2022/10/15 のログ
ご案内:「落第街大通り」にオダ・エルネストさんが現れました。<補足:黒髪緑色の瞳/日本人離れした容姿/学生服の中も透けて見えるクソダサTシャツの青年【乱入歓迎】>
オダ・エルネスト >  
華やかな街の姿あれば、どこかにその逆とも言える場所がある。
秩序が民衆を規制し、安全を謳うところあれば、
無法が蔓延り、不健全と不道徳が広がるところあり。
 
――ティッシュを配るなら裕福ではない場所の方がよく減る。
 
そう考えるのはこの男、米国よりやってきた留学生オダ・エルネスト。

オダ・エルネスト >  
この男の事は、知る者ぞ知る異端であり様々な関係で風紀委員にもお世話になったことのある『一般生徒』ととして知られている。
直近の出来事で言えば、台風の日の夜に学園の校舎に奇襲をかけ風紀委員と事を構えたが捕縛された――などという噂がこの街にも漏れ、聞こえるものには聞こえた話であろう。
何より言動が派手であり、同学年であればその名と噂くらいは耳に知ていてもおかしくはない。
作るパンが美味い。黒髪ながら日本人離れした容姿で親しみやすい。スポーツそれなりに万能、勉強もよく出来るし男女ともに恋愛相談にも乗ったりする金欠学生。
派手で目立つが、この尾行や監視の目を避ける事にも長けた非正規ではあるが軍属の魔法使いだ。
それ故に、この男の行動を一から全て知るのは難しい。
違反部活による犯罪の裏にもこの男がおり、一部の風紀委員に一時的に監視された――などという過去の話もある。
 
そんな男がママチャリの後ろの大きなダンボール箱をくくりつけて違法露店の隣に陣取っている。
手には各委員会の宣伝を入れたポケットティッシュを持って配布している。
隣の違法露店商は、自分の露店に布を被せて顔を伏せる始末。
 
『もしかして、これ違法?―――そう思ったら委員会にご連絡!』
 
そんな宣伝文句が書かれたティッシュを笑顔で渡された露店商の気持ちを考えるのは難しい。

オダ・エルネスト >  
それはそうと、この男がなぜそんなポケティ配りにこんなところに来たかといえば、
金だ。
 
風速200メートルでも割れず、魔術にも強い性能未知数の特殊強化ガラスを自然の力を借りてとは言え破損させた借金がこの男にはあった……!
別段害意があった訳ではないことは取り調べで判明しているのと表面上はまともな学生ということで、
結構な額が減額された……がそれでも『責任』ということで請求された金額がある。
報告をあげない不良兵であるがゆえに国からの支援もないこの男には自費でどうにかするしかない。
そこで金銭獲得のために選んだバイトの1つがティッシュ配り。
常世島のどこでもいいのでティッシュを配ること。
 
こういうのは裕福なやつはなかなか受け取ってくれないので、ちょっと治安の悪い方へ悪い方へと進んだ結果でこんな場所にたどり着いている。
 
「気がつくと既にダンボールに入っていたのが減っている……スラムを思い出す」
 
いつの間にか手を離した荷物が消えている、そんな治安の悪い場所は祖国にもあった。

オダ・エルネスト >  
のんびりと目的を達成すればよい。
それでよかったのだ。
人通りが減り、静かになったな、と思った時に気がついた。
 
「おや……?」
 
気がつけば、隣の商品を隠したのはそのままに露店商の人がいなくなっていた。
布で隠してるとは、祖国のスラムのように物が消える場所だ。
人がいないのは不味かろう。
 
「帰ってくるまでは、私が―――」
 
露店とは言え、店。自分の店。
パン屋とかそういうのも悪くないが、商品を仕入れ販売する雑貨店。
そういうのも悪くない。
 
「―――私が、店長だ」
 
そういうのに憧れる、カッコいい(・∀・)。

オダ・エルネスト >  
しかし、ここの露店では何を扱っていたんだろうか?
そう疑問に思うとチラリと布の中を覗く。
透明な袋の中に入った白い粉、同じく半透明のケースに入った乾燥した葉っぱ。
フルダイブ型のVR機器に取り付けるUSB機器など。
 
「なるほどなぁ、娯楽品かぁ。
 ホットケーキミックスに茶葉、この形状の機器には覚えがある。BGMや景観の拡張用だ」
 
似たようなものを以前、農業区で活動している人たちから譲ってもらったことがあるし、USB機器に関してはゲーセンで売ってるのを見たことがある。
都心から離れればこういう露店で売るやつが出てくるのも分かるってもんだ。

オダ・エルネスト >  
商品についてあたりをつけて納得したところで正面から声がかかる。
 
「―――すみません、お店のものを見せていただいてもよろしいでしょうか?」
 
そこにいたのはやたらと人当たりの良さそうな笑みを浮かべた風紀委員の青年であった。
この時、オダ・エルネストは「優男風だが、身長は私のほうが高いな」と思い鼻で笑ったのが挑発行為のように思われ、
周囲に待機していた風紀委員たちによって捕縛されたという。
その際に「ここを誰の店だと思っている!?」だとか「私が店長だぞ!!」などと意味不明な事を喚き散らしていたが、
その後の魔術と異能による取り調べによる露店とは全く関係ない事が判明し、解放されている。
 
落第街では、『一般学生』として有名な彼がどこからか違法薬物『ミックス』と『リーフ』、電子麻薬『ドライブC』を確保し販売していたが風紀に捕まるものの、
その日のうちに解放されたとして噂が広まった。
奴は、『権力』とつながりがあるのではないのかと……
そう囁かれるようになるのに時間はかからなかった。

ご案内:「落第街大通り」からオダ・エルネストさんが去りました。<補足:黒髪緑色の瞳/日本人離れした容姿/学生服の中も透けて見えるクソダサTシャツの青年【乱入歓迎】>