2015/06/27 - 22:49~01:27 のログ
ご案内:「大浴場」に神宮司 ちはやさんが現れました。<補足:髪をひとまとめにしている。リラックスウェア姿>
神宮司 ちはや > (時刻は常世自然公園から帰宅してしばらく経った後。
 夕食前に汗を流そうとおふろグッズと着替えを揃えて大浴場へ向かう。

 いつもなら部屋のユニットバスで済ませるがあれからどこか心ここにあらずで、ぼんやりしてばかり。
 深い考えもなしになんとなく大浴場へ足を向けた。

 運良く人は居ないようだ。脱衣所で衣服を脱ぐ。
 細く白い、貧弱そのものの体を鏡で見てはぁと溜息をついた。)

神宮司 ちはや > (例えば、これでもっと背が高くて、足とか長くて
 女の子みたいなんて呼ばれるようなものじゃなくて、
 筋肉とかがあって髪とか短かったら……
 カッコいいっていわれるような自分だったら……

 そこで楓のあのいつもの柔和な笑みを思い出してぼんっと音がするほど真っ赤になった。
 慌てて頭を振ると余計な考えを押しやり手拭いを腰に巻いて
 浴場の引き戸を開けた。)

神宮司 ちはや > (カポーン。浴場特有の効果音。いや実際には鳴っていない。
 部屋の風呂よりも広々とした浴場は床のタイルも壁も綺麗に清掃されている。

 沸かしたてのようで湯けむりが湧いていた。
 まずは体を洗い流そうと、端の洗い場へ椅子を置いて座る。
 湯おけに蛇口からの湯を注ぎさっと体へ掛け流した。
 ああ、さっぱりする。ほっとため息。)

神宮司 ちはや > (ひとまとめにしてアップにしていた長い長い髪を解くとシャワーの栓を開く。
 手で湯の温度を確かめてから頭の天辺へ一気に流した。

 これだけ髪の量があると洗うのは一苦労だ。それにすぐあちこちに触れて汚れてしまう。
 毎朝自室で洗髪をするのがいつの間にか日課になっていた。
 備え付けのシャンプーボトルから適量を手のひらに出すと泡立ててから髪に塗りつけた。)

神宮司 ちはや > (わしゃわしゃわしゃと両手で髪を洗ってゆく。
 時折悩めるようなため息を吐きながら、そしてそれに気づくと首をふること数回。
 すっかり洗いあげると一度シャワーですすぎ、ついでリンスを手に取る。

 癖のない髪につけて手櫛でとかし、全体に行き渡らせるととさっさとまた湯ですすいだ。
 やっぱり髪が長いのは先輩好きじゃないかな、切っちゃおうかな…… )

神宮司 ちはや > (ぽたぽたと水滴の滴る髪を指でつまみ、先程よりも深い溜息。
 別に用意した手拭いであらかた髪を拭くと、またひとまとめにしてアップにする。

 気乗りのしない様子でボディーソープを泡立てタオルで体を洗い始める。
 なんだか頭にもやがかかったみたいで、ぼんやりする。
 出かけていた間はあんなに軽かった胸の内がしぼんだみたいに重い。憂鬱だ。)

ご案内:「大浴場」にビアトリクスさんが現れました。<補足:これはわたしのタオルだ>
神宮司 ちはや > やだなぁ……

(何がいやなのかはっきりしないのにそう呟く。
 もやもやもやもや、胸の内で渦を巻く何か。

 いつの間にか体を洗っていたタオルもお湯も冷め切っていた。寒さにぶるりと震える。
 慌てて新しい湯をくみなおして体に掛け流した。)

ビアトリクス > (最近どうもついてないな……)
猫にはひっかかれるし近日中にロストサインに絡まれるような気もする。
憂鬱なため息を吐きながらタオルを巻いて浴場に入る。
大浴場自体は好きなのだが、裸体を人に見られるのは好きではない。
そこで人のいなさそうな時間を選んで入ったのだけど。
どこかで見たような背中がいる。

(貧相な体つきだな……。本当に男か?)
完全に自分を棚にあげて心中で呟く。
観察はそうそうに少し離れた洗い場で身体を洗い始めた。

神宮司 ちはや > (一度崩れた気分はそう簡単には治らない。しょぼしょぼのグズグズだ。
 眉根を寄せたまま立ち上がるとふらりと立ちくらみがしてたたらを踏んだ。)

……?

(なんだろう、湯あたりしちゃったのかな。首をひねるとおふろセットを脇に抱え、浴場の隅っこに置くと湯に浸かろうとする。
 ぺたぺたと歩いて足を入れた瞬間、ふらりと体が傾いて――

 ばしゃーん!ちはやは前面からお湯に突っ込んだ。)

ビアトリクス > うわーすごい見事な転び方したなー。
現実にあんな転び方するやつがいたんだー。
なかなか貴重な光景を見てしまった気がする。

「じゃなくて!」

さすがに傍観はできない。
二の舞いにならないよう足元に気をつけながら湯船へ駆け寄って
突っ込んだちはやの身体を抱え起こそうとする。

神宮司 ちはや > (ぷかーっと何の抵抗もなくちはやは水面に浮かんだ。
 まとめていた髪がほどけて水面に広がる。
 とても危険だ。ビアトリクスが湯をかき分け自分を助け起こすと上半身を起こした。
 ぐったりとしながら瞼を閉じていたが自分を支える人物に気がつくと薄く目を開けた。)

……あれぇ、ひえのさん?

(どこかぼんやりとした視線を向ける。)

ビアトリクス > 小さくてやわらかい身体だ。
ではなくて。首を振る。
「…………」
蛇口から冷たい水を出して頭からかぶせた。

「大丈夫か。何ぼーっとしてるんだよ、まったく……。
 それともいつもこんなボケボケなのか?」
不機嫌な様子で。

神宮司 ちはや > (冷水を頭から浴びせられると一瞬びっくりしたように体を震わせて
 それから動物が水をはらうようにぷるぷると頭を振った。
 先程よりかは幾分マシになったとはいえどこか顔が赤いし、口調も不確かだ。)

あ、ありがとうございます。
えへ、ちょっと今日、いろんなことがあって頭とか胸の中とかぐるぐるしてて……

ビアトリクス > ちはやの表情からなんとなく視線を外して。
「ふーん、いろんなこと、ねえ……
 向かいに居る女子生徒が足を組んだ時にパンツでも見えたか。
 それとも『ちはやくんカワイイ~』とか女子がピーチクパーチク騒いで
 アクセサリーとか服とかをとっかえひっかえ着せられでもしたか?」
次々と当てずっぽうを並べる。
この年頃で『頭とか胸の中がぐるぐるする』なんて出来事は
どうせ異性にからかいを受けたとかそういうのが九割だ。

神宮司 ちはや > ううん、そうじゃなくて……
えっとね、今日かえで先輩とお出かけして……
それで、自然公園を歩いて……それから、それから……
ずっとかえでせんぱいのことが、ぐるぐるってしてて……

(とろんとした眼差しで、ろれつも怪しい。
 ぐるぐるしているのは楓先輩ではなくお前の頭じゃないのかと言われんばかりの何を言いたいのか分からなさ。

 そのうちくたりとビアトリクスに頭を、体を擦り寄せると一言)

 ひえのさん……ぼく、あつい……

ビアトリクス > 「かえで先輩……ってあの
 胸がでかくて美人のかえで先輩か?」
なんかの副委員長やってる気がしたが思い出せない。
美人の名前は覚えるようにはしているが。
しかし、一緒に自然公園を歩いて、とは。

頭のなかで情報を整理しようとして、
ちはやの身体が密着する。
(待て)
(心の準備が)
(そうじゃなくて)
濡れた肌に肌が吸い付く。感触。温度。
引き剥がそうとして肩に手をかける。はがせない。
彼の顔が近づいて吐息がかかる。
自分の体温までもが上昇していくのがわかる。
「……」
動けない。
片方の手が浴場のタイルにつく。
水色一色だったタイルが、いつのまにか赤と白のトーンに染められている。

神宮司 ちはや > (聞いているのかいないのか怪しい態度でとりあえずうんうんと頷き)

あのね、かえでせんぱいは美人で綺麗でぼくなんかが横にいたらだめなようなそんな人で、
でも、いつもほんわか笑ってて、それでお花がよく似合ってて……

(はぁ、とまた遠い彼女を思い出したかのような色っぽいため息。
 ちはやの長い髪が互いの体に張り付く。一向に自分を押しのけないのだから
 そのままビアトリクスにしなだれかかり、肩口に額を押し付ける。



 じゅっ。と音がするような気がするほど熱い。)


ひえのさん、ぼく、あたまおもい……きもちわるいです……


(見ればちはやははぁはぁと苦しそうに喘いでいた。一目見て分かるだろう。
 どう見ても熱が出ている。

 熱 が 出 て い る !!!)

ビアトリクス > (違う)
(そんなことが聞きたいんじゃない)
(聞きたくもない)

心臓の鼓動が早くなっていくのがわかる。
自分はいまどんな顔をしているのだろうか。
それをちはやに見られていないのは幸いである。

自分の感情の正体がわからない。
とりあえず、侮っていた小動物が
三日会わざるうちに異性といい関係になっていたことに対して
狭量にも腹立たしくなってしまった。
そう解釈して思考を打ち切る。
大した草食動物だよ、お前はと
バンバンと肩を叩いて笑ってやってもいい。

などと考えていたら、押し付けられた額の熱が
尋常ではないことがわかる。

「なんで熱出してるのに風呂に入ってるんだよ!!」

バカなの? 死ぬの? そう言いたくなるのをこらえて
ちはやの身体を担いで脱衣場へと連行する。
汗を拭い、扇風機を回す。
できればバスタオルを巻いて寮の部屋まで連れて行きたいところだが。

神宮司 ちはや > (担がれた体は見た目通りやはり貧弱で軽かった。
 扇風機の風を受け、ベンチに横になると少しだけ気分が楽になったような気がする。
 申し訳無さそうに小声でビアトリクスに話しかける。)

うう、ごめんなさい……ごめんなさい……
ぼく、すぐ体調悪くしちゃって……情けなくてごめんなさい……

(病症にあって気が弱っているのかめそめそと顔を覆い始める。)

き、きがえて、部屋、戻ります……
ご迷惑、おかけして、ごめんなさい……

ビアトリクス > ビアトリクスも服を纏う。例のちぐはくな服装だ。
入浴はあとで改めてしよう。
「うるさい黙れ。
 ぼくだってどうせミジンコ並の体力だよ。きみと同じだ」
ため息。苛立ったように吐き捨てる。

「……その、なんだ。
 一人で部屋まで歩けるか? なんなら、付き添ってやろうか」
着替えて去ろうとするなら、控えめな様子でそう提案する。

神宮司 ちはや > (相手を苛立たせるのが感じ取れたなら
 またいつものように小動物のような怯えで小さくごめんなさいと詫びる。
 慌てて体を起こし、のろのろと服を着る。
 シャツが表裏逆だったり、靴下の模様が左右反対だったりするたびに何度も着替え直した。
 どう控えめに見ても大丈夫そうに見えない。
 が、ふわふわとした眼差しと赤い顔で大丈夫、だいじょうぶと繰り返す。

 おふろセットを抱えると申し訳無さそうに頭を下げて)

これ以上ひえのさんに、迷惑かけちゃ、だめですから……

(そう言ってふらふらと大浴場の出入口へと足を向けた)

ビアトリクス > ごめんなさいと詫びられて、ぐ、と息がつまり、表情が歪む。
いつも自分はこうなのだ。

一時は見送りかけるが、明らかにおぼつかない様子の足取りのちはやに
駆け寄って強引にでも肩を貸す。
「あのなあ。弱ってる時は迷惑とか考えるなよ!
 せっかく付き添ってやろうって言ってんだから人の厚意を受け取れ!」
吠える。
(まるでぼくの言うセリフじゃないな)と内心で皮肉りながら。

神宮司 ちはや > (ぐいと貸された肩と自分を支えてくれるビアトリクスに目を丸くして見つめる。
 それでも今弱っている体にはとてもありがたい申し出だったから、素直に厚意を受け取った。

 額に汗を浮かべながらそれでも嬉しそうに微笑んで)

えへ、ひえのさん、やっぱりやさしい……。
ありがとうございます。

(そう言って相手の手を借りながら連れ立って歩く。
 自分の部屋へたどり着いたならまた、ありがとうございますとお礼を言うだろう。)

ビアトリクス > 微笑みを向けられれば、やはり目をそむける。

「別に優しくなんて。……その、なんだ。
 かえで先輩と……ええと、うまくやれよ」
ぎこちなくそう言って、開かれた扉に押しこむように
ちはやを部屋に入れて、扉を閉める。

「……」
扉から少し離れたところで、
無表情にぼうっと、何かを考えている様子で佇んで……
しばらくした後、ちはやの熱をうつされたかのような
幽鬼のような足取りで、自分の部屋へと去っていく。

ご案内:「大浴場」からビアトリクスさんが去りました。<補足:これはわたしのタオルだ 手には絆創膏>
ご案内:「大浴場」から神宮司 ちはやさんが去りました。<補足:髪をひとまとめにしている。リラックスウェア姿>
ご案内:「部屋」にビアトリクスさんが現れました。<補足:上はシャツ、下はスカートの男子生徒 手には絆創膏>
ビアトリクス > 「…………」
ビアトリクス > 「どうして少しでもほしいと思ったものは、
 みんな全部お手つきなんだろうな」

ビアトリクス > 自室で大の字になって横たわっている。

「考えてみれば当然の話だ」
口に出してみる。
「ぼくみたいな奴にかまってくれる連中が、
 他の連中に好かれないわけないものな」

ビアトリクス > 罰か。
ほんの僅かにでも嬉しくなってしまった罰なのか。
ほんの少しでも欲しくなってしまった罰なのか。
そんなつもりはなかったのに。

人斬りには勝てない。
美しい才媛にも勝てない。
挑まずともわかる。
自分はなにかに勝ったことなど一度もないのだ。

奪われたなどという傲慢を言うつもりはない。
単に打ちのめされてしまっただけだ。
あまりにも弱すぎて。

投げ出された手から床に黒いものが速やかに染み渡り、
調度、壁、天井、窓、そのすべてを光を跳ね返さない闇に変える。
ひどく静かになった。
今夜はきっとよく眠れるだろう。

ご案内:「部屋」からビアトリクスさんが去りました。<補足:上はシャツ、下はスカートの男子生徒 手には絆創膏>