2015/06/26 - 14:27~20:16 のログ
ご案内:「打ち捨てられた祠」に石蒜さんが現れました。<補足:黒髪に漆黒の巫女装束の少女。【待ち合わせ中】>
ご案内:「打ち捨てられた祠」にラヴィニアさんが現れました。<補足:水泳部の14歳。イタリアから留学してきた元修道女。今は修道服じみた祓魔戦闘スーツ>
石蒜 > 打ち捨てられた祠、何が祀られているのか、知る者はほとんど居ない。
だが「アハ、アハハァ……ご主人様、ご主人様ァ」祠にすがるように抱きつく、この狂った少女は知っていた。この神が何であるか、どれほど邪悪な存在なのかを。

ラヴィニア > 祠の周りの薄暗い陰に、黒い装いが溶けるように現れていた。
修道服のようでもあるが、そのスカート部は脚の可動用にスリットが入り、
その厚手の生地は魔導合成繊維が編み込まれ強化されている。
中から覗く脚は光沢ある黒いボディスーツ。
ウィンプルから垂れるヴェールは側頭部後頭部だけでなく、顔の前を覆うような薄布があり
それは顔を完全に隠しているわけでもないというのに、奥の顔を『認識できない』ようにしている。

公安委員会直轄第九特別教室『コードネーム:アリアンロッド』は、
その教室機能――――危険な門の開閉の予知、によってこの場の確認にやってきた。
現在、人員の被害により予知精度が落ちているためだ。
そこで見つけたのは、狂ったように笑う声。

第九教室の職務上、到着時に危険存在が現れていることは少なくない。
傍の岩に右手をつけたまま、ゆっくりと陰から祠へと近づいていく。

石蒜 > 少女は、巫女装束のような服装である。しかし純白であるはずの白衣は漆黒に染まり、胸元に赤く不吉な彼岸花の模様。緋袴も、血で染めたように赤い。服の何処にも汚れはないのに、それは穢れた印象を放っている。まるで神に仕えるために着られる巫女装束をあざ笑うために歪められたようだ。
石蒜、彼岸花と名乗る少女は、実際に全てを無価値無意味と断じ、神々すらも冷笑する邪神に仕えていた。

「アハ……ハァ……。」壊れた笑いが止まる。
臭う、嫌な臭いだ、神気臭い、綺麗なものの臭い。私を否定するものの臭い。
ゆっくりと立ち上がり、臭いの元を探す、近くにいるはずだ。
「何をしに来たのか知りませんが、それ以上近づくならこちらにも考えがあります。」薄笑いを浮かべながら、警告する。

ラヴィニア > 相手の姿を認めたところで、やってきた声に足を止めた。
公安委員会の人員は、風紀委員会が公にしている重要案件に関しては目を通している。
それは勿論警戒のためでもあるし、“ナワバリ”の距離を保つためでもある。
そこから、記憶を引き出した。
石蒜と名乗っている凶刃……ここにいる理由が推し量れず、ヴェールの下で目を細める。

予知とはただ空間的なものではなく因と果のもの。
この場所かもしれないし、目の前の少女かもしれないし、また今見えているものとは全く別の何かの因果が予知に現れたかもしれない。
精度の落ちている今では余計判断がつかない。
しかしあるいは何かを知っているかもしれない。
この祠が何かも、異邦人街の特色上よくわからないままここに来ているのだ。

「……考え? こんな所に潜伏していたのですね。
色々とお元気になさっていると聞いておりますが……」

石蒜 > 足を止めた。神気臭い、イライラする。ただでさえ、『サヤ』が私の中で暴れていて気分が悪いのに。

「誰ですか、知りませんよあなたのことは」元気にしている?何処がだ、馬鹿にしているのか。苛立ちを隠そうともせず、相手を睨みつける。

「ここは私の大事な場所、誰にも渡さない。あなたの臭いはとても不快だ。これ以上ここにその臭いを植え付けるようなら……」右手に刀を呼び出して、構える。明確な殺意と敵意を、相手に叩きつける。

ラヴィニア > 隠そうともしない敵意に、薄いヴェールに覆われていない口元が薄く上がった。
笑う。

しかけてきたのは向こうだ。
第九教室の危険予知はここに反応した。なら目の前の相手は重要参考人と言える。
風紀委員会に対してはなんとでも言い訳は立つ。
それに最近はもう。

「不快、ですか。申し訳ございません。聖潔に心がけておりますもので」

軽く会釈するようなポーズをとり、ヴェールの下から上目遣いに相手を見た。
あまり堪えられない。

「でもわたくしは、薄汚れた貴女様のような臭いは嫌いではございませんが」

嗤う。

石蒜 > あからさまな挑発に、ケシ粒ほどの理性は吹き飛んだ。
犬歯を剥き出しにして、怒りに顔が歪む。
「後悔させてやる……!!」足と地面を斥力で反発させ、一気に跳躍して飛び込む。私に染み付いているのはご主人様の匂い、それをこの女!!

「シッ!!」裂帛の気合とともに、全力の袈裟斬りを放つ、まともに当たれば肩口から胴を斜めに切断するだろう。

ラヴィニア > 石蒜が踏み出す瞬間、ラヴィニアが岩につけた右手がかすかに輝いた。
後ずさるラヴィニアより、当然石蒜の踏み込みのほうが速い。
だが刀が切り裂いたのはラヴィニアではなく、その場から壁のように形を代えて引き伸ばされた岩。

ゴン、と歯車の回る音がした。

斬撃と同時にぼろぼろと崩れていく岩壁の向こうで
後ろへ下がった修道女の右手には黒い塊が握られている。
ベルギー製自動拳銃、FNZ-9F MK3。
岩からきっちり同じ形で削り取られた穴も崩れた瞬間、撃鉄が起きて金属爆薬が弾丸を放った。
そのまま石蒜に向けて3射される。

石蒜 > 刃が止まる、岩の壁?!しかしそれも一瞬で崩れ去る。
時間稼ぎのつもりか、さらに踏み込もうとしたところに、相手の構える黒いものが見えた。穴が、こちらを向いている。
「くそ……!」斥力の力場は足に使っている、手元に移動させるのも間に合わない。狙いは、頭か。致命傷だけは避けなくては。
首をひねり、左腕で防ごうとする。一発目が左腕の骨に食い込む。
二発目が左肩を、三発目に刀を戻すのが間に合い、なんとか弾いた。腕にビリビリと痺れが走る。
銃弾の運動エネルギーをその身に受け、体重の軽い体が吹き飛ぶ。
痛い、痛い、骨にまで届いた。全身を衝撃が貫く。
痛みは快楽へと変換され、吹き飛びながら恍惚とした笑みを浮かべた。
空中で体勢を立て直し、ふわりと着地。

「楽しい、楽しいですね……ハハ、アハハハハ。銃ですねそれは、とても痛い。いい武器だ、アハハハハ。」壊れた笑い声、その傷口から温かい血が流れることはない、そういう体なのだ。滾るのがわかる、イライラも不快感も吹き飛んだ。殺し合いこそ私が求めていた薬なんだ、素晴らしい、なんて素晴らしいんだろう!

ラヴィニア > 射撃を終えた贋の自動拳銃は反動に耐え切れないというふうにラヴィニアの白い手から崩れていった。
そのまま後ろに下がりながら両足を開いて腰を落とし、地面に両の指先をつける。

「ディアーボロめ……」

笑う石蒜の、血の流れない体を見て呟く。
しかしその口元は赤い舌をちろりと覗かせて、唇を舐めた。

地面に指をひっかけて引き上げるようにすると、そのまま地面が黒い砲身として持ち上がった。
修道女が跨るのはGE-SS社の魔導力式ガトリング砲XXM247。
機構はラヴィニアの処理された脳が完全に記憶している。
電動バッテリーの必要ないそれが、触れるラヴィニアから魔力を供給されて石蒜に砲身を向ける。

石蒜 > 「悪魔、ハハ悪魔とは手厳しい。人は辞めましたが、ふふふ、悪魔とは……。」でも相手も楽しそうに見える。同類かもしれない、なら私も楽しませてあげないと。

そして、相手の創りだした黒く、大きい機械を見て。
ああ、あれはまずいな。あれを食らったら、きっと全身がバラバラになって痛いどころじゃ済まないだろう。
想像するだけでたまらない、ビクビクと一部が跳ねている。でも駄目だ、勝たないと、快楽の追求はひとまず置いておこう。

接近するために、駆ける。大きい銃は取り回しも効かないだろうと過程して、大きく横移動しながら近づく。今斥力は左手に集めている。数発なら、飛んできても防げるだろう。

ラヴィニア > レーザーのように弾丸が溢れるが、横に振った石蒜のほうが速い。
追いかけるように砲身が追いすがり、祠の周りを弾雨が吹き飛ばしていく。

その振動を下腹部に感じながら。声を上げた。


                 「“すべての敵の顎を打ち”」

              「“神に逆らう者の歯を砕き給え”」

「“破戒の者に向かう力を”」

「“いま41の釘を撃つ”」


造られた機関銃は自身の射撃に耐え切れず崩れて、土は土に戻る。
地面を撫でるようにしながら体を持ち上げ、回りこむように駆け寄る石蒜へと正面を向けた。

同時に立て続けにラヴィニアの横手に立ち上がっていく。
地面から合計六本のメイス。

石蒜 > 「アハハハハハ!!」やっぱり当たったら大変だった!石がまるで砂のように崩れていく!その破壊力を間近に見て、それを紙一重でかわしていることに、狂喜する。この相手、容赦がない。それがいい、それがたまらない。

相手の銃が崩れ去ると同時に屈んで足を止める。ザリザリと地面を滑りながら、小石を一握りつかみ、勢いを残したまま走りだす。
しかし今度は横ではなく、直線。まっすぐ相手に向かう。

走りながら左手を前に突き出し、親指で小石を弾く、斥力も使って発射されたそれは、音速を突破し弾丸のように向かう。
次々と小石を連射し、敵の動きを止めながら刀の間合いまで接近するつもりだ。

ラヴィニア > 「“Exsurge Domine”」

声とともに黒い修道女の全身が光の帯に包まれる。
立ち上がったメイスの一つを左手が掴みとり、上下左右に豪速で振り回す。
身体強化。
連射される弾丸を4つ叩き飛ばして、メイスごと砕け散った。

その時には侍が白兵距離に入っている。
左右の手にはメイス。
地面には残り3つ。

石蒜 > 槌矛、あれは痛そうだ。それに、ただの鈍器ではないだろう、魔術か何か、込められていそうだ。ならば……
左手に残っていた小石を、斥力をつかって加速させ、相手の顔めがけてばらまくように投げる。
さっき撃ったのほどの威力はないが、目潰しぐらいにはなるだろう。
そして右手の刀で、地面をこするようななぎ払い、狙いは相手の足と、地面に突き刺さった三本の鎚矛!

ラヴィニア > 「あ、は」

ヴェールは顔を隠すためのもの、防御力はない。
だから飛び出るように体を倒した。

向かって左、相手が薙ぎ払ってくる右手の刀の方へと倒れこみながら、左手のメイスを地面に立てて支え/守りとする。

そして倒れる流れのまま、右手を振り上げる。
上から下へ叩きつけるように。

石蒜 > 一撃で破壊、は無理か。やはりただの武器ではない。
倒れこんでくる相手を見る、楽しんでるか?私は、最高に楽しい!
素早く刀から手を離し、拳を握り。刀を振った勢いそのままに相手の顔に拳をお見舞いしようとする。

そして、魔術によって斥力をまとわせた左手を頭上にかかげて、降ってくるであろう鎚矛に、備える。

ラヴィニア > 硬い。確かに異能によって自在に金属へと変成されたメイスは高い強度を持っている。
だが刀を防いだところまでだ。
その衝撃で構成そのものが崩壊したメイスは土へと還る。

そして倒れこみながら叩きつける右のメイスはそのまま、横合いからやや振り上げられた拳が顔面を打った。

「……ぎ ッ」

石蒜 > 殴った、拳から伝わってくる、肉の感触。いい、すごくいい!
たたきつけられた鎚矛は、左手の斥力で自分から見て左に力の方向をそらし、地面を叩かせた。

上半身を左にひねって殴りぬいた姿勢。異能を使って手元に刀を出現させ、握る。
ひねりはそのまま力の溜めとなる、足を踏ん張り、慣性に逆らって胴を右にひねる
「シャーッ!!」気合とともに、呼気が音を立てる。相手の胴へと左からの斬撃!!

ラヴィニア > 地面を叩いた右手のメイスはそこで崩れて消えた。

殴り抜けられた拳。
視界が衝撃で一瞬白く染まるが、エクススルゲドミネの効果で衝撃はやや軽減されている。
すぐに立て直す。
向かってくるのは引き絞られて逆に薙がれようとする刀。
体勢上から回避はできない。

が、異能“貧者ノ富(インドゥルゲンティア)”がメイスを失って先につけた左手から発動している。
体が、持ち上がる。
手をつけている地面そのものが隆起し、一気に上へ。
そして隆起部分を作り出しているのは、石蒜が踏みしめる場所だ。
相対的に高速で上下に引き離される。

石蒜 > 「……ッ!!」さっきの石の壁といい、銃といい、触れたものを操作する能力らしい。隆起した地面に刀が半ばまで食い込む。同時に自分は沈み込んでいく。引き離される……!刀を握る手が離れる。飛び上がろうにも踏ん張りが効かず、地面を蹴れない。
気づけば穴の底、今銃の類で撃たれたら、一方的だ。急いで足に斥力を集中させ、壁を三角飛びで登り、逃れようとする。

ラヴィニア > 銃を生成してから抜き放ち射撃する。
接触している手はたった今盛り上がる土についている左手だけなのだ。
それには時間がかかりすぎる。

「あっは……」

だからそのまま左手を離し、体を倒した。
急いで穴から脱出しようと土を駆け上る石蒜の直上へ、土の塔から落下する。

石蒜 > 登りながら見上げる、撃ってこない。代わりに、落ちてきた。
なんのつもりだ、捨て身の攻撃?
ああ、でも、楽しそうだな。笑っているように見える。
刀を手元に呼ぼうとして、やめた。
その代わりに、両足で突っ張って、腕を広げる。
まるで恋人が抱きついてきたように、笑顔で受け止める。
「アハハァ、ハハ……。」相手が抵抗しなければ、しっかりと抱きしめて一緒に穴の底まで落下するだろう。

ラヴィニア > お互い知らないが同じ年齢。石蒜ほどではないにしろ欧米人にしてはラヴィニアも小柄な方だ。
少女の体が二つ、重なりあって落下する。

「……っか、は……う、ふふ……この、邪悪な異教徒め」

ヴェールの向こうの顔が笑う。

石蒜 > 下になったまま、笑う。背中に響く痛みが心地よい。
「ふふ、くふふふふ。そうです、私は邪悪。ふふふ、ならあなたは何ですか、正義ですか?私の胸に飛び込んできたくせに。殺しあううちに愛しくなりましたか?」結局あんたも同類じゃないか、狂ってるんだ。

ラヴィニア > 「う、ふふ。わたくしは貴女のような方を……ッ」

馬乗りになり拳を振りかぶった。
先ほどの仕返しというわけではないだろうが、石蒜の顔面へ振り下ろす。

「清めるのが務め! ええ、愛しておりますわ……隣人も、敵も、愛するものです……ッ!」

石蒜 > 「アハ、アハハハがっ!」笑い声を上げる顔面に、拳が叩き込まれる。
やりやがったな/ありがとう、この野郎。
「じゃあ、私も愛してあげましょう…!!」相手の鼻めがけての、右の拳

ラヴィニア > 「あぎゅ……く、は……っ❤」

叩きつけられ、鼻から血がばたばたと垂れ落ちる。

「抵抗する、なんて……なんていけない人なんでしょうか……!
わたくしが祓ってさしあげようと言うのに!!」

殴るというよりは握った右拳の底で叩くようにしながら、四方囲む土の壁に右手で触れた。
土が石蒜の体を拘束しようと四肢へ伸びる。
勿論、攻撃を与えれば簡単に崩壊するものではあるが……。

「何をしていたのか……正直に吐き出してくださいませ……ッ」

石蒜 > 垂れた血が石蒜の口元にかかる。舌を出してそれを舐める。
「あはぁ…♥」美味しい、今まで何度か血は舐めたが。格別の味だ、達しそうなほど。

四肢を拘束する土には、あえて無抵抗で受け入れた。その方が楽しくて、気持ちいいから。
「聞かれて話すとでも?お願いしますはどうしたんですか、礼儀の基本でしょう?」期待に目をうるませながら、挑発する。もっとだ、もっと傷めつけて欲しい。

ラヴィニア > 「お願い、致します! お願い……致します! お願い……いたします!!」

言うたびに両手を振り下ろす。

「正直に全てを告白なさってくださいませ……ッ
一体ここで何をなさっていらっしゃったのかしら……ッ
ここは一体どういう祠でございますか……ッ
ご主人様という言葉が聞こえましたが一体どなたでいらっしゃるの……ッ
ほら、ほら、ほら、“あなたがたは盗んではならない。欺いてはならない。互に偽ってはならない”……ッ」

石蒜 > 「アハハがっ」痛い♥「ぐっ」痛いッ♥♥「うぎっ」痛いッッ♥♥♥♥♥

「~~~~~~っはぁ♥♥」殴られる度に、達した。全身がくたりと弛緩する。きっと鼻の骨は折れているだろう、じんじんと痛みが持続する。

「私はぁ……♥こ、ここで……ふふ、ご主人様の、残り香で……シていましたぁ……♥♥」浅ましい笑みを浮かべながら、一つ目に答える。

「もっと答えるには、足りませんねぇ……。」ねだるように相手の拳を見る。

ラヴィニア > 「は……はっ…………は……っ❤
なる、ほど……頑迷な方でいらっしゃいますね……」

言って、息を整える。
頭の冷静な部分が、あまり長居することのリスクを訴える。
どういう場所かはっきりしていないのだ。誰が来るかもわからない。

この相手を“審問”にかけよう。殺さず、封印する。
そう決めて、馬乗りになったまま顔を上げた。

「“鉄槌はそこ。十字架はここに”」

石蒜 > 「ああ、駄目ですよ。それは駄目だ、私は自由で居たい。」おそらく拘束して、どこぞへ連れて行くつもりだろう。それは避けたい。

異能を使い、隆起した土に突き刺さったままの刀を操る。
刀はひとりでに土から抜け、回転しながらラヴィニアの背後に迫る。
「後ろにお気をつけて……♥」嬉しそうに、あざ笑うように、言う。

しかし狙いはラヴィニアではなく、拘束する土。ラヴィニアが刀を避ければ、次々と拘束を切り払って脱出することだろう。

ラヴィニア > 「――ッ!」

詠唱中断。背後から迫る刃に、石蒜から飛び退いた。
拘束は外部から衝撃を受けるとあっさり崩壊する。
それが異能“貧者ノ富”で操作された物質のルール。

「あらあら、いけない方ですわね……」

狭所で剣士との白兵戦は危険すぎる。そのまま異能によって取り囲む土を操作。自分だけ奥へと。

石蒜 > 追撃をしようとするが目の前で横穴が土に埋まる。
土中を自在に動ける相手に、穴の底では分が悪すぎる。
今度こそ斥力を使い、三角飛びで穴から脱出する。

しかし、この状況存分に戦えるとは言い難い。この祠が何を祀ったものかを知られるのは、良くない気がした。
だから地上に出ると即座に祠へと走り、内部の神像を取り出して懐に入れる。
「あなたは楽しい、本当に楽しい。素晴らしい相手だった、感謝したい!ああ、愛すら感じますよ!でも、この祠について知られるのはまずい。」
この祠の神の名が刻まれた石の柱を、斥力を込めた拳でバラバラに破壊する。

ラヴィニア > 「やはり何かご存知のようですね」

土を操作し地上に上がると、相手が何かを砕いた後だった。
ヴェールの下で瞳が怪訝そうに細められる。
何らかの証拠を隠滅したのだろう。
だとすれば最重要なものはもう失われてしまったことになる。
場所はわかっている以上、今はこれ以上深入りする必要はない。

口元に垂れてきた血を舌で拭う。

石蒜 > 「ええ、ええ、知っていますよ。この祠に祀ってあったのは何か、それがどのような存在か。でも教えてあげません。」薄く笑い、首をふる。無粋な真似をしてくれた罰だ。
「あのまま殴り続けてくれたら考えましたが……捕まえるのは駄目だ。興ざめですよ。」じりじりと、下がる。左腕は何かを抱くように胸元に。右手の刀の切っ先を向けながら、逃げるために下がる。

ラヴィニア > 石蒜に同じくじりじりと距離をとる。
逃亡するということなら致命的なものがここにあるわけではないのだろう。
しかし一応は調査対象にする必要はあるか、と。

「今度はちゃんと、叩き潰して差し上げますわ。
その無粋な刃物と一緒に」

ヴェールの下の口を釣り上げる。

石蒜 > 「アハァ……そうしてください、私もあなたを細切れにしてあげます。期待していますよ。」熱い息を吐く。

ジリジリと後退を続け、両者の距離が逃げるのに十分なほど開けば、身を翻し、夜の闇の中へと消えていった。

ラヴィニア > 石蒜が闇に消えた先へ、ゆっくりと頭を下げる。

そして携帯端末を取り出した。

「……はい、アリアンロッドです。
ええ、はい。……風紀が手配している相手ですわ。
いえ、わかりませんでした……協力者がいたようですので」

担任である“シビュラシステム”が重体である以上、今の予知はあまり確度が高くない。
そもそもどういった危険であるのか、本当に自分たちの管轄であるのかもはっきりしないのだ。
これ以上の調査自体は通常の公安委員会所属者に任せることになるだろう。

通信を終えると、胸に手をあててふううーっと息を吐いた。

「ふ、うふふ……今は、帰りましょうか」

ご案内:「打ち捨てられた祠」から石蒜さんが去りました。<補足:黒髪に漆黒の巫女装束の少女。【待ち合わせ中】>
ラヴィニア > そして黒いスカートを翻し、その場を後にした……
ご案内:「打ち捨てられた祠」からラヴィニアさんが去りました。<補足:水泳部の14歳。イタリアから留学してきた元修道女。今は修道服じみた祓魔戦闘スーツ>