2015/06/03 - 23:09~00:10 のログ
ご案内:「オメガ珈琲」に五代 基一郎さんが現れました。<補足:食事中>
五代 基一郎 > 『この常世島でもチェーン展開しているオメガ珈琲。
 学生街向けなのか、名前の通り食べ物の量が多い上に窓際の席が多く
 待ち合わせに、食事のシェアにと利用する学生が多い』

五代 基一郎 > 『そんな喫茶店で、適当に頼んだはずのかき氷の巨大さを前にうんざりした顔で
 窓際の席でその開けた視界。光景を前に人を探していた。
無論、こちらから連絡を取るなどという記録に残るようなことでもなく。
 ただ巡回中か、それらしく歩いているある特定帰還に属する人間を偶と声をかけるためである。
 無論見る者が見ればと思うが、同職であるため怪しむような光景でもないだろう』

五代 基一郎 > 『風紀委員。特にここ最近やっきになって歩き回っているだろう委員らのことである。
 それなりに見かけた、話に聞く人間。加えてある種の存在を抜きにすれば大体にして片手で数えられる。
 そういったことは人気の多いカフェテラス等でもよかったが大体にして満席であり、都合よく開いていたのがここだっただけなのだが』

五代 基一郎 > 『失敗したな、と内心毒づく。
 この時期中々にうんざりする暑さが始まった。
 これから2か月ほどに渡ってそれが段々と強さを増してピークに入る。
 まだ序の口というのだから、今のうちに下見をと冷を求めてかき氷にアイスコーヒーを頼んだのだがこの組み合わせが不味かった。
 量が量もあっていくつか食ってしまえば逆に冷たさにうんざりしてくる』

五代 基一郎 > 『最も目的は目的とする複数の風紀委員を呼び込むためのものであるからして
 これらを完食する必要はない。摘まむようにかき氷を口にし、茶うけのように添えられたいり豆を摘まむ
 塩気がこの甘さと冷たさの中で手を差し伸べる救世主に思えて、助かった。』

五代 基一郎 > 『どうせゆっくり待つのだから、と本末転倒のように
 その冷えたした先と手を生き返らせるようにブレンドコーヒー、乃ちホットを頼む。
 店員が何か怪訝な顔をしたがこれが当然ですという顔で追加の伝票を切らせ、その到着を待った。』

五代 基一郎 > 『本来はこのような段階で待つというのは、時間を浪費する形に近い。
 例えば。相手が何がしかに動いていてこちらから補足できない段階であるのならば、場合によっては待つことで相手の手を防ぎ
 動きを抑制する効果が期待できる。しかしことこの現在に至っては既に誰が、何者が動いているのかほぼ姿の見える時点なのである』

五代 基一郎 > 『加えて相手が相手である。同種の権限を持つ風紀委員で対応することが望ましい。
 もちろん有志のものが、というのもよいだろう。ただ治安維持のための組織があるならば学園全体の治安統制への影響を考えればこれが妥当なのである。
 しかし問題がある。風紀委員という組織自体もまたある種の問題を抱えている』

五代 基一郎 > 『程度は如何であれ、基本的にこの組織は有志の者が多い。
 玉石混合……ではなく。門が広いのだ。もちろんある程度の審査はあるが正義ごっこ、と揶揄されるのも当然の中身でもある。
 故に。公安部からのであったり、またそれ以外。風紀委員より前に別の組織に属する……
謂わば諜報的役を担ったものが紛れ込んでいるのは一々照会していくまでもなかった』

五代 基一郎 > 『そうなるとまぁ、先のような件になる。風紀委員用のBBSデータを見ればそれは一目瞭然。
 となれば縦割り社会の組織であってもある種の”横の繋がり”が必要になる。
 もちろん個人的に刑事課への繋がりはあるが。それとはまた別である。』

五代 基一郎 > 『やっと来たホットコーヒー、ブレンドを口にする。
 熱かった。顔をしかめる程度には熱かった。
 まぁ、これも置いておけば冷めるだろう。そんな不意に思う今までのそれら組織的な考えをどけて
 氷で冷えたスプーンを手に、窓の外をぼんやり眺めるのであった』

五代 基一郎 > 『はっきり言ってしまえば。このようなことはどこにでもあることだ。
 先の欧州大戦での収容所然り。中南米での借用地での案件もあった。
 異能も魔術も絡む大人の世界では組織的腐敗、人の道とやらに反れる実験。
 歴史を紐解けばここ最近に出来たものでその中身は胡散臭いとも言える人権とやらに反することであってもあの日以来政策として”非道”に盛り込んだ国はいくらでもある。』

五代 基一郎 > 『だがしかし。ここが常世島の常世学園。
 その背景に財団や、姿の見えない大人がいようとも学生の世界なのだ。
 悪いことがおきれば、止めると思うのが善良な学生であるし
 悪い学生でも悪いなりに何かしら理由があり、また理由もなく悪と呼ばれることを行う者もいる。
 大人が近く、しかしまだ子供である世界。それが学生の世界なのだ。ならばいくら大人の道理があろうと、学生の道理を通すのがこの島の世界だろう』

五代 基一郎 > 『スプーンを持っていたために冷え切った右手を空けて、ブレンドコーヒーのカップを掴む。
 それなりに温くなっていたがそれでも冷え切った手を暖めるには十分だった。
 しかしそのままスプーンはすべり、かつて”かき氷とソフトクリームだった”液状のものに浸ってしまった。
 どうやら気が付かなかったが、それなりの時間が経っていたらしい』

五代 基一郎 > 『器をもってそれらを口から流し込む。端から見ればまるで蕎麦かうどん、麺類が食い終わり汁を飲み込むような姿だ。
 もはや甘く冷たさの残るだけの液を流し込めば、温いコーヒーも流し込んで二枚に重なった伝票をもって席を立った』

五代 基一郎 > 『会計を済ませれば、水分で満たされた腹を抱えながら外に出て。
 また歩き始めた。捜査の基本は足といえど、この状態はつらいなぁと思いながら……』

ご案内:「オメガ珈琲」から五代 基一郎さんが去りました。<補足:食事中>