2022/02/06 のログ
ご案内:「学生通り」に真詠 響歌さんが現れました。<補足:グレーのキャップから零れる桃の髪。ボアジャケットに黒のスキニー>
真詠 響歌 >
「わぁ、めっちゃ浮いてる」
……これじゃ悪口みたいだ。 そうじゃなくてでもなんというかこう、物理的に?
キョロキョロしてて何か可愛いーって見てたら、ふわっとまるで無重力。
歩くたびに蒼銀の髪が舞って水の中にいるみたい。幻想的な女の子だ。
「よそ見してると危ないよ?」
ちょうど降りて来たところをキャッチしてお声掛け。
ぶつかったりはしてなかったけど街中で前方どころか頭上注意ってなかなかないよね。
風間 奈緒 > 「ふぁいっ!?」
まったく警戒もしていなかったのか、素っ頓狂な声を発した。
目を見開いて自分を受け止めた人物を見ると、見る見る耳から赤くなっていく。
「あ、えと、ありがとうゴメンナサイ…すみません、すみません…」
誰が見てもわかるほど動揺していた。
おずおずと足を下に付けて立ち上がる。
「その、学生通りを眺めてるのが楽しすぎて…ハハ…あの、夢中になってました」
「えと、その…ありがとうございます。今度から学園に通うので…周りのお散歩してました」
そう言いつつ、相当恥ずかしかったのか自分の胸に手を当てて落ち着こうとしている。
ぺこぺことお辞儀をして、初めて出会う人物に挨拶をする。
「私はえっと…ふ、風間 奈緒って言います。貴方は…?」
真詠 響歌 >
あ、びっくりさせちゃったかな。耳まで真っ赤でこれまた可愛い。
そこはかとない小動物感がある。小鳥とか、ウサギみたいな癒し系の奴。
「わー……謝らなくて大丈夫だよ。
ただふらふら……ふわふわかな? してたから怪我しちゃうかなーって思って。
余計なお世話だったかな」
安心して、怖くない怖くない。
危ない人かどうかは自覚無いから分かんないね!
「わお、新入生だ。この辺りなんでもあるから気になっちゃうよね。
私は2年の真詠 響歌。お仕事ばっかりで委員会とか部活の事はあんまり分かんないけど、
美味しいお店とかオシャレな所とかなら教えてあげられるかも」
めっちゃお辞儀する子だ……ちょっとサイズに余裕のあるセーラー服がほわほわしてる。
日本に居た時は私も最初そんなだったっけ。
よろしくねー、と挨拶の後に手を差し出してみたり。
風間 奈緒 > 「2年…先輩になるサナガミさん…うんっ」
「えっと、よろしくお願いします」
その名を呟き、自分に確認するかのようにコクリと頷く。
差し出された手を見ると、両手でその手を包むように握った。
「…あの、えと…ぼーっとし過ぎて木とか棒にぶつかる事、あったので」
「多分きっと、ホントに助かりました。ゴイン!ってやっちゃうんですたまに」
額を手でぽす、と押して首を後ろに動かす仕草をする。
「あ、いや…さっきやったな…」
…忘れてただけで既に標識か何かにぶつかった後らしい。
「あっでも…ふわふわしてる時はそんなに怪我しないんです。浮いてる時だから身体ごと回るし、そもそも軽くなってるっぽいし…だからその、心配しなくても大丈夫、タブン…」
心配かけないようにと、ワタワタと身振り手振りしながら説明。
それでもフンワリしている辺り、自分に備わった異能についてわかっていない事も多いのだろう。
「えと、そしたら…また今度会うことがあったら、素敵な場所を教えてくれませんか?」
「…今日初めてあったばかりだし…忙しい人の貴重な時間をいきなり割いて貰うのは流石に…」
相手を見上げ、そして視線をまた下げて申し訳なさそうに小声でそう呟く。
ふるふると頭を振って、気になるけれど失礼はいけない、と気を遣っているようだ。
真詠 響歌 >
「少ないけど車とかも走ってるし、気をつけなきゃだ。
せっかく来たのに怪我して授業も出られないー、なんてあんまりだしね」
冷たい気温の中だと手の温もりがよく分かる。
首をさする仕草を見るとなんだか放っておけない庇護欲みたいなのが。
私もけっこう機材とか動かすときにぶつけた覚えがあるや……首の後ろとか後頭部とか。
「あ、それ普段から結構なっちゃう感じなんだ。
ふわふわできるの自由にできるなら楽しそうだけど……大変だよね、自分の事だけどよく分からないの」
慌ただしい身振り手振り、なんだか汗マークみたいなのが見えそうなくらいで微笑ましい。
多分、というナオちゃんの言葉を聞いて私もそうだし、と言って握っていた手を離す。
色んな所で調べて貰ったりしたけど何かしらの影響を及ぼす、という事までしか知らない。
マネージャーとかもっと詳しい人達も教えてくれる素振りも無い。分からないって大変だ。
「……専属モデルなんてオシゴト、存外暇も多いんだよ…? いや、ナンデモナイです。
でも今日はそうだね、"あんまり帰るの遅くなれない"から、また今度。
私この辺りに住んでるからまた会うかもしれないし。その時にでも一緒に行こっか」
申請した時間通りに帰らないと、また色々と言われかねないし。
今日は可愛い新入生さんと出会えただけでも良い日だ。
可愛い服とか普段自分じゃ着れない服とか選んであげたくなる。
ふるふる頭振るのめっちゃ可愛い。けどこれ多分私がやっても似合わないなぁなんて考えながら。
「これ、一応だけど連絡先。
お昼くらいにしか見れないんだけど、何か困った事とかあったら相談も乗るし……もうフワっちゃだめだよ?」
メモの切れ端を渡して言う。
風間 奈緒 > 「な、なんとか頑張ってみます。
眠った時もこうなるから、色々対策は考えてるんですけど…」
奈緒曰く、ベッドや何かに必ず自分の身体を"繋げる"ことで安全に眠っているらしい。
どうにも難儀しているのが想像できる。
「連絡先まで…本当にありがとうございます。
えっと、また会うときまでにこう…フワッちゃうの、どうにかしてみます」
「その、初めて会った私にこんな親切にしてくれて…嬉しかった。
"こっち"に来てから不安ばっかりで…でも、安心できました」
言葉をぎごちなく選びながら、少し落ち着きを取り戻した奈緒はふわりと笑う。
彼女の言葉が示すものはシンプルで、素直そのものだった。
「えと、モデルさんのお仕事も応援してます」
「すらっとして、ずっと背も高くて…綺麗だって思いましたし」
「その、お話してくれて…ありがとうございました」
しどろもどろになりながらペコりとお辞儀し、話の切り方がうまくできなかったのか、気恥ずかしそうにぱたぱたと駆けていった。
この出会いは、きっと奈緒の支えになるだろうか。