2015/06/13 - 19:01~18:54 のログ
サリナ > 昼食を食べ終わってやってくるなりあたりを見回す。極力人目につかない場所を探して歩き出した。目的は昼寝である。
備え付けの休憩室を使わないのはまだ人がいくらか居て人目につくからでもあるが、
最近は諦めて最初から図書館で寝る場所探す事が多い常習犯だ。

サリナ > 図書館の奥の方、誰も居ないテーブルを見つけて近寄ると椅子を三つ程引いてそれぞれを横並びにくっ付けた。
簡易的な寝床が完成すると枕にとポーチを置いて、結っていた髪を解いてそこに横になる。しばらくすると寝息が聞こえてきた。

「すー…」
テーブルの影に隠れて一見寝ている事に気付かれないだろうが、引いた椅子三つが不自然な感じに見える。

サリナ > 「んん…」
一時間程経過した辺りで目が覚める。眼をこすろうと手を顔に近づけて…メガネにあたった。

「またかけっぱなしで…はぁ……」
しばらく身を起こしてぼーっとする。

サリナ > しばらくして視界がはっきりすると席を立って椅子を元の場所へ並べ始める。
午後の講習もまだまだある時間帯なので、そそくさと去っていった。

ご案内:「図書館」からサリナさんが去りました。<補足:私服にメガネ、長い髪は後ろで結ってたり>
ご案内:「図書館」に薬師寺 瀬織さんが現れました。<補足:紺色の髪と緑色の瞳、右腕が巨大な銀色の義手になっている少女。制服姿>
薬師寺 瀬織 > 自動ドアが開き、紺色の髪の少女が図書館に入ってくる。
その右腕は巨大な銀色の装甲義手。そしてその胸はあまりに豊満だった。
彼女――薬師寺瀬織は、以前この図書館で借りた本の返却に来ていた。

薬師寺 瀬織 > 鞄から本を取り出し、受付のカウンターで返却手続きを済ませる。
今は放課後。時間もあるので、ついでに何か読んでいこうと思い、ちょうどよさそうな本を探し始めた。

薬師寺 瀬織 > 辿り着いた先は「日本文学」の棚。ひとくちに日本文学といっても、純文学から若者に人気のライトノベルの類まで、幅広く揃っている。

「あっ……」

何かに気づいた様子の瀬織。

「アレが入ってるわね」

瀬織が密かに愛読している、十年以上前のライトノベル。長らく常世学園の図書館には入っていなかったその最終巻が入っていたのだ。
昔から瀬織の読書趣味は年齢に対して古く、五年、十年以上前の本を読み漁るのはよくあることであった。
このライトノベルのシリーズもまた、そういったうちの一つである。しかし、瀬織は最終巻だけを読んでいなかったのだ。

薬師寺 瀬織 > 「どうしようかしら……」

ここで読んでもよいが、借りて自室でじっくり読むのもよいだろう。しばし迷う。

薬師寺 瀬織 > 「……そうね。借りていきましょうか」

迷った末、また借りることにした。
本を手に取り、手続きを行うため受付のカウンターへ向かう。
その時、彼女の近くで何かが――

薬師寺 瀬織 > ――動いたような気がしたが、気のせいだった。
以前と同じように手続きを済ませ、本を鞄にしまい、軽い足取りで図書館を後にする。
ずっと読みたかったあの本が、こんなところで見つけられた。
その嬉しさに、瀬織の気分は躍っていた――

ご案内:「図書館」から薬師寺 瀬織さんが去りました。<補足:紺色の髪と緑色の瞳、右腕が巨大な銀色の義手になっている少女。制服姿>
ご案内:「図書館」にアリストロメリアさんが現れました。<補足:由緒正しい魔女のお嬢様。態度は尊大だが非常におおらかで善意的である>
アリストロメリア > (歩く度に美しく周囲に響くヒールの音は、静寂に佇む図書館に来れば一層目立ち
一歩一歩歩くことに、図書館の中にメロディが生まれるかのよう)

(元より本は好きで、実家に居る時も暇があればよく書斎に籠り1日中本を読んでいる事があった位本は好きだ
新しい知恵を自分に与えてくれるし、作者特有の自分にはない思考や考え方を教えてくれる師でもあり
また、物語はそれ自体、自分を別の世界へと案内してくれる扉でもあるからであった)

(どんな本があるか?――……というのを見て回るだけでも楽しい
『今日はどんな本を借りようかしら?』等と思いながら、子供が宝探しをするかの様なワクワクした気分で
本を探していく)

アリストロメリア > (先ずは、新刊コーナーに目を通す
今話題性の高い本や、人気の本、その他新しく入った本が並べられ、物によってはきっと図書委員が書いたのであろう
お勧めの本や、読んで欲しい本等の紹介が書いてあるものも)

アリストロメリア > (実に様々に種類も豊富に並んでおり、頻繁にこんな量の本が入荷されるのであれば
古い本の整理等も大変だろうし……あまり読まれない本は奥の書庫に引っ込まれるのであろうが
果たして全部入りきれるのか?という疑問が浮かぶ
……けれど、きっとそれも杞憂なのでしょう

実に様々な生徒が居る様に、この学園も実に様々な秘密がある
ブラックホールに等しい図書の保管倉庫の秘密なんて、それらと比較すれば微々たるものだと思うから)

アリストロメリア > (『新作のドレスのカタログ雑誌までありますのねぇ』等と、改めて多様性に驚きつつ
手に取り、中身を軽くその場で確認すれば借りる候補の一冊として手にする

ゆっくりと横に歩いて行けば、次はシェイクスピア等の代表的な作家や、グリム童話など
親しまれた世界各国のお話や古くから伝わる大作のコーナーであった
昔から大好きで読んでいた、親しみのある本達であり、どれもこれも時折読み返したくなる本ばかりだ)

アリストロメリア > (特にシェイクスピア等の作家たちの作品は、ウェイト博士等の解説を読んでも影響を受けたことは確かですし
魔術を学び直す際にもよーく読み返したものの一つですわね……
A,クロウリーも……不思議の国のアリスは実に魔術的だととても褒めていらっしゃっていましたし
等と、少し昔の事が蘇る)

(ウェイト博士というのは――……この世で最も有名な『ウェイトタロット』を作った魔術師であり
今では最もメジャーなタロットとして根付き、今出ているタロットの殆どがこのウェイト版を下地に作られている
他にも多くのウェイトタロットの派生がある為、それらと区別する為にも
『ライダー・ウェイト版』等とも言われている
ちなみにライダー社という出版社から初めて出版された為に、ライダーの呼び名が付いているのである)

アリストロメリア > (さて――……久々にシェイクスピアや不思議の国のアリス、白雪姫等
これら有名どころの作品を読みたい気持ちは、この間偶然まるで『運命に導かれて』出会うべく出会った
シュリク嬢との『魔法仕掛けの6月の秘密の薔薇園』を思い出して、手にしたい所でもあるのだけれど

『…………』

今回は、手を伸ばすのを辞めた
まだ記憶に新しいその記憶は、再び本を読みなおすよりも
自分の記憶を反芻して、なるべく鮮明に思い返したかったから
本を読んで物語の先入観や、その他色々なものを入れるのは、躊躇われた

あの記憶は、学園に来て沢山の楽しい想い出を作った中でも特別なものの一つなのだ
決して怪我してはならない繊細なガラス細工の様に
二人の秘密という箱の中に閉じ込めておいて、大切にしておきたかったから)

アリストロメリア > (――……と、言う訳で)

(きっと今は……いや、恐らく暫くは多分手にしないだろう
静かにそっと、名作コーナーから離れれば、次はいつもの魔術や神話の置いてあるコーナーに
この辺りは手あかがつくほど実家で読んだものや
ボロボロに擦り切れるまで読んだもの、まだ手にしていないものから以前読んだけれど意味がさっぱり理解できなかったもの
と、実に様々な本に枝分かれしている
同時に、このコーナーに来るとどうしても足を止められてしまうのは、魔術師の血筋ゆえか)

アリストロメリア > (ここに来れば有名なグリモワールから、各々の魔術師の本等がずらりと並んでおり圧巻だ
特にこの学園は実に種類は豊富であるし、置いていない本等が無いのではないだろうか?と思ってしまうくらい
見た事の無い本や、知らない文化圏の魔術の本まで実に多様に存在している
特に、知らない文化を知ることはそれだけでも楽しいし、読んだことの無いそれらの本は大いに興味がある)

アリストロメリア > (片っぱしから手にとって自室に持って行きたい衝動に駆られるが――……
これらの本は欲張って借りられるだけ借りても、全て期間内に読み終えるには到底難しいほどに
どれもこれも分厚い上に、内容の読解レベルも高く、知能レベルの高さを自然と要される
『……期間内に返す事を考えても、多く借りても2~3冊……悩みますわね』
等と、魔術コーナーの前で本棚と睨めっこしながら端から端までタイトルを追ってゆく)

アリストロメリア > (知らない魔術の本も気になるが――……どうしても既存の本の方に目が行ってしまう訳で
A,クロウリー師の本やダイアン女史等の鉄板等が眼に付けば
『この方々は何処に行ってもある上に、偉大なる魔術の心の師ですわねぇ』等と思いながら
散々お世話になった敬意を心の中で感謝する)

アリストロメリア > (久々にトートの書を手にしてみる
散々読み漁り、全ては不可能だろうが大抵の部分は大体把握しており、一字一句は無理としても
高い確率でそのまま本の内容をすらすらと喋れる程度には散々熟読したもののひとつである

始めは、その高度な解釈や、多岐に渡り多様かつ高度な知識を前提とし、かつ作者独自の思考が理解できる者ではないと
ほぼ完璧に理解するのはきっと難しいであろう書物の一冊
多少の西洋占星術や、神話・聖書の知識に助けられたものの、もしそれらが無ければきっと
初めてこの書を手にする人は、恐らく全体の5%も理解するのは難しいのではないか?と
思われる程に高度である

しかも、これが決して誇張表現でない所が恐ろしい)

アリストロメリア > (その上、一見簡単にさらりと分かりやすく書いてある解説の一節も
表面上で分かりやすいと捉えて理解するのと、自分の理解や知識が深まってから改めて目を通すと
その短い中に実に様々な言葉の意味や象徴等がふんだんに散りばめられており
改めて自分と作者を比較して、凹んでしまう事もある

――……最も、本人の業績も偉大だが
生まれ持った星も偉大である人間である
その上、とても賢い頭脳の持ち主であるのであれば
彼を超える人間等、果たして全世界に 初めて生まれた人類から含めて
どれほどまでに存在するのか? という疑念も浮かぶ
きっと、初めて生まれた人間から今現在生まれつつある人間まで含め
知能指数の高さや業績等から言えば、人類の中でも間違いなくかなりの上位の人種であろう

……そんな作者の本を、容易く理解出来る様になりたいと思う方が
もしかしたら傲慢なのかもしれない)

ご案内:「図書館」に谷蜂 檻葉さんが現れました。<補足:眼鏡を掛けた口元の黒子が特徴的な少女(18) 腕に図書委員の腕章をつけている>
谷蜂 檻葉 > 「あーごめんね……後は私受け持つから……」
図書館のカウンターにこそこそと一人の少女が元々座っていた図書委員と入れ違いに入っていく。

昼の呼び出しを受け、張り紙を出しに行き備品整理――と思いついた先に手をつけていった結果、別の図書委員に今日のシフトを任せることになってしまった。

「ん、それじゃまた明日。 じゃあねー……」

図書館に来訪している人達に配慮して小さな声で引き継ぎを終え、席から図書館を見回す。

谷蜂 檻葉 > 今日もあまり変わらない顔ぶれか、と確認していつものように持参の小説を取り出そうとした所で、一人の少女に視線が止まった。

(………また連続でお嬢様っぽい子に出会ったわね………)

不躾に見続けるのも何だと思ったが、相手も気付きはしないだろう。
と、何の気なしに、遠目に観察を始める。

アリストロメリア > (彼女自身、何度も何度も眼を通した書物の一冊であるが、全てを理解するに至っていない
純粋に難しすぎて理解できない解説や、きっと彼女は気付いていないであろうが――……
単純に思えて、実はとても高度で理解しがたい一説になってしまっている所も多くあれば
資料が少な過ぎて、知識を得るにも困難なものもあるからである)

(はらり、とページを捲りながら久々に
『以前よりどのくらい理解できる様になったかしら?』と
まるで受験生が受験勉強をするかの如く、黙々と本を読む
……その為、図書委員の交代を気にする事もなければ、集中して気付かなかったが――……)


(遠目に観察されれば――……ふと、視線に気付き、本から視線の主の方へと顔を向けて
視線が交われば、小さく)
御機嫌よう(と、にこやかに挨拶した)

(そっと周囲に目を配れば、彼女と自分の二人きり
これも縁の一つかと思えば、本を閉じて彼女の前まで歩いていくと、椅子を引いて腰かけて)
人が少ないと、図書委員さんはお暇になってしまいますわよね……

谷蜂 檻葉 > (あの場所は――また、難しい本を読むのねぇ。)

図書委員は司書でもなく、一生徒の有志協力が大半であるため全ての本のカテゴライズを記憶しているわけではない。 ただ、それでも良く借りられる本(つまり返却しに行く棚)はなんとなく記憶している。
だから、アリストロメリアが”なにか難しい本”を読んでいるのだけは解った。

(興味……にしてはじっくり読んでるしやっぱり教養があるって事なのかしらね……)

思う通り、こちらに気づかないまま熟読する姿を、「絵になるなぁ」などと実に庶民感覚で眺めていたがやがてこちらに視線を飛ばされた事にぴくりと反応する。

(……見てるの気づかれた? あ、挨拶してくれた。)

睨むでも、無視でもなくわざわざ挨拶をしてくれた彼女に内心の評価をどんどんと勝手に上げながら会釈を返す。

が、そのままどうするのかと思えば近くまで来たことに再び驚く。

「は、はいっ。 ……まぁ一応やる事なくはないんですけどね。こういう時間だと、わりと暇してますよ。」

チラ、と横に視線を向ければ『返却口』と立てられた後ろ側に大量の本が積まれている。
近くのカートにもまばらに本が積まれており、本当であれば直ぐに書架に戻すべきなのだろう。

彼女が勤勉である、という前提が成り立っていればだが。

アリストロメリア > (目が合う少女は、小柄ながらもグラマーな肢体と
知的な顔つきと眼鏡が、凛としながらも何処か色気の漂う少女であった
それは、真面目で知的な雰囲気と固くきちんと着こなした制服が一層色気を漂わせるせいだろうか?)

(そして、彼女がこちらを観察しながら思った事はわからないが
瞳から、恐らくであるが好意的に思ってくれたのだろうという事だけがほんの少しだけ伝わって
一層微笑んで、にこやかに話しかける
この学園に来て以来、多くの楽しい学友に恵まれている為、知らない人とお話しするのは楽しみの一つであった
――……本来なら、人が居無いとはいえ図書館で話しこむのは宜しくないかもしれないが)

成程。 ……まぁ、そうですわよねぇきっと基本的な仕事の多くは生徒の本の貸し借りがメインでしょうし
(ちらり、と後ろを見れば多くの利用者で賑わっているのが分かる
貸し借りがメインかと思っていたが、思ったよりも大変かもしれないと改めて)
……あの量、独りでは大変じゃありません事?

(と――……話をしつつ、彼女の異脳のせいだろうか?
ふんわりと 何だか、とても惹きつけられる香りが漂う気がするのは)
……貴方、とてもいい香りの香水を付けていらっしゃるのね?
もし宜しければどこのお店から出ているものか、教えて頂けません?
(と、興味深そうに尋ねて)

谷蜂 檻葉 > 「あはは……確かに多いっちゃ多いですけどね。大半の人は借りる場所って決まってるし、纏めて借りる人の本はほぼ同じ位置ですから。 そうですねぇ、見た目の3,4割ぐらいですよ、実際の労力は。」

そう言いながら、見られているのであればと―――彼女は怠惰でありながら真面目という実に相反した行動原理を持っている。―――片付けの前準備としての整理を始める。

確かに、ちらと見えるだけでも連作のようだったり、表紙が似たり寄ったりで同じような本で3~5冊纏められているのが多い。


「……えっ?」

香水を使っているのか、と尋ねられるとドキっとして手が止まる。

「あ、ええと、その、”自前”の物なのでお店では買えないんですよ。」

汗の匂いを誤魔化すために使っていた異能に気づかれたことに、とっさに幾つか言い訳――異能について知らせないような言葉――を思いついたが、飾らずに答えた。

それで伝わるかどうかは、また別だが。 彼女の常識に沿った直喩表現である。

「近いのは……何かしら、花が多いのだけれど。蜜の香りに近いかしら。」

アリストロメリア > そうですの?……言われてみれば、人気がある本や話題性のあるもの、勉学に必要なもの……等と
借りられる本の多くはそのようなものなのでしょうね
(成程。大変そうだと思うが、慣れればそうでもないのかもしれない)

(ドキッとして答える彼女に、残念そうに溜息をつく
此方の学校で数多くの異脳を持った生徒は存在するが、彼女自身魔術が使用できても
異脳の無い文化に居た為に、あまりそれを理解していない所がある
故に、自前という言い方に、彼女お手製のオリジナルの香水とか
『秘密にしておきたい』という意思の隠語の様に解釈したらしい)

……まぁ、そうでしたの……
とても良い香りでしたので、気になったのですけれど……自前でしたら仕方ないですわね……
(残念そうに言うが、近い香りを問われれば――……
『顔を近づけても宜しくて?』と聞いてから、最もその人本来の匂いが色濃く香る場所と言われている
耳の後ろの匂いを、そっと嗅いでみる)

……そうですわねぇ……
林檎を思わせる蜜の様な香りに混じり、モリンガの花の様なフローラルさ
甘いバニラの香り……と、精巧に工夫を施された香水の様に
『どれ』とは言えませんけれど、何とも言えない良い香りの様に感じますわ
(と、微笑んだ)

谷蜂 檻葉 > 「ええ。ちょっとした勉強でしたら自分で戻す人も多いですしね。1,2時間の暇潰しで着てる人でしたらそたらのコーナーの本を手に取る人も多いですよ。気に入ったら借りるってスタンスですね。」

そう言って指し示したのは手軽そうな、文庫本のコーナー。
手製のポップも置いてあり、軽く読める「1巻」を集めているコーナーらしい。


ある程度集め、カウンターの外のカートに詰め始めた所で後ろから軽く耳元を嗅がれてブルりと震える。

「え、あ。はい……ひゃわぁあっ」

顔を近づけても良いか?と聞かれ、髪の匂いでも嗅ぐのだろうと思っていたら耳の裏に鼻を近づけられて(当然少し息がかかって)くすぐったがりな彼女は身を捩り、流石に後方ヘッドバッドをするほどではなかったのがせめてもの幸運だったが、しりもちをついた。


「あ、あはは……どうも、ありがとうございます?」

異能を褒められるという彼女には珍しい経験に、尻餅をついたのと耳元にかかった息への感覚も混ざりつつ頬を少し染めて、耳元をかいて照れる。

アリストロメリア > 成程ね、確かにほぼ毎日学園には足を運びますし
持ち帰るのも面倒で、図書室で済ませる方もきっと多いでしょうね
(指し示す先を見れば、手製のポップが目を引く文庫本コーナー
成程、大体読まれるのはあの辺りなのかと思いつつ)

(脅かしたつもりは無いのだが――……結果として驚かせて、しかも尻餅を突かせてしまう)
ごめんなさい、大丈夫?怪我はなくて?
(心配そうにそっと手を差し出して、彼女が体勢を起こせば
怪我や何処か転んだ拍子に制服を汚してはいないか等のチェックをする)

悪気は無かったのですけれど――……結果として痛い想いをさせてしまいましたわね
作業の邪魔にもなってしまいますし 今日は失礼致しますわ
(何事も無かったと知れば『またお時間のある時に』と言い残して、去って行った)

ご案内:「図書館」からアリストロメリアさんが去りました。<補足:由緒正しい魔女のお嬢様。態度は尊大だが非常におおらかで善意的である>
谷蜂 檻葉 > 「いえいえ!大丈夫です、ちょっとびっくりしちゃっただけで。 ……ほら。」
立ち上がって、軽くクルリと回ってみせる。


「遠慮させてしまってごめんなさいね。 ええ、また来てください。私が受付じゃない時でもお待ちしてますから。」

そういって、立ち去るアリストロメリアを見送った。

谷蜂 檻葉 > (……そういえば、名前聞いてなかったな……)

ふと、カートを押しながら思い出した。

ご案内:「図書館」から谷蜂 檻葉さんが去りました。<補足:眼鏡を掛けた口元の黒子が特徴的な少女(18) 腕に図書委員の腕章をつけている>
ご案内:「図書館」に井戸木さいこさんが現れました。<補足:黒い髪に、アメジストとエメラルドのようなムラサキと緑のオッドアイ、シャツにタイトスカートにヘッドドレス、さいころの髪飾り。胸に教員証。乱入は大体いつでも歓迎>
井戸木さいこ >  
 暇つぶしに図書館へとやってきた。
 何か面白い本はないか、と、アテもなく本棚の前を歩きまわっている。
 そういえば昨夜、来島先生帰ってこなかったなぁ。

 なんて考えながら、静かにあるく。
 図書館ではお静かに。

井戸木さいこ >  
 ふと、新刊コーナーで一冊の本が目に入る。
 小説・エッセイ・学術書ではなく、案内書の類だろうか。
 それを、手にとって見る。

   『転移荒野ガイドブック』

 シンプルな題名を打たれた本を軽く捲る。
 転移荒野に点在する数々の遺跡や、名物スポットが危険度・おすすめ度と共に纏められていた。

井戸木さいこ >  
 もう少し捲ってみると、写真や図付きでの解説も見受けられる。
 面白そうだ。そう思えば、本を持って机へ向かう。


 ゆっくりと、読み始めた。

井戸木さいこ >  
 その中でもひとつ、目に入る遺跡があった。
 名はイォェプレド だろうか。 英字に訳された綴りがあるが、上手く読めない。

 とても整った神殿のような外観。
 未だに花を咲かす庭園。
 不思議な幾何学模様の壁画。

 本を通じて遺跡に思いを馳せながら、解説を読み進める。

井戸木さいこ >  
 嘗てこの遺跡には、とある神が宿っていたらしい。
 一説によれば、その神は計算と幾何学を以って世界を創造したとされる
 創造神とも呼ばれる神の一人。

 名は、デミウルゴスと云う。

 ……その名前を聞けば、頭が痛む。
 目の前のそれと、私を創ったデミウルゴスプロジェクトは関係ないだろうに。
 
 顔をしかめながらも、本を読み進める。デミウルゴスの名前に詰みはない。
 頁を開けば目に入る、奇麗な遺跡郡が心を癒してくれた気がした。

ご案内:「図書館」に雨宮 雫さんが現れました。<補足:真っ白い髪をポニーテールにした中華服の少年>
井戸木さいこ >  
 静かに、本を読み進めている。
 妖精の劇場跡。この遺跡も綺麗だ。

 ……読み進めていたら、集中力が欠けてきた。
 ぼうっと、何気なく、周囲を見渡してみる。

雨宮 雫 > 数冊の本を小脇に抱えて歩く少年。
更に手にしたメモと本棚の番号に交互に視線を落としながら、の歩きは余りそれ以外に注意を向けているとは言い難く。

「と、失礼しました。」

ぶつかる前に気づいたものの、既に着席して何か読んでいた女性の脇をあぶなっかしく通りかかって足を止めた。

井戸木さいこ > 「わ、と、と。」

 座ったままであるが、思わず小さく声をあげてしまうか。
 やや危なかっしく、ぶつかりそうになった。

 足を止めた少年に気付くと、心配するような面持ちで声を掛けるだろう。

雨宮 雫 > 「ぁー、すいません本当。
 ちょっと上見てたら前方不注意でした、あんまり人居ないと思ってたのに。
 ぶつかってないので、許して欲しいかな、かな?」

片手は本を抱えて塞がっているので、メモを持つ片手を立てて申し訳無さそうな表情を作って改めて謝罪する。

井戸木さいこ > 「うん。大丈夫だよ。ぶつかってもないから。
 確かに、今日はあまり人もいないみたいだし……
 ……何か探しもの? 大分集中していたみたいだけど……」

 くす、と、柔らかく微笑んで見せる。
 メモを持つ手を見れば、ふと、そう尋ねるだろう。

雨宮 雫 > 「そうだね、ちょっと異能のコトをね。
 目当てのコトが書いてある本ってあんまり無さそうで、タイトルで絞ってみたら、場所がバラバラだったんだよね。」

困った困った、へへへ、と笑ってメモをヒラヒラ。

「ところで、生徒じゃなさそうな雰囲気なんだけども、教師かな?かな?
 口調とか改めた方がいいかな、かな?」

井戸木さいこ > 「うふふ。大丈夫。わたしも新米教師だから。
 ……異能? 折角だし、どんなタイトルなのか聞いても良いかなぁ?」

 笑みを浮かべたまま気にしないで、と付け加えつつも、
 異能の事を調べていると聞くと、何となく興味が湧いた。

 きょとんとした様子で、尋ねるだろう。

雨宮 雫 > 「じゃあお言葉に甘えるかな、かな。
 新しい人なんだね、知らない顔だからどっちか分からなかったのだよ。
 授業もサボってると毎年、新年度の頭はしょうがないね、けひひ。」

お言葉に甘えて、というのにはフランクさが増している気配もあるが。

「最後のはえーと。
 ”系統異能の認識と効果”
 って本だね、だね。本棚の番号的にもっと先かな、かな。」

井戸木さいこ >  
「うふふ。……あ、そうそう。わたしは井戸木さいこ。よろしくね?
 保険や体育のアシスタント、レンジャー/スカウト分野の実習、狩猟学やサバイバル学が主なんだ。
 たまには授業に来てね。なんて」

 "可愛い笑い方かも。"
 そう付け加えながらもフランクさの増した少年へ、
 軽い調子で名乗る。

「系統異能の認識と効果? 異能の系統を調べているのかな。
 それとも、"認識"の方?」

雨宮 雫 > 「あや、じゃあ。
 ボクは 雨宮 雫 だよ、よろしくお願いしますなのだね。
 体育は面倒なんであんまり出ないけど、保険なら出るかな?かな。

 野外やサバイバルもまぁ……さいこー先生は、見た目に反してアウトドア系なんだね。」

見た目で判断した上での発言である。
人間、第一判断は見た目なのである。

「んんー。
 系統じゃなくて、認識の方だね。
 ちょっと前の本みたいなんだけども、ちょっと興味が出てね、けひひ。」

井戸木さいこ > 「うふふ。これでも昔は大変だったから。
 雨宮君だね。うん。宜しく。」

 なんとなく指を口にあてて、微笑んでみせる。

「そっか。難しそうな本を読めるんだね。うふふ。
 異能に認識……かぁ。」

雨宮 雫 > 「どっかで遭難でもしたのかな、かな。
 もしくは変な場所で苦労したとか、とか。

 まぁ、ヨロシクお願いするには授業時間が合わないとなんだけど、けど……  時間割はどこかな?」

あんまり教師っぽくないなぁ、という感想は口には出さないでおくが。
話も長くなってきたので、通路からテーブルに寄って、脇に抱えていた本を一旦、井戸木の横のスペースに仮置きした。

「分からないコトは先達の知恵頼りが一番楽だからね、けひひ。」

井戸木さいこ > 「うふふ、秘密。
 ……ン、ちょっとまってね。」

 とん、と、かばんから一枚の紙を取り出す。
 シラパスの一部なのか、担当する時間割と授業要項が書いてあるだろう。

「手探りよりも効率が良いからね。うふふ。
 ……あ、ごめんね。足を止めさせちゃった、かなぁ?」

雨宮 雫 > 「ぉ。授業に出れば経験談とかで出てくるかな、かな?
 はいはい、というかまだ申請ってできる授業なのかも問題だけど。」

こちらは、中華服の袖に手を突っ込むと、スマホを取り出してスケジューラーを呼び出したようだ。

「急ぎでも締め切りがあるわけでもないから大丈夫だね、だね。
 今日明日で何かあるって話の研究でもないしね。」

井戸木さいこ > 「どうしようかなぁ。なんて。
 ……ん、特例で申請が認められているよ。入ったばっかりで、出来たばかりだからね。」

 ぱちん、とウィンク一つしてみせ、ごまかしてみせた。

「うふふ。そっか。それなら良かったんだけど、何を研究しようとしているの?」

雨宮 雫 > 「成る程だね。
 じゃぁ、さいこー先生が可愛いから時間割次第で申請しようかな、かな。けひひ。」

ウィンクに へら と笑みを浮かべて愛想笑いを浮かべた。
問われたコトには んー と片手の指を自分の唇に当てて悩む素振りを作り。

「まぁいっか。
 異能の発生、あぁ、ここで言う発生っていうのは最初の発現じゃなくて、備わった人が使用するトキね。
 これって何をトリガーにしてるのが多いのかな、って思ってね、けひひ。」

井戸木さいこ > 「うふふ。可愛い雨宮君が来てくれるなら嬉しいよ。なんてね。
 そっか、例えば炎を出す異能だったら何がトリガーになって、そのトリガーがどういう意味を持っているかとか、
 超常をキャンセルするような異能だったら、何を基準に超常と認識して判定しているか、みたいな感じ?」

 うーんと一つ。
 自分なりに考えたであろう答えを出すだろうか。

雨宮 雫 > 「そんなー、ボクとか全然ー。
 せんせーのが可愛いよ、けひひ。優しくしてくれるなら、申請するかな、かな。
 
 ぁ、時間もソコ、何も無いや。今。」

スマホのスケジュールも確認しつつ。

「そうそう、大体そんな感じ。
 全部の答えはコレ、みたいなのは無いんだろうけどね。
 外科的に脳を開けた奴はコッチの本にあるみたいだから、ネ?」

井戸木さいこ >  
「うふふ。ありがと。嬉しいかも。考えてみて、良かったら申請してね。
 人為的、後天的な異能の発現関係なんだねえ。脳を開けるって、ちょっと怖いかも。」

 わざとらしく怖がってみせる。
 色々と頭のなかで想起したり、しなかったり。

「だから、探している本があるジャンルがばらばらだったんだね。」

雨宮 雫 > 「なんかこのやり取り、キャバクラとかの客引きみたいだと思ったね、ボク。
 先生は誘うの上手だね、けひひ。」

笑いながらとんでもないこと言ってるが……
一応コレでも褒めてるつもりなんだろう、本人は。

「ボクが適当にとっ捕まえて、頭を開けると公安とか飛んでくるかもしれないしね、リスク高すぎだね、だね。
 そーいうコトなのですよ、さいこー先生。

 ちなみに先生は異能とか持ってるのかな、かな?」

井戸木さいこ > 「もう、雨宮君ったら。」

 苦笑をこぼす。冗談や軽口だと判断したらしい。

「ん……私の異能、そうだね。
 ……気を張ってないと、どんな超常でも狂わせちゃう体質を持っているよ。
 誰も得しないし、どうにかしたいとも思う体質だけど……」

雨宮 雫 > 「まぁ、申請しておくから安心して欲しいかな、かな。
 野外演習とかは、山とか行くなら自分だけで行くより楽なトコロもあるしね。」

あ、怒られなかったらしい。
それよりも、後に説明された話の方に目を輝かせる。
いや、物理的に目が緑にキラっと光った。

「へぇ、オモシロいモノ持ってると思うかな、かな。
 体質なのに自前で制御できるんだね?さいこー先生に俄然、興味が出てきたよ、ボクは、けひひ。」

井戸木さいこ > 「うふふ。ちょっとしたピクニック気分でも良いよ。」

 実際、半ば実習半分ピクニック半分。
 たまにバーベキューしたりする 予定。

「うん、最初は制御できなかったんだけど、そういう訳にもいなかったから、
 こう、トイレを我慢する様な感じで意識したら、なんとかオンとオフだけ、だけどねえ。
 ……面白いというけれど、誰も得しない、最悪なだけの体質だよ。コントロール出来れば、良かったかもしれないんだけど……」

雨宮 雫 > 「ぇー、どうせならもっとハードなのがいいかな、かな。
 この崖の下まで降りましょう、とか、とか。」

目を薄く光らせながらにやーと笑う顔はなんか、凄く楽しそうだ。

「トイレの我慢とかちょっと生々しいね、でも分かりやすいかな、かな。
 本人に余りいい方向じゃない異能の場合は、狂わせる、ってのの中身にも拠るけど、効果が変わる方が嬉しいんじゃないかな、かなって思うんだね、ボク。
 だから、さいこー先生のコトをもっと教えて欲しいかな、かな。」

井戸木さいこ > 「そういうのは順番を追ってかな?
 アブナイからね、うふふ。」

 意外とフィールドワークも好きなのかな。
 楽しそうな雨宮の顔を見て、そんな事を考えた。

「……そうだねえ。大体どんなものでも悪い方向に行くよ。
 良い方向に行かない事もないけど……うふふ。ちょっとずつ教えてあげる。」

雨宮 雫 > 「怪我したらボクが治してあげるから大丈夫だね、だね。
 あぁ、ボク、保健委員なんだよ、怪我でも病気でも何でも美味しく処置してあげるから安心だね、けひひ。」

悪い方……と言われると、少し、2ー3秒の間を空けて。

「じゃあさいこー先生、最初にちょっと教えて欲しいかな、かな。
 ボクが異能使うから、せんせーちょっとだけ、その力使って見て欲しいかな、かな。」

井戸木さいこ > 「ん、そうだったんだ。
 なら安心かも、うふふ。」

 美味しく、のフレーズに小首をかしげつつ。

「……んー、わかったけど、気をつけてね。
 ここで、大丈夫?」

雨宮 雫 > 「ぁー、大丈夫かな、かな。
 ボクの異能は外向けじゃないからね、多分、周りに影響は出ないんじゃないかなと思うかな、けひひ。」

じゃあ、いくよ?
と前置きして、改めて井戸木の顔を見る。

緑色の目が薄らとぼんやり光始めて……

「解析」を開始。
皮膚の構成、健康状態、髪の毛の、眼球の―――
雨宮の脳裏に情報が溢れ始める。

井戸木さいこ >  
 Name:315
 DisplayName:井戸木さいこ
 Race:DemiurgeCrohn
               Type:Ruler/Creator
   
  Hair:black

   Condition:Good
 Eyetype:zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz
zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz

qawsedrftgyhujyahoo;@:[azzza
tgyaszx:;:;xagooglew@,lfslo
                        lololololololololololololo
"""""""""""""""""""""""""""
ooudnsdnsndsndnsdnsooua"""""u

""""""""""""""""""""""""
イ"wsedrftgyhuikop@[


 ――少しだけ視えたかもしえないが、すぐに解析が狂う。
 情報が砕け、跳ね、"意味のない文字"の羅列が雨宮へと流れこむ。
 

雨宮 雫 > 途中からぶち壊れた情報ノイズに脳が衝撃を受ける。
物理的に神経が軽くダメージを受けて、右目にじわっと、涙のように血が浮かんで目の下側にあった赤い隈取に沿って流れた。

「ぉ、    コレは中々クるね、刺激的だネ、けひひ。
 脳にギャリーンってきた超感覚だ、コレ、びっくりだね、だね?」

自分でも右目に気づいたのだろう、軽く指で垂れた血を拭いながら凄く、こう

楽しそうな

笑みを浮かべて自分の異能を終了した。
目から、フっと緑色の光が消える。

井戸木さいこ > 「 ぁ」

 能力を抑える。
 とは言え、自身に対する超常は抑えてもある程度は必ず狂い、悪化する。
 雨宮の右眼から流れる血。それを見れば、笑みにも気付かず、申し訳なさそうに、不安そうに雨宮を見つめるだろう。
  
「だ、大丈夫……?」

雨宮 雫 > 「ん?
 何でさいこー先生がそんな顔するのかな、かな?
 コレはボクがオネダリしたコトなんだから、先生は何も悪くないよね、よね?

 こーいうのは見るより聞くより、体験するのが一番早いくて分かりやすいからね、けひひ、けひっ。」

笑いながら指先についた血をぺろっと舐めると、右目を何度か瞬きさせて具合を見ている。

焦点が合わなくなっているわけでも、濁っているわけでもないからまぁ、見た目はそう酷い事にはなっていない。

「そんなの大丈夫に決まってるじゃないかな、かな。
 明日には治ってるレベルだよ、だよ。」

井戸木さいこ > 「それなら良いんだけど……
 ……良かった。うふふ、雨宮君は強いね。」

 気を取り直すかのように、微笑んでみせた。
 とは言え、少々のいたたまれなさがあるのかもしれない。
 本を手に取って、立ち上がる。

「えっと、それじゃあ私は行こうかな。
 また講義とか、図書館とか、どこかで会おうね。雨宮君。」

雨宮 雫 > 「強くはない、と思うけど。
 兎も角、貴重な体験だったので、ありがとうだね、さいこー先生。」

立ち上がるのを見ると、少し下がって、道を開く。
にこやかに愛想よく、目を細めて。

「はーい、それじゃあマタどこかでだね、だね。
 今日はオモシロ体験をありがとう、けひひっ。」

ご案内:「図書館」から井戸木さいこさんが去りました。<補足:黒い髪に、アメジストとエメラルドのようなムラサキと緑のオッドアイ、シャツにタイトスカートにヘッドドレス、さいころの髪飾り。胸に教員証。乱入は大体いつでも歓迎>
雨宮 雫 > ―――
――


さて。
井戸木が去っていくのを見届けてから、完全に居なくなったことを確認してから、テーブルに置いていたスマホを手に取った。

「ぁー、オモシロかった。
 あぁいう異能ってイイよね、よね。
 だからぁ~……―――」

とあるアドレスを呼び出して、メールを一通作成する。

----
井戸木さいこ/教師(新人っぽい)
担当:保険、体育のアシスタント
   狩猟学やサバイバル学(レンジャー/スカウト分野の実習)
異能:他の異能を異常化させるか、あるいは発現プロセスを壊す系と思われる、レア度高いかも。
----

慣れた様子でディスプレイに指を滑らせて、サクっと送信。

「うん、ボクは仕事を忘れない、いい子だね、だね?」

雨宮 雫 > 「どんな授業をしてくれるかも楽しみだね、だね。
 コレは真面目に受けないとな~っと……」

スマホを袖の中に戻すと、テーブルに置いていた本を抱え直してメモを見直す。

「閉館時間までに見つけないとだしね、コッチも貸りて行かないと……けひひ。
 ぁ、なんかテンション上がってきたかも、かも。
 けひひ、明日からも頑張ろう~。」

雨宮 雫 > 「~うぉんへ~らいひぇ~~♪」

上機嫌に、小声で歌など歌ってしまいつつ。
長いポニーテイルを揺らしながら高い本棚の間へと入っていく。

奥へ奥へと、目当ての本を探しにいく。

ご案内:「図書館」から雨宮 雫さんが去りました。<補足:真っ白い髪をポニーテールにした中華服の少年>
ご案内:「図書館」に伏見灯継さんが現れました。<補足:[乱入可/既知可]セーラー服の上に黒い羽織を着た少女。ランタンを携帯している。>
伏見灯継 > 死なない程度の存在は、今の時代、存外ありふれた物なのかもしれない。
不死性に関連する書物で埋め尽くされた棚を眺めながら、そう、思う。

「情報が充実してるのは、この上ないくらいに有難いんだけど。
 流石に全部目を通すのは、ちょっと骨が折れそうだわ」

ランタン片手にぼやきながら、彼女は一冊の本を手に取った。
『銀の杭』と題されたその本は、吸血鬼に関する記述が記されている。

「……普通の人間だって、心臓に杭なんか刺されたら死ぬでしょうに」

そんな風に文句を言いつつも、彼女はページをめくる。

伏見灯継 > 「……うーん……?」

しばらく読み進めて、気付く。
手にした本は、吸血鬼モノのフィクション。きっと、誰かが間違えて置いたのだ。

「違う、わね」

結局彼女の求める情報は、その本からは得られそうになかった。
すなわち、不死の生物を殺す方法。

「―――……うう、でもこれ面白いじゃない。借りて帰りましょう」

当初の目的をすっかり忘れ、
彼女は『銀の杭』を片手にカウンターへと向かうのであった。

ご案内:「図書館」から伏見灯継さんが去りました。<補足:[乱入可/既知可]セーラー服の上に黒い羽織を着た少女。ランタンを携帯している。>
ご案内:「休憩室」に黒谷 知来さんが現れました。<補足:ボサボサ黒髪のパーカー少女。>
黒谷 知来 > 「よいしょ、っと……」

そんなに分厚くもない本を何冊か
重そうに抱えて図書館から休憩室に向かう少女が一人。

休憩室に着くと、本と教科書、ノートを広げ、
ミネラルウォーターの入ったペットボトルを
脇において勉強を始めた。

黒谷 知来 > ノートで授業の内容を確認しつつ、
参考書として読んでおくことを推奨された
図書の内容に目を通す。

内容は生物学。遺伝について詳しく書かれているようだ。

「……うん。」

さっぱりわからない。

黒谷 知来 > 遺伝子ってそもそもなんだっけ。
ちょっと前のページに戻ってその解説を読む。

そのページで分からない言葉を見つけて前のページに戻る。

そのページでもさらに分からない言葉が……

もし、誰かがこの光景を見ていたなら、
本を逆方向にめくって読み進めているように見えるだろう。