2015/06/14 - 20:38~00:07 のログ
ご案内:「歓楽街雑居ビル」に五代 基一郎さんが現れました。<補足:捜査中>
五代 基一郎 > 歓楽街のある場所。
テナント募集の広告すら擦りきれ、ほぼ廃ビルとなった雑居ビル。
その一フロアの入り口前。
施錠されたその入口のチェーンを静かに切っていく。
高枝切ばさみのような、しかし金属を切断するためにあるポルトクリッパーを使い、拘束を解いた。
殆ど違法行為であるが、所有者すら抹消されたその廃ビルをどうこう言う人間などいないだろう。
他の改装に住みついていた宿無しの連中はさておき。
五代 基一郎 > それをザックに仕舞い、再びそれを背負うとドイツ製45口径ダブルカラム……オートマチック拳銃のスライド引いて初弾を装填する。
正直職務以外や申請後以外で発砲など書類が面倒でやりたくなかったが、不足の事態に備えるとしたら最低限の護衛はしておきたかった。
銃口付近のアンダーマウントに装着されたライトを点灯し、その入口からフロアに侵入した。
このフロアは、所謂インターネットカフェと呼ばれる営業行為を行っていた。
24時間営業でありこの島にあるチェーン系列の一部だったようだ。
誰も足を踏み入れていなかったのか、埃に足跡が刻まれる。
店内設備は廃業当時のまま。誰かが侵入して機材を持ち去った形跡などない。
左腕に装着したPDAが映し出す立体の見取り図を参考に、配電盤を探す。
情報の通りなら電気はまだ通っているはずだ。
五代 基一郎 > 配電盤のスイッチを全て上げると、店内に電気が通う。
といってもこの種の営業において、外に明かりが漏れるようにはなっていない。
年数が経過していても、ブラインドが下りているせいか外からでは明かりが点いているかも確認されることはないだろう。
廃業時に電灯が消されていたのもあったが店内電灯のスイッチはすぐ見つかった。
それらを押せば、暗闇に包まれていた店内は、ほのぐらい世界程度に明るくなった。
ここを簡易宿泊施設にするものがいるせいだろうか。
まだ若干薄暗くは感じる。
五代 基一郎 > 店内に電気が通っていても店内に列挙して配置されているパソコンは動かない。
静かな薄暗い世界の中で、目的の物を探す。
スタッフフロアかと思ったが、いくつかの場所をバールで剥がしても見当たらなかった。
汗をぬぐいつつ、場所を変えてレジカウンターを見る。
ここならばそもそも入る人間が限られる。森の中に木を隠す、なら客室だろうが
事故がないとは限らない。
注意深くそこらを叩き、音からレジの真下に何かあることを突き止めバールでそこの板を剥がした。
レジ機能や管理機能とは別の、機材が見つかった。
五代 基一郎 > 店内機材によりパッケージングされていたそれをライトで照らし
データ端子を探し出すと、自分が左腕に付けているPDAとは別のユニットを取り出し接続する。
端子だけではなく、電源ユニットも切り替えることで
店内のデータネットワークとは切り離して接続することができる。
もちろん他のネットワーク端子は外した。店内と接続されているとしたら、ネジぐらいだろう。
PDAユニットによりデータの吸出しを始める。
古いもので今現在の流通より容量が少ないためかデータの転送は速い。
あっと言う間に転送は終わった。念のため別ユニットに有線で転送し、電源を切った。
中身を確認するのは帰ってからだ、とそれらを仕舞いながら店を後にしようとした時。
データ転送に使ったPDAの攻性防壁メモリが吹っ飛んだ。
五代 基一郎 > 焼けつくそれを拾い、熱を確かめるように触りながら何事かと思えば。
店内に設置されていったパソコンの画面が独りでに点灯し始めた。
一つ一つ、デジタルな起動音と機械音を混ぜながら。
薄暗かった店内をディスプレイの明かりで照らしながら。
息を飲む。何が起きている。
パソコンの電源を入れた覚えはない。何か仕掛けられていたか……
疑念は銃口を向けることに注がれる。
何かがいるのか、何が出るのか。まずい予感がする。
五代 基一郎 > 凝視した先の、ディスプレイには……全てのその画面には
延々と同じ言葉が繰り返されていた。
”あなたは何をしたのです。あなたの弟の血の声が土の中からわたしに叫んでいます。”
”今あなたはのろわれてこの土地を離れなければなりません。この土地が口をあけて、あなたの手から弟の血を受けたからです。”
”あなたが土地を耕しても、土地は、もはやあなたのために実を結びません。あなたは地上の放浪者となるでしょう”
旧約聖書、創世記第四章の一節。それらがずっとディスプレイ上で続いている。
そして”なにか”の気配が強まっている。”なにか”が起きようとしている。
それが機能していることを少しばかり祈りつつ、引き金を引いて撃ち抜いた。
雑居ビルの防災システム、まだ生きている消火用のスプリンクラーが起動し
水を浴びせることでディスプレイの光は火花を散らして消え始めた。
拳銃を仕舞い、”なにか”の気配が薄まれば……すぐさま
逃げるようにその場所を後にした。
ご案内:「歓楽街雑居ビル」から五代 基一郎さんが去りました。<補足:捜査中>