2021/12/29 のログ
ご案内:「委員会街・風紀委員会本庁刑事部」に伊都波 凛霞さんが現れました。<補足:長いポニーテールに焦茶の瞳、制服姿+風紀委員の腕章//乱入可>
伊都波 凛霞 >
ここは風紀委員の委員会本庁、その刑事部の一室
学園が冬季休業に入っても、帰省しない委員達はこうやって仕事をこなしにやってくる
凛霞もその一人
最近はアパート住まいだけど、実家と言っても青垣山だし
「はーい、お疲れ様。よいお年をね!」
今日を最後に帰省するらしい同僚の友人に別れを告げると、部屋はがらんとした静寂に包まれる
カップの中、半分程に減ったぬるめのコーヒーを口にしながら時計を見ると19時前
夜間警邏に出る風紀委員さん達がそろそろ来る頃かなーと思いつつ、しばしの独り時間を過ごす
伊都波 凛霞 >
「さて…」
自分の仕事も纏まったところ
細かいところはまた年明けにでもレイチェルさんに見てもらおう、と
何気に彼女のデスクに視線を送って……
「………」
誰もいないので、机に頬杖
僅かに細めた目線は、最近の彼女の様子についての疑問を思い出したからだ
「(なーんか、怪しかったというか…)」
彼女のことだから表に露骨に出したりはしていないけれど
同じ部屋で仕事をして、そこそこ距離感の近い自分にはなんとなーく、その違和感が伝わってしまう
浮足立つ…とは少し違うけど…何かいつもと違う、みたいな
この時間誰も座っていない彼女のデスクを見て、あやしい…と内心で呟く
伊都波 凛霞 >
明確なことまではわからないけど、なんとなくで伝わるのは
その違和感の正体が、決して悪い方向性のモノではない、ということ…
そしてその感覚にこの少女…凛霞は何度も経験があった
「あの感じ…恋の予感がする」
ぽそりと呟いて、視線を戻す
凛霞は他人のコイバナが滅茶苦茶に大好きだった
うっかりこの部屋からメトリーしてしまいそうで、それはいかんぞと気を張る
プライバシーは守られねばならないものである
「…でもレイチェルさんに男の人の影なんて、うーん……」
彼女の私生活までは流石にわからないけど
もしかしたら良い人でも現れたのだろうか…と
ただ…コイバナ大好き少女凛霞の見立てではこの部屋にもう一人、似た違和感を感じさせる者がいたのである
伊都波 凛霞 >
聞きたい、物凄く聞いてみたい
けど此処には仕事に来ているのであって…そういう話をするのは憚られるところ
姿勢を正し、トントンと手元の書類と整えながら、色々と思い出してゆく
前に3人で遊園地に遊びに行った時は、今感じるような違和感はどちらからもそれほどは感じなかった
あれから個別に二人とも何か良い出会いがあったのか
それとも…?
「………」
「やー、まさかね~」
あ、これダメだ
気になったらどうしようもないやつ
聞けるタイミングがあったら聞こう、そう決めた
伊都波 凛霞 >
「(あれ、でもそうなると……)」
まさかね、と思いつつ
もしそうだった場合って…と気付いた
口元に手を当ててそのことを考えれば、ついつい神妙な表情になってしまう
いやいやいや
仮定の話の先を考えてもしかたない、けど
そんなデッドトライアングルが風紀委員という枠組みの中で発生していいのか…
いや枠とか関係ないんだろうけど───
ご案内:「委員会街・風紀委員会本庁刑事部」にレイチェルさんが現れました。<補足:金髪の長耳少女。眼帯と学園の制服を着用。>
レイチェル >
「さて、本日の仕事は……あとまぁ、軽い書類整理くらいか」
肩の腕を回しながら、クロークを靡かせ刑事部の一室へと繋がる
廊下をレイチェルが歩く。
今日は戦闘訓練の指導ということで、主にアドバイスを行う立場で
参加していた。まだ模擬戦など身体を激しく動かすのは厳しい為、
これも少しずつだ。
約束だ、無理をすることはできない。
それでも、止まってなんかいられない。
「……って、電気ついてる」
その一室に明かりが灯っている。
刑事部の誰かが残っているのだろう。
ガラス越しに視界に映るのは珍しく頬杖をついている凛霞。
暫しの沈黙の後。
ドアを開いて入室。
「……どうした凛霞、珍しいじゃねぇか。
何か悩み事でもあるのか?」
ちょっと眉を下げつつ、そう尋ねてみるのだった。
伊都波 凛霞 >
「はわっ!?」
突然ドアが開き、慌てて姿勢を正す
考え込むあまり誰かが部屋に近づく気配にすら気づけないとは、不覚
でも入ってきた人物を視界に収めれば…まあ不覚をとっても仕方のないレベルの相手だったので安心…
…なワケがない
直前まで考えてた人物その人がまさかこの時間に来るとは思っていなかった
「あ、や、べべ別にそういうワケじゃないんだけど…っ」
慌てた様子で言葉を返す
どうやら油断して頬杖をついて考え事をする様子を見られていたようで
普段なら風紀委員の執務中は基本的に丁寧語を欠かさない凛霞がつい友人間で交わすような物言いで返事を返してしまっている
完璧超人と揶揄される少女でも流石にこれは慌てざるを得ない
「こほん!れ、レイチェルさんこそこんな時間にどうしたんです?
私は丁度、そろそろ終わりかなってところでしたけど」
とりあえず咳払いしてリセット、態度を整える
レイチェル >
―――
――
―
「……はわ、って何だよはわって。
そんな驚くなよ、オレだっての」
突然声があがったものだから、こちらも少々驚いてしまった。
彼女のことだ、ドアの前に来た辺りで誰が来たのか察知していても
不思議ではないし。
今でこそ姿勢を正してるが、さっきまで
何だかいつもと違った様子だったしな……。
「お、そうなのか? まぁ、悩みがねぇっつーんなら
それでいいんだけどさ。いやほら、完璧超人と呼ばれてる
お前もやっぱ悩むのかなーって」
と、心配していたことは外れたらしい。
それなら何よりだ。
「戦闘訓練の指導帰りだよ。
もうちょっと片付けておきたい書類があったから、ついでに
寄ったところだ」
咳払いした途端すっかり元通りになりやがった。
こいつ、スイッチの切り替えすげーな……。
「今度、凛霞も顔出してくれよ。武術を齧りたがってる奴が
結構居るんだが、オレは門外漢だからな」
そう口にして、笑いかける。
いや、マジで凛霞の武術の技はすげーからな……。
オレも教えて貰いたいくらいだ。
伊都波 凛霞 >
「い、いやぁ…悩み、というかちょっと考え事をデスネ…。
あぁ、それはお疲れ様です。あはは、年を跨ぎたくないお仕事ってありますもんね」
かくいう自分も同じで、遅くまで残っていた
…ちょっと誤魔化しが雑だったのは、そういうのに慣れていないせい
「いいですよ。事前に教えていただければ。
教えられることは限られちゃいますけど」
訓練の参加には笑顔で快く承諾を
前線から退いた今もお更新の育成に熱の入る頼れる先輩、そのお手伝いを断る理由など何もなく
一般の人に教えられない技ばかりだけど、基礎となる技術は普通の柔術などとそう変わらない
───さて
仕事時間といえば仕事時間
でも今は周りに他に人もいなく、言ってしまえば仕事をはじめる前の時間である
空気も、わるくない
「で、まぁ…」
「何を考えてたのかー、なんですけど…」
抜けない棘の正体を聞くくらいは、いいかなと
「最近レイチェルさん、何かイイコトでもありました?」
小さく首を傾げながら、そう問いかける
悩み…というか、考え込んでいたことは彼女自身についてのことであると明かすのだった
レイチェル >
「そうかよ、考え事だって吐き出した方が楽だぜ?
時間を決めて紙に書くっつーやり方もあるらしいけど、
やっぱ生身の相手に話した方がさ。
いやまぁ、プライベートな話っつーんなら、それはまぁ……
難しいところかもだし、無理にとは言わねぇが」
言っておいて、そう付け加える。
そう、プライベートは大事だしな。
凛霞の私生活については、オレもよく知らない所が多い。
職場で働いてるところしか見てねぇからな……。
「そいつは助かるぜ。それじゃ、百人力だな。
今年の新入りも、めちゃくちゃ頑張ってるからな……
オレ達も、気合入れて面倒見ていこうぜ」
一人で何でもかんでも教えられる訳じゃない。
だからこそ、多くの目であいつらを見て、
少しでも危険のないように業務を行って欲しいと思っている。
誰一人として、欠けないように。
そして、続く質問については。
「……え?」
イイコト?
イイコト……イイコト……。
色々思いを巡らせる。
あったとも言うが……。
「落第街の炊き出しが成功したこととかか?
……でも、オレそんなに嬉しそうだったか……?」
あとは、少し遡れば華霧と釣りに行けたこと……くらいだけど。
まぁ、そっちの方は、な。
伊都波 凛霞 >
そうプライベートな話は、当然遠慮が必要な領域
ただ確信が持てないと、逆に踏み込みすぎてしまうこともある
考えすぎならそれで良いし、その通りならそれはそれで…どうするんだろう
……その時に、考えよう
レイチェル先輩は後進育成が熱心だ
それなりに厳しい指導でもあるのだろうけど
異能犯罪に対して前線に出る風紀委員には危険もつきものとなる
殉職なんて、実はそこまで珍しい話じゃない
だからこその厳しさなのは、きっと教えられている新人風紀委員達にも伝わっていることだろう
──そして、話は変わって…
なるほど、炊き出し
そういえばそんな話をしていた、けど…
「うーん、っと…実はですね…」
「実はもうちょっと前から…ほら、3人で遊園地に行ったじゃないですか。
あの後ぐらいというか、具体的には…山本くんが休暇に入る少し前……」
「くらいから、レイチェルさんの雰囲気というか空気が少し変わったなーって思ってて、最近特になんか…」
じっ…と焦茶の瞳が見つめる
なぜかそこには嗅覚鋭い猟犬のような雰囲気があった
「それこそプライベートな話かも、しれませんけど」
レイチェル >
「……あ? 行ったな、確かに遊園地。
楽しかったよな~、マジで。また一緒に行きたいもんだぜ」
まぁ、仕事とか色々落ち着いたらになるだろうが。
それでも、本当に楽しかったし、いい思い出になった。
ああいう日常こそ、大切にしたいものだ。
そう、あの時は――。
「雰囲気? 空気?」
遊園地から?
そんなに変わっただろうか。
そんなに変わって……。
「……あっ」
プライベートな話、なんて言葉を聞いてようやくハッと気づく。
あの時遊園地に行ったのは、オレと凛霞と……華霧だから。
正確には。
今の気持ちのことを……
華霧への気持ちのことを言ってるのだとしたら……
特別な気持ちを抱いたのは、
遊園地に行くよりも、英治が休暇に入るよりも、
ずっと前の話ではあるが……。
いや、そんなことはどうでも良くて!
全然どうでも良くて!
そうじゃなくて! 何でそのことを凛霞が……!
「……なっ、なな何も変わってねぇって……!」
間にちょっと咳払いを入れてリセットを図るが……
「ないない……!」
焦茶の瞳にじっと見つめられれば、思わず一歩後ずさる。
伊都波 凛霞 >
あっ……
うーん、察してしまった
意外な程にこう…わかりやすいというか
その反応見せる前の様子からして、下地自体はそれこそずっと前からあって
変化というよりは…何かが固まった、そんな印象だったのだということがわかる
「不躾でごめんなさい。
私、そういうの結構感じ取っちゃうタイプみたいで」
他人のコイバナに敏感な体質
いやでもそうなると最近いい人が出来た、というわけではなくなる…
なんだか、仮定の話が輪郭を帯びてきたようで…
「プライベートなお話ですから、無遠慮に踏み込むつもりもないですよ?
少し気になっちゃっただけで」
「それとは別に、レイチェルさんを射止めるような人に興味もありますけど!」
あ、ダメだ止まらない
かなり狼狽するレイチェルを見てしまったせいで余計に、である
レイチェル >
……冷静に戦場を分析する力。
戦う為に、相手の力量を見抜く力。
銃の扱い方。
そういったものはずっと磨いてきたつもりだ。
それでも、こういうことばかりはどうしても慣れていなくて。
突かれると、どうしようもなく脆くて。
恥ずかしくなる。
そりゃ大切な気持ちだし……
色々あるから隠しはするが、騙すのは好きじゃない。
「……いや。あの、そう……だな……えっと、うん……」
耳がすっかり垂れていた。
自分でもよく分かる。
両手で頬をぺちんと触る。
やっぱりちょっとだけ熱い。
ぱちん、と頬を叩く。
らしくねぇ。
「……多分、お前の思ってる通りだぜ」
頬の赤みがすぐに引く訳じゃないが。
少し調子を取り戻して、何とかそう口にする。
恋に恋してる訳じゃなし。
だから、恥ずかしくはあるが、
恥ずかしすぎて伝えられないなんてことはない。
この辺り、自分でもちょっと変わってきたな、と思う。
「オレは華霧が好きだ」
ちょっと困ったように眉は下がっていたかもだが。
それでも笑顔でそう伝えた。
変な顔をされたとしても、本当のことを友人に伝えられれば、
別に良いと思った。
レイチェル >
「……悪いかよ?」
……隠し通そうとしても、凛霞には絶対バレるし。
あまりこのやり取りを続けていても、騙すことになりそうだし。
そりゃ恥ずかしい気持ちはあるけど。
ちゃんと教えておこうと思った。
伊都波 凛霞 >
その答えに、目を丸くする
そう、アレなにかあったかな…と直感的に感じたのは彼女一人じゃない
そして、自分の…凛霞の持つ世界観、当たり前、の中では少しだけ想像するに至らない部分でもあった故の、驚き
でも
そう言われたら納得できるようなコトがいくつも出てきて…同時に
「(これは…とんだラスボスだね?)」
と、彼のことを考えると思わざるをえなかった
───まぁ、それは顔には出さない。無粋もいいところ…
「もー、そういうことなら遊園地の時とか、言ってくれたら良かったのに」
はっきりと自身の、好意を寄せる相手の名を伝える彼女ににこりと微笑む
「それとなーく気を利かせたりとか色々できたのに…むぅ、失敗したなあ……」
もっと早くに気付いていれば、と少し悔しいものの
その後に知ることになる彼のことを考えれば片方に肩入れすることもしたくない
伊都波 凛霞 >
「いーえ、納得しました」
まだ頬の赤い彼女へ、同僚としてよりも友人として穏やかな笑みを返す
ヘンな顔なんてとんでもない
自分もまた信頼する人との間柄、悪いなんてことあるわけないのだ
レイチェル >
「ほんと、ありがとさん。そう言ってくれるのは嬉しいぜ。
けど、そういう時に気を利かせるとかは……大丈夫。
そういうのは必要ないぜ」
そこは、はっきりと口にした。
気を遣おうとしてくれているのは分かる。
その点を見れば本当に嬉しい申し出だが、
周りが気を利かせるとか、そういうのは……
オレとしては、あんまり性に合わない。
それに、凛霞や華霧に負担をかけちまうかもしれねぇし。
「……ま、オレも色々その……疎いから、、
相談に乗って貰うことは色々あるかも
しれねぇけど……」
そこは、そう。
どうにも慣れないもので……。
ただ、それは恋の相談だけ、という訳じゃねぇ。
いずれはもっと深い相談もしなければならねぇかもな。
「何せ、色々と複雑な問題だからな。
第一、あいつはそういう気持ちが分からない奴だし、
オレだけが、あいつのことを好きって訳じゃねぇし……」
英治のこと。
それから、
オレよりも前に華霧へ気持ちを口にしてたらしい奴のこと。
そして何より、華霧には恋が分からないこと。
それだけじゃない。オレが恋心を抱いたことで、
華霧の血なしじゃ満足に生きられない身体になってるとか……。
いや、最後のは……オレ自身が解決しなきゃいけないことだ。
それにしても、他にも色々、複雑だ。
「……さすが、完璧超人。でもって何より、信頼のおける友人だ」
凛霞は変な顔一つしない。心の底では分かっていたからこそ、
オレも言えたんだろうな。
伊都波 凛霞 >
「あはは。でも知ってたら気を使う人って結構多いですから」
内緒のほうがいいかもですね、と笑う
彼女のことだ
ひけらかすようなつもりもないだろうから、そこまで心配はないのだろうけど
感づいた近しい人間は得てして望む望まないに限らず気を使うものである
「うっ。そ、相談…? ……の、乗れる範囲でなら」
伊都波凛霞はコイバナが好きである。特に他人…友人のものが
ただそれは、それについて話す人がみな一様に幸福な表情を浮かべてくれるから…というのが大きな理由
そのお手伝いができるならいくらでも協力したい気持ちになるのだ、が……
なんだか端切れ悪く、つつ…と滑るように視線を逸らす
いや、だって自分の持ってる恋愛経験値って……みたいな
けれど複雑な問題と語る様子には…
おいそれと誰にでも打ち明けることのできない、彼女なりの悩みが見え隠れする
色々な人間、あるいは人間以外だって存在するこの島で、そういうことに悩まない人は多いのかもしれない
改めて、態度を整えよう、表情も
「普段のレイチェルさんを見てると、そういう悩みとは無縁に見えちゃうから驚いたけど…」
「でも、話してくれて嬉しかったですよ」
彼女は同僚で、先輩で、仲間で、友人で…自分に道の歩み方を示してくれた恩人でもある
しかし完璧超人と揶揄される自分と同じく…その中身は、普通の学生であるの部分もたくさんあるのだ
「今しがた完璧が崩れたところを見せちゃった気がするけど…、
信頼してますよ。私も。お仕事の場でも、お友達としても!」
この大きな多角形の中で、みんながみんな笑顔になる…というのは難しいのかもしれない
それでも選んだことに後悔のない結果になったらいいな…と願わざるを得ない
そんな素晴らしい場所に自分は身を置かせてもらっている
「───それじゃ、お仕事終わらせちゃいましょうか」
「せっかくだしお手伝いしますよ。先輩」
抱いた疑問はすっかりと晴れて、笑顔でそう言葉を伝える
そんな仕事モードに切り替えつつも…彼ら、彼女らのこれからゆく先、友人権限──特等席で見させてもらう気は満々であった
レイチェル >
「そうだな、それもあってあんまり言いたくなかったんだ……。
でも、騙すことになるのは嫌だなって」
あちこちに広げるつもりはない。
結局は自分で何とかしなきゃいけない問題だし、な。
皆に気を遣わせる訳にいかないし、それに……。
オレと華霧が、女同士ってこともある。
一般的に言えば、英治と華霧の方がずっとお似合いなんだろう。
それでも、この気持ちは。
……ダメだ、あんまり抱きすぎちまっちゃ。
華霧にも……目の前の凛霞にだって、負担をかけちまうから。
だから。そう、『自然体』で。
オレのままで、オレらしく。
凛霞が態度を直すのと、同じタイミングで。
オレもまた、調子を戻していた。
「はっ、そーかそーか、無縁に見えたか?
オレだって悩むんだぜ?
ちゃーんと心があるからな。
……ま。
後輩からは人の心のない鬼って言われることも多いがな」
ふっ、と笑って見せる。
そう、悩むのは生きた心がある証拠。
生きていく以上は、常に悩みや問題は降ってくるが……
どうにかして、解決していけばいい。してみせる。
「オレも、凛霞がちゃんと聞いてくれて、嬉しかった。
本当に、本当にな」
信頼してはいた。それでも、変に踏み込もうとせずに、ここまで
きちんと聞こうとしてくれた。
だからこそ、伝えられた。
「お前みたいな後輩が居て……友人が居て、良かった」
この、複雑な関係。
聞けば、誰もが諦めるかもしれない。
それでもなるべく、関わる全員が少しでも……
少しでも幸せになれる形を。
楽しい未来を期待して、涼しい顔して足掻き続けていきたい。
皆が幸せに、なんて傲慢だと言われようが。
そんなのできっこないと言われようが。
悪い癖だと言われようが。
目指すその先を、オレにできる限り、正解にするだけだ。
「手伝い助かるぜ、ありがとよ。
終わったらクレープの一つでも奢るからさ」
そうして凛霞に見せるのは、全力の笑顔だ。
さ、仕事に取り掛かろうぜ。
ご案内:「委員会街・風紀委員会本庁刑事部」からレイチェルさんが去りました。<補足:金髪の長耳少女。眼帯と学園の制服を着用。>
ご案内:「委員会街・風紀委員会本庁刑事部」から伊都波 凛霞さんが去りました。<補足:長いポニーテールに焦茶の瞳、制服姿+風紀委員の腕章//乱入可>