ご案内:「常世公園」に畝傍・クリスタ・ステンデルさんが現れました。<補足:短いブロンドの髪と赤い瞳、オレンジ色のボディスーツ姿。狙撃銃を携帯>
風間蒼介 > (彼女に見えるように備えられた泥団子を掲げ…にこやかに頷くのだった)

…………強いでござるなあ、女子
(年齢とか能力とかその辺完全無欠に無関係な強さだった
 さてどうしたものか、この敗北の味のする泥をどうしたものかと…
 子供は聡い、雑な処分をすれば現場検証とか誘導尋問とか竹串とろうそくを用いた巧みな話術で暴いてしまうだろう
 ※風間の里基準の感想です)

畝傍・クリスタ・ステンデル > 橙色のボディスーツに身を包んだ少女、畝傍は木の上に座り、
先日、彼女のただ一人の友人――石蒜と交戦していた忍者のような少年の姿をじっと眺めていた。
畝傍は彼に聞いておきたいことがあったのだ。
「とうっ」
狙撃銃を抱えたまま木の上から飛び降りると、
「しゅたっ」
と、少年の眼前で着地する。
「――みつけた。ニンジャのヒト」

風間蒼介 > ………いつから見ていたでござるか?
(無駄にシリアスな声音、それは幼女に声をかけ共に戯れていた光景が現代社会においてどの程度の破壊力を持つか理解しているが故であった
 主に社会的な側面と法曹界において
 狙撃銃という武器の選択と目の前に姿を現したという行動から、警戒のレベルは最低限の物で、泥団子を懐にしまうと立ち上がり向き合って)

畝傍・クリスタ・ステンデル > 「……さっきからだよ。あのこがコレみたら、こわがるとおもって」
手にした狙撃銃を両手で抱えたまま、指で軽く叩くような動作をすることで示す。
畝傍は常に狙撃銃を携帯するか、狙撃銃の形をしたモノを身につけていなければトラウマに苛まれてしまう。
以前は学生街などにおいてはマズルがオレンジ色になっているレプリカを携帯するようにしていたものの、
先日、大時計塔にてある男と交戦してからは実銃を持ち歩く頻度が増えた。
「ボクはウネビ。畝傍・クリスタ・ステンデル。ねえ、ニンジャのヒト。ききたいこと、あるんだけど」
眼前の忍者のような少年に名乗りつつ、用件を述べる。

風間蒼介 > その辺の良識は持ってるんでござるねえ…
(はぁ、とため息を吐く
 完全に狂気に呑まれているよりよほどタチが悪い
 理性的に狂っているというタイプは虚実の判断が狂わされる)

…風間蒼介……聞きたい事とは?
(一瞬の躊躇、しかしこの場で風間の名を隠す事に意味は無い。何より名が力を持たない、ならば名乗りを戸惑う理由も無い)

畝傍・クリスタ・ステンデル > 風間と名乗った少年に対し、畝傍は真剣な表情で、単刀直入に問う。
「ソースケ……うん、おぼえた。ソースケは……『サヤ』のこと……しってるんでしょ」
『サヤ』――先日、石蒜と交戦していた風間の口から発せられた名だ。
畝傍は『サヤ』であった頃の石蒜を知らない。しかし、二人の言動から概ね察することのできる部分はあった。
「おしえてほしいんだ、『サヤ』のこと。シーシュアンは、『サヤ』、なんだよね?」

風間蒼介 > (かり…と頬をかき、困ったような表情を隠そうともしない)

いや…ほとんど知らぬといっても過言ではござらぬ
名もあの時に知ったくらいでござってな?
ただ…異能の暴走に、そして何らかの術に落ちる前の彼女を知っている、それだけでござる
(彼女は敵である、敵意は確かにある
 今でも彼女のわずかな仕草や言動から何かを読み取ろうとしている
 それは敵対しているが故
 しかしそこに悪意と害意がまざるかと言えばそうではない
 その言葉に真摯さを感じ取れば、隠す必要性もまた感じられない)

畝傍・クリスタ・ステンデル > 「……そう、なんだ」
ほとんど知らないとの言葉に、当てが外れたようで畝傍は一瞬戸惑うも、
わずかに得られた情報をもとに、再度風間に問う。
「イノーのボーソー……それに、なんらかのじゅつ……やっぱり、シーシュアンがサヤだったのは、まちがいないってことでいいんだね。シーシュアン、ボクにもおしえてくれたよ。シーシュアンは『ご主人さま』にゆがめてもらったんだって。でも」
こちらからも知り得ている情報を開示する。
「……その『ご主人さま』が……たぶん、むかしこの島にいたわるい神さまで。シーシュアンは、もしかしたら、その神さまに……」
俄かには信じがたいことであろうが、
相手が石蒜の過去を知り、『サヤ』を取り戻さんとする者である以上、
話しておかないわけにはいかないであろうと考えた。

風間蒼介 > ただ…彼女は助けを求めたがっていた
でも、その事で誰かを巻き込む事を恐れていた
ゆえに、拙者決めたでござるよ
泣こうが喚こうが助けて、それから余計なお世話と怒られるならばそれもまたよしと
(なぜ自分は敵相手にこんな事を語っているのだろうかのかと思いながら
 そこに詐術を乗せるなど微塵も思わず、ただ自分の思いを口にする
 それはおそらく、彼女も「サヤ」を思いやっていると感じたからだろう)

……古くの神……常世の島…その名付けが古くからあるのならば…スクナビコナ?
同一視された神農という存在…サヤ殿が主人に変えられたという真人という発言…
…しかし悪い神となればその名に反する…が、無視するには情報が整っている
となれば…同一視出来る程度に近く、根本が違う同じ属性を持つ物…
神仙…いや仙道の類でござるか?
(口に出して断片的な情報から一つの仮定を導き出す
 それはあくまで推測、その仮定と結論をあえて言葉にするのは目の前の少女にそれを伝えるため
 答えを答えとせず、その仮定から彼女なりの答えを導く欠片になればと考えて)

畝傍・クリスタ・ステンデル > 「スクナビコナ……?」
知らない名だ。畝傍は改めて説明を続ける。
「ちがうよ。ボクがいってるのは、鳴羅門火手怖<なるらとほてふ>っていう神さま。まっくろで、すがたがいっぱいあって、ヒトのすがたにもなれて……」
鳴羅門火手怖神。千の貌を持つもの。すべてを冷笑する存在。
かつてはこの常世島のみならず、世界中に類似の信仰を広げていた悪神。
その特徴を、畝傍は自身の語彙の範疇でなんとか説明せんとする。
「まえにシーシュアンといっしょに祠をみつけて、ボクもしらべてみたんだ。異邦人街のほうに祠があって、神さまの像もあるんだよ」
身振りを加えつつ、恐らく現在は畝傍と石蒜のみが知っているであろう、祠と神像の存在についても説明した後、
風間の言葉を受け、畝傍は考える。
「神仙……仙道……仙人さま、ってこと?仙人さまも、術をつかえるんだよね」
鳴羅門火手怖神はさまざまな化身をとり、それにはヒトに近い姿も含まれるという。
「……もしかして」
――その仙人が、鳴羅門火手怖神の化身のひとつであるとしたら?畝傍は考えていた。

風間蒼介 > うむ、まあ端的に言うと外から来た神でござるな
悪童的な性格とも医術やまじないの祖とも言われ大陸の神との同一視を…
(解説しようとした言葉は違うの一言で切り捨てられる。がそこに続く名は特級の厄ネタ…)

…燃える三眼?
(失われかけた遠い伝承に断片としてだけ聞き覚えのある名を口にする
 その神性は名状しがたく、ただ悪意と享楽に満ちた…)

いや、あくまで推測でござる。混じる言葉や要素がそれに近いだけ
予断は許さぬでござるが……この世界に伝わる魔術体系の中ではこと人の体を弄る事に関しては頭一つ抜き出た系統でござるし…
拙者もそこに連なる…
(危うく、戦力に関する事にまで口にしそうになり、そこは流石に踏みとどまる)

なんにせよ、良くない流れなのは確かでござるな…
畝傍殿、お主はサヤ殿…そちらの流儀に則るならば石蒜殿の味方…なのでござるね?

畝傍・クリスタ・ステンデル > 「燃える三眼……」
風間の言葉を復唱する。
畝傍の記憶にある、祠に納められていた鳴羅門火手怖神像は、
黒い翼と燃え上がるような三つの目、三本の脚を持つものであった。
続けて、やや顔を下げつつ、畝傍は自身に向けられた風間の問いに応える。
「……そうだよ。シーシュアンはボクのトモダチ。ボクのいちばんは、シーシュアン……そう、やくそくしたの。だから」
再び顔を上げ、眼前の少年に自身の決意を伝える。
「ボクは、シーシュアンをたすけたいんだ」

風間蒼介 > なるほど……拙者に情報を伝えるなど不可解な…と思ってござったが
そういう理由でござったが…
お主は彼女の友になれたのでござるなぁ…
(この時ばかりは感情の緩みを見せ、隙を晒す事になったとしても、堪える事は出来ない
 ああ、良かった…と、心根からの笑顔を見せ)

拙者は…彼女に挑まれれば戦うつもりでござるよ
彼女の衝動の根の深さは判らぬでござるが…行き場を求めているのならばぶつかり合うつもりでござる
無論、お主のいう悪神を探し根を絶つ事が最優先でござるが…
あの様子ならばぶつからずすり抜け本陣だけを狙う事はかなわんでござろうしな
(伝えれば彼女はその時は敵になるのだろうか?
 だとしても、伏せ札にするつもりは無く、手札を晒す)

畝傍・クリスタ・ステンデル > 「うん。シーシュアンはボクのトモダチで……ボクも、シーシュアンのトモダチ」
畝傍は微笑みながら風間に告げる。
その直後、再び真剣な表情へと戻り。
「……だから。ボクはシーシュアンをとめない。でも、ソースケのことも、ボクはとめないよ。ソースケは『サヤ』をしってるから」
詳細な意図までは告げず、続ける。
「ボクは『生きている炎』をよぶ呪文をしってる。『生きている炎』は鳴羅門火手怖がたったひとつ、こわがるものなんだ」
『生きている炎』。あらゆるものを無差別に焼き払い、
それは召喚者さえも例外でないといわれる炎の神性にして、鳴羅門火手怖神の唯一恐れるモノ。
「だから、もしシーシュアンの『ご主人さま』がほんとうに鳴羅門火手怖だったら……そのときは、ボクがなんとかする」
いざという時は、自らの身を焼いてでも石蒜を救いだす。その悲壮な決意の表明。
――彼女は狂っていた。

風間蒼介 > ……良きヒトにござるな、畝傍殿は
拙者も…お主の行動に口を挟む気はござらぬ
拙者の知らぬ「石蒜」殿を知っているのだから
思いは同じでも、見えている物は別…しかしだからこそ、互いに見えぬところが見えると信じているでござるから
(笑みを交わし、真剣な表情になれば同じく気を引き締め、頷きを一つ)

それは……拙者そちらの伝承には詳しくござらぬが…
その炎は…
(その神性に手を出した者はことごとく破滅する、そういった類の代物だったはず
 しかし、自分にはそれを止める手が無い、その打ち筋を排除して迫れる手を持っていない)

畝傍殿…お主が彼女を大事に思うのなら、その重み、彼女も持っていると…そう肝に銘じておいて欲しいでござる
そして拙者、畝傍殿を信じるとしても…任せ切りにするつもりはござらん
拙者達はおそらく、仲間同士にはなれぬでござろうな
だが、志を同じくする事は出来ると信じたい
一つケリが付けば…うむ、友と呼べれば幸いでござるよ
(だから、切れる札はこの身一つ
 彼女が自身を使うつもりならば、自分もまたそこに投じようと)

畝傍・クリスタ・ステンデル > 「…………うん」
頷いたのち、俯く。畝傍の決意は固かった、つもりだった。
石蒜を救うためなら、例え『生きている炎』にその身を焼かれようと構わないつもりでいた。
だが。風間の言葉で、その決意は揺らぎだす。
もし畝傍が鳴羅門火手怖もろとも『生きている炎』に焼かれ、後には石蒜だけが残されたとしたら。きっと石蒜は悲しむに違いない。
畝傍は狂ってこそいたが、正常な判断力を失ったわけではない。それ故、その考えに至るのも容易だった。
ならば、どうすべきだろうか?畝傍は思い悩む。だが。
「……そうだね。ボクも、できることをするから。ソースケは、ソースケにできることをすればいいとおもう。……ぜんぶおわったら、トモダチ……なれると、いいね」
一つケリが付けば――風間のその言葉に、畝傍は顔を上げまた微笑む。

風間蒼介 > うむ、とはいえ拙者不器用でござるからなあ…
全力の説得も通じんかったでござるし
と、なればまあ、腹割って刃を交わすしかござらぬな
(策と言える策はない
 彼女の認識が刀と入り混じっている以上、あれを破壊するのは良くないだろうという最悪を避ける最低限の事しか思い浮かばない
 ただ…彼女の心は未だに揺れ続けているのは感じた
 なら、そこに自分の気持ちをぶつけるほど肉薄するしかない、それだけ)

拙者は拙者が出来る事をするだけ、でござるな
畝傍殿も健勝で…互いの道がいずれ交わらん事を
(頭を一つ下げれば公園の出口に向かう
 口にするのは気恥ずかしく、押し付けがましいが
 狙撃手に対し背を向けることを信頼の表明として)

畝傍・クリスタ・ステンデル > 「うん。おはなし、きいてくれてありがと。バイバイ、ソースケ」
畝傍は左腕で狙撃銃を抱えたまま右手を振り、風間に別れを告げる。
その後再び両腕で狙撃銃を抱え直し、橙色の少女は駆け足で公園を後にした――

ご案内:「常世公園」から畝傍・クリスタ・ステンデルさんが去りました。<補足:短いブロンドの髪と赤い瞳、オレンジ色のボディスーツ姿。狙撃銃を携帯>