2015/06/23 - 01:02~03:42 のログ
ご案内:「打ち捨てられた祠」に石蒜さんが現れました。<補足:黒髪に漆黒の巫女装束の少女【乱入歓迎】>
石蒜 > 「……。」祠の影に隠れて、じっと息を潜める。
『見失ったか、二手に別れて探すぞ、大通りの方を頼む。』かすかに聞こえるのは、忌々しい風紀委員どもの声。
いつものように、常世公園へ向かおうとしたところで風紀委員に見つかってしまったのだ。
おそらく落第街の事件のせいでいつもより警戒が厳しかったのだろう。
思えば今までよく見つからずに行けたものだ、次行く時はもっと用心しなくては。
足音が遠ざかっていく、なんとかまけたらしい。

石蒜 > 「…………。」確か6、7人は居た。流石にあの人数相手には分が悪い、それに捕縛されて牢屋にぶちこまれでもしたらかなり面倒だ。
「はぁ……。」ため息。全く楽しくない、享楽とは程遠い時間だ。こんなところをご主人様に見られたら、なんと言われるだろう。

石蒜 > 連中が諦めて戻るまで、ここを動かないほうが良いだろう。一度探した場所はあまり探さないものだ。
それにここは遮蔽物が多い、隠れるには好都合だ。
そういえば、ここは何が祀ってあるのだろう。今やご主人様以外への信仰心は失くしたが、昔の習慣でなんとなく気にかかった。
祠の前の石の柱に何か彫ってあるのを見つけ、読もうと近づく。

石蒜 > 鳴羅  火 怖、と書いてある。
「なる……ら……ほ……?」雨風で字が一部消えてしまっている。それに漢字だったので、意味はわからなかった。
しかし、不思議だ。石蒜になってから、寺社仏閣の類に行くと神気臭くて嫌な気分になるのに、ここは妙に落ち着く。
ご主人様の残り香を感じるような気がする。ここにもご主人様は来たのだろうか。

石蒜 > 祠の中のご神体らしきものも、妙だ。束ねた縄のような三本の足らしきものに、黒い翼。顔には燃えるような3つの目。腕は鉤爪とタコのような触手。
神としては異形すぎる、恐らく祀ることでその被害を和らげようとする、祟り神のようなものなのだろう。
あるいは、この世界では普通の神なのかもしれない。

石蒜 > まぁ、別にどんな神が祀られていようとどうでもいい。
ここは居心地がいいし、他の施設から死角になるように立っているので、隠れるのに最適だ。
お気に入りの場所が出来た、と素直に喜んだ。

ご案内:「打ち捨てられた祠」に畝傍・クリスタ・ステンデルさんが現れました。<補足:短いブロンドの髪と赤い瞳、オレンジ色のボディスーツ姿。狙撃銃を携帯>
畝傍・クリスタ・ステンデル > 日課の『狩り』を終え、帰路につく途中。
以前常世神社で出会った少女――石蒜が風紀委員に追われ、逃げていくのを目撃し、
畝傍は彼女を追ってこの打ち捨てられた祠にやってきた。
「シーシュアン……?どこ?」
周囲を見渡し、石蒜の姿を探す。

石蒜 > 近づいてくる足音に、神経を尖らせる。
この匂いと声は、畝傍だ!また会えて嬉しい、無意識に笑みを浮かべた。
まだ安全とは限らない、石ころを拾って畝傍の足元に投げて注意を惹き。
「畝傍。こっちこっちです。」ぎりぎり聞こえるぐらいの声で呼びかけた。石の柱の影から顔を出して手招き。

畝傍・クリスタ・ステンデル > 石の柱の影に石蒜の顔を見つけると、畝傍は彼女の声と手招きに応えるように歩を進めていく。
石蒜は追われている身だ。迂闊に見つからないよう、細心の注意を払いつつ。
「ふしぎなところ、だね」
ある程度歩き、石蒜の姿を見つけたところで、率直な感想を述べる。
石の柱に刻まれた文字にはまだ気付いていない。

石蒜 > 「畝傍、会いたかったです。」相手が近づいてくれば、早速駆け寄って、腕を大きく広げて抱きつこうとする。

「ええ、いいところでしょう?逃げていて偶然見つけたんですけど、とても居心地が良いんです。誰が祀られているのかは、よくわからないんですが。」ここに書いてあるけど、読めなくて、と石の柱の文字を示す。

畝傍・クリスタ・ステンデル > 左腕で狙撃銃を抱えたまま、右腕を広げ、抱きつこうとする石蒜を受け入れる。
「うん、いいところ」
抱擁を交わした後、石蒜の言葉を素直に肯定すると、
畝傍は石蒜に言われるまま、彼女が示した石の柱の文字を眺め。
「なるら……ほ……ふ……」
断片的な文字列から、畝傍はある名前を導き出す。
「きいたことある。鳴羅門火手怖 <なるらとほてふ> さま、だっけ」

石蒜 > 「うふふふ、畝傍の抱き心地は最高ですね。」ひとしきり胸に顔をうずめて頬ずりしてから、離れる。

「なるらとほてふ……、なるらとほてふ……。聞いたことない神ですが……。」不思議が、すでにその存在を別の名前で『知っている』気がする。まるで知人が別の名前で呼ばれているのを見たような違和感。
「ええと……どんな神なのでしょう、知っていますか?」興味を惹かれて、更に聞いてみる。

畝傍・クリスタ・ステンデル > 「ボクも、くわしいことはあんまり……ちょっと本でよんだだけ」
鳴羅門火手怖。畝傍もその名を聞いたことはあれど、
それが具体的にどのような神性であるのか、全ては知らない。
彼女の知り得ている情報は非常に断片的だが、その範囲で説明する。
「むかし、このあたりにいた神さまで……まっくろで、すがたがいっぱいあるんだって。あと……いい神さまじゃなかったみたいだけど。ボクがしってるのは、それだけ」

石蒜 > 「真っ黒で姿がたくさん……。」特徴を聞いても、思い当たる神性はない。気のせいなのだろうか。
「やはり祟り神の類なんですね、きっと祠が打ち捨てられて鎮められてないんでしょう、私が落ち着くのもそのせいかな。」息を大きく吸って、吐く。生まれ故郷の空気を吸うような、活力が湧いてくるようだ。

畝傍・クリスタ・ステンデル > 「どうだろ」
鳴羅門火手怖。それが悪神の類であることは知っていたが、具体的にどのような祟りがあったのかということまでは、
畝傍があたった書物には書かれていなかったので知らなかった。
「シーシュアンは、よくない神さまがいるかもしれないところでおちつけるの?」
その肉体に輪をかけて幼い精神を持つ畝傍に悪意は無い。ただ率直な疑問を投げかける。
風景だけを見て『いい所』だとは言ったが、祠に祀られているのが悪神の類となると気になるものだ。

石蒜 > 「ふーむ……なんとか調べられませんかねぇ……。」指名手配されている身では学園の図書館などは使えない、異邦人街か落第街だけでどれほど情報が集められるか……。

畝傍の疑問に「ええ、落ち着くんです。きっと私は良くないものなんです。」となんでもないように答える、生まれつき背が高いとかそういうぐらいの調子だった。そこに後悔とか、悲しみとかいうものは無かった。
「だから普通の神社とかは逆に居心地が悪いんですよ。」

畝傍・クリスタ・ステンデル > 「……そうなんだ」
きっと私は良くないもの。石蒜のその言葉に、畝傍の表情が曇る。
「ボクも……たぶん、よくないモノ、なんだとおもう」
これまでの生涯で畝傍自身が受けてきた仕打ちは、
客観的に見れば幼い少女がここまでされる謂れはないと感じるものであったろう。
だが精神が破綻してからの畝傍は、自身が『よくないモノ』であるのではないかという疑念を常に抱き続けていた。
「だから、『女神さま』のためにたくさんマモノを狩って。いつかゆるしてもらうんだ。ボクの、つみを」
彼女は狂っていた。

石蒜 > 「そうですか、そこも同類なんですね。」すっと右腕を出して、いたわるように体を撫でようとする。
「でも畝傍、『良くないもの』で何がいけないんです?」邪な存在であることを当然のように受け入れているからこその疑問。ご主人様は私はそれでいいと言ってくれた。壊れててもいいと。
「ねぇ畝傍、私はあなたが好きですよ、ご主人様ほどじゃないにせよ、愛してます。今の『良くない』あなたをです、それでもあなたは『良いもの』になりたいんですか?」
彼女も、狂っていた。

畝傍・クリスタ・ステンデル > 石蒜の右腕が畝傍の体に触れる。そのまま体を撫でられ、彼女の言葉を聞きながら。
「……そう、だね。ボクはもしかしたら、わるくないのかもしれない。女神さまはもうとっくに、ボクのことをゆるしてるのかもしれない……でも」
俯く畝傍の声には、未だ迷いがあった。
「シーシュアンが、いまのボクのことをすきでいてくれるのは、うれしい……けど。……ボクは……」
言葉に詰まる。

石蒜 > 「…………ごめんなさい、言い過ぎましたね。」私には肯定してくれるご主人様がいる、だが彼女には居ないのだ。それに、彼女がこの前話してくれた『女神様』についてもほとんど否定してしまっていた。
いつかは私の方に来てくれると嬉しい、けどまだ今ではない。
「大丈夫、私はあなたを愛してますよ、それはきっと『良く』なっても変わりません。心配しなくていいんですよ。」安心させるように、優しい声で、右手が畝傍の頬に伸びる。「だから、大丈夫。」

畝傍・クリスタ・ステンデル > 石蒜の右手が畝傍の頬に触れると、畝傍は顔を上げ、再び微笑む。
「……ありがと。やっぱり、シーシュアンはボクのいちばん」
それは畝傍の心からの言葉だった。
そして考える。追われている身らしい石蒜の代わりに、何か自分が力になれることはないだろうかと。
畝傍が鳴羅門火手怖という神性について知るきっかけとなったあの本は、まだ学園の図書館に置かれているだろうか。そう思い。
「しらべるなら……ボクも協力する。ボクは図書館にはいれるから」
畝傍は不登校状態になってはいるが、通おうと思えば普通に学園に通える。
学生証も正規のものだ。ゆえに、学園の図書館を利用して情報を探ることはできる。
「あと、学生街の本屋さんもしらべられる」
そう付け加えて。

石蒜 > 「ええ、私をあなたの一番で居させてください。」頬を撫でる手がゆっくりと動き、唇をなぞった。

「そうか、あなたは正規の生徒でしたね。」少し驚いたように言う。誰かに頼る、という発想がすっかり抜け落ちていた。
「それじゃあ、お願いしていいですか?」うまくいったら、ご褒美用意してますから。と右手で今度は自分の唇をなぞって、淫靡に微笑んだ。

「学生街……そうですね、うまく忍び込めたら私も調べてみましょう。」学園内部ほどではないが、風紀委員の監視はある。行くなら慎重にやる必要があるな、と頭のなかで計画を立てた。

畝傍・クリスタ・ステンデル > 「うん、シーシュアンのおねがいだもの」
そう言って、石蒜の頼みを快諾する。
――ご褒美ってなんだろう?と、期待と疑問が入り混じった感情を抱きつつ。
だが、直後の『うまく忍び込めたら』という言葉に、畝傍は焦る。
「あぶないよ。シーシュアンがいったら、またおいかけられるかもしれない。だからボクにまかせて」

石蒜 > 「ありがとう、頼りにしていますよ。」彼女は自分を裏切らないだろう、本心からそう思える。しかし皮肉な話だ、人の顔色を伺って、ビクビクしながら生きていた時にはそんな相手は出来なかったのに。他人がどうでも良くなってから、見つけるだなんて。
「ううん、そうですか。じゃあそちらもお願いしますね。本を買うお金、ありますか?私は結構余っているので、渡しておきましょうか?」落第街で他人から奪った金だったが、石蒜は飲食の必要がないのであまり使い道が無かったのだ。

畝傍・クリスタ・ステンデル > 「いいよ。ボクはまだ、もらったおひねりがあるから」
ここでいう『おひねり』とは『狩り』の報酬である。
畝傍は自主的に行う『狩り』だけでなく、依頼を受けて危険な魔物の討伐に赴くこともある。
その際には必ず適切な額の報酬を受け取るようにしているのだ。
『おひねり』の支払いを渋るクライアントとは、その後取引を行わない。それは彼女にとっての矜持でもあった。
「シーシュアンのおかねは、シーシュアンがつかうのがいいよ」
石蒜の事情については知らない部分も多く、まして彼女が飲食を必要としないことについては今の畝傍には知る由もない。
ただでさえ追われる身の少女から、さらに金まで取るのは彼女の倫理観にも反する。これは畝傍なりの配慮であった。

石蒜 > 「そうですか、安心しました。」しかし、とまるで授業参観で自分の子供がちゃんとと勉強しているのを見た母親のような笑みで。
「あなたもしっかり自立してるんですね、実をいうとちょっと心配だったんです。あなたがどうやって生活してるのか聞いてなかったものですから。」でも何らかの手段でお金を稼いでるようだ、私のほうがむしろ不安定な生活をしている。あまりお姉さんぶるのも良くないな。

「私達はまだまだ知らないことが多いですね。」クスクス、と笑う。「愛し合っているのに、どうやって生活してるのかも知らないだなんて、ちょっとちぐはぐですね。」それがとても歪んだ関係に見えて、嬉しかった。歪んでいるのは面白いことだから。狂った価値観だった。

畝傍・クリスタ・ステンデル > 「そうだね。ボクたち、まだしらないこといっぱい」
微笑む。これからもっとよく知ることができたらよいな、と思った。
「そうだ、これ。こまったことあったら……でんわ。ボクにかけて」
取り出したメモ用紙のひとつにボールペンで書き、それを破り取って渡そうとしているのは、畝傍が所持している端末の電話番号。
石蒜が端末を持っていない可能性も考慮し、このような形をとった。
異邦人街や落第街といった場所にも、公衆電話ぐらいはあるだろう。
何かあった時にそこから連絡をとれれば、畝傍はすぐ駆け付けることができる。

石蒜 > 「ええ、これから知っていきましょうね。時間はきっとたっぷりありますから。」
「あら、電話番号。あいにく私は持っていないですけど……ええと、こうしゅうでんわ……?からかけられるんですよね。大丈夫、やり方はわかります。」やったことはないが、使ってるところを見たことはあった、多分大丈夫だろう。

「でも私にかけられないのは不便ですよね、今度けいたい…たんまつ…?を手に入れておきますね。」いつでも話が出来るのは少し憧れるものがあった。いつでも話せれば、もっとお互いを知れるだろう。落第街に行けば、そういったものが売っているだろうと目星をつける。

畝傍・クリスタ・ステンデル > 「うん、まってる。端末買えたらボクにもおしえて」
石蒜が端末を手に入れることができれば、
今後二人の関係はさらに深まるだろうことは想像に難くない。
「シーシュアンは、これからどうするの?」
尋ねる。このまま身を潜めるか、逃げるか、あるいは。

石蒜 > 「これから……、一度落第街のほうに逃げて朝を待とうと思います。あちらでは風紀委員もあまり熱心に見回りませんからね。」この辺りの地理は大体頭に入っている。迷路のような路地裏を通って行けば見つかることもないだろう。
「もう遅いし、私と一緒に居るところを見つかってはまずいでしょうから、ここで別れましょう。愛してますよ。」最後にもう一度、ぎゅっと抱きしめようとする。

畝傍・クリスタ・ステンデル > 「そうする。……ボクも、シーシュアンのこと、だいすき」
そう言って、もう一度その右腕で彼女を抱きしめ。
「じゃ、またね」
二人の体が離れた後、再び狙撃銃を両腕に抱え、
橙色に身を包んだ少女はその場を後にした。

ご案内:「打ち捨てられた祠」から畝傍・クリスタ・ステンデルさんが去りました。<補足:短いブロンドの髪と赤い瞳、オレンジ色のボディスーツ姿。狙撃銃を携帯>
石蒜 > 「ええ、それじゃ」手を振って別れを告げ、別の方向へと立ち去った。
ご案内:「打ち捨てられた祠」から石蒜さんが去りました。<補足:黒髪に漆黒の巫女装束の少女【乱入歓迎】>