2015/06/18 - 00:43~01:25 のログ
ご案内:「法世寺」に五代 基一郎さんが現れました。<補足:夏用スーツ。>
五代 基一郎 > 夜。夕時を過ぎて暗くなった時間。勝手戸を開けて寺に入る男一人。黒猫一匹。

ここは法世寺。常世島にある仏寺である。
立地としては同じ宗教施設である常世神社と違い学園地区に近く、幼稚園も併設されている。

五代 基一郎 > 常世島自体神道色が強いものだが、日本は古来より伝来した仏教が根強い。
それは表立って、というものではないのだが日常的であったり慣習的に侵透したものが今日でも生き残っている。
代表的なものというより現実的な問題として墓地の問題が出て切る。

もちろんキリスト系の教会施設もあるのでそこに墓地はあるが、日本から来たものも多く
また日本の慣習で生きている人間が立地でいえばそれなりにはいるだろう。

五代 基一郎 > 落第街等での死者も日本の者で本土のものなら本土へ、そうでなければ寺へとであったり
そも善良な学生が不慮の事故等で死亡した場合、日本での通例通りに葬儀を上げる必要がある。
それらは神道の手が届かない部分である。

また大体にして葬儀の際に知るのだが、日本は家制度が強く
その家の宗派をその時に知る
ということが往々にしてある。宗派の諸々については、その分だけ仏閣を増やすことに繋ってしまうこともあり
やむ負えずある程度複合したものが作られた。

それが法世寺である。見るものが見れば、金堂の作りや本尊からどのような宗派かわかるのだが今は省く。

五代 基一郎 > 葬儀の際に使う別館の応接間に通され、待つこと少し。
住職があるものを抱えて現れた。
一通り挨拶の言葉を交わし、現状を報告するとその包みを開けて差し出した。

「これが最新のですか」

ものは2つある。仏閣に似合わないものであるが、一つは銃器に見えるもの。
それを手に取り見て行くと引き金や形はさておき銃口がない。
造型的な姿も銃というより機械装置に思える。

もう一つはPDA。それが何であるかは知っているため
立ち上げて中身の更新情報を確認していく。

五代 基一郎 > 「これがあれば、それなりに勝機は見えますよ」

PDAの中身は攻性防壁である。といってもデジタルなサイバーネットワーク上で使う
防衛用プログラムではない。
攻性防壁とは、侵入を防ぎ侵入してきた対象にダメージを与える防衛プログラムの一種であるが
これは対呪用としてデジタル構成された攻性防壁である。

その構造はよく考えられたもので、始まりは数十年前の門出現にまで遡る比較的新しい概念である。
現在は第七世代であったが、今回の更新で第八世代と呼ばれるものにまでアップデートされた。

最もネットワーク上でのやりとりでもアップデートはできるのだが
この常世島の事情、デジタルネットワーク上に潜む何かの妨害もあり得る。
故にこうした手渡しを頼むことになり、時間が些かかかってしまった。

五代 基一郎 > この銃器的な装置もまた門の出現以降に造られたものの一つである。
最も衛星ネットワークを経由するため使用できる時間帯が限られている。
それこそ奥の手となるわけだ。
旧中国北部で使用された際にはその絶大な威力を見せ付け、異界の者にある種の畏れを植え付けた程である。

その誘導装置がこれなのであるが、使わなければそれに越したことはない。
ものがモノだけにその危険性も考えられ表沙汰に出来ないものであるし。

五代 基一郎 > 誘導装置の個別認証を終えると万が一に備えてそれを黒猫に渡す。
自分で持つよりこの黒猫に預ける方が安全なのも変な話だ。

一通りそれらについての説明を終え、雑談を交えて挨拶を交わし
今日の用事はひとまずこれでと済ませた。
再び勝手口から出て、一礼して帰って行った……

ご案内:「法世寺」から五代 基一郎さんが去りました。<補足:夏用スーツ。>