2015/07/03 - 20:03~23:16 のログ
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」に桜井 雄二さんが現れました。<補足:不燃不凍のスーツに身を包んでいる。(乱入歓迎)>
桜井 雄二 > ニルヤカナヤに男が来店する。今日も試験勉強だ。
軽くウェイトレスに手を上げる。
「グァ………いえ、オレンジジュースください」
本当ならグァバジュースが飲みたい。
誰よりもグァバジュースを欲しているのは俺だ。
でもこの店にはグァバジュースはない。
だからオレンジジュースで喉を潤しながら、試験勉強。そうなる。

ウェイトレスが注文を確認して奥にいった。
ここからは勉強の時間だ。

桜井 雄二 > ふと、テキストを開く。
時空間異能概論の教科書だ。
これがまた桜井の頭を悩ませるもので。

「時間が止まった時に能力者が動く際の負担について……?」

知るか。時間を止めたことがないからわかるか。
そう言い切れれば簡単だ。簡単だが、単位は出ない。
桜井は頭を悩ませる。授業の時の板書を思い出しながら。

桜井 雄二 > ノートを開く。確かその頃の板書を書き写していたはずだ。
全部。
桜井は基本的に黒板に書き出されたものは全部ノートに書き写す。
要点を掴むなどといった概念は彼には存在しない。

「つまり………?」

そこまで呟いた辺りでウェイトレスがオレンジジュースを運んできてくれる。

「あ、どうも」

伝票を指先で弄びながらジュースを飲む。甘い。冷たい。美味しい。

桜井 雄二 > 『時空間異能の使い手は実際に時間を停止しているわけではない。』
『実際に時間を停止させると様々な物理法則により行動の阻害が免れない。』
『時空間異能の使い手は基本的に自分が時間を停止させたという世界を作り出し、その世界の中を動く。』

「…………………」

それって時空間異能と言うのか?
創世異能じゃないのか…?
そう思ってもぐっと飲み込んだ。桜井は(ちょっとだけ)大人だ。
教科書に載っていることは正しい。それに意見を挟む余地はないのだ。

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」にビアトリクスさんが現れました。<補足:上はシャツ、下はスカートの男子生徒>
ビアトリクス > 疲労の色の濃い少年が来店する。

今日の実技試験はなかなかハードだった。
しかし問題なくこなせはしたし、ちょっといいメニューを
頼んで贅沢してもいいだろう。自分へのご褒美だ。

桜井の隣の席に座り、やってきたウェイトレスに注文を伝える。
品物が届くまでにこの時期に悪あがきしているやつを眺めて楽しんでもいいだろう。
そんな邪悪な考えから彼の勉強内容をチラと覗く。
……時空間異能概論か。

「……その課目トンデモスレスレだよな」
偏見が口から漏れた。

桜井 雄二 > 隣の席に座った学生に視線を巡らせる。
「ああ……トンデモだ、確かにトンデモ理論だが」
何かを諦めた擦れた瞳で教科書に視線を落とす。
「単位がもらえるなら、俺はトンデモ授業でも受ける…」
切実な男の言葉が、搾り出された。

そして再び隣の席に視線を移す。
「随分疲れているようだな、バイトか試験の帰りか?」
「後者ならコラテラルダメージ(仕方のない被害)としか言いようがないな」
「……俺も炎熱系異能の実技試験で火力発電所の真似事をさせられたしな」
ああ、なんて常世学園という箱庭は残酷なのだろう。男は嘆息した。

ビアトリクス > お冷を口にする。ふう、と一息。

「時間操作系の異能者って1000人中何人の世界だろうねまったく。
 サンプルの絶対数が少ないのまではよくある話としても
 時間停止なんて異能の特性上測定調査難しいし。
 限りなく主観的な考察になっちゃうんだよな。
 そのへん自覚あるのか論述系の採点は甘いらしいけど……」
彼も同じ課目をやっていたのかダラダラと愚痴を垂らす。
まあそれを言ったら異能学って学問自体がそもそもアレなのかな、
と溜息をついて付け足し。

「試験だよ試験。考古学のダンジョン潜るやつ。
 体力ないんだしペーパーの方選んどきゃよかったかな……
 まあ、思いの外うまく行ったからいいよ」
肩をすくめる。
「火力発電所の真似事か……
 派手な異能を持つと大変そうだね」
皮肉げにくつくつと笑う。

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」にウィリーさんが現れました。<補足:長駆の青年、私服姿>
ウィリー > カランカラン。
軽い金属のベルが鳴る音と共に、一人の男が入店する。
店からは『いつも待ち合わせって言って入ってくる変な人』扱いされているとはいざ知らず、呑気に手を挙げて桜井に挨拶をした。

「おお、桜井。……と、ビアトリクス。さっきはおつかれさん」

桜井 雄二 > 「そもそも時間を停止させられる異能者って世界に1000人いるのか……?」
「確かに採点は甘い。甘いと聞いている」
「だが………これでいいのだろうか…」
異能学メインで授業を受けている桜井は、それ以上言わないでくれ、と付け足してオレンジジュースを飲んだ。
これ以上モチベーションの減衰が起こると即死もあり得る。

「ああ、考古学の……それは大変だったな…」
「上手くいったなら何よりだ、単位を落とすなんてないに越したことはない」
眉を八の字に曲げる。
「笑い事じゃあない。何時間かずっとお湯を沸かしていたんだぞ……」
「二度とやりたくないが、多分来期の試験もやる……やらされる…」

ウィリーに向けて軽く手を上げる。
「ああ、ウィリー・トムスン。こっちだ、相席しよう」
「今のところの試験の調子はどうだ、ウィリー・トムスン。俺はぼちぼちだ」

ビアトリクス > 「…………いなさそうだな…………」
正確な統計が存在するわけではないが。
モチベーションを保てないと勉強が出来ない奴は大変そうだな……とのんきに思う。

「くくく、悪い悪い。
 ぼくはそういう試験はなかったけど、CTFRA検定でボロいビルをまるごと新しく塗装させられたな。
 今思えば単にタダ働きされただけのような気もする」

ビアトリクスも片手を挙げ返して応じる。
「お疲れ、ウィリーさん。こっちでも顔を合わせるとは奇遇だね」

そうこうしている間に注文したものが運ばれてくる。
レモネードと、ブルーベリーソースがたっぷりかかった
多段重ねのパンケーキだ。

ウィリー > 「助かる。ああ、すみませんミルクレープを一つ」
よっこらしょ、という感じ――声には出していないが――で椅子に腰を掛ける。

「まあ、出来はボチボチだな。畑違いのモノ以外は及第点ってとこころか……
 とりあえず、体系外魔術概論と工学系の筆記には手応えがあった。隙を見て勉強しておいた甲斐があるってもんさ」

「実技はそこのビアトリクスについてったからなんとかなった。いやはや」
よお、と手を挙げてまた挨拶。どうやら甘党仲間のようだった、少しだけ好感度アップ。

桜井 雄二 > 「塗装……? そういう異能の能力者か…」
オレンジジュースを飲みながらテキストを読む。
重力使いにしたって本物の重力や斥力を作り出しているわけではないらしい。
じゃあなんなんだ。

「なんだ、二人ともスイーツか。まぁ疲れている時には甘いものが欲しくなるからな」
そう言いながら自分も甘いものを飲んでいる。
脳には糖分が必要なのだ。
「ビアトリクス……そっちのヒトはビアトリクスというのか」
「まぁ、よかったじゃないかウィリー・トムスン」
「ぼちぼちなんとかなれば卒業はできる計算だ」
「無理せず履修していこうじゃあないか」
指先を振ってマイペース宣言。だがテキストから目は離せない。

ビアトリクス > 「そんなとこ。手で触れたものに絵を描いたりとか……
 色を塗ったりとか、文字を入れたりとか……
 まあ、いろいろだね」
手近なナプキンを手に取ると、指から染み出すように緑色に染まっていく。
二次元的な表面情報を改変する《踊るひとがた》の効果だ。

「桜井先輩はいつも鬼の形相でモップ掛けしてる人だっけ?
 一部じゃウワサになってますよ」
パンケーキを小さく切り分けて口に運ぶ。
「疲れてたし贅沢もしたかった。贅沢といえば甘いものでしょ?
 にしても男ばっかりで雁首揃えて甘いものってのも愉快な光景だな」
そう愉快そうでもない表情。彼はいつも不機嫌そうに映る顔をしている。

ウィリー > 「卒業はまた別の問題だ。もちろん、試験を確実に突破する理由の一つではあるが。
 大事なのはこの試験の次に控える夏……フリーダム……
 輝く海、そして女子の水着」真面目な顔で冗談にしか聞こえないことを言う。
たまに、本当にたまに、彼はネジの抜けたようなことを大まじめに言うことがある。
歳相応と言われればそうかもしれない。

「そう言うなら不愉快になるよう、可愛い女の子の一人や二人連れてきて中和してくれると助かるんだが」
苦笑しながら、ミルクレープをつつく。
「そういえば桜井、泪ちゃんとはうまくいっているのか?」

桜井 雄二 > 「なるほど、俺はさっき言った通り炎熱系と…」
人差し指でトントンとテーブルを叩くと、小さな氷片が生成された。
「氷雪系の異能持ちだ」
街中で使ったことがバレたら懲罰を受けるかな?と軽い様子で呟いて。

「お、鬼の形相でモップ掛け……」
そうなのか。そうなんだろう。きっとそうだ。
「多分、その噂は正しい………」
認めたくはないが。きっと掃除している時の桜井の顔は怖い。
「そうだな、甘いものは贅沢の定番の一つだ」
「………? 男ばかりで甘いものを食べるのは、愉快なのか…?」
ポケットからNo.9と書かれたメモ帳を取り出し、メモを取る。
勉強もこれくらい熱心であったならよかったものを。

「なるほど……夏、フリーダム、女子の水着…」
ウィリーの言葉にも興味深げにメモを取る。
天然ボケ+メモ魔=桜井。
「……ここで可愛い女の子の一人や二人、と簡単に言える人間は…」
「泪とか? ああ、一緒に掃除したり、一緒に遊んだり」
「事件に首を突っ込んだり……色々だ」
無表情に掌を上に向けてウィリーと会話する。

ビアトリクス > 「あいにくとろくな女性にモテていなくて。
 わざわざ不愉快にしてやる趣味もない」

「わりとメジャーな能力だね。うらやましい。
 火と氷を両方操れるのは案外少ないけど……」
わざわざその程度取り締まるほど風紀もひまじゃないだろ、
とつぶやきに返す。

「……桜井先輩、勉強苦手でしょ」
いちいちなんでもメモる様子に、呆れて。
「泪、って言うと《直し屋さん》かな」
快活な笑顔を遠目に見たことがある。
この無表情な男とは正反対のように見えるが、それが返って相性がいいのだろうか。

「ずいぶん青春してるなぁ……」
ぽつりと零して、パンケーキを悠々ともう一口。

ウィリー > 「相変わらずのメモ魔だな桜井。情報の取捨選択は忘れるなよ?
 後一緒に遊んだその内訳、後で委細聞かせてもらう」
冗談めかして言った。

「もう少し考える素振りくらいしてくれてもいいだろうに。別に構わないが」
男が三人で甘いモノを食べてて何が悪いのか。誰が罰するのか。
誰も罰すまいし、罪にもなるまい。

「思わせぶりだな、ビアトリクス。その辺お前はどうなんだ?」

桜井 雄二 > 「そうだな……氷と火を使える異能者は、結構少ない」
「それでも苦労はあるぞ、強い炎を使えば火傷するし」
「極低温を使えば霜焼けになる」
それもそうだな、と肩を竦める。

「えっ……なんで俺が勉強が苦手なことがわかるんだ…?」
桜井は困惑した。たったこれだけのことで見破られるとは。
「ああ、三千歳泪だ。直し屋の……」
「青春してる、ことになるのか? 自分ではよくわからない」
オレンジジュースを飲む。完全にもう勉強ムードではなくなった。

「俺は要領が悪いからな、メモを取らないとすぐ忘れる」
「……別に大したことはしていない。だが…」
少し言いよどんで。
「…………泪と一緒に海に行けたら、いいなぁとは思っている…」
無表情のまま、だが少し緊張の入った声。

ビアトリクス > 「いやいや」
ウィリーの言葉に、なぜそこで自分に振るんだ、と言いたげな表情。
「ぼくは別にその…………そういうことはないんで」
目を泳がせて口元をむにむに。急にわかりやすい感じに。



「誰だって見りゃわかるよ。
 だって何が重要な情報か即座に識別できないってことでしょそれ」
嘆息。
「勉強して、委員会活動に精を出して、
 彼女とはそこそこ楽しく過ごしてて……
 充実した青春って言うんじゃない? 多分。
 ぼくはそんなに頑張って学生生活送れてないよ」

ウィリー > 馬鹿正直すぎるというか、物事をまっすぐに受け止めてしまうタチなのだろう。
彼の良さも悪さも、そこにある。
「備忘録って言い換えれば、まあそれなりに格好がつくさ。いいんじゃないか。
 ……ああ、やっぱりそこは外せないか? 海。泪ちゃんと海。」
ワイワイ騒いだ後に、二人きりにさせれば雰囲気がよりよくなるだろうか?
ウィリーは二人の仲をより深めるための算段を立て始める。

「そうか、ろくでもなくても女には言い寄られるクチだと言ったから思わずな。すまん」
明らかな狼狽に触れない方が良さそうなものを感じて、サラリと流す。

「誰も彼もそんな充実した青春を過ごしてるわけじゃないさ、そりゃ
 でもそれを望んでそのために努力するのも、また青春だろ」

ビープ音。間が悪く、自警団の応援要請が入った。
「そうそう、これもまた青春っと……悪いな、邪魔しちまって。
 それと桜井、怪異について少し情報を得た。また時間があったら話そう」

「そんじゃなあー」
すっと伝票を全部ひったくり、レジで支払いを済ませると全力疾走で現場へと向かう。
試験中だろうが、駄弁り中だろうが、呼び出されれば彼は駆けつける。――学生ではなく、自警団員ウィリー・トムスンとして。

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」からウィリーさんが去りました。<補足:長駆の青年、私服姿>
桜井 雄二 > 「なんだ、ビアトリクス……青春か、青春なのか」
無表情に少年を問い詰める。
「あると言っているように見えるぞ、その口振りは」

分厚いメモ帳を持ったまま固まった。
「た、確かに俺は暗記で勉強を済ませるさ……?」
「そ、それでも一応の成果は上げていてだな…」
歯噛みをしてビアトリクスを見る。
「泪は彼女ではない……友達以上恋人(ホンモノ)未満だ…」
「………あ、待ってくれ、今の発言想像以上に自分にダメージが」
顔を右手で覆って言う。意外とメンタルが柔らかい。
「だが頑張るっていうのは意外と悪くないぞ……」


「備忘録……そうだ、それだ。このメモ帳は備忘録なんだ」
「そ、そうだな……泪と海に行けたらきっと俺は嬉しい………」

ビープ音にウィリーのほうを見る。
「呼び出し、か……? 怪異の情報ならいつでも話を聞く、またなウィリー・トムスン」
あっと声を上げると伝票をまたも持ち去られてしまった。
「あいつ……底抜けにいい奴だな…」
「だがたまにはこちらにも払いを任せてほしいものだ」
無表情に彼が去っていった方向を見ていた。

ビアトリクス > 「……行ってしまった。慌ただしい人だな」
言葉のアヤで、別に言い寄られているわけではない……ハズだ。
去っていくウィリーをただ見送る。
考古学試験の時から思っていたが、随分と気風のいい男だ。
彼こそモテるのではないだろうか。

「…………」
問い詰められれば、レモネードをストローでズズーと吸うことで応じる。
「いるよ。キスもしたしデートも行った。満足か」
諦めたのか、目を逸らして早口で言った。

「友達以上恋人未満って口に出す人はじめて見た……
 なんだよ、彼女じゃいけないのかい?」
呆れの混ざった半笑い。
こいつはつつくと面白いかもしれない。

桜井 雄二 > 「ああ……慌しい、そして…気を使うことを知っている男だ」
名前をそれとなく出して自分とビアトリクスの間を取り持ったのも彼だ。
なんと気持ちのいい男だろう。

「ああ、満足だ」
ギシィ、と表情を歪めて笑う。彼にとって笑顔は練習中のものなのだ。
「擦れた喋りだが意外と青春しているな、ビアトリクス」
男は満足げだ。だが次に弄られるのはこっちのほう。

「……俺は…泪のことが好きだが……向こうからしたらライクかも知れない…し…?」
血を吐くような、あるいは呪いの言葉を紡ぐようなテンションで男が言葉を口にする。
もう無表情ではいられない。
アイスを持ってはしゃいでいたら全部落とした子供のような顔つきで次の言葉へ。
「そもそも俺は女性と付き合ったことがない…」
「機微がわからない……」
その場に人形でもあったら仮初の命を得て呪い人形になりそうなほどの負の想念が篭った言葉が続く。

ビアトリクス > 「青春……青春か。まあ、青春かもな」
三度言ってしまった。
若い時間を振り返らず全力で過ごすことが青春だと定義するなら、
たしかにあのとき自分は青春していたのだろう。
それはきっと間違いない。

「…………」
あんまりな表情すぎて、フォークを手に思わず笑ってしまう。
「甘酸っぱすぎるだろそれ。
 さんざん一緒に遊ぶ気安い仲なんでしょう?
 ……ちゃんと言葉で形にして伝えたのかい?
 そういうのって大体はさあ――」
そこまで上機嫌に語っておいて、突如として色を失う。

「…………。別にライク――友達だったとしても、
 いいんじゃないか? 楽しければさ」
そしてニコ、と笑顔を作りなおした。

桜井 雄二 > 「俺も泪とデートしたことがあるがあれは楽しかった」
「そういう楽しさをたくさんの人が感じればいいと思う」
そうすれば世界は平和になる。きっとそうだ。

「甘酸っぱい………のか…?」
もう空になったオレンジジュースのコップ。
氷が溶けて少しだけオレンジ風味の水になっている。
少しも甘酸っぱくない。
「お………おおおお……………」
呻くように相手の言葉を聞いて。

「そこで引くのかビアトリクス」
ドブで溺れかけたネズミの表情で沈痛な感じに俯いた。
「世界に希望はないのか……愛とは一体…?」
世界を壊す力を持っていたら間違いなくその場で使っていそうな絶望っぷり。
「はっ、そうだ、勉強をしなくては」
「それじゃ今日はこれで、またなビアトリクス」
慌しく勉強道具を仕舞ってその場を後にするのだった。
もう勉強ムードではないファミレスの一角を置き去りにして。

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」から桜井 雄二さんが去りました。<補足:不燃不凍のスーツに身を包んでいる。(乱入歓迎)>
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」からビアトリクスさんが去りました。<補足:上はシャツ、下はスカートの男子生徒>
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」にビアトリクスさんが現れました。<補足:上はシャツ、下はスカートの男子生徒>
ビアトリクス > 「引き際が肝心な時だってありますよ」
去り際の桜井にはそう声を投げておく。満足顔。

パンケーキはフカフカでおいしかったし、
悪あがきしている学生(桜井)の足は引っ張れたし、
溺れかけのネズミ(桜井)を棒で叩けたし、
割と得るものが大きかった。

「そう――諦めが肝心なんだよ」
もう一度繰り返す。笑みはすでに消えていた。
パンケーキとレモネードを平らげて、
いまだ諦めきれていないビアトリクスもまた、ファミレスを後にする。

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」からビアトリクスさんが去りました。<補足:上はシャツ、下はスカートの男子生徒>