2015/06/18 - 19:41~14:44 のログ
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」に五代 基一郎さんが現れました。<補足:夏用スーツ。速度free。乱入free。>
五代 基一郎 > 深夜のファミレス。
そのテーブルを一つ囲んで男達がコーヒーを各々頼み。
テーブルの上に置かれた映像再生機械を睨むように眺めている。
やがて映像が一巡すると、一人が重たい口を開く。
「復活したんですね……あの伝説の悪魔のLが」
五代 基一郎 > 「いや、正確には違う。ヤツは幽鬼のように存在していた。
望む望まないに限らず、走る時間をある種ズラして走る慣習がドライバーの中に出来ていた。
事実ヤツの話が急速に、今広まったのはルシファー川添戦からだ」
映像再生器のボタンを巻き戻すとそこに現れるのは
GTR……R34を駆りパッシングする行動の走り屋ルシファー川添の姿があった。
公道に設置された監視装置の映像である。
五代 基一郎 > 「ヤツはいつも深夜に現れていた。峠のドライバーの中でも悪魔の伝説として知られてきたからな。
だが比較的新しく出てきたルシファー川添がバトルしたことで、流れが変わり始めた。
今回でいえば点火剤になったのかもしれないな。」
映像の中でルシファー川添戦、クラッシュするFDの場面に変わる。
例え旧式と言えど現在でもそれなりに値段がするものだ。
それが一瞬の判断ミスでジャンク送りになる。
「でも五代さん、ルシファー川添と言えどGTR乗りのガキですよ。
コーナーも曲がりきれない調子に乗ったガキ一人やられたぐらいで皆騒ぎ過ぎじゃないですか」
「わかってないな」
男の目は違った。風紀委員会のやる気のない目でも執行部時代の目でもない。
間違いなくここにいる連中と同じ目をしていた。
五代 基一郎 > 「確かに川添は若い。R34もいいマシンだ。サーキット、公道用に両立を目指したコンセプトは今でも通じる。
だがそれだけで公道を走る悪魔とは呼ばれたりはしない。
事実奴はコーナーでブレーキを踏んでいる。
この点で既にFD乗りとは技術の差が出ている。」
映像ではラストのコーナー入口でR34の車体を擦りブレーキを踏む姿が見受けられた。
だが奴は生きている。
「ルシファー川添も自分の手足とまではいかずとも乗りこなしている。
公道でバトルをするだけはあるよ。だが敗けた。何故だと思う?」
五代 基一郎 > 「わからねぇ……わからねぇぜ五代さん!一体なにがあの悪魔の独走を許すっていうんだ!」
「悪魔のL……奴が速いのはブレーキを極力踏まない走法にあると俺は見ている。
加えて言えば、先を走ることで誘蛾灯のように後続車を惹きつける走り屋の精神に訴える姿だな。
先に走るものを見れば追いかけたくなるのが走り屋だ。だが峠と違って公道は時速200以上出る世界だ。
そんなことを続けていれば破滅的な結果しか残らない。
FDもルシファー川添もそのペースに飲まれたんだ。」
カラリ、とアイスコーヒーの中の氷が動いた。
静けさがその一席だけを支配する。
「悪魔のL、公道でヤツと対等以上にやるドライバーの条件を挙げるとするならば
自分のペースを崩さない、時速300の限界以上のゾーンでアクセルを踏める人間だろう……」
五代 基一郎 > 「そんな人間いるのかよ……」
「だからこそヤツは悪魔のLと呼ばれているんだ。こんなことマトモなメンタルでは出来ない。
頭のネジが飛んでいるとしか言いようがないな。地獄が住処である悪魔というのも、あながち間違ってはいないだろう。
だが可能性はゼロじゃない」
ルシファー川添戦以降のいくつかのバトルデータの映像を見ながら続ける。
「ルシファー川添が呼び水になった。悪魔が悪魔の世界に引き込むようにだ。
今後も激しいバトルが行われるのは予想できる。
その中で条件をクリアしたドライバーだけが……悪魔のLを下すことができる。
公道最速の称号を得るだろう。」
峠と車を好む男達のファミレスの会合は終わる。
次の公道バトルを待ちわびながら……
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」から五代 基一郎さんが去りました。<補足:夏用スーツ。速度free。乱入free。>