2015/06/20 - 19:18~19:04 のログ
アリストロメリア > 先ずはサラダ
これは野菜を切ればいいだけですもの、簡単ですわ
(と言いながら、寮に備え付けの冷蔵庫から取り出した野菜
蒼穹嬢のアドバイス通り、トマトと胡瓜、キャベツを洗えば
先ずは簡単そうなトマトから切り始める)
えっと……まずはヘタを切り落として
(本を確認しながら料理する
因みに、上手くヘタを包丁の下の方を使って抉る様なやり方が分からなかったので
傍目から見たら勿体ない切り方で、ばっさりと上のヘタ部分を真っすぐ切り離した)
結構野菜ってこうして料理すると仕える部分が少なくなってしまうんですのね
(……農家の人が見たら、きっと泣くだろう……)
アリストロメリア > (野菜の切り方も相当怪しいが、包丁の持ち方も相当怪しい
初心者がやりがちな、危ない押さえ方でトマトを左手で抑えて切り進めていく)
先ずは半分に切って、それからくし切りにして……
(大きさもバラバラである
初心者に、均等に切れというのも難しい話であるが)
アリストロメリア > ……なんとか、切れましたわね
(本当に『何とか』の部類ではあるが
トマトは柔らかい為、その辺りも想定以上に難しかったらしい)
次は、胡瓜ですわ 多分此方の方がトマトより難易度は低いでしょう……
(固いし細長いし切りやすい。初心者でも扱いやすい野菜だ
両脇のヘタをそっと切り落とし、さく……さく……とゆっくり切り進める
トマトよりも切りやすく、少し安堵した)
胡瓜は使いやすいですし、これからもお世話になりそうですわ
アリストロメリア > (ホッとしたからだろうか、次に包丁で胡瓜を切ろうとすれば――……)
(ざくっ!)
痛っ――――……っ!!
(元々危ない切り方をしていたせいもあり、指まで切ってしまい軽くスプラッタな現場になった
水ですぐに指を洗えば、絆創膏で応急処置をして
血のついてしまった胡瓜を洗う)
うぅっ……痛いですわ
(痛みに若干涙目になりつつも、胡瓜を切っていく)
アリストロメリア > (とりあえず、トマトときゅうりだけは切れた)
次にキャベツ――……ですけれど
コレどうやって切ればいいんですの?
(料理をする現場を殆ど見た事の無い上に、やった事の無い彼女には
でか過ぎるキャベツという存在は、最早既に未知の領域だった
そもそも、胡瓜ですら不覚にも手を切っているというのに
こんなでかい野菜を相手に出来る自信は無い
……と、いうか切り方すら分からない)
……とりあえず、サラダはトマトときゅうりで済ませましょう
(かなり寂しいサラダではあるが、切り方の分からない野菜と格闘し
また、手を切るよりはマシだと判断した模様)
アリストロメリア > (一応、トマトときゅうりを丁寧に盛り付ける
不揃いで、いかにも歪な野菜ではあるが
こうして少し工夫して手を加えれば、少しは見た目もマシになってくれる)
次は、ムニエルですわね
(本当は舌鮃を食べたい所ではあったが、高かったので安いサーモンの方を選んで買ってきていた)
同じお魚でもあんなにお値段が違いますのね、びっくりでしたわ
(等と言いながら、サーモンを取り出して、ムニエル作りに必要な材料を準備する)
アリストロメリア > (まず、水分をキッチンペーパーで綺麗に取り除き
塩コショウを両面に振りかけてから、小麦粉をまんべんなく付けていく
余分な小麦粉を手で軽く払い落せば、下準備は完成である)
……ふう、ここまで何の問題もなく出来ましたわ
(先程手を切ったばかりなので、簡単な事とはいえ何事もなく出来たのは
若干達成感を感じる
……まだ全然出来あがってなどないのだが)
アリストロメリア > で、次にフライパンにバターですわね?
(何グラムかしら?と思ったが『適量』と書いてある)
くっ――……!!
(彼女にしては、珍しく露骨に顔を顰めた)
料理の仕方が分からないので初心者の本を手にしているのに
適量とはどういうことですのっ……!?
この作者いい加減すぎますわっ
アリストロメリア > (とはいえ。分からないものは仕方ない
――……と、言う訳で適量=適当にバターを入れることにした)
どのくらい使えばいいのでしょうね?
(等といいながら、おろしたてバターの約4分の1を切り落としてフライパンに投入する
量は多いが、バターたっぷりな分、きっと味は贅沢だろう……ただし、失敗しなければ
贅肉も贅沢に付きそうだが)
アリストロメリア > えーと、フライパンを熱して……暖まってバターが泡立った所に魚を投入
(レシピを確認しながら、フライパンを温めて暫くするとバターが泡立って来た為
鮭を投入し始める
ジュウウウと音を立てて、良い音と香りが漂ってくる)
若干弱火……ですが、これでいいんですのよね?
(少し不安になってくるが、本には弱火と書いてある
それに、初心者であれば弱火の方が失敗は少ないであろう)
アリストロメリア > (きつね色になり、少ししんなりした所で白ワインを加える
――…が、加減が分からずどばっと入ってしまう)
あっ!ヤバいですわ!!
(これじゃ、ムニエルの白ワイン漬けになってしまう
火力をあげて、急いでワインを飛ばそうとして火を強めれば……)
きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?
(一気に火力が上がった事により、アルコールに火がついて
フランベ状態になる――……が
料理初心者には堪らない)
アリストロメリア > (フライパンの上で軽く炎の柱を立てているそれに驚いて
咄嗟に魔術で水を出せば、火を消そうとして――……
フライパンの上から、滝の様な大水を降らせ始める
ドドドドドドドドドドドドドドドド……!
と、滝の流れる様な怒涛の水流に、火はすぐに鎮圧された)
ふぅっ……火事になるかと思いましたわ
(一安心とばかりにホッとする)
アリストロメリア > (……が、それも束の間
そんな水を降り注げば――……当然フライパンの中身どころか
台所どころか床が軽く水浸しになる訳で)
…………
(何とも言えない、無残な部屋が出来あがった
まるで水没騒ぎでもあったかのような床
フライパン一杯に張る水
水浸しの台所)
…………
(時を戻す魔法使えないかしら?と思った)
アリストロメリア > (勿体ないので、フライパンの中から途中まで美味しそうに焼けていた鮭を取り出すと
寮に備え付けであったオーブンに入れて、焼き直し
それから床の水を排水溝に流してから、床をぞうきんで綺麗に拭いて
水浸し過ぎる台所や床を、綺麗にしてからご飯にすることにした)
いただきます
(ナイフとフォーク、サラダと頂きもののコッペパンと失敗作のムニエルで夕食が始まる
味は――……言うまでもなく水に流されていて、味気なかったが
少しだけきつめに付いていた塩の味が、少し涙を連想させた)
ご案内:「部屋」からアリストロメリアさんが去りました。<補足:由緒正しい魔女のお嬢様。態度は尊大だが非常におおらかで善意的である>
ご案内:「部屋」に雪城 氷架さんが現れました。<補足:地面まで届くような銀髪ツインテールの少女、背が低くて細すぎるくらいには華奢、パジャマ姿>
雪城 氷架 > 「……………ぅ」
もぞもぞ、と白い布団が蠢く
もぞ
布団から銀髪の少女が顔を出した
顔色が悪い
「……うぐー」
ぼすん、と枕に顔面ダイブ
雪城 氷架 > 「…………あ゛ー……」
少女が気だるげな声をあげる
否、気だるげというか実際にだるい
全身が倦怠感に襲われている
「う゛ぅー…………」
もぞもぞ
なんだか布団の中でもぞもぞしながらうめき声を上げる生物と化している
雪城 氷架 > なんとか手を伸ばし、枕元の充電器からスマホを取り外す
気だるげにすいすいと操作して、カレンダーを表示
「(いつもより1週間も早いじゃん……テスト期間に入るっていうのに、最悪すぎる…)」
そのまま力尽きるように、再びバタリと布団に突っ伏した
雪城 氷架 > 全身ダルい、腰痛い、お腹もちょっと痛い、超イライラする
なんだって毎月こんな目に合わなきゃいけないのか…
ここのところ生活リズムも微妙に狂わせてたせいか、今月は妙に重い
雪城 氷架 > とりあえず薬を飲むにしても起きなければならない
起きなければならない
「……………」
だるい
雪城 氷架 > 「……くくるー」
呼んでみる… …いないのだろうか
というか学校で教鞭とってる時間かもしれない
…よく考えれば普通に休んでしまった
まぁやむなし、どうせ学校にいったところでこれ保健室に直行コースだった
「う゛ー………」
もぞもぞ、布団からなんとか這い出た
雪城 氷架 > 布団の上に座って、ここから立つまでがもっかいダルい…。
「くーこー、しずかー」
呼んでみる
まぁ学校行っている時間かもしれない
雪城 氷架 > 「くそぉ…」
えっちらおっちら立ち上がり、
ふらふらした足取りでリビングへ向かう
雪城 氷架 > 猫のイラストが入った愛用のカップに水をいれ、
テーブルに突っ伏すように、椅子に座る
目の前にはお薬
有名な、半分が優しさでできてるヤツ
錠剤を口にいれて、水で飲み込む
「はぁ………」
再び力尽きたように突っ伏した
雪城 氷架 > 今から出れば午後の講義には間に合うけど、とてもじゃないが行く気がしない
着替える気力も髪を結ぶ気力もない
「………あいてて…」
腰を撫でる、半分の優しさが効いてくるにはもう少しかかりそうだ
雪城 氷架 > テーブルにつっぷしてぐったり
……少し効いてきたかな
心持ち、痛みが引いた気がする
それでもダルさはとれない
このままぐったりしてると体が冷えそうだけど、
もうしばらくぐったりしてないと移動するパワーが溜まらない
雪城 氷架 > 毎月のこととはいえ本当に憂鬱である
なにせこれがあと40年近く続くのだ
もはや拷問ではなかろうか
なぜ神は女にだけこんなひどい仕打ちを
とか考えていてもどうしようもないので、よっこいしょっと立ち上がる
多少、楽になった。半分の優しさは偉大である
雪城 氷架 > 「(ガキの頃は体調崩したら学校休めるラッキー、ゲームしまくるーって感じだったのに)」
ゲームなんかとてもする気が起きない
よたよたと毛布がかけてあるリビングのソファに移動し、倒れこむ
雪城 氷架 > 気だるげにリモコンを手にとって、TVをつけた
ソファにかかっていた毛布をお腹の上にかける
冷やすと明日もまた辛い
雪城 氷架 > お昼時のテレビ番組なんて面白いわけがないと思いつつもぼんやり眺める
が、途中で嫌いな芸人が出てきたので迷わずスイッチを切る
元々気が長いほうではないが、今日の氷架はいつにもまして気が短いのだ
雪城 氷架 > 「はぁ………」
だるい、だるい…
ソファに背中をこれでもかと預けて、天井を仰ぐ
「………」
まだこんな時間か
空子や静佳が帰ってくるまでにはまだ時間がありそうだ
特に何を考えるでもなく、ぼんやりと過ご────
「────!」
ここまでの少女の様子からは考えられない機敏さで立ち上がる
そしてそのまま早足でWCへと駆け込んでいった
雪城 氷架 >
ザー
水の流れる音
しばらくして、顔色の悪い氷架が出てくる。
そのままふらふらとソファまで歩いて、倒れこむ。
「………」
スマホを手に、操作。
メールを打つ
『空子、帰りにアレ買ってきて、なくなりそう』
危なかった
雪城 氷架 > 楽器のこともあるし出費は切り詰めたい
空子なら安くて良いものを見極める目があるはずだ
持つべきものは友達である
雪城 氷架 > ちらり
リビングのテーブル
その上には乱雑に散らばったテキストやノートがある
テスト期間
ルームメイトとなんやかんやテスト勉強した残骸である
「……しんどいけど勉強はしないとなー……」
やる気が起きれば
雪城 氷架 > しかし
こうやってルームメイトや、括流や、
お母さんも近くにいる環境だから良いものの、
完全に一人暮らしをしているヤツらはどうやっているんだろう
そもそも重くならないようにしているのか…
麻美子は……カエラムがいるか……
雪城 氷架 > 毛布を重ねてお腹の上にかける
薬も効いているし、少し眠ろう……
勉強は、二人が帰ってきてから
あの二人が帰ってくるとこの部屋はものすごく明るくなる
憂鬱な、暗い気分も持ち上げてくれる
ただし今日に限ってはセクハラには容赦なくキレる自信がある
………そんな夜まで、ちょっとだけ寝よう
ご案内:「部屋」から雪城 氷架さんが去りました。<補足:地面まで届くような銀髪ツインテールの少女、背が低くて細すぎるくらいには華奢、パジャマ姿>
ご案内:「食堂」にメアさんが現れました。<補足:長い黒髪に黒服の少女>
メア > (料理をしてみよう、そう思ったのが一時間前
そして今目の前にあるのは……)
何で……こんなの、に…
(今目の前にあるのは…何だろう?
もんじゃ?スライム?
少なくとも以前イタリア料理の店で食べた美味しそうな
パスタには見えない)
メア > うぅ……
(フォークで器の上に乗ったソレを突いてみる
ブヨブヨとした手応えに震えながら、フォークを突き刺していく
ズブズブと中に入っていく。なにこれ……)
………
(今すぐゴミ箱に入れたい、そしてこれに関して全て忘れたい
だが食材を無駄に捨てるのは……頭の中で天使と悪魔が囁き合い
戦っている)
メア > (考えているうちに、何か手に伝わる感覚に違和感を感じて
フォークを離す。……何で、フォークは刺した時の状態で動かないんだろう。
重力の力はどこに行ったんだろう…)
嘘……
(目の前にあるコレが信じられない。
そしてこれは料理なのか?そんな考えがふと頭をよぎる。
魔術や錬金術での失敗作、そっちのほうが納得できる
うん、これは食べ物じゃない)
メア > よし……
(心は決まった、このよく分からない物体は三角コーナー行きだ
もしくは産業廃棄物として処理してもらおう。
そして皿を持ち上げる、プルルと揺れるのを見てまた震えてしまうが
しっかりとゴールに向けて歩き出す)
メア > (一応、誰も見ていないのか周囲を確認。
やはり罪悪感はあるのだろう)
ん……
(そして、誰も居ないのをきちんと確認し
謎料理は三角コーナーへ…)
ご案内:「食堂」に苗羽 寧々さんが現れました。<補足:制服着用、日焼けの女子生徒>
苗羽 寧々 > 入れようとするその手から、お皿を攫いインターセプトを試みる。
「やあ、お嬢さん」
「食べ物を無駄にしてはいけないよ」
料理の気配を嗅ぎ付けた卑しい欠食児童がエントリーだ。
「私が処理しよう」
不敵な笑みを浮かべる。
メア > え…?
(あと一歩でこの謎物体を葬れる、そんなタイミングで見知らぬ
少女に止められた。)
え、えと……これは、やめといた…ほうが……
(私が処理する、そう言った彼女の目を見て確信する
この少女、食べる気だ…これを…
一応やめておいたほうがいい、そう止めておく)
苗羽 寧々 > 止めようとする少女の瞳を真っ向見返して、ち、ち、ち、と指を振る。
「この苗羽寧々を舐めちゃいけないよお嬢さん」
「私はあらゆる食べ物を無駄にしないで育った女……」
「こんな、その……何?この……」
そうしてあらためて、というかここにきて初めて、お皿に鎮座する物体を直視する。
それは深淵から這い出して来たような、名状しがたい不吉なオーラを放っていた。
「遊星からの物体Xだとて……」
怯んだ。
メア > えと……これは…
一応、パスタ……
カルボ、ナーラの…
(しいて言うならババロアやプリンだろう
だがそれでも遊星からの物体Xの方が近い感じがする
突き刺さったまま動かないフォーク、そしてなぜかプルプルしている
食べんのか?と挑発しているような動きだ)
苗羽 寧々 > 寧々はどんな食べ物も無駄にしないで生きてきた。
食べられる野草も食べられない野草も食べてきたし、焼き魚の皮や内臓とて残したことはない。
だがこの、何?未知との遭遇?
どうやったらこれが出来るの?カルボナーラって人体錬成の隠語かな?
喉を鳴らす。
だがこれを打倒すれば……一食分の、食費が浮く。
宇宙的な失敗料理、恐るるに足らず!
その挑発、受けて立とう!
むんずとフォークを掴み、とりあえず引き抜こうとするが。
もしかしてこれ、丸ごとくっついてきちゃったりするんだろうか。
メア > (ずっしりとした重みとともにフォークは物体xから抜ける
だが同時に何か黄色いソースの様な物がフォークの穴から出てきた…)
うわ……
(そしてメアは引いている、見た目がグロい…
だが、空腹によって研ぎ澄まされた少女なら感じるかもしれない
その湧き出たソース…なぜかとても良い匂いがすると)
苗羽 寧々 > フォークは伸びやかに物体の一部を引き連れ、やがて生地のほうがずり落ちるようにして抜けた。
反動でぶるりと揺れる物体X、そこに開いたフォークの穴から。
ぶじゅるり、となにか膿汁めいたものが出てきた。
化学物質を嗅ぐ時の挙措――手のひらで扇ぐようにする――で匂ってみると、ことのほか良い匂いがする。
「カルボナーラ……完成していたのか……」
さながら、敵の襲撃を受け戦場と化した自軍の基地を何か出せる機体は無いかと走り回っていた矢先
期せずして秘密裏に建造されていた新型マシンを発見した一般兵。そんな感じのため息を漏らす。
「勝てる、これなら……!」
皿をテーブルに置いて、あらためてナイフを持ってくる。
ケーキのように切り分けてみればどうか。場合によっては美味しそうに見えやしないか。
メア > (切り分ければ外側はなぜか膜の様な構造になっていた様だ
中からは無事な状態で茹でられたパスタに卵とチーズの使われた
ソースが絡み合いあらわれる。)
あれ…?
(てっきりあの状態が中まで続いた不気味スライムと思っていたのか
首をかしげる。思ったより中身の方は普通?と)
苗羽 寧々 > かくして、宇宙からの物体を帝王切開したら、カルボナーラが生まれた。
「中身が分かってみればどうして」
「なかなか乙なおもてなし!」
腕組みをしてうなずく。遊星からの物体Xとか言ってたのはどこ吹く風である。
未知は未知だからこそ恐怖である。
正体が知れてしまえば安心して食べられよう。
宇宙からの物体あらため!
カルボナーラ恐るるに足らず!
「いただきます!」
手を合わせてしっかり食前の挨拶をしてから、フォークで巻いてつるりといった。
メア > (物体Xの生み出したカルボナーラ…それはいまだ未熟ながら
はっきりと自己主張をする輝かしい原石のような味わいが
口中に広がる!)
えと…どう、かな…?
(少し心配そうに尋ねる。一応普通の見た目にはなっていたが
味はどうだろう…と心配そうに少女を見つめる)
苗羽 寧々 > もぐもぐと噛み味わう。
ああ、カルボナーラなんて食べるのはいつ以来だろう。
濃厚な卵にチーズ、まろやかな味わいを持ったソースを麺が絡めて、そのコクのまとまりを舌へと届け、味覚神経を介して脳みそを直撃する!
それはまだ未熟ながらも、確かな旨みを持った、青い果実の初々しさ!
「ふ……ふふ」
ふるふると身を震わせる。
口元には込みあがるようにして、笑顔。
「お嬢さん、やるね!」
サムズアップ。
メア > あ、ありがと……
(褒められて嬉しいのか、少し俯く。
初めての料理で褒められた…最初の見た目は最悪だったが
味は良かった…安心し、ホッと胸をなでおろす)
えと…私は、メア……貴方、は…?
苗羽 寧々 > 「私は苗羽寧々」
「通りすがりの腹ペコ女よ……」
よろしく、と握手を求め。
「せっかく作ったんだし、自分でも食べてみたらいいんじゃない?」
と、お皿とフォークを出してきて、取り分けてあげる。
「大丈夫、ちゃんと美味しいから」
メア > 寧々…よろしく……
(ギュッと手を握り)
……うん…
(フォークを受け取り、我が子とも言えるパスタを一口…)
っ……おい、しい…
苗羽 寧々 > 「磨けば光る原石みたいな味がする」
「私、そんなにグルメじゃないから、偉そうなこと言えないんだけど」
あらためてよく味わえば、そういう印象だった。
でも。
「こう、美味しく作ろうっていう努力の味がする」
「気持ちが籠っているっていうか、私みたいに必要に駆られて自炊を始めて惰性で作ってたら出せない何かが」
「きっとある、ような。たぶん。」
断言出来なくて、恰好がつかない。
メア > …じゃぁ、これからも…頑張る…
(磨けば光る、そう言われて頷く)
だからっ…その時、は…また…味見、してね…?
苗羽 寧々 > 「もちろん、喜んで引き受けるよ」
食費が浮くし。
そういう下心を穢れっちまった悲しみと一緒に努めてどこかあっちにやって。
「成長を楽しみにしてる」
今のままでもかなり美味しいし、これは期待が出来る。
そういう感じで頷きながら、もぐもぐと食べ進めれば、幾ばくもかからず綺麗に完食。
「ごちそうさまでした!」
メア > おそまつ、さま……
…ありがと、寧々……
(きれいに食べてもらえて小さく微笑む)
喜んで、もらえて…よかった……
苗羽 寧々 > 「こちらこそ、美味しいの食べさせてもらっちゃって」
「最初遊星からのなんとかとか言っちゃってごめんね」
ちょっとばつが悪そうに、悪戯っぽく笑って。
そうこうするうち、てきぱきとお皿とかを洗ってしまう。
味見のお礼にこれくらいはしなきゃね、という感じで。
洗い終えた頃合い、時計を見ればそろそろいい時間。
「私、これからバイトなんだ」
「だからもう行くね。ネクストチャレンジ、期待してるよ?」
お呼びをかけるなら何号室ね、と、自分の居室を伝えてから。
またね、と手を振って食堂を去って行った。
ご案内:「食堂」から苗羽 寧々さんが去りました。<補足:制服着用、日焼けの女子生徒>
メア > 次……
うん…もっと、頑張る……
(そう決意し、自分の部屋へ向かう
もっと上手な料理を研究するために…とりあえず、見た目から)
ご案内:「食堂」からメアさんが去りました。<補足:長い黒髪に黒服の少女>
ご案内:「部屋」にアルディスさんが現れました。
アルディス > 【荒野から少し歩いたら、運良く街が見つかった。】
【見たこともないような巨大な建物が立ち並び、奇妙な乗り物が通りを行き交っていたことには驚いたが、酒場である程度の情報収集を行うことには成功した。】
【どうやら、ここは異世界であり、この島には自分と同じく異界からやってきたものが多く集まっているそうだ。】
【時間をかけてじっくり調べれば、帰還の望みはあるだろう。】
【それはさておき。】
アイテム収集はしておかないとな…。
【あてもなく歩くと、なんとなく良い感じの建物を見つけ、ふらりと中に入った】
【ここには何かがある、勇者の感がそう言っている】
アルディス > 【ずらりと並んだ扉を点検していると、運良く鍵のかかっていない部屋を見つけた。】
【彼は誰にはばかることなく、ノブを捻り室内へと足を踏み入れる。】
【清潔な室内、可愛らしい家具や小物。】
【どうやらこの部屋は若い女の子の部屋の様だ。】
さて…。
【部屋の角にあるクローゼットに目をつけ、おもむろに扉を開く。】
【女物の服がぎっしり詰まっているが、目ぼしいものは―――――】
む……これは……
【彼の目を捉えたもの、それはこの街でもっともよく目にした種類の服。】
【聞けばこの島の中心は巨大な学校であるという、その生徒たちが身に着けているこれは―――】
アルディス > 【ゆうしゃは せいふく をてにいれた!】
アルディス > なるほど……いい生地を使っている…この街の仕立屋は腕がよさそうだ。
【いずれ何かの役に立つかもしれない。そう思って勇者は制服をどうぐぶくろへしまった。】
よし、次だ。
【クローゼットを閉じ、次の捜索箇所を選ぶ。】
【勇者は怪しげな場所は隅々まで「調べる」タイプだった。】
アルディス > 【机の引き出しに目をつけ、これまた恐れを知らぬ挙動で引き開ける。】
おお、もしやこれは……。
【ゆうしゃは 2000円 をてにいれた!】
アルディス > この世界の通貨か、ありがたい…!
【勇者といえど先立つものは必要である、お金が無ければ宿にも泊まれず装備も買うことはできない。】
【感謝しつつ懐へ仕舞った。】
【そして、最後に勇者の目に留まったものは部屋の片隅に鎮座するタンス。】
【タンスは大事だ、タンスは外せない。壺と並んでアイテム探しの基本中の基本である。】
【勇者はタンスの前で膝立ちになり、呼吸をするような当たり前の挙動で引き出しを開いた。】
アルディス > 衣装箪笥か……やはり目ぼしいものは無いな…。
【呟きながら真顔でタンスを物色する勇者、そんな彼の手が不意に止まる。】
むっ!これは…そうか…なるほどな…。
【真剣な顔で頷く手の中には華やかに彩られた三角形の布地、生地はやや薄い。】
【ゆうしゃは エッチなしたぎ をてにいれた!】
…ちがう、こういうのではなく、もっとこう、種的な…力とか上がりそうなものを…。
せめてやくそうとか…。
アルディス > だが、まずまずの収穫か…よし、では次に――
【扉を開き、外に出ようとすると、そこに立ち並ぶのは見知らぬ男たち。】
【何やら剣呑な雰囲気でこちらを睨んでいるように思われる。】
やあ、ごきげんよう。僕に何か用かな?
【笑顔で友好的な挨拶、見知らぬ土地ではこれが何よりも大事だ。】
【そう思っていると、腕に銀色の輪っかがかけられる。】
アルディス > 【女子寮前に響くサイレンの音―――】
【不法侵入者は寮生の通報により、速やかな逮捕の運びとなった―――】
ご案内:「部屋」からアルディスさんが去りました。
ご案内:「ロビー」にアリエンティアさんが現れました。<補足:ドイツ幼女。黒と白の混じった腰ぐらいの髪に普通の制服。赤い目が特徴 乱入歓迎>
アリエンティア > 「……はー。今日も失敗。エッグベネディクト。強敵である……」
昨日は、結局水を飲んで。そして授業を凌いで。
やはり小学生の年でここにいるからか。友達は初日では出来そうになく。
まっすぐ帰ってきて、わーきゃーっと商店街をめぐり
疲れて寝てしまって朝。今に至る。
早起きはいつもの癖。
そして生涯9回目の料理に挑戦してみたわけであるが
失敗。3連敗である。
「小テストの点数よくなかったし……これからテストもありそうだし……ふぬぬ……」
べたーんっとなりながら。
ふぐーっと女の子らしからぬ声を出して
アリエンティア > 「昨日もあの人、いなかったなぁ……」
探しては見たが、探知なんて芸当できるはずもなく。
なので噂を聞いてはあっちに、噂を聞いてはこっちにの繰り返しである。
「もう少し、マシに魔術使えたら……」
うん、才のない自分の身体。
何度も呪い、そして一度だけ祝福したその身体。
今日は何百回目かの呪いだった。
「と、とにかく勉強、しなくちゃ、勉強。二兎追うものはいとも得ず。だっけ?」
なんだかそんな言葉もあった気がする。うん……
パジャマ姿のままだが、まだ時間に余裕はあるし。
大丈夫なはずだ。
魔術に関する教科書を広げて、必死に読む。
「…………????」
ちんぷんかんぷんだった
アリエンティア > くるくると白と黒の混じった髪をいじりながら
必死に頭を回して、教科書に書いてあることをノートに記していく。
魔術の教科書にドイツ語のものがあって幸いだった。
訳しながらではとても時間が足りそうにない内容。
ロビーということも忘れて、集中して書き取り
ノートを作っていく。
「えーっと、魔術理論……召喚術、五大元素……」
ぶつぶつ唱えながら。かりかりかり。
アリエンティア > 「ん、よし……あともう少し、で。まとめ終わる」
理解している、とは言い難いが。自分なりに書く事が意味があるのだ。
そしてそれを見れば何度も反芻して。そうして理解にたどり着くために。
だからとりあえず、まとめることにだけ注力する。
授業で大事なワードは教えてくれた。
それを調べて解説し、見やすいようにする簡単なお仕事だ。
そう何回も何十回、何百回何千回とそうしてきたのだから
お手の物である
「よし、できたぁ……」
からんっとペンを置いて完成したノートをパラパラとめくる
アリエンティア > 「悪くない。うん、悪くない……読める、”わかる”」
あとは覚えてテストに挑めるようにするだけだ。
実技試験ばかりはどうしようもないが
筆記でどうにかすれば……
「あとは数学と国語……英語はなんとかなる。理科は、ちょっと苦手……」
チェックシートにペケをつけて。
次は理科。苦手なものから時間があるときにしっかりやったほうがいいのだ。
「錬金も噛むから、しっかり理解は、しておきたいな……」
とことん才能がないからか、論理や科学は苦手中の苦手だ。
だからこそちゃんとまとめないと。
「んぐー!! でも少し休憩……」
ふにゃんっと脱力してぐでーっとする。
少ししたら寝息が聞こえてしまうかもしれない
アリエンティア > 「ふぁああ、寝てない!」
がばっと起き上がる。
早起きしてすぐ勉強は少し疲れてしまったのか
それともまだ新しい環境に慣れていないのか。
「えっと、カバンに詰めて……よいしょ」
今日はどうしようか、だれか友達出来たらいいななんて思いつつ。
でも、やっぱドイツ人で小学生じゃ相手にされないかなとか
不安も抱きつつ。
「とりあえず、着替えてこよ」
ゆっくり席を立って、部屋に戻ることにした
ご案内:「ロビー」からアリエンティアさんが去りました。<補足:ドイツ幼女。黒と白の混じった腰ぐらいの髪に普通の制服。赤い目が特徴 乱入歓迎>
ご案内:「部屋」に立花 響さんが現れました。<補足:黒ロングの女性。慧を持ち帰りした>
ご案内:「部屋」に渡辺慧さんが現れました。<補足:三毛猫になった少年。白の配色が多い。残りリミットは2日間>
立花 響 > 腕から伝わるふわふわした毛玉、いや慧なのだがそれを起こさないように女子寮にある響の一人部屋の扉を開ける
扉を開けると一先ずその毛玉を自分がいつも使っているベッドに置いて楽器ケースや鞄を部屋に隅に置く。
そもそも楽器自体は大体部屋に置いてある為どこに置いても同じ、というのもあるのだが
「起きたらご飯たべさせよっと…」
ボーっとベッドの横の床に座ってベッドの上で寝ている猫の慧を眺めている
渡辺慧 > つまり。
油断していた、ということだろう。
昨晩のように物陰に隠れて寝れば、このようなことはなかった。
まさか、己が、寝ている間に女子寮へ連れ込まれているなど、想像もしないだろう。
時計塔の屋上とは違う、柔らかな感触。
それに寝ながらも少しだけ、呻いた。
……やがて。
空腹感。
そういえば、ここ2日、まるで何も食べていなかった。
そのおかげか、いや。そのせいか。
慧は、瞳を、少しずつ開けてしまう。
ずっと眠っていれば、ある意味幸せだったのかもしれない。
立花 響 > 慧が目を開くとあっ、という声と共に慧の猫の身体を撫でる手が伸びてくる
「おはよう。あんな所で寝てるからつい、持って帰っちゃった」
などという供述をしており、被害者は容疑を否認している模様。
そもそもまだ害は与えて無いのだが
そもそも時計塔で猫が寝ているから寮に持ち帰るというのはおかしいくもあるのだが、
響は一人暮らしでペットとか飼ってみたいとか思っていたのかもしれない。
ただ寮長に怒られたらそこまでである
「…煮干し、食べる?」
す、と特に躊躇いもなく左手から慧の目の前に猫用の煮干しが差し出される。
野良猫ならまともにご飯を食べていない、という可能性も考慮していたからかしっかりとご飯は用意してある…猫用だが
渡辺慧 > 思考がぼやけている。
寝起きだから、いたしかたない、が。
ぼんやりと。撫でてくる少女を見つめ。
ぼんやりと。視線を部屋に這わす。
ぼんやりと。その煮干しを口に含んで。
口を動かし。
咀嚼し。
飲み込んで。
「…………にゃ?」
(…………は?)
え、なに。
どういう状況。
立花 響 > 「おー、食べてる食べてる。」
煮干しを食べる猫の様子を見てどこか満足気に微笑んで次の煮干しを差し出し、
ほらーまだあるぞー、という声と共に煮干しが入っている袋をどさり、と慧にも見えるようにベッドの上に置く。
「突然こんなところに連れて来られても困っちゃうよね。
大丈夫大丈夫。ちゃんと餌食べさせて私が存分に可愛がったら外に出してあげるからさ」
窓は閉まりきっているし、ドアは鍵は閉めてないがドアノブを回さないと出られない。
ただ少し暑いと思ったからか空調機のリモコンを使いピッという音と共に駆動音を立てて、
やがて涼しい風で響の部屋を冷やしていく。
渡辺慧 > ……………は?
……………は?
この目の前の少女には覚えがある。
そこまで回数あったというわけではないが。
……あー、そう。響、だ。
それは、まだ、いい。
だが、ここどこ。
………。
体毛の下に、冷や汗が浮かぶ。
家。
家なのは、分かる。
だが。
だが、確か、彼女は。
――寮住まいと、言っていなかったか?
――つまり、女子寮。
こ、こは……………女子、寮……。
(ば、ばれたら死ぬ…………!)
己の中身が、男子学生だと、ばれたら、死ぬ……!
そうだ。今の自分に課せられている、題は。
いかに、猫として振る舞い。
そして、明日の夜までに、ここから脱出すること……!
その為には……。
いただきます。
にぼしを食べよう。
立花 響 > 良く食べるねー、と呟きながら猫相手故の無邪気な笑みを浮かべながら身体を撫でる。
何か汗みたいな濡れた物があたった気がするがきっと気のせいだろう。
「この子何歳ぐらいなんだろ…煮干しを普通に食べれるぐらいだし、1歳は満たしてるんだろうけど…
年齢によって飼い方変わるだろうし…」
慧を逃さんとしているのか身体を撫でながら携帯で猫の飼い方を調べている。
但し目の前に封を切られた煮干しがある。
食べようと思えば食べられる距離だろう。所謂お代わり自由という奴だ
渡辺慧 > 視線を。
今度はちゃんとした目的で這わす。
脱出経路だ。あるはずだ。というか、あってほしい。
――現実は非常だ。
というかなんで響は俺を連れてきちゃったの?
猫? 猫好きなの? 誘拐? なにこの逃がさんとする撫で方。
ばれてるの? ばれてるの?
そんな思いを込めて一鳴き。
「ニャ」
――思考を封殺する。――
今の自分は猫だ……。
そんなことを考えながら。
いまの欲求。空腹感に抗わず、身体を伸ばしてにぼしを食べる。
ガツガツ。そんな音が聞こえそうなほどだ。
多分煮干しがこれほどおいしいと感じたのは人生初だと思う。今は猫だけど。
立花 響 > 身体を伸ばしている様子を見てそんなにご飯食べてなかったのかな、などと思いつつ端末の検索結果を見る
「『まずは雄か雌かをはっきりするべし』…か。なるほどね」
何がなるほどなのかは知らないが、そんなの抱いた時に分かるような気もする。
但し猫どころかペットをまともに飼った事がない響にとってはこういう事に全く無知である為に信用しがちである
そして其れを確認するべく慧を再び抱えようとする。
渡辺慧 > 少女のつぶやきにピクリ。
はっきりさせる、って……。
ま、まさか!?
気づいた時には遅かった。
にぼしに夢中になっていた、だから、遅かった。
ぶらり、と抱えられ。
――あ、アアァァァァァッァ……!
立花 響 > 確認して一言ぽつりと。
―――なるほど
確認し終わると慧を再びベッドの上に解放して流しの方へ行ってカチャカチャと食器の音と水の音が聞こえてくる
何回か冷蔵庫を開いた音を立てた後響は少し底がある平皿に牛乳を盛って零さないように床へ置く
「ごめんね?猫用にミルクがあれば良かったけど…普通の牛乳で大丈夫かな?」
これには個体差がある為一様に駄目か良いかは分からない。
全ては慧の身体次第なのだが、果たして吉と出るか凶と出るか
渡辺慧 > ア、アァァァァァ…………。
両前足で顔を包み、色々なものに打ち震えた。
しかして。少年は自分自身の尊厳と引き換えに、自分自身の猫の証明を、やりとげたのだ。
アァァァアアァァァァアッァ…………!
声も出ない。
……しばしの間。
プルプルしていたが、すべてを諦めた顔で身体を起こし、ミルクをなめる。
幸運、といっていいのか。それとも、体調を崩せば、出られたならば、不幸と言っていいのか。
問題なく、そのミルクを彼は嚥下した。
立花 響 > 猫にしては前足で顔隠すなんて、恥ずかしさなんてあるんだ、と慧の様子を見て呟く
そもそもこの島にいる猫なんだから多少変わっていても問題はない気がする、と自分の中で納得させながら次のフェイズで移る
「猫の……名前」
慧にとって少し不穏な言葉が耳に入るかもしれない。
慧の知っている通り響の名前のつけかた、というより覚え方が悪い。
いつぞや図書館で会った時は渡辺ヴォルテックスと呼んでいたはず。
そもそもアレは田中ヴォルテックスと名乗っていたはずなのだが、響の中で何かがズレていたのだろう…何かが
うーん、と唸りながら目の前にいる三毛猫の名前を考え、
何か良い名前を思い浮かべたのか良い表情で口を開く
「よし、今日からお前はクラムボン。クラムボンだ
よろしくね。クラムボン」
そもそもよろしくという前に慧の猫の期間は決まっている為そこまでよろしくする時間はない
渡辺慧 > 「ニャ゛ア゛?」
(ア゛ア゛ン゛?)
そのネーミングに物凄くやさぐれた顔で少女を見る。
なんだ、なんでクラムボンだ。なんだ。笑えってか。
まるでその名前の意味が分かってるかのようにその猫は、世にも珍しく笑った。分かりづらいが、確かに笑った。
――ものっそいやさぐれてるけど。
立花 響 > 「笑って…るんだよね?それだけ気に入ったって事かな?」
その生き物の本心とは伝わらないものだ。それもその本人の都合よく誤解されていく。
その慧の本心とは裏腹に響は名を気に入って貰えたと思い微笑んでいる。
それでは次のフェイズ。
いやフェイズと呼ぶかも怪しいが、所謂コミュニケーションと言う奴である。
「よし、じゃあおいで?クラムボン。
美味しい煮干しもあるよ?」
ベッドに腰掛け、膝の上に煮干を置いて手招きをしている。
所謂餌があれば来てくれる、という短絡な発想だが果たして慧は反応するのか
渡辺慧 > あ、だめだ。
通じてねえや。
――まぁ、そりゃ。そうなのだが。
しかし、その提案に苦悩する。
恐らく、今の状態なら、気にせず行くのだろう。
それが、紛うことなき、本物の猫ならば。
――がしかし。……今のこの精神は、普通に男子学生だ。
その上で、そこまで交流を深めたわけでもない、女子生徒の膝の上に、乗る……?
まさしく苦悩。
猫であることを取り、ばれずにいることを望むか。自らの心情を優先するか。
というかこれもうばれたほうが楽なのではないか、ぐらいの勢いはある。
…………。
………………少年は、猫であることを選択した。
ゆらり、ゆらりと。歩くと、その膝の上に乗り。
にぼしを口に含んだ。