2015/06/25 - 02:22~03:42 のログ
ご案内:「異邦人街住宅街 安アパート」に五代 基一郎さんが現れました。<補足:夏用スーツ。>
五代 基一郎 > 自動二輪を減速させて停車しエンジンを切れば
そのまま駐輪スペースに止めて起動キーを抜き取る。
ロックをかけてそのまま、荷物を取れば階段を上がり
自宅へ入っていく。

トライアルの目的もあり、高速道を走らせようと思ったら
現在否支中とクロノスが遊んでいるらしく面倒だから帰ってきたというのが実情だ。
ヘルメットを脱いで、植木鉢を足で傾け鍵があることを確認すれば
自分の鍵を使い、アパートの自室へ入っていく。

五代 基一郎 > 靴を脱げば、ヘルメットを適当にころがし
上着を脱いで外套掛けに。適当に服を脱ぎつつ
風呂場へ向かう。着替えを用意することすら雑に
シャワーの蛇口を捻り、冷水を浴びて汗を流していく。

汗を流し終えれば雑に体を拭きながら風呂場を出て
冷蔵庫を開けて、ミネラルウォーターのボトルを取り出す。
口にして一服できれば雑に着替えてアンダーシャツと部屋着のボトムのみ
デスクに備えられた椅子に腰かければ
疲れからかそのまま沈み込むように意識を手放した。

五代 基一郎 > 次に意識を取り戻したのは。
覚醒いたのはいつかわからない。
だが外はまだ暗いようだ。

紅茶の香りが意識を呼び覚ましたようだ。
俺が買った覚えがない紅茶だ。俺はコーヒー派であるし。
こういうことをするのは間違いない。
”姉”の方だ。

癪に障るものでそのまま目を開けて起きる。
確かに、彼女はそこにいた。
言葉はないが、ただ憮然としたやる気のない顔がそこにある。

五代 基一郎 > 「百も承知だ。それでも俺がすることではないし、出来ることでもない」

紅茶と茶菓子。先日の”ドールハウス”の一件の揶揄か。
それを与え、彼女は気がないようで浅はかであると
諌めるように話す。
クノロスが言う様にあの場でどうにかするべきだったろうと。

「裁くのは俺ではない……それにもう結果は見えている。」

”妹”と同じような長い髪に
薄手のレースの寝間着、そしてその上からでも見える
幼い肢体と本来女性にはあるはずのないもの。

彼女が来ていた。
来て、態々こういうことを言う。

五代 基一郎 > 「……俺に出来るのはあれが限界だ。」

否支中活路は今も戦っているのにか、という言葉に
口の動きは遅くなる。
恐らく否支中はクロノスを止めるために戦っている。
2年前のあの時から、そういった関わりのあることを
不始末としてケリを付けようとしているのがあの男だ。
あの時”出来なかったこと”が今も傷として残っている。

自身もまた、2年前のあの時に大きな失敗をした。
失敗をし、また何も出来なかった。

ヤツは公の外で。
そして自身は公の中であり外で続けている。
あの時に零したものをどうにかするために。

だが俺に止めることはできない。
なぜなら俺は出来ないからだ。
何でも出来るようで、出来ないことしかない。

戦い続ける男はいる。
だからこそ、無力感はやはりどこかにある。

「返す言葉は、ないな」

”ビッグワード”とは”大言壮語”のことかと言われれば
そうもでる。元々”それ”は持っていたものだが
今では呼び名だけが知っているものだけに残る。
口だけは達者と言われても、それを否定することはできない。
何も出来ないのだから。

五代 基一郎 > 「それはある。だからこそ教えるべきことをまず教えた。」

自分が何も出来ないからと、出来るだろう人間を選んだとは
と。
呆れるように蔑むような、声高ではないが叱責のような
雰囲気は確かに合った。

「あぁ。あぁすれば動くだろうからな。”理解はできるが納得できない”のならば
 彼女は自分が動いてその目で確かめようとするだろう。」

何も知らないというのに、お前が言う様に体よく使われて憐れだなと
零す言葉に反論するかのように、だがそれを逃さないように語る。

「今必要なのは武力ではなく知ることだ。
 言われてはいそうですかと従う人間を俺は求めていない」

それこそクロノスらがお前が必要としていた人間ではないのかとも語る。
だが今あぁであるなら。それは間違いなのだろう。
結果論でしかないが、間違える人間を選ぶわけにはいかない。

五代 基一郎 > 学園という楽園であり煉獄の中で
何がどうか、であることを正しく認識できる人間など
砂浜の中で硝子の粒を探すに等しいことだ。

だが闇夜となった時に光を返すものはあった。
だからこそスカウトした。こちらの世界を、自分が見ている世界を知らせたが

「……そうはならないさ。そこは俺が出来る範囲だ。」

憐れな殉教者を増やすだけだろうという冷めた言葉に
そうはさせないという意志も込めて誓うように吐き出す。
そのために、そうではない人間を選んだ。
2年前のあの時とは違う。あの時を繰り返すことはしない。
そもシチュエーションが違うのだ。
今度は必ず

「俺にはそんな力はないんだ。もういいだろう……
 力はある。あるが無かったんだ俺には」

クロノスらが求める力こそ、お前が持つものであり
お前がその気になれば世界を変えて”救世主”になれるというのにと
憐れむ女の言葉にはもうそれしか返せなかった。
それが事実であり、それが結果だったのだ。

「ここでは誰もが神でさ。誰もが何でも出来ると思っている。
 実際何でも出来る奴はいるだろうさ。でもそれは所詮何も出来ないこと変わりない
 モニターの向こう側から好き勝手言うのと同じだ。
 誰もがあぁだこうだという事が出来るし、することもできるだろう。
 だが当事者になった時に付き付けられる。何も出来ないことをな。
 その向こう側とは自分が今いる場所と繋がっていることを
 現実の延長線上であることを忘れた愚者の末路さ」

五代 基一郎 > それ以降、語ることも話すこともなかった。
ただただ時間が過ぎて。

顔を伏せるように横に、椅子に沈めば朝だった。
彼女はいない。
紅茶は冷め切っていた。

黒猫がベッドで寝ている。
大鳥が豆をついばんでいる。

もう少し、寝ていよう。
今日の予定は少ない……ゆっくりするのもありだ。

ご案内:「異邦人街住宅街 安アパート」から五代 基一郎さんが去りました。<補足:夏用スーツ。>