2022/10/01 のログ
ご案内:「常世公園」にセレネさんが現れました。<補足:月白髪蒼目/ライトブラウンのジャケット、ホワイトのシャツ、カーキのカーゴパンツ、ハイカットスニーカー/耳にピアス、首にペンダント、手に指輪複数>
セレネ > 夏の気配もやや収まり、秋の時期になってきた季節。
ふわりと鼻腔に香るのは、甘く華やかな香り。
オレンジ色の小さな花、香りの元はその花達。
尤も、己が纏うローズの香りも相まって公園内の一部は華の甘い香りが漂っているかもしれないが。

『…今年も少しずつ、頂いていくわね。』

時刻は陽も落ちて、日中より気温が落ちる時間。
風属性の魔術を用いて、公園内にある金木犀の花を一部攫って行く。
それを何度か、それぞれの木から少しずつ。
集めた花は白いレースのハンカチの上に。学生通りから歩いてきて集めているから、やや小さな山になっていた。

今年は幾つか作るつもり。去年より多く頂いてしまっている。
人気の無い時間にやっているから、咎める人も恐らく居ないと思うけれど。

ご案内:「常世公園」に北上 芹香さんが現れました。<補足:白のカットソー/チェックのスカート/ロングブーツ/ギターケース>
北上 芹香 >  
聴いてくれる人があんまりいなかった路上弾き語りを終え。
徒労感とギターケースを背負って歩いている。
もう夜だ……帰って寝ないと………

「んい?」

なんか金木犀の樹に向けて手を差し出している人がいる。
10月2日、月齢も半月にちょっと満たない。
そんな頃に、僅かな月明かりに輝くような髪を持った。

美しい女性だった。

目を奪われ、思わず近づいていってしまう。
邪念があるとすれば。
珍しい経験ができたら歌のネタになるんじゃないか。

そんな気持ちで近づいて声をかけた。

「どーも、何してるんですか?」

セレネ > 夜空に浮かぶは三日月。
満ちるまでは、あと一週間ちょっとかかるだろう。
そんな事が分かるのは、己が月の女神の一柱であるから。

銀の指輪を嵌めた白い手を緩やかに動かし、自在に風を操る。
必要以上の花は、一つの木から摘まないように気をつけて。

「――あら。」

人など来るまいと少しタカを括っていた。
だからこそ、声を掛けられて蒼を瞬かせる。
手を止め、其方に蒼を向ければ、そこには一人の少女の姿。

「こんばんは。モイストポプリを今年も作ろうと思って、お花を頂いていたのです。」

何をしているのかと聞かれれば、疚しい事もないので素直に答えた。
少女の背には楽器のケース。
…形状から考えると、ギターだろうか。
見目も所謂バンドマン、といった風貌に見える。

北上 芹香 >  
「こ、こんばんはぁ」

緊張の面持ち。
しょうがないじゃん。
真珠を溶かしたような優しい髪色。
空と海の狭間に存在している、と言われても信じる蒼の瞳。

こんなキレーな人なかなか見ないのだから。

「へー、モイストポプリ」
「美味しいすよね、酢醤油とかでパクっと…」

「すいません知ったかぶりしました…モイストポプリってなんすか」
「ポプリの一種だから……香りを楽しむもの…?」

緊張しながらもジョークを言う口だけは回るのが悲しい。

セレネ > 「――ふふ、少し深呼吸してみましょうか。」

今なら金木犀の香りとローズの香りが混じってしまうかもしれないが。
どこか緊張したような表情の彼女が、微笑ましくも少し可哀想だと思ってしまったので。
まさか己の見目に対しての緊張だとは思っていない。

「…酢*・hellip;?」

「あ、えぇ。その通り。
ルームフレグランスの一つになりますね。」

和食は殆ど食べないので、彼女のジョークにはきょとんと首を傾げてしまい。
しかし、ポプリの一つとの言葉には頷きながらそう答えるだろう。

北上 芹香 >  
「ひっひっふー、ひっひっふー」

微妙に間違ってる深呼吸をした。

「すいません外国の方? に? 和風ジョーク言っちゃって…」
「ルームフレグランス………」

つまり、天然自然の香りで部屋を良い感じにする良い感じアイテムのことだろう。
それくらいは教養ステータスが壊滅している私にもわかる。

「へええー……それって難しかったりします?」

自分が興味本位バーストで聞いていることに気付いて。

「あ、すいません、私、北上芹香って言います、名前っ」

セレネ > 「ラマーズ法で深呼吸する方初めて見ました…。」

この世界の人の子だとそういう子もいるのだろうか…なんて
間違った知識になりながら。

「いいえいいえ、此方こそ勉強不足で申し訳ないです。
んー。モイストポプリなら比較的簡単に作れると思いますよ。
ご興味があるなら、機会がある時に作ってみるのも良いかもしれませんね。」

申し訳なさそうに眉を下げては、

「北上さん、ですね?
私はセレネと申します。宜しくお願いしますね。」

名前を告げられれば、彼女の名前と顔を覚える。
そして柔らかく微笑みながら己も名を告げようか。

「北上さん、は…その背中に背負っているのは楽器でしょうか。
もしかしてミュージシャンの方だったりします?」

北上 芹香 >  
「はっ!? フルコンセントレートの呼吸をしてしまった……」

ボケにボケを重ねるのはよくない。
よくないけど百均の鮭フレークと人を愛することとボケることがやめられない。

「はいっ、いつか試してみますっ、恐縮ですっ、撃ち方、やめ!」

ビシッと敬礼して。

「セレネさんですか……」

名前までキレイ。これが美……美の女神…

「あ、はい。てっぺん目指して音楽やってます」
「ガールズバンド#迷走中のギター兼ボーカルです」

売れてないですが。と一言を入れて。

セレネ > こういうボケに対して有効なのはツッコミというものなのだろうが
残念ながら己には適したツッコミの技術もなければ才能も持ち合わせていなかった。

「……?
何と言うか、とても不思議な方ですね、貴女って。」

クスクスと小さく笑ってしまうが、決して彼女を馬鹿にしている訳ではなく。
敬礼する彼女に対し、己も真似して敬礼し返してみる。
突っ込めないなら、ノってみるのも一つの手か。

「成程、バンドをやっていらっしゃるのですね。
私そういった事には無縁ですから、色々と努力して頑張っているだけでも素晴らしい事だと思いますよ。」

♯迷走中…というバンドも、初めて聞くバンド名だ。
そも、そういった事には疎い己だから後で検索してみるとしよう。
知らぬ事を知られる良い機会だと思った。目の前の彼女には感謝せねばなるまい。

北上 芹香 >  
「よく言われます………」

いやよく言われちゃダメでしょ。
でも緊張してたらこんな言葉ばっかり出て来る!!

「すいません、普段はあんまりこんなノリじゃないんですが」
「男女関係なくきれいな人を前にすると緊張する悪癖が」

やば、褒められた。
努力が報われてないことにイジケた感情を抱えてたけど。
今、報われました。

幻でもいい、この瞬間よ続け百万年。

「いつかてっぺん取るんで、バンド名を覚えてて損はないですよ」

ああ、テンション高め。

セレネ > 「あら、そうなのですね。
…まぁ私も不思議な人って言われる事もあるので似た者同士なのかもしれませんね。」

不思議のベクトルや度合いは違うかもしれないが、
こう言っておいた方が彼女も安心してくれるかもしれないし。
相手の言葉を否定せず、同調すれば少しは安心してくれるだろうか。

「そうなのですね?
可愛らしい貴女から綺麗な人だと見られているのはとても嬉しいです。
有難う御座います。」

目の前の彼女はバンドをやっている事もあるから、比較的派手ではあるものの。
己から見れば、とても可愛らしく魅力的に見える。
褒める事で伸びるのならばいくらでも褒められるくらい、きっと彼女には魅力が沢山あるのだろう。

「自分の知っているアーティストが一番になると嬉しいですものね。
では、しっかりと覚えておきましょう。その時を楽しみにしております。」

本当に天辺を取れるかどうかは今後の彼女達の努力次第だが、
少なくとも応援はしよう。
夢や目標に向かって突き進む人の子はいつの時代も、どの世界でも素敵なものだ。
それを己は、よく知っている。

北上 芹香 >  
「……セレネさんが不思議…」
「透徹な雰囲気は感じるので、不思議っちゃ不思議ですが…」

ウムム。
私がよく言われる不思議は、イカレポンチという意味を多分に含むので困ったものだ。

「いえいえ、真実なんで……トゥルースなんで…」
「でも夜の独り歩きは危ないっすよ」

言ってからブーメランが刺さった。
私も夜中に一人でアパートに向かって歩いてた。
しかも異能非覚醒者。

「はい、何年か……何年かしたら、きっと…」

ここで言い切れないのは若干、アーティストとしてどうなのかと思わなくもない。
でも、これも私だ。

「それじゃ、私は帰ってる途中なんでこれで」
「身の危険を感じたら逃げてくださいよ、最近物騒なんで」

と要らないアドバイスをして去っていった。

セレネ > 会ったばかりの彼女ですら、己を不思議と思うようだ。
やはり一柱であるからか完全に溶け込む、という事は難しいらしい。
とはいえ、不思議程度で済む辺りならまだマシなのだろうけれど。

「そうですねぇ。
常世渋谷や歓楽街辺りと比べると治安は良いとはいえ
危険なのはその通りです、が。
それはお互い様ではないでしょうか。」

己は少なくとも自衛の術は心得ている。
だが、彼女はどうかは分からない。
だからこそ、危険なのは彼女も変わらないではないか、と。

「ふふ、急いでも良い事はありませんし、ゆっくりとその時を待っておりますね。」

何年でも、何十年でも、待とうではないか。
夢が花開くその時を。

「はい、北上さんもお気をつけて。
またお話しましょうね。」

空いている手で軽く手を振って彼女の背を見送っては、
己はもう暫く花摘みを。
柔らかく香る花の香りは、変わらずそこにあるものと。

ご案内:「常世公園」から北上 芹香さんが去りました。<補足:白のカットソー/チェックのスカート/ロングブーツ/ギターケース>
ご案内:「常世公園」からセレネさんが去りました。<補足:月白髪蒼目/ライトブラウンのジャケット、ホワイトのシャツ、カーキのカーゴパンツ、ハイカットスニーカー/耳にピアス、首にペンダント、手に指輪複数>