。たぶんな」
注文を承ったとばかりに眞人らが座っている席の近くの電光掲示板が輝き、アリガトゴザイマシタというような文字がピカピカ輝く。
そして、店の奥の解析機関と呼ばれる大型の演算機関が音をたてはじめた。
店主がそれに何か入力しているようである。ひどく大がかりな料理が始まっていた。
サイバー的輝きがカウンターの奥から見え、奇怪なネオンが発行する。
そして、解析機関の中で何かが行われ、パンチカードを無数に吐き出しながら、ようやくその料理が出てきた。
未来的なファッションをした店員が棗の前に食事を置いた。
合成肉と合成卵のサンドイッチである。色が奇怪であり、何やら淡く発光している。
七色のジュースの容れ物それ自体が電子表示板になっているらしく、無数の文字が流れ続けている。
「……ま、まあ、普通に食えそうでよかったよな」
そして泪のほうに目を向けると、よくわからない生物が置かれていた。
「お、おい、それマジで食べられるのか? なんか見たことない生き物だぞ!」
だが、彼女は全く気にせずに食べ始めていた。
「……三千歳、お前やっぱ変なやつだな。それなんか、名状し難い海の果てから出てきたようなやつだぞ……」
久喜棗 > (男色ではないと否定され、ほっとひと安心する)
そうか、それならばよかったわ。いや、男色がダメということではないぞ?
お主がどうしても相手は男でなければダメだということであれば受け入れるつもりであったが
なに話などそんなもの慣れに過ぎぬ。色々な女子と話していく内に自然と慣れていくものじゃ
(目の前に異様な発光を伴う料理に流石に躊躇いながらも口へと運んでいく)
……そうじゃな、特別に美味いということはないが、十分食べられるのう
しかしこれは、食べるものが光るというのはやはり気持ちが悪いのう
どうにもこの店主のセンスは常軌を逸しておるようじゃな
三千歳 泪 > 「そうかな。今だってちゃんと話せてるじゃんさー? つきあってあげてもいいよ。練習。うまく話したいんでしょ。命の恩人のためですもの」
「それくらいでお返しできるなら安いもんだよ。オフの日でよければ遊びにいこうじゃないかメガネくん」
「おいしいよ! たった今深海から出てきたばかりって感じで鮮度抜群なのさ。 棗さんもためしてみる? 一口どうぞ」
二人に《直し屋》の仕事の名刺を渡して、ついでに名状しがたいバーガーを棗にむける。よく見るとまだ生きてるぞ!
久喜棗 > (バーガーに挟まれた名状しがたいナマモノと目が合う、どころかモゾモゾと動いておりどうやらまだ生きているようだ)
(棗は生理的な悪寒を感じ顔を青ざめさせる)
いや……儂は遠慮しとくよ、それはお主が食べると良い
美味しいのならよいのじゃ、気になっただけじゃからな
それにしても鮮度が良い素材じゃの……
橿原眞人 > 「そういうものかな……というか何で俺は婆さんにこんな話をしてるんだ……」
自分も合成固形物の残りを食べながら言う。
「未来世界だからな。光るものが多いんだよ。
たぶん毒とかはねーけどな。合成だからなんか、そういう雰囲気が出したいんだろ」
「い、いやまて、付き合うってそんなな、出会ったばかり……あ、ああなんだ、練習。
そう、練習な、練習……そ、そうか。ならまあ、今度どっかいくか……」
一つの言葉に反応して慌てたものの、練習と聞くと落ち着く。
「今までいろいろあってあまりこういう学園生活送ってなかったからな……。
ああ、しかし、それ。ほんとやばそうだな、まだ生きてるし……。
大丈夫か? それ食べて魚顔になったりしねえか……?」
《直し屋》の名刺をもらってそれを見る。
「へえ、この直すのってのはなんでもいいのか?」
久喜棗 > おお、これは丁寧にすまんな
(といって名刺を受け取る、そこには三千歳 泪と名前が書いてあった)
(ここでようやく三千歳はジョークだったことに気づき恥ずかしさで少し顔を赤くする)
儂がダメならば泪と話すがよかろう、泪の言葉に甘えて練習でもいいから一度男女の関係を学んでみてはどうじゃ?
(といって泪を指差す、半分おせっかい半分いたずらごころで)
なるほどのう、雰囲気作りのための光か。しかし問題はどうやって光らせているのじゃろうなこれは
(といっていろいろな角度からサンドイッチを観察してみる)
三千歳 泪 > 「いいの? こんなのなかなか食べれないのに。遠慮してない? そう。私のために…棗さんは優しいんだねー」
中華料理のソフトシェルクラブにも似た食感。殻はパリパリしてて身はジューシー。見た目がユニークなだけで味はまっとうにおいしいのだ。
普通のバーガーサイズだったから、あっという間に食べ終えて腹八分目って感じです。当たりかハズレでいえば当たりだったかな。
「へーきヘーキ。おナカの中デお肉が暴れテル感じがスルケド…オイシカッタシ? だかラ平気。なんともナいデス」
こほん。眞人はスルーするだろうけど棗さんはきっと真に受ける。おふざけはほどほどに。
「おっけー、決まりだね! 約束だよメガネくん。面白そうな場所とすごく面白そうな場所! どっちがいい? あと面白いけど危ない場所もあるけど…」
橿原眞人 > 「な、何が男女の関係だよ! そこまでの話じゃねーだろ!」
やや赤面しながら言った。頭を抱えている。
「クッ、何で俺はいつもこう……わかった、わかったよ。二人の厚意に甘えるよ」
しげしげとサンドイッチを監察している棗を見て、天井を指さす。
「さあな。俺もよく知らない。上のライトに反応してるのかもな」
蛍光塗料みたいなやつじゃないかなどという。
「……」
泪の想像した通り、眞人はそれをスルーしたのであった。棗の反応が気になったのもあった。三千歳で騙されていたような奴である。
「あ、ああ……約束、な。いや、面白いけど危ない場所はやめておこうぜ、ちなみにどこだ……?
俺は普通にすごく面白そうな場所がいいよ。俺はただの凡人だからな……」
久喜棗 > (泪の不穏な言葉に不安そうな表情を返す、目の前の少女が得体のしれない化け物に変身してしまわないかとそわそわする)
だ、大丈夫か泪よ?何か変な感じがしたらすぐ医者に行くのだぞ
(眞人の言葉に一瞬ぽかんとなるもすぐに何を言わんとしてるかを気づき)
ああ、すまんな言い方が悪かった。しかしまぐわうばかりが男女の付き合いではないぞ
男女の関係と言ってすぐそちらが浮かぶとは思春期じゃのう(と言って意地悪くニヤニヤする)
三千歳 泪 > 「そんなの期待されてもなー。練習だよ練習! ねー? 棗さんがヘンなこと言うからだよ。悪い人だなーいじわるだなー」
いっしょにニヤニヤしておこう。
「ふーんそっかーそれ選んじゃったかー。仕向けたのは私だけど罪悪感感じちゃうなー。あ、なんでもないよ。こっちの話」
「君は知るべきではないし世の中には知らないほうがいいこともたくさんあるんだ。それにさ、お楽しみは後にとっとくもんでしょ?」
「ぐごごゴゴ。胸が…クルし……ごめん。ごめんね!! そんな顔しないで! 大丈夫だってば。私は平気。へっちゃらです。今度は本当」
かわいいなぁ! 心細そうな表情がたまらない。心の底に眠った荒ぶるなにかが目覚めそうになってどうどうどうと鎮めにかかった。
橿原眞人 > 「クッ!! 黙れ、黙れよ婆さん おこん先生みたいになってんぞ!!」
意地悪くニヤニヤと笑われるのでより悔しさが募る。
「うるせー! そんなんじゃねーよ!! ちげーんだよ!!
く、クソッ、三千歳までバカにしやがって!!」
二人にニヤニヤとされ必死に否定する眞人である。
「えっ、なにその不穏な言葉……俺の選んだ選択肢は一体なんなんだよ!?
ま、まあ、そうだが……お楽しみ、お楽しみになるのか……?
……まあ、いいや。俺も女子と出かけたこととかないからな。
突き合わせて悪いが頼むぜ。
ちなみに俺は電子関係なら得意な方だ。何かあれば言ってくれよ」
久喜棗 > (苦しがる泪に思わず近寄り背を撫でながら)
ほんとうか?ほんとうに大丈夫なのじゃな?
ふぅ…まったくあまり年寄りをからかうでない、これだから若者は困るのじゃ
(おこんみたいと言われむすーっと不満な表情を浮かべながら)
誰がおこんじゃ誰が、儂はあやつのように破廉恥な話を振りはせぬぞ
そもそも今のはお主が勝手に思いこんだ話じゃろう、儂を攻めるのは筋違いというものじゃ自業自得じゃ
三千歳 泪 > 「ありがと。大丈夫。おなかがふくれて力がでてきたくらい。いいかねそこなメガネくん。棗さんはかわいいおばーちゃんだ。婆さんなんて言っちゃいけないよ」
「へー、おばーちゃんほかにもいるんだ。おこんさん。どこかで聞いたような名前だけど…思い出せない! もやもやする!」
「りょうかい。任された。さっきの紙に私のアドレス書いてあるから。メールくれたら場所と時間を書いて送ろう。練習だからお気楽にね」
タブレットの画面から光が溢れて、次の仕事が迫っていることを告げる。自分でオーダーした分のお代を置いて席を立った。
「またね、二人とも。私はもういなくなるからおばーちゃんにべったり甘えるといいよ。それじゃ!」
ご案内:「サイバーカフェ「超電導」」から三千歳 泪さんが去りました。<補足:金髪碧眼ダブルおさげの女子生徒。重たそうな巨大モンキーレンチつき。>
橿原眞人 > 「わ、わかった。俺が悪かった。だからあまりいじめないでくれよ」
勘違いした俺が悪かったといいながら、まずいコーヒーを飲み干した。
「む、うう……ならばーちゃんでも言えばいいのかよ。
ああ、わかったぜ。時間が出来たら送っておくぜ。俺の連絡先もな。
随分と忙しいんだな、三千歳……ってちょっと待てよ!
べったり甘えるっておかしいだろ! 俺はガキじゃねえ!」
そういって去っていく三千歳を見送った。
「……金を払うべきだったのかな、俺が?」
久喜棗 > (自分も奇妙に発光するサンドイッチとジュースを平らげながら代金をテーブルに置く)
そうじゃのう、別に今回は良いのではないか?
ただデートの時ぐらいはお主が払うべきじゃろうな
さて、儂もそろそろ帰るとするか。またな眞人よ
次会うときはデートの結果でも聞かせてもらうとするか
ご案内:「サイバーカフェ「超電導」」から久喜棗さんが去りました。
橿原眞人 > 「……ああ、参考にするよ。デートの時は金を払う、と……。
いや、デートじゃねーよ! 単に練習なだけだ!
ああ、またな棗の婆ちゃん。単に遊びに行くだけだろうから変に期待するなよな!」
二人を見送り、席に一人座る。
「……さて、俺も変えるか。あのパンチカードは気になるけど、あの様子じゃ見れそうにないな」
いまだにパンチカードを囲んでみている客たちを見つつ、席を立つ。
二人の置いて行った代金を持ち、自分も会計を済ませて外へ出た。
「……さて、これからは電脳の時間だ。そろそろ、何とか師匠の手掛かりを掴まねえとな」
ご案内:「サイバーカフェ「超電導」」から橿原眞人さんが去りました。<補足:【乱入歓迎】 制服姿の青年、眼鏡/表向きは至って真面目な生徒>