2015/06/05 - 21:57~03:45 のログ
ご案内:「カイゼリア」に五代 基一郎さんが現れました。<補足:予約席にいる。本日2名様の御予約です。>
五代 基一郎 > 『値段その相応程度でそれなりの味が食えるイタリアンなファミリーレストラン。それがカイゼリア。
ギリシャ等問わず歴代皇帝の写真が額縁に入れられ並べて飾られており
内装からあすればかつてのプロイセン帝国を思わせる装飾であるというのにメニューはイタリアン、しかもドリンクバーもある完全にファミレスである。
そこの予約席に男はいた。』

ご案内:「カイゼリア」にレイチェルさんが現れました。<補足:金髪に紫色の目をした風紀委員。眼帯を着けクロークを身に纏っている。ダンピール。>
五代 基一郎 > 『財布にも優しいなぁと思いながらメニューを開きながら待ち人を待つ。
もっとも考えていることなど件のことであり、フォッカチャが安いとかそういうことではないのだが』

五代 基一郎 > 『そして件の人物が現れれば、店員が案内してくれるだろう。もっとも案内された先にいた男は立てていたメニュー越しに手を挙げての挨拶だったが』

何にする?とりあえずドリンクバーでいいかな

レイチェル > 定刻より1分ほど後。遠目にクロークを纏った少女の姿が
見えてくることだろう。

「待たせたな、五代先輩」
常日頃、先輩に対してこのような呼び方はしない
レイチェルであるが、
五代に対しては一目置いているのか呼び方だけは
しっかりしている。
とはいえ、口調はいつも通りなのだが。

「ドリンクバーで構わねぇぜ」

五代 基一郎 > いいさ。いつも忙しそうだしなラムレイさんは。
まぁ立っててもしょうがない座って座って

『では、と店員にドリンクバー2つとビスマルク風ハンバーグセットを頼みメニューをメニュー立てに納めた』

さてと。まぁ呼び出した用件はわかってるよね。
強制捜査なんてきな臭いことになってきたなぁ……

レイチェル > 勧められて、ようやく椅子に座る。
「じゃ、遠慮なくそうさせて貰うぜ」
言葉通り、どかっと無造作に椅子に座るレイチェル。
そうして頬杖をつき、五代の顔をじっと見る。
「きな臭いどころの話じゃねーぜ。誰が提案したか
 しらねーが、ありゃただ事じゃ済まねぇだろうな」

五代 基一郎 > 「そうだなぁ……まぁ、西園寺偲さんってところだな。本人かどうかさておき。風紀の中でも息のかかった人間が妥当でしょ」

そう応えつつ、向いにいるレイチェルではなく。
レストラン内オブジェでもある帝政時代に作られたと言われる黒い甲冑に目は行っていた。
真贋はさておき、こんなファミレスによくあるもんだと。

「昨日西園寺君から直接お呼びがかかってね、この一件では指揮執らないでくれってお願いされたよ」

レイチェル > 「まー、やっぱそうなるか」
腕組みをして、小さく唸り。
「五代先輩は、色々知ってそうだな。西園寺偲のこと――
 ――って待て、指揮を執らないようにお願いされただぁ?」
流石にその言葉には顔をしかめる。

五代 基一郎 > レイチェルが対面の男に対し、顔をしかめた直後。
おまたせしました、と店員がドリンクバー用のグラスとビスマルク風ハンバーグを持ってきた。
ソーセージの盛り合わせがハンバーグにのった、どこがビスマルクだというメニューが湯気を立ててテーブルに置かれる。
付け合せの野菜のコーンがこぼれそうなぐらい多い。

「昔の部下だったしそれなりには知っているさ」

すると自分用の、という風に手近な方のカップを取って席を立った。
ドリンクバーに行くのだが、という風にレイチェルを見て促し。
そのまま話し続けた

「引き受けようが引き受けまいが招待に応じたんだ。この時期渦中の公安副委員長と警備部の人間の密会。
彼女のことだから画像でも音声でもなり記録とって俺の動きを封じるさ。スキャンダルだしさ」
氷のボタンを押すと製氷機からガラガラ音を立てて砕氷がカップに注がれた。
そのまま隣に置いてある緑茶の大型ボトルを手に取り、カップに見たしまず一杯目のドリンクを造り上げた。

「元々うちは上の命令なしじゃ動けないのに用意周到なことだよ」
最も本当にそうであったならここにはいないのだが。
マナーが悪いが気にした風でもなく注がれた緑茶を一口啜り、レイチェルを待った。

レイチェル > 「なるほど、元部下……ね」
促されて席を立つ。そのまま、風変わりなオブジェ等に
視線を奪われながらも歩いて五代についていき、
小声で話を続ける。

「話したのは、指揮を執るなってことだけだったのか?
 そうじゃねーだろ? いやまぁ……昔の部下だしな、
 プライバシーってのもあるだろうから言いたくねー事は
 言わなくてもいいけどよ……」
小さく溜息をつきながら、レイチェルはそう口にした。
そうして五代に続き、レイチェルも紅茶を注ぐと、その場で一口、少しだけ啜った。

五代 基一郎 > 「執行部時代のね、優秀だったよ。堅実で思慮深く用心深い。才媛とも言われてたな」
少し思い出話の続きのようにレイチェルの声に合わせた音量で語り、またテーブルまで歩いていく。
よっこいせ、とまでは言わなくともどこか気だるげにカップを置いてハンバーグの前に座りナイフとフォークを取った。

「大体そんな昔話とお願いだけだよ。彼女もよく気付いている。
現状風紀委員の刑事課もだが独立愚連隊というよりほぼ烏合の衆っていうのが現状だ。
レイチェル君さ。君は元々独立して動く方だけど、こと最近は誰かと纏まって動いてはいないでしょ。」

佐伯さんとの行動とかはまた別ね。と付け足しつつソーセージをどける。
ハンバーグを切るにはちょいと邪魔だった。

「よく考えてごらんよ。強制捜査、どう考えても行った先ではあの異能の西園寺偲が指揮を執るんだ。
防衛に専念されたらいくら腕っぷしが強い連中が攻め入ったって頭いなけりゃ大体において勝ち目はないよ。
彼女、君に勝つつもりのようだしね」

レイチェル > 「堅実で思慮深く用心深い……確かにまー、今の手腕を見てても
 その才能は感じられるぜ。けどよ……今のあいつのやってるこ
 とは、どう考えても異常だとオレは思うぜ。何か思惑があ
 ったとしても、だ。あんた、元部下があんな事しててどう思ってんだ……? 
そいつが聞きたくてたまらねぇ」
紅茶を一口。そしてそんな事を漏らし。

「まぁ……確かに単独行動が多いのは認めるぜ。その通りだ。
 烏合の衆ってのも、悔しいが的を得てるぜ。もし行ったところで、確かに勝ち目は薄いかもしれねぇ。五代先輩、あんたが指揮を執ってくれないってんならな。でも、だからと言って、ただ傍観してるのはオレには無理だぜ」
腕を組み、じっと、真剣な表情で五代の方へ視線を送る。

ご案内:「カイゼリア」からレイチェルさんが去りました。<補足:金髪に紫色の目をした風紀委員。眼帯を着けクロークを身に纏っている。ダンピール。>
ご案内:「カイゼリア」にレイチェルさんが現れました。<補足:制服の上にクロークを纏った金髪眼帯の風紀委員>
五代 基一郎 > 「連絡局解体の生贄としては丁度よく用意された人柱ってところでしょ」
そのまま切り分けられたハンバーグを一口。ここのハンバーグはソースがうまい。
咀嚼するとソースの味がよくわかる。肉はまぁ……値段相応だろう。

「派手なデモンストレーションに目を奪われがちだが君の言う様に異常だよ。
公安の副委員長が違反部活動の頭のような杜撰な悪さしてるんだ。
職務を逸脱どころじゃない。大なり小なり今回の異常性は大体の人が感づいてるさ」
添え物のの山のようなコーンを、スプーンですくって口に運ぶ。

「あぁそれはわかってる。だから今回君には表だって出てもらいたいけどお願いできる?」
君は何か頼まないの、俺の財布だから気にしないでいいよ?とも付けつつ

レイチェル > 「…………そうかよ」
長い沈黙の後、ぽつりと、途切れていた会話を繋ぐ。
それは彼女からすれば、望んでいた類の言葉ではなかった。
不貞腐れたように、レイチェルは紅茶をぐい、と飲み干す。

「ああ。そこらをほっつき歩いてる犬猫だって気がつくってもんだぜ。それでも、だ。あれに対処するよう動く奴らがあんまり居ないように感じてな。相手があの西園寺だから、ってのもあるのかもしれねーが、それが歯痒くてな。単独行動してたのも、どうしてもそれが見過ごせなかったからだ」
溜息をついて、顔を俯ける。

「表立って、か。派手にやってくりゃいい訳か?」
そうこなくちゃな、と言わんばかりにレイチェルは顔をぱっと上げる。

注文を勧められたレイチェルは、
そういうことなら、と一度はしまわれたメニューを取り出し、
じっと写真を見つめる。はっと目を開き、五代の方と写真を
ちらちらと交互に見ながら、
やがて彼女にしては珍しく遠慮がちに口に出した。
「……特大カイザーパフェ一つ」

五代 基一郎 > 「お涙頂戴の三文台詞で君をやる気にさせるのは忍びないからさ。嫌でしょそういうのは」
肉汁とソースが混ざった液体に浸った付け合せを咀嚼しながら呟く。
その言葉の真偽はさておき、俺は役者になるつもりはないなぁともぼやき

「公安と風紀が表立って争う事態もそうだけど、実態的な証拠が掴めていないというのと
それが如何なる流れになるとしても、拳を振り下ろすように下せばどうなるか恐れているのさ。
自分に責任が覆いかぶさるのは嫌だとさ、もちろん責任だけじゃあないだろうが」
合間にセットでついてきたコーンスープを飲み、ひと息つくと続け

「そう。今回は矢面に立ってもらおう。知ってるかはさておき君の名前は影響力が確かにある。」
レイチェルが顔を上げれば対面に座る男はナイフとフォークをどけて、君の目を見ていた。

が、その注文を聞けばえっそれ食べれるの?と目を動かし。
呼び出しボタンで店員を呼べば
「特大カイザーパフェ一つ、あと食後のチーズケーキを」
追加注文を復唱した店員が戻れば、また話は戻り

「ただ今回は事情が事情だ。この一件以降も”公安は悪の根城であり常に日陰に存在する”とか
”風紀委員は暴力でねじ伏せる強権的委員会”なんて尾が続けば秩序云々の話じゃない。
この学園組織自体の崩壊を招きかねない」
食い終わった皿を店員が片づけやすいようにテーブルの通路側に寄せて、カップのアイス緑茶を啜り、続ける。

「西園寺君が派手にやってるのもあり”公安は悪”だという認識が一部から広がりつつある。噂程度で収まってるけどね。
流石にあの指名手配の件はやりすぎた。影響がでないわけがない。
独断による暴走で片付けられるだろうが……これはとてもよくない。
本来あの連絡局が異質な立ち位置であって、公安は学園組織に必要なものだ。表と裏があって社会の治安を守れる。
組織的な重要性は確かにあるし、今ある特別教室もきちんと機能しているよ」

そう続けていると、特大カイザーパフェとチーズケーキが運ばれ
それぞれの前に置かれた。尚空になった食器はついでに片づけられている。

「この一件解決するなら風紀と有志だろうが、この件で風紀が鬼の首を取ったが故に暴走するのもよくない。
ロストサイン以降大きな出番がなかったんんだ。ここぞとばかりに活躍すれば
風紀委員だからと”今の連絡局同様”強権を振るい始める者が出るのは火を見るのは明らかさ。
そうなれば遅かれ早かれ次の鬼は風紀に移る」
鬼の首を取るように、チーズケーキにフォークを差し入れた。
どれもこれも、斬られるのはいつも目の前にいるものでその上など知ったことではないのだ。

「だからこそ、風紀委員会”も”その影響が少ないよう決着をつける必要がある。
今回の強制捜査、考えたやつは独断の捜査で風紀への風評を貶めようと思ったものだろうがこれが好機になるんだ。
なにせあれは個人の独断専行ですと張れる人間がここにいるんだ。
風紀委員会の命令系統無視してやろうが、いつもので済む人材がさ。」

レイチェル > 「……まーな」
頬杖をつき、五代の方を見やる。

「公安と風紀がやりあう事態そのものがマズいってのはまぁ、確かにその通りだろうよ。で、証拠……の方だが、つい先日手に入れたばかりだぜ。誰に渡すか悩んでたとこだが、まぁ渡すなら
あんただな……」
クロークの内からテープレコーダーを取り出し、机の上を滑らせた。そのテープレコーダーは、薬を『研究区』に運べと言っている会話と、『歓楽街に流せ』と言った西園寺偲の声が収められているものだ。

「ま、実際そう思われても仕方ねーと思うぜ。一部の人間の行動が目立ってたらその集団全てがそういう色眼鏡で見られちまうもんだ。特別教室が機能してるってのは意外だな。あの薄気味悪い男の居るとこだろ……?」
教室で出会った、室長補佐代理のことを思い浮かべ。

「確かに、その可能性は否めないな。五代先輩の言う通りだぜ。鬼のバトンを受けて渡して、結局はその繰り返し――いや、繰り返す前に、マジで学園が崩壊しちまうのかもしれねーな」
肩を竦めた後、やはり腕組みをし。

「公安で目立ってる西園寺偲に対して、風紀で目立ってるオレが打って出ることで、互いにとってその影響を最小限の、うまく行きゃ個人単位のものに留められるかもしれねー訳か。ま、悪い話じゃねーな。しかし、矢面に立て、だなんてすげーこと頼んでくるもんだぜ。別にオレはいいけどよ。寧ろ、張り切って打って出てやるとこだが――あ、パフェこっちだぜ」
机の上に置かれたパフェは、とんでもない大きさのものだった。生クリームに、果物がどっさりとつめ込まれたそのボリュームは、人によっては見ているだけでもお腹が膨れてしまうかもしれない。

五代 基一郎 > レイチェルが滑らせたテープレコーダーにポケットから取り出したイヤホンを付けて耳を傾ける。
再生する内容を把握した後、イヤホンを外してレイチェルに返した。

「テープ自体に証拠能力はないと言っていいな。異能を使えばいくらでも改竄できるし、作ることもできる。音声データもか。
こういうのの性能が上がれば上がるほど、逆に立証性には欠けるんだよな……
出所は未見不君だろうけど、そういうことだよ。聞こえてる?未見不君
あんまり手出しすぎると、立場どうのの前に安全保障できなくなっちゃうよ」
ここにもあることを見越して言葉を続ける。これを聞いた彼女がどう思うかはさておき。
最もこれが加工されたものではないことは未見不の性格からして明らかではあるが、現状それなりの処分が下された者からの出所な上に
それを隠しても出所不明の噂話程度に処分されるだろう。
内々に知っているものからすれば、踏み込むに足るものだが。

「奴もあれでいて仕事熱心さ。表の風紀だけじゃない。悪知恵の働く生徒に裏で”監視されている”と意識させることでそもそも成り立ってるんだ。
奴がいる第二だけじゃない、第九だって今も働いてるさ。
実態はそういった連中が多いさ。権力が欲しいなら別のやり方がある。
君らが思うより勤勉な連中が多いよ、裏方の仕事ってのはさ」
チーズケーキを半分まで食べ、ゆっくり茶を流してまたひと息続ける。
同じテンポで、とくに急ぎもせず。味わいすぎもせずというように。

「どちらをも裁く権力はないんだ。濁って濁って、共倒れどころか学園全体が腐るのは早いよ。思ってるよりずっと流動的だ。
だから早急にケリを付ける必要があるのさ。
無茶なお願いなのは承知だよ。最悪君も人柱になれつってるようなもんだしさコレ」
最もそうならないだろうし、そうさせるつもりもなかったが。
目の前の見ただけで胸焼けしそうなパフェに圧倒されるもので、チーズケーキに差し込むフォークを躊躇う。

「だがいくら君でも単身乗り込むってのは危険すぎる。だからさ、有志の協力者に手伝ってもらおうよ。
強制捜査にも書いてあるじゃない。有志の協力者。
ちょっと探すのは難しいかもだけど、俺が動けない分がんばってほしい」
そしてテープレコーダーのようにレイチェルへ向けて流されたPDA……携帯端末の立体画面には
風紀員のみ閲覧可能な情報データの報告案件19
そのうち指名手配された2名がマークされていた。
情報が正真正銘正しいのものなら恐ろしい話だが、そんなものリストに張り出されたじゃじゃ馬達を見ればわかりきったことだ。

「あとこれ最後の話でまったく別のことだけどさ。最近の大きな事件あったじゃない、これ。
表立って動くにしてもやる事は当日まで少ないし、君も探ってみたらいいんじゃない?指名手配犯の実働捜査だしさ、見つけたり逃がしたり最悪捕まえちゃうこともあるかもしれないさ。ほら危ないだろう凶悪なテロリストとか……何をするかわからないし?」
暗に彼らと繋がりを持つか、引き込むか、または確保と言う名目で保護しろとか。そういった風なニュアンスでレイチェルに問いかけ。
チーズケーキを食い終えた。口を緑茶で注ぎながら、砕氷をさらに口の中で砕く。

「探すなら未見不君とか協力してくれるんじゃないの?そういうの得意中の得意の上に今回協力してるじゃない彼女
事情聴取できると思うけど」

レイチェル > 「ま、それもそうだな。じゃあちょっとした『後押し』に使わせて貰うさ」
返されれば、それを再びクロークにしまい。

「へ~……仕事熱心ねぇ。認識を改めておくことにするぜ」
そんなことを言いつつ、特大パフェに手をつける。
あーん、と口を開ければ、普段は目立たない牙がちらりと覗く。
ぱくり、と。口を閉じてパフェを味わうその顔は、普段は見られない年相応の少女と言った顔だ。数度スプーンですくっては口に運んでいたが、はっと我に返って五代の方へ向き直った。

「うかうかしてはいられねーよな。……ま、一応言っとくが、戦闘でどうこう、ってのはそう心配しなくていいぜ。やばい状況になったとしても異能があるし、人間よりはタフな身体なんでな……確かに、流石に単身となりゃ辛いかもしれねーがな。ま、もう少しだけ時間はある。協力者を捜してみるさ」
そう言って、スプーンですくっては食べ、すくっては食べ。おそらく大人の男が2、3人がかりで食べるようなものだろうが、それをぱくぱくと凄いスピードで食べていく。
最後の一口をスプーンの上に乗せて、名残惜しそうに視線をやった後に、あむっとたいらげ。


流されたPDAを片手で受け取り、目を通す。
「凶悪犯にその逃亡幇助ねぇ……で、違法薬物、か」
少し思案するように顎に手をやるレイチェル。ややあって、
五代の方へと顔を向ける。
「そうだな。この件、ちょいとオレも動いてみるとするぜ。任せな、五代先輩」
その意図は汲みとったらしい。こくこくと頷くと、PDAを投げて返した。



「あ~……ま、そうだな。考えとくわ」
その提案に対しては少々じとっとした目になるが、一応頷いて見せた。

五代 基一郎 > 羞恥に気付いたか対面の男の様子を見るため向き直ったレイチェルが見たのは気のない欠伸をしてカップをテーブルの端に退ける男の姿。
これでにやついた微笑みでも見せれば花があるか、青春かとでもいうようなものだが
そもそも話している内容がきな臭い上に、この男に色気は見えない。
もっとも食べるものや食べる姿、普段の行動からして女の子だなぁと思っているわけだが口に出すのは憚られる。
そういうのが厳しい社会なのだ。必然的にそういうことに口は少なくなるものである。
男はいつも厳しい立場にいるわけで。

「異能についてでも見越してるのが彼女、西園寺偲だよ。
この前の落第街路地裏でも能見君来なかったら厳しかったように思うよ。
いくら公安の彼女の部下や彼女自身戦闘能力に欠けると見えても、油断はしてはいけない。
今度はまさしく二度目だからね。対策考えずに招くほど馬鹿じゃないよ。
副委員長だからね、彼女。あとはそうだなぁ……どこに乗り込むかも目星つけないと。
乗り込んだら本人居なかったじゃ思う壺でしょ。最近彼女が招いたり接触した公安や風紀以外の人間を探すと何かわかるかもしれないかな」
投げられたPDAを受け取り、懐にしまうと乗り気ではないレイチェルを見ながら伝票を取って立ち上がる。

「首突っ込んだのが運の尽きだよ。とことん付き合ってもらおうじゃないの。何、すぐ終わるよ。
彼女自身がどう動こうと、個人的動機から介入したんだ。
彼女から発せられるこの件の情報の信頼性は今や地の底。どうこうできるなんて誰も思ってないさ。
優秀なガードもいるんだ。まぁひどい目には合わないだろさ」
例の二人を探すために協力させようというのにこの言い方である。
関わらせるのだから、もうひどい目にあっているといってもいいのだが。

「あ、もっと食べる?ここテイクアウトもできるけど……」
と。公然の密会の終わりだろうことを告げながら伝票が挟まれたボードを揺らしながら問いかけた。
所謂区切りの挨拶のようなものだが、なんだか目の前の少女がもっと食べそうなイメージがうまれたのもあって聞いてしまった。

レイチェル > 「ま、確かに連続で異能使ってた所にオーバー・ロードだったからな。一人じゃああはいかなかったかもしれねぇのは確かだ……が、なに。次は二回目、そいつはオレにとってもそうだ。オレだって無策で挑む訳じゃねぇ。準備だって整えていくさ。出来る限りはな。見せてない『手』もある。決着をつけるなら、使うのも吝かじゃねぇ」
スプーンを置くと、五代が立ち上がったのを見てレイチェルもすっと立ち上がる。

「いや、いい。あんまりご馳走になるのも悪ぃし。十分エネルギーは補給したさ。ありがとな、五代先輩。決着ついたらまた奢ってくれよ」
そう言って、軽くウィンク……をしたのだが、眼帯をつけている為に少し長めの目瞬きをしたようにしか見えないだろう。

「じゃ、帰るとするか」
クロークをばさり、と翻すレイチェル。

五代 基一郎 > 「色々任せるんだ。財布ぐらいなら、いくらでも軽くするさ。」
その”任せる”と言う言葉にいくつかの意図を込めて。
または感謝か、それとも己自身の手が出せないが故に苦労を掛けるねぎらいか。
他の意味などわからぬが、左目を一度瞬かせて応えた。

「次は俺も挑戦してみるよ、特大カイザーパフェ。一日抜けばなんとかなりそうだ」
次の予定を作りつつ。決着はつけてまたという意味も込めて。会計を済ませれば出口へ向かった。
出れば気のない欠伸と、伸びをして。軽く手を振ってレイチェルと別れた。
すり減った革靴で道路に見えない足跡を、新たに付けながら……

ご案内:「カイゼリア」から五代 基一郎さんが去りました。<補足:予約席にいる。本日2名様の御予約です。>
ご案内:「カイゼリア」からレイチェルさんが去りました。<補足:制服の上にクロークを纏った金髪眼帯の風紀委員>