2015/06/07 - 22:55~23:52 のログ
ご案内:「実習区設定自由部屋」にアリストロメリアさんが現れました。<補足:由緒正しい魔女のお嬢様。態度は尊大だが非常におおらかで善意的である>
アリストロメリア > (常世学園に来て、早一月
ここの施設はとりわけ様々な施設が贅沢にあり恵まれている環境である事を知った
その一つであるこの小さな演劇会場も、吹奏楽部や演劇部等が披露するにはうってつけの場所だろう
学園内の施設だというのに、小さなコンサートホールの様な場所まで用意されているとは驚いた)
(それと同時に、もし吹奏楽部や演劇部等の発表があるのなら少し見て見たい気持ちもある)
(けれど今日は――……
注意深く周囲を見渡せば、誰も居ないのを確認して、閉じられた幕の後ろに回れば
宝石まであしらわれた豪奢なドレスから、不思議な事に純白のチュチュへと変化していた
一番下のタイトドレスのままで、入念に柔軟運動を始める)
久しぶりですもの、随分と固くなっているわね……
(等と、苦笑しながら何年ぶりなのだろうか?と思う)
アリストロメリア > (嗜みの一つとして、ずっと昔からバレエをやっていた事がある
毎日毎日練習漬けで小さい頃は嫌で嫌で堪らなかったけれど――……)
(それも習慣になり身体に染みついて大分経つ頃、思いもよらぬ哀しい最後を迎える事となってしまった)
(胸が大きくなったからだ
特に彼女ほど大きければ、飛んだり跳ねたりを頻繁にするバレエ等は身体が悲鳴を上げてしまう
こうして、あっけなく終わりを迎えながら 胸の発達の未熟な同い年の少女達を羨ましく想いながら去ったものだった
……大抵この話をすれば、贅沢な悩みだと言われる事の方が多いのだけれど)
アリストロメリア > (そう言う訳で、学園見学を兼ねて施設巡りをしている途中
ふと、演劇ホールを見れば 胸の奥に閉じ込めて居た想い出をほんの少し思い出したのだ)
『白鳥の湖、踊りたかったですわ……』
(という、ささやかな夢を)
(……いや?本当にささやかだろうか 白鳥の湖は、バレエの中でもとりわけ最高峰の一つなのだから)
アリストロメリア > (白鳥の湖とは、こういうお話だ)
(美しい娘オデットが、突如現れた悪魔ロットバルトにより侍女もろとも純白の白鳥に変えられてしまう)
(次に、結婚を控えたジークフリード王子は 母から明日の舞踏会の花嫁候補の中から嫁を選ぶように言われるが
どうにも乗り気がせず憂鬱な気分を隠せない
結婚したくない思いを抱えながら、白鳥のすむ湖へと狩りへ)
アリストロメリア > (深夜の湖で影を顰め、優雅に白鳥を狙っていると――……
白鳥達は月の光により、たちまち娘達の姿へと変化していく
その中でもとりわけ美しいオデットに王子は一目で心を奪われ、姿を現わせば
『何故、白鳥から人の姿へと?』と問う)
(オデットの問いはこうだった
『私は悪魔ロッドバルドにより、白鳥の姿へと侍女たちと共に変えられてしまいました
この呪いを解くには、まだ愛していない男性から愛を誓って貰う事』)
(それを知った王子は、明日の舞踏会へと彼女を誘う――……その舞踏会で、求婚する約束をして)
アリストロメリア > (舞踏会は盛大に開かれ、皆が踊っている中で
待ち遠しく恋焦がれる彼の前に、約束通りオデットは現れた)
(しかし、その正体は悪魔の娘オディールであった
魔法によってオデットそっくりの姿へと変えられて舞踏会へと現れた彼女の手を取り王子は花嫁候補にする
その様子を見ていたオデットは、絶望を胸に湖へと帰れば他の白鳥達にこの事を告げる)
(騙された事に気付いた王子は嘆きながらオデットの元へと向かってゆく)
アリストロメリア > (クライマックスは、暗いものと明るいものの二種類ある)
(一つは、オデットに赦しを乞い悪魔ロッドバルドを倒し、呪いは解けハッピーエンドに)
(もう一つは、ロッドバルドを倒すが魔法は解けず、絶望した王子とオデットは湖に身を投げて
あの世で結ばれるというもの)
(正式なものは、魔法が解けず絶望してしまう暗いお話ではあるのだけれど
死の抱擁と共に結ばれるのは、実にロマンチックではないかと思う
止められた時故に、永遠の愛に包まれたままでいられるのだから)
アリストロメリア > (踊りも技も美しく洗練されたそれは、バレエの最高峰であり、三大バレエの一つである)
(特にその中でも難しいのが、オデットとオディールが一人二役で
最も難しいオディールの4回転を妖艶に踊らないといけないと同時に
相反する純真で美しいオデットの役もこなさないといけないのだから)
(高い技術、高い相反する顔を魅せる為にはどれだけの練習と苦労を積み重ねるのか……きっと想像はしきれない
途中で止めてしまった者としては、尚更)
アリストロメリア > (『ふふ、本当はいきなりトゥ・シューズを履いてしまっては足を痛めるからいけないのでしょうけどね…?』
等と思いながら、鉛入りのつま先の潰れたトゥ・シューズを履き始めた)
(そうして、使い魔を呼び『お願いね』と声をかければ、独りでに曲が演奏されるのが聞こえ
閉じられた幕の奥で、秘密めいた踊りが始められた
それも、最も見所のオデットのVa)
アリストロメリア > (それはまるで、始まりを告げる挨拶の様な振りつけから始まり
軽やかに羽の舞う様な白鳥の踊りを始める
優雅に手足をあげて、ステップを踏み回ってゆく
後半になるにつれて徐々に徐々に、白鳥の舞う様な軽やかに
静かに上品に回転を加えていく)
―――――――……
……やっぱり、鍛え上げた方々とは比べ物になりませんわね
(まだ拙さの残るバレエが、曲と共に終わりを迎える
けれど、心には清々しさが残っていた)
(誰も居ない、独りの 観客も居ない舞台であったが
小さな夢の実現した彼女の心は満ちていた)
アリストロメリア > (ゆっくりと深く息を吸って、乱れる呼吸を抑えながら
汗をタオルで拭い、身を整え終えれば――……)
(それはまるで、何も無かったかのように
彼女の姿は元のドレスへと戻り、静かに扉を開けて会場を去って行った)
ご案内:「実習区設定自由部屋」からアリストロメリアさんが去りました。<補足:由緒正しい魔女のお嬢様。態度は尊大だが非常におおらかで善意的である>
ご案内:「実習区設定自由部屋」にアリストロメリアさんが現れました。<補足:由緒正しい魔女のお嬢様。態度は尊大だが非常におおらかで善意的である>
ご案内:「実習区設定自由部屋」からアリストロメリアさんが去りました。<補足:由緒正しい魔女のお嬢様。態度は尊大だが非常におおらかで善意的である>