2022/07/28 のログ
ご案内:「常世渋谷 中央街(センター・ストリート)」に北上 芹香さんが現れました。<補足:白のカットソー/チェックのスカート/ロングブーツ/アコースティックギター(乱入歓迎)>
北上 芹香 >  
道路使用許可申請、というものがある。
事前に申請することで許可証が貸与される。
これをしておかないと風紀委員に『勝手に路上を占拠している』と判断されて排除される。

というわけで首から下げたこれは必須なのだけれど。
常世渋谷ではタダではない。
手数料がかかるのだ。

正直、手数料がなければ毎日でもここで弾き語りしたいくらいなのだけれど。
これが日割りバイト代の何割かがすっ飛ぶ程度の金額。

……まぁ、夢を追うためには必要なことなんだ。
試しにアコギで禁じられた遊び(愛のロマンス)を演奏した。

北上 芹香 >  
さて。たまにはラブソングを作ってみない?とメンバーに言われた。
思えば今まで曲のジャンルを迷走し続けたけど
正統派ラブソングというものを作ってみたことはなかった気がする。

というわけで新曲だ。
曲名は『走れジュリエット』。
じゃん、とギターを鳴らしてエンドレス禁じられた遊び(愛のロマンス)を区切る。

「ロミオはどうして死んだのか?」
「ジュリエットは何故悲恋に終わる?」

「そんなの嫌です夢がない」

明るいリズムでダメかわなファニーソングを歌い上げる。

「結ばれなきゃ嘘でしょ」
「私は走るジュリエット」
「遅刻寸前ギリギリダッシュっ」

北上 芹香 >  
「登校中に見つけた横顔」
「トキメキの瞬間」

さぁ、サビを始めよう。
誰も見てくれなくたって。
今、この瞬間に全力を出せないヤツに
ライブで最高のパフォーマンスなんて発揮できるわけがない!!

「わかったの! 恋したの!」
「あなたが私のロミオ、ロミオ!」

直上的女の子の逆走恋愛ソング。
これも#迷走中のカラー。

「ハグをして! 囁いて!」
「私 隣が空いてるジュリエット!」

「恋をして! 今ここで! 早く!」

ギターをかき鳴らしフィニッシュ。

「走れジュリエットでした」

ぺこりと一礼。
街並みを漫ろ往く人々はみんな帰り道を歩くのに必死。
つまり、反応はない。

北上 芹香 >  
アップビートのラブソングはダメか………
となると、ポップなテンポに行くしかない……

鬱ソングは好きなんだけど常世渋谷では圧倒的にウケが悪い。

代官山の精霊よ、オシャレでポップなミュージックに祝福をお与えください。
心で洒落臭い存在に祈ってギターをチューニングした。

北上 芹香 >  
喉の調子を確かめる。大丈夫、今日は調子が良い。
メロディアスにギターを鳴らす。
行こう、ポップの真髄へ!!

「密やかな虹色」
「夏の夜空 Star mine」

「もう少しだけ二人でいさせて」

愛しさが溢れるような。
これも昨日作った。
ラブソングではあるんだけど、曲調がポップ。
よってこれはポップ。
私が決めた。今決めた。

北上 芹香 >  
「夜に光が溶けていく」
「キミは夢中で進化論の話をしてる」

「ちょっとだけ苛立って ほんのすこし愛しい」

ギターを鳴らしながら歌う。
明るい演奏は笑顔で歌う。
こればっかりは遊園地のスイーパーのバイト経験が役に立っている。

「空を彩るStar mine」
「キミに夢中な私の鼓動」

「もう少しだけもう少しだけ」
「友達が合流しちゃうから」

「進まない恋とStar mine」
「今年の夏もダメっぽいね」

ドジャアアアアンと演奏を終えて。

「夏恋Star mineでした」

今日も手応えはなし。なかなか音楽は難しいもので。

北上 芹香 >  
ひょっとしてこれは歌がダメなパターン?
でもそもそも正統派なラブソングを歌ってメジャーデビューなんて片腹ペイン。
#迷走中は迷走し続けるのがアイデンティティ。

私は自分を曲げない!!
多分。多分ね……

夕暮れの空が陰り、雨がパラパラと降ってきていた。
帰りが憂鬱になる。

北上 芹香 >  
帰ろう。
雨の日にニチャニチャした鬱ソングやラブソングを提供するわけにもいかない。
爽やかなのは弾切れです。

さっとギターケースにアコギを片付け、その場を後にするのだった。

ご案内:「常世渋谷 中央街(センター・ストリート)」から北上 芹香さんが去りました。<補足:白のカットソー/チェックのスカート/ロングブーツ/アコースティックギター(乱入歓迎)>