2015/06/27 - 04:08~11:09 のログ
ブリガンテ > 二人は縦に並び走っている。互いの間合いではない距離で先頭が太もも辺りに収められていた投げナイフを抜きそのまま投擲する。
尚も距離を詰めつつもう一本別の刃渡り20cmくらいのしっかりとした造りのナイフを抜き逆手に持ち横方向に薙ぐ。
後ろについている方は近づいている間右手に拳銃を、左手にナイフを握った。
そして先頭が注意を引いている間に回り込もうとするのだ。
カルマ > 「おっ」
(投げナイフ。金属製のそれがまっしぐらに向かってくるのを見た。かわすことはせず、ナイフの柄を拳で叩いてあらぬ方角へと弾き飛ばす。わずかな隙を見つけ男一人が肉薄していた。逆手持ちの一撃。)
「―――つ、ぅ……」
(左腕が切り裂かれる。血液が玉となりて空中に飛び出す。左腕を大きく振り回すと、反動を利用して右腕を蛇のようにくねらした。狙いはすなわち男の頭部側面からのジャブ。成功してもしなくても、背後に回り込もうとする男への対処にはどうしても時間を要するだろう)
ブリガンテ > 「アアアアア!!」
振り切った腕をそのままに攻撃を避けようともせず、さらなる一撃を与えんと突き進む。
己というものを捨てた姿勢はまるで死兵の様で攻撃を受けた上で肉薄し、逆方向へ腕を戻す。
自然とナイフを突き立てるような形になるだろう。
そして二人目がその横から左手でナイフを突き出す。
カルマ > (ガツン。拳をたたきつけた感触。頭蓋骨の奥まで損傷を与えかねない衝撃が腕に伝播した。たとえ防具があろうとも女の側面からのジャブは正面からやってきた男を昏睡させるであろう。
迫るナイフ。ほぼ同時に二回攻撃。どちらかをかわさねばならない。対処できるのは一回の攻撃のみだろう。
女は正面からの攻撃への対処を選んだ。相手の腕の中に強引に腕をねじ込み関節の動きを制御する。武道に置ける『受け』と同じ。ナイフの切っ先は女の頬を掠めるにとどまった。
――が。)
「…………っぐ………」
(横合いから伸ばされたナイフが女のボディーアーマーの隙間を縫って腹部へと侵入していた。
女の姿勢が一瞬よろめくが、)
「お、おおお……いったああああいっ!!」
(逃げ延びる。絶叫をあげてその場から全力で距離を取るべくナイフの刺さっている向きとは逆向きに跳躍した。ナイフがすっぽ抜ける。女はあわただしく受身を取ると、横っ腹を押さえて残る一人へ向き直った)
「ふふ………クソ痛い。でも、まだやられない」
(傷ついた左手で穴の開いた腹を押さえ、右手で構えを取る。血液は手からこぼれ地面へと滴っていく。)
ブリガンテ > 1対1のサシとなり、互いに正面向き合う。なんて恐ろしい女だ、と心の内で愚痴る。
多少、油断があったとは言えここまで被害を受けるとは。
「……見事だ、その戦いぶりは賞賛に値する。
だが、その傷では厳しいだろう? そこで提案がある。」
初めて口を開き、カルマへ提案を持ちかけるのだ。
「こちらもこれ以上は消耗したくないのでね、痛み分けという事で見逃して貰えないだろうか?
その代わりにこちらからは応急処置できるキットを渡そう。」
カルマ > 「引き分け……? うーん」
(男が始めて口を開いた。傷口のことも忘れて考え込む。
損傷は左手の裂傷。腹部の穴。ほかになし。が出血は激しく戦闘を継続できるとも思えなかった。相手の数を残り一人まで減らしたことは十分な戦果だが)
「しょうがないなあ………なんかヤバイ事件に関与してる重要参考人あたりとして引っ張るつもりだったけど、お兄さん強いしこの辺にしとく」
(構えを時、さあ早くしなさいと言わんばかりに手を伸ばす。キットをよこせば受け取ろう。出血で頭がクラクラしてきたようで、呼吸が早い。いずれにせよ相手を止めることはできない)
ブリガンテ > 「交渉成立だ、受け取れ。」
そう言って救急キットを投げ渡し、最初の体当たりで吹き飛ばされた兵士を起こす。
そして二人で協力して残りの兵士を抱えカルマの脇を通り立ち去るだろう。
ご案内:「路地裏」からブリガンテさんが去りました。<補足:5人1組の戦闘部隊 現代の特殊部隊のような軽装で骸骨をあしらった目だし帽を身に着けている>
カルマ > 「サンキュー」
(キットを受け取る。相手が去るまでは何もしないでおく。相手が去るや否やぶっ倒れる。仰向けに)
「くぅぅ……久々にきくぅ……」
(治療しなくては。仲間を呼ばなくては。思いつつも動けないでいた)
カルマ > (端末を取り出して仲間の番号へとセット。通話開始と同時に現在地を調べておく。)
「もっしー。うん。カルマ。妙なのに襲われて刺されちゃった。うん。あーそうね死なないと思うよ多分。あとよろしく」
(通話終了。上半身を起こすと上着を脱ぎボディーアーマーを取る。ビジネススーツのシャツを上に上げる。治療キットの消毒液をとりあえず半分かけて傷口を洗浄し、手早く包帯を巻きつける)
「いてて……」
(内臓には刺さっていなかったようだった。ごしごしと涙を拭う)
カルマ > 「……楽しかった」
(恍惚としたやわらかい笑みを浮かべる。
強い人にあえてよかったと呟くと治療を再開する。仲間が駆けつけてきたのは数分後のこと。
負けたならばとにかく、引き分けになった以上事実は報告書としてあげられることになるだろう。)
ご案内:「路地裏」からカルマさんが去りました。<補足:風紀委員制服/メガネ(新調)/スタンナックル/ボディーアーマー/乱入歓迎>
ご案内:「路地裏」に薄野ツヅラさんが現れました。<補足:赤いジャージにヘッドフォン。右手に金属製の前腕部支持型杖、左腕には公安の腕章。>
薄野ツヅラ > ───カツリ、カツリ。
つい先刻失った「彼女」と出会った其処に、彼女は居た。
人通りの少ない朝の落第街の路地裏。
何時だったか、『一般生徒』として公安委員の仕事に茶々を入れようとしていたのを覚えている。
「───随分と昔のことみたいだけど、まだまだ最近なのよねェ」
ぼんやりと呟きながら、廃ビルに足を踏み入れる。
取り壊される寸前のビルの階段を、カツリ鳴らしていく。
ご案内:「路地裏」に薄野ツヅラさんが現れました。<補足:赤いジャージにヘッドフォン。右手に金属製の前腕部支持型杖、左腕には公安の腕章。>
薄野ツヅラ > のんびりと、自分のペースで階段を上る。
さて何段目になったかと云ったところで、目の前の階段は途切れる。
ビルの屋上に続く、鍵の掛けられていない扉。
ギイイ、と独特の金属音を立てながら扉を押し込む。
開いた隙間から、暗いビルに灯りが差し込む。
眩しそうに目を細めて、其のまま一気に力を入れる。
「ンッンー──……やっぱりこうじゃあなくっちゃねェ……
あくまでボクは"落第街"の人間。
こう云う場所の方が落ち着くあたり正義の味方なんて向いてないんだと思うわぁ」
────雲一つない晴天。
真っ青な空が近くなったように感じる。
落第街の廃ビルの屋上で、薄野ツヅラは上機嫌に空を仰いだ。
薄野ツヅラ > そんな正義の味方に成り切れない彼女は、歌うように言葉を紡ぐ。
今はもう居ない「彼女」に届けるように。
云いそびれた「ありがとう」と一緒に。
「彼女」から受け取った魔術の欠片を、風に乗せるように。
さながら吟遊詩人のように目を瞑って言葉を綴る。
其れは、呪文であり────祈り。
ご案内:「路地裏」にスラッシュさんが現れました。<補足:女性。髪は腰まで届く藤色の縦ロール、やすっぽい天使のわっかのおもちゃ、制服の上にジャージを着ている。涙ホクロと真っ赤な口紅が特徴的。>
薄野ツヅラ >
『───巻頭歌』
『───胎児よ 胎児よ。』
『───何故躍る。』
『───母親の心がわかっておそろしいのか。』
『───お前の母は、人を喰らった。』
『───為らばお前も人を喰えよう。』
───ジャラリ、左手には漆黒の鎖が。
スラッシュ > 扉に手をかけたところ、先客の存在に気付いたのか、踵を返してその場から去った。
ご案内:「路地裏」からスラッシュさんが去りました。<補足:女性。髪は腰まで届く藤色の縦ロール、やすっぽい天使のわっかのおもちゃ、制服の上にジャージを着ている。涙ホクロと真っ赤な口紅が特徴的。>
薄野ツヅラ >
『───幕間歌』
『───ああア──アア──あああ。』
『───右や左の御方様へ。』
『───右には彼女の愛した秩序を。』
『───左には彼女の犯した叛逆を。』
『───堂々巡りの思考の海に目眩を落として。』
───カチャリ、右手には純白の鎌刃を。
薄野ツヅラ > 謳うように言葉を紡ぐ。
「彼女」が振るう大鎌程ではないが、其れを幾らか小さくしたような純白の鎌刃と漆黒の鎖。
両手を大きく広げて、安心したようにふんわりと笑顔を浮かべる。
「彼女」のオリジナル、『万物を切り裂くアダマスの鎌』を思い浮かべながら。
彼女の双眸が、「彼女」の双眸と同じように赤く、血のように赤く輝く。
───「彼女」の奇跡を喰らったんだ、出来ない筈がない。
薄野ツヅラ >
『───巻末歌』
『───顕現せし万物を喰らうクロノスの鎖よ。』
ドグラマグラ
『───言葉を綴るは堂廻目眩。』
『───胎児は果たして夢を見るか。』
『───アア、《私》はいったい誰なんだい。』
『───教えておくれよ、《彼女》がそうして呉れたように。』
───ゆらり、幽鬼の如く。
────白い死神のように、血のように紅い双眸を煌々と煌めかせる。
────白い死神の名を冠した、彼女の置き土産たる其れを振るう。
────『万物を喰らうクロノスの鎖』
薄野ツヅラ > 詠唱を、終える。
彼女が振るうことでしか為し得なかった正義を、自分は縛ることで為す。
見た目以上に、彼女の武器はものを云う。
『万物を切り裂くアダマスの鎌』を親に持つ『子』は、徐々に彼女の手に慣れていく。
ずっと前から傍に在ったかのように。
大粒の涙を溢しながら、今日も彼女は笑う。
「アァ───出来たよ、お嬢さん」
昨日から幾ら泣いたのかも数えられない。
されど、どうしても「彼女」を思えば胸が苦しくなって。
其れ故にこうして、見ているかも解らない「彼女」に話しかける。
薄野ツヅラ > 屹度、其れももう最後であるのだろう。
十分もう「彼女」に届いていると思った。
「彼女」が憧れた公安委員に。
法の番人として、「世界」を守るような存在に。
───屹度もう、為れると思ったから。
召喚した鎖を、屋上から地面に放り投げる。
落ちる直前で其れは、ふわり風に呑まれた。
薄野ツヅラ >
────公安委員会直轄第二特別教室所属『前室長補佐代理』
────活動名『クロノス』
消えた彼女の残滓は、遺志は。
今も、彼女のことが大好きだった後輩に。
世界で二番目に彼女のことが大好きだった後輩の中に、今も生きている。
薄野ツヅラ >
「おやすみなさい、先輩」
カツリ、杖を鳴らす。
廃ビルの屋上を、早足で後にする。公安の業務はまだまだ残っている。
大好きな先輩が暴れたせいで書く羽目になった始末書も2割も終わっていない。
終わったのは『クロノス』の物語だけだ。
他の組織はまだまだ息をしていれば、何一つ解決していない。
────其の終わりの先を、薄野ツヅラは、綴る。
薄野ツヅラ >
────物語は、未だ始まったばかりなのだから。
ご案内:「路地裏」から薄野ツヅラさんが去りました。<補足:赤いジャージにヘッドフォン。右手に金属製の前腕部支持型杖、左腕には公安の腕章。>