2015/06/11 - 23:01~00:22 のログ
ご案内:「産業区工業地帯」に五代 基一郎さんが現れました。<補足:特殊警備一課の制服。出動待機中。>
五代 基一郎 > 数時間前、産業区の工場地帯の一部が違法部活により占拠された。
具体的な組織名が出ないため、ある程度の組織的力がない者らだと思われたが
その透けた実態に見合わず工業で働く一般人と海上付近のコンビナートを人質に政治的要求を送りつけてきた。
公安並び風紀、生徒会の即時解散と財団が秘匿している情報の開放がそれである。

そのため、そのような有象無象が好き勝手出来ないとわからせるために
即時鎮圧の意図の下、必要特殊警備一課第一小隊並びに第二小隊に出動が掛かった。
しかしこのような案件、特殊部隊である第一小隊で十分かと思われるようなもの。
なぜ第二小隊が、と思う者もいるかもしれない。

五代 基一郎 > 彼らには資金的要求、また脱出に関する要求がなかった。

そこから可能性として導き出された一つの問題が出てきた。
以前から公安部が調査している未だに実態が掴めぬ金の流れ。
また占拠の手際の良さから何かしら十分な援助を受けている可能性が高く
第一小隊では手に余るという万が一の事態に備えて第二小隊が控えていた。

だ西容態は突入準備を進めている第一小隊から目を背ける囮として
占拠された産業区の工業地帯付近に第一小隊分のサイレンとライトを赤く瞬かせて待機。
蓋を開ければ囮の整備員達と、巨大なコンテナトレーラが一両だが見た目は十分なので問題はないと思われた。

五代 基一郎 > 「五代サン、彼ラハ何故コンナ無謀ナ事ヲスルノデショウカ」

お茶くみロボットからまた眠気覚ましのようなコーヒーを受け取りつつ考える。
無謀なのはまさしくその通りだ。脱出手段や要求はさておきここ最近公安も風紀も神経がまだ張りつめているのだ。
そんな中でこんなことをすれば特殊部隊の介入により即時の鎮圧が行われることは予想できるはずだ。

「さぁね……まぁ、第一小隊がそろそろ動く。俺らの出番がなければいいな。」
「ハイ」
一応待機しておいて、とコンテナトレーラーに向かうよう指示をしつつ、無線に耳を澄ませ
双眼鏡で現場を見やる。

五代 基一郎 > 突入が始まった。流石第一小隊、人質の確保から制圧までが外に出しても恥ずかしくないほどスマートだ。
制圧が完了した無線を聞きながら、出番はなかったことに安堵するがこれで終わりなのかと疑問が持ちあがる。
第一小隊の面々も同じだったのか、その声は無線を通して聞こえてくる。

その時。

五代 基一郎 > 轟音。工場の一部が爆発し、炎上。夜の工業エリアに物騒な明かりが灯る。
無線越しから聞こえてくる情報、そして双眼鏡で確認したその先に見えたのは巨大な機動兵器だった。
円錐状の頭部、山なりの胴体、唸りを挙げる車輪と大きな爪を持つ機械の怪獣。

巨大機動兵器。この島にいる人間で目にしたものは少ないかもしれない。
あの日以来世界各地で起きた巨大な怪異に対向するためのロボットであったり、その技術が流出して生産された軍事兵器
または悪事を働く組織が造りだしたものか。
とにかくそれらは巨大な機械の咆哮を挙げて大都市に現れることがあった。

今回もまた然り。外見上恐らくロシア西部の旧ウクライナで生産されたものを改造した奴か。
そんなものを買ってこの島に持ち込んだとは。

ご案内:「産業区工業地帯」に駆藤 栄Qさんが現れました。<補足:つばの広く白い帽子とぴちぴちの白衣をまとい、尖った鼻で丸眼鏡をかけた、でっぷりとした男>
五代 基一郎 > 人質を確保した第一小隊が引き上げ、正式に第二小隊に出動命令が下る。
そう、これが第一小隊ではカバーしきれない部分の事件であり滅多に起きない事件例の一つ。
巨大な敵対存在に対しての出動であった。

元来対異能、魔術のスペシャリストで集められた第一小隊であるがそれはこの島で起きる事件の大半がそれらだからだ。
それら以外の事件は存在し、このような巨大な敵対存在が出てくることもある。故に第二小隊はそういったカバーしきれないものに対してのスペシャリストを集めた部隊なのだ。

双眼鏡越しに見える巨大機動兵器”メガマトン”を見据え、無線で通達する。
「搭乗!キャリアデッキアップ急げ!」

先ほどのお茶くみロボットがコンテナトレーラーの中に入ると
トレーラーに付随したランプが明滅。黒いカバーシートが剥がされて
キャリアとを繋ぐシリンダーが稼動し、寝かされていたそれを立たせていく。

駆藤 栄Q > 「アァ……また貴重な文明が失われていく……野蛮な連中は壊すことしか脳みそがないのかァ…嗚呼 嘆かわしい 嘆かわしい」

プロペラの旋回する音がして、上空にダルマのような形の影が浮かんだ。目のいい者が見れば涙を流して号泣しているのが見えるだろうか。

五代 基一郎 > あのお茶くみロボットが搭乗シークエンスを終え、合体を始める。
鋼のボディにささったようなロボット……
その機械然としたダコメーターや電子的なアナライズ音を鳴らしている半円状の頭部に
頑強な兜が装着され、その瞳に強い意志のようなサインが宿る。

デッキアップしたその姿。見る者を威圧するために強靭にと塗られた濃厚のボディ。
キャリアから踏み出し、地に足を付けて遠くにいる巨大機動兵器”メガマトン”を睨むその電子の瞳。

「出動!」
起動成功のサインか、両腕を大きく誇示し獣のような機械の咆哮を挙げる!黒鋼の巨人!
起動成功に整備員の歓声が沸く!

五代 基一郎 > 「いけーっ!」「やれーっ!」

整備の制服である帽子を振り声援を挙げる整備員を背に背面に装着されたブースターを轟かせ飛び立って行く。
巨大な黒鋼の機動兵器が異形の巨大機動兵器”メガマトン”に挑んでいく。

対するメガマトンはその生物のように見えなくもない円錐状の頭部を巨人に向ける。
突如現れた乱入者を見つけたかのような鋭い視線。大仰に首を振り上げてドリルと大きな爪を唸らせ威嚇!
工場一部を巻き込んだ放電攻撃により出迎える!

駆藤 栄Q > かすかな駆動音をたてて右肩からせりあがってきたワイパーで、涙で汚れる眼鏡をごしごしと拭い、ショートする送電線、爆炎を上げ崩壊する工場、次いで対峙する2体の巨大な影をじっと見つめる。

「バランスが悪いな 吾輩の趣味とも合わん」

どちらを指して言ったかわからない、短いつぶやきは閃光と轟音にかき消された。
見る価値もない、と戦いに背を向け、高く、高く、飛び去ってゆく。

ご案内:「産業区工業地帯」から駆藤 栄Qさんが去りました。<補足:つばの広く白い帽子とぴちぴちの白衣をまとい、尖った鼻で丸眼鏡をかけた、でっぷりとした男>
五代 基一郎 > 巨人はその背部に連装されたブースターの出力を上げてメガマトンに迫る……目的は体当たり攻撃!
しかし放電攻撃を受けた燃料トレーラーの爆発に巻き込まれて工場の一部に叩きつけられてしまう。
火器の類の装備はないのか、そうないのである。

出動する場所の都合上火器を使えば被害を出しかねない。
故にこの巨人は己の体で戦うのだ。

だが、やはり多くの軍事的技術を積んだメガマトンが強いか
そのもうもうと煙と炎を巻き上げる場所めがけて巨体を揺らし迫る。
捻り潰すか、トドメを指すか。巨大な影が雄叫びを挙げる。

だが!

五代 基一郎 > その煙の中から、電子の瞳を光らせ。
煙を吹き飛ばすように起き上がり……そのままに巨人はメガマトンに掴みかかる!

異形故にか振り払うほど精密に動けないか、その出力を上げて抵抗し
ドリルを、爪を己の体を省みず叩きつけるも効果はない。
当然である。内蔵火器等を廃しその浮いた分を超鋼の装甲を動かす力にしているのだ。

逃がさん、とメガマトンを捕まえた巨人は産業区の海岸へ押し出すようにブースターを轟かせる!
巨大な鋼鉄の獣と巨人同士のせめぎ合いは一瞬、巨人が地面をえぐりながらメガマトンを海辺へ叩きだす!

五代 基一郎 > 海面に巨体が叩きつけられる音が唸り、塔のような水柱が上がる。
海水を流し、ようように立ち上がるメガマトンに向かうその半分程度の巨人
だがその意志ある電子の瞳はメガマトンを許さない。

「叩き潰せ!」

無線越しに指示とも言えぬ指示を下せば、機械の咆哮を上げて拳を振りかぶり
メガマトンに叩きつける!改造された軍事用装甲と超鋼の拳がぶつかり合い火花を上げる!
しかしそれも一瞬、その巨柱の如き拳が装甲を打ちぬき小爆発を起こす。

それだけではない。一度拳で撃ち抜けば最後。
徹底的に拳を打ちつける!
だがそこにメガマトンの放電攻撃が唸る!しかし……
海水で霧散し、自らの身をもろともに焼く攻撃というその捨身の攻撃に

巨人はびくともしない!最後といわんばかりに頭に拳を叩きつける!叩きつける!
そして想定されうるコクピットを引き抜き、浜辺に放り投げた!
制御を失ったメガマトンは放電攻撃での蓄積もあり内部を大きく損傷させたか、そのままに大爆発を起こして吹き飛んだ。

五代 基一郎 > 夜というのに巨大な夕日のように明るい爆発の中から、巨人はゆっくり浜辺に上がってくる。
勝ち鬨のように、両腕を掲げて示せばそれと同時にサイレンがいくつも近づいてくる。

工場占拠事件はこうして幕を引いた……
以後の取り調べでいくつか不明瞭な点を残したことから、まだこのような事件が続くのではないかという疑問を残しながら。

ご案内:「産業区工業地帯」から五代 基一郎さんが去りました。<補足:特殊警備一課の制服。出動待機中。>