2015/06/26 - 17:23~18:31 のログ
ご案内:「住宅街」に日恵野ビアトリクスさんが現れました。<補足:上はシャツ、下はスカートの男子生徒 [乱入歓迎]>
日恵野ビアトリクス > (放課後、自分の住まいである男子学生寮に
 帰宅する途中――)

「――ん」

(視界の端に、何か動くものを見つける)

日恵野ビアトリクス > (正確に捉えていたわけではないが、
 塀の上を歩いていたあの小さなシルエットは
 ――猫だ)

「……」

(別に野良猫などそんなに珍しい存在でもない)
(が……先日の図書館での会話をふと思い出す)
(絵を描く約束をしたような気がする)
(実物に触れておく経験が、
 よい資料となるのでは――と、少し思った)

日恵野ビアトリクス > (猫が消えていった方向――路地に向かう。
 すると程なくして行き止まりに、
 立派な茶トラの猫が丸まっているのを見つける)
(塀の上をそのまま歩いて行かれたら多分捕まえられなかっただろうが……
 運がいいことに塀からは降りていた)

「さて……」

(猫とビアトリクスが対峙する)
(ビアトリクスはあんまり動物に触れたことがない)
(野良猫の扱いなど到底わかるはずもない)
(猫の前で妙な構えを取ったまま固まってしまった)
(さてどうしよう…………)

日恵野ビアトリクス > 「うっ」

(茶トラ猫と目が合う)
(いままで人間になど気を許したことはありません的な、
 鋭い肉食獣の眼光)

『ほう――小娘。間違えた小僧。
 この俺様とやりあおうってのか――いい度胸じゃねえか』
(そう言われた気がした)

(通学カバンににぼしの一つも入っていれば
 懐柔策を試みることができたのだろうが――
 そんな都合のいい話はない。
 当然猫用おもちゃなどもない)
(ビアトリクスは身一つで戦わなければならない)
(妙なポーズで固まったまま、時が過ぎる……)

日恵野ビアトリクス > (両者動かない奇妙な均衡を崩すのはビアトリクス。
 すり足気味に少しずつ近づく。
 猫と少年の視線は外れることはない)

(やがて彼我の距離は一メートルほどにまで縮まる)

「…………」

日恵野ビアトリクス > (ジリジリ……と距離を詰め)
(屈みこんで)

「…………」

(意を決して、手を伸ばし――)

『フシャーッ!!』

(猫が野生の暴力性をむき出しにした!)

「痛ッてえ!!」

(おもいっきり手を引っかかれる)

日恵野ビアトリクス > (手の甲からダラダラと血が流れる。
 大した傷ではないが……)

(クソが……猫畜生の分際で……
 というか猫ってこんなに俊敏だったの?
 やばくないですか?
 人間が戦ってはいけない相手なのでは?)

(しかし、ここで逃げるわけには……)

(そもそもなんでこんなことしてるんだっけ)

(思考をぐるぐるとさせながら
 もう片方の手を伸ばし――)

『シャアーッ!』

(――もちろん爪の餌食になる)

日恵野ビアトリクス > 「……」

(唖然とした表情で両手の甲におそろいになった爪傷を見る。
 なんでこんなに嫌われてるんだろう。
 この猫は人間に過去に故郷の村を焼かれでもしたのだろうか?)

(などと考えていたら
 茶トラは機敏な動きでビアトリクスの足の下をすり抜けて
 向こうへと駆けて行ってしまう)

「あっ――」

(後には呆然と流血するビアトリクスだけが残される)


×ビアトリクス - 茶トラ◯

日恵野ビアトリクス > 「猫に負けるとは……」

(若干の惨めさ)
(垂れた血をハンカチで拭い)
(せめてスマートフォンで写真を撮っておけばよかったかなと今更思いつく)

「なにやってるんだろうぼくは……」

(別に図鑑か何かで満足しておけばいいじゃないか)

(とぼとぼと帰路へ戻る)

ご案内:「住宅街」から日恵野ビアトリクスさんが去りました。<補足:上はシャツ、下はスカートの男子生徒 [乱入歓迎]>