2015/06/17 - 21:58~00:40 のログ
ご案内:「第二図書館」にアリストロメリアさんが現れました。<補足:由緒正しい魔女のお嬢様。態度は尊大だが非常におおらかで善意的である>
アリストロメリア > (そろそろ期末テストも近くなった為人の少ない第二図書館で
一人静かに勉強のおさらいをするところであった
――……とはいえ
魔術師の名家に生まれた生粋の魔女であり
幼い頃から魔術を学んできた彼女にとって
期末テストの魔術分野の勉強は、既に自身が何度も何度も繰り返し
自身の中に叩きこんできた基礎であり
きっと、こういう所が出るだろうという予想や
重要な部分の問題も、大いに分かる訳で
若干つまらなさはあるものの
基礎というものはとても重要であり、決しておろそかにしてはいけない者である
基礎を疎かにする者は愚者であり、大成する事は無いだろう
――……仮に、一時
繁栄を極めるか名声を得るかなどがあっても
それは自分の運の上に胡坐をかき
言うなれば流れの良い波に偶然乗っているからであって
その波が弱まるか――……或いは飲まれてしまえば
自身がすぐに朽ち果てるだろう
故に、初心に戻りながら教科書を開く)
アリストロメリア > 『魔術について』
『魔術はその起源をエジプトに持ち、それ以外の古代文明発祥地ではそれぞれ
メソポタミア文明においては、バビロニアの占星術
インダス文明におけるヨガ、黄河文明における仙道の成立がありました
紀元前1世紀頃、エジプトはローマの支配下にあり、イスラエルの民(=ヘブライ人)を隷属させておりました
ヘブライ人の指導者モーゼが、民族を引き連れエジプトを脱出する際、海を二分して道を作り前進し
後を追ってきたエジプトの軍隊が海に飲まれて敗退したというエピソードを残しています
ヘブライ人の文明は、エジプト魔術の流れを汲み、哲学、宗教、カバラへと広がりました』
アリストロメリア > 『カバラとは、ユダヤ教の伝統に基づいた
一つの神秘的思想であり「宇宙と人間との関わり」を論じているものです
カバラの思想・理論を体系的にまとめたものが「生命の樹」であり
ユダヤ教の正典Toraの解釈学に等しいもので
「受け取る、伝承」を意味するヘブライ語QBLと表記されます』
アリストロメリア > 『生命の樹
生命の樹とは、旧約聖書の偽典、アダムとイブの話の中に登場しています
エデンの園に暮らすアダムとイブは、神から知恵の樹に成る『知恵の実』を食べる事を禁じられておりました
ところが、蛇にそそのかされたイヴが実を取って食し、アダムにもそれを進めてしまいます
怒った神が、樹を守るケルビムを置きましたが、アダムとイヴが『生命の樹』の実にまで手を出して
永遠の命を手にする事を恐れ、結局ケルビムに彼らを追放させ
以来、人間の試練が始まったと言われております』
アリストロメリア > 『ここに登場する『生命の樹』とは
その気の実を食べれば神の知恵、宇宙創造に関する知恵、宇宙に秘められた神秘と謎が解けるほどの知恵が
授けられるというものです
そこには、人と宇宙の関わり方、それに関する神秘・哲学的思想が体言化されているのです』
アリストロメリア > 『生命の樹とは、創造主である「一なる神」の創世作業が図式化されたものであり
一者から始まる流出が、世界を創造していく段階、過程を絵にしたものなのです』
『一者から始まる無限の流出は『樹』を降りて行き
有限である物質界の形成へといたります
この無限に流出する一者の原初のエネルギーは『樹』を下降するにつれ
神聖の純粋さは失って行きますが、決して原初のエネルギーの神性は完全に失われる事は無く
流出の終点である物質界においても微弱ながら存在し続けます』
アリストロメリア > 『創造の四世界』
『樹は四つの世界に分かれます
アツィルト界 四大の火が相当
元型界、創始界、神界、流出界、第一流出界
『神』の世界、神の意思
ブリアー界 四大の水が相当
創造界、玉座(KVRSIA)(Khorsia)、座天使界、第二流出界
『霊』の世界
イェツィラー界 四大の風が相当
形成界、天使界、星幽界、第三流出界
『魂』の世界
アッシャー界 四大の地が相当
表現界、活動界、物質界、第四流出界
『体』の世界であり
人間の住まう現実世界である』
アリストロメリア > 『生命の樹』
『生命の樹は、神からの流出の段階、世界創造の過程を1つの絵として表したものであり
10のセフィラと、セフィラを繋ぐ22の小径から構成されています
『32の小径』という言葉は、10のセフィラと22の小径を会わして指した表現であり
この場合セフィラは小径として数えられます』
『1~10各セフィラーは以下のようになります
1.ケテル(Kether)(The Crown)(王冠)
2.コクマー(Chokmah)(Wisdom)(知恵)
3.ビナー(Binah)(Understanding)(理解)
4.ケセド(Chesed)(Mercy)(慈悲)
5.ゲブラー(Geburah)(Strength)(力)
6.ティファレト(Tiphareth)(Beauty)(美)
7.ネツァク(Netzach)(Victory)(勝利)
8.ホド(Hod)(Splendour)(栄光)
9.イェソド(Yesod)(Foundation)(基盤)
10.マルクト(Malkuth)(The Kingdom)(王国)』
アリストロメリア > 『ダアト』
『10のセフィラ以外に11番目のセフィラとして
『ダアト(Daath)(DOTh)(知識)』があり、図で示すならば
ビナーとケセドのセフィラを結んだ中間に位置しています
ダアトは不可視なるセフィラであり、別の次元に属しているとも言われています
(※厳密には数としては数えられず、また、セフィラとは言えず
かつ、存在していると言えない上にこの位置に存在している訳ではありません)』
アリストロメリア > 『深淵』
『ケテルとティファレトの中間には『深淵(Abyss)』が横たわります
深淵は上位の3つのセフィラと下位の7つのセフィラを分断しています。
前述の『ダアト』はこの『深淵』を跨ぐ様にあります』
アリストロメリア > 『三本の柱』
『生命の樹には、セフィラを縦に結んだ柱があります
慈悲の柱 コクマー・ケセド・ネツァク
均衡の柱 ケテル(ダアト)ティファレト・イェソド・マルクト
峻厳の柱 ビナー・ゲブラ・ホド』
『慈悲の柱と峻厳の柱はソロモンの神殿の2本の柱
Jachin(ヤキン)(神が打ち立てる)(神の愛)と
Boaz(ボアズ)(その中に『力』が存在する)(神の試練)であり
その2本の柱の間に位置する『均衡の柱』は『意識の柱』
即ち、神殿の前に立つ『人間』であると言えます』
アリストロメリア > ……この様子は、タロットで言えば実によく
『女教皇』のカードがそのまま絵として具現化されておりますわね……
(余談だが、タロットの女司祭長は
トーラーといわれる巻物を手にし、ヤキンとボアズの柱の描かれた中央に座っている女性の描かれた
カードである)
(タロットカードとは、絵柄やその象徴、シンボルによりデッキ毎に全てが同じでは無く
描かれているものの違いにより、解釈や含まれる意味も異なるが
現在最も世界で愛されている『ライダー・ウェイト版』のタロットによれば、以下のようになる)
アリストロメリア > (ソロモン神殿の前にある柱と同じ名称のヤキンとボアズの柱の中央に
牡牛のヘッドドレスを付けた女性が、トーラーを手に座ってる
そのヘッドドレスはエジプト女神に由来し、ハトホル神、或いはイシス女神のものである
恐らく、これはイシス女神を指しているものだと思われる
女神イシスはエジプトに置いては最も偉大なる魔術の使い手であり
その魔術力は、太陽神ラーをも超越するのである
故に、イシスはギリシアに置いて『ソフィア』と称された知恵の象徴であり
古来より女性性・女性の力は魔術的な諸力を担うとされておりました
また、遥か昔、牡牛はその力強さを崇められ、農耕の道具、運送手段、食用肉として
人から神の如く依存された生き物でした
古代シュメール文化に置いても、神は角がある冠を被っている事で表され
古代エジプト人達は、その観念を更に具現化し多くの神話を想像したのです
また、彼女の踏んでいる月も古来より女性神の象徴でもあり
惑星に置いて月は、魔術師にとって最も重要視する天体でもあるのです
そして、蒼いローブは聖母マリアを示しているのですが
聖母マリアの元n――……ゲフンゲフンがイシス女神であり
青という色は天の色、崇高なる物の象徴、宇宙の神秘、精神性を示す色であり、静寂さや静けさとも結びつくのです)
アリストロメリア > (そして――……ここから話はヤキンとボアズの柱に戻るのだが
彼女の横に描かれている日本の白と黒の柱は、生命の樹であり
ソロモンの神殿の前に描かれているヤキンとボアズの柱なのだ
旧約聖書によれば、ソロモンの建造した神殿に青銅制のヤキンとボアズの柱が立てられ
それは『生と死』の暗示でもあり、あの世とこの世を繋ぐ柱でもあるのだ)
(つまり――……)
(この、ヤキンとボアズの柱を、生命の樹を縦に3つに割った絵に対応すれば
『慈悲の柱』は
『白の柱』、『平穏の柱』
『峻厳の柱』は
『黒の柱』、『苦しみの柱』などとも呼ばれ
その2本の柱の間に位置する『均衡の柱』は『意識の柱』、
即ち、神殿の前に立つ『人間』が女教皇自身であり
また、女教皇のカード自体が小径に置いて、ケテルとティファレトを結ぶ
最も長い小径に対応する
これは、隠されたダァトが存在する柱でもあり、同時に深淵の横たわる柱でもあるのだ)
アリストロメリア > (最も、生命の樹と一口にまとめても
様々な流派があり、差異もあり、魔術的解釈を付けているカバラ思想も全体から見れば
多くの解釈や流派における一つでしかないし
勿論、人によりダァトの解釈……存在するか?しないか?も異なるのであるのだが
ここでは、仮に存在し、かつケテルとティファレトを結ぶ小径のあの位置に存在するとして――……)
『あの世とこの世』(=ケテル、コクマー、ビナーの上三角……つまりは深淵の横たわる場所)の
境目であり、番人である彼女は――……その、絵柄と対応する場所と、カードの意味からしても
その様子を実に巧く描かれていると思わないだろうか?)
アリストロメリア > (――……と、まぁ
これは彼女的タロットの解釈の一つではあるが
生命の樹の意味と、特に女教皇の象徴や対応から考えれば
とても分かりやすく、覚えやすい方法の一つとして、絵に凝縮している様に見える)
アリストロメリア > (――……等とおさらいをしてみれば
そろそろ帰宅しなければならない時間となってしまった
帰る前に鞄を取り出せば、明日の……いや、既に日付は今日であるけれど
タロットで運勢を占ってみることにした)
アリストロメリア > (出て来たカードは『月』
……今日はすこしだけ、丁寧に解説を
このカードには月が描かれ、その下に水からあがったザリガニと
月に吠える犬の二匹が描かれています
月というのは、その姿が新月から満月、満月から新月と移り変わる様子から
占星術では、母、人間の女性性、感情等を司る意味を持ち
また、新月から満月へと移りゆく様子はまるで妊娠の様子を思い浮かばせます
最も――……正しく言えば惑星対応の方の『月』は、先程示した女教皇のカードに対応し
タロットの月は『双魚宮』に対応し、支配星は海王星
そして、海王星は幻想や妄想を司り
この月のカードは、人間が本能的に感じる恐怖をモチーフとし
不安や精神の混乱等を意味するカードです
月に吠える犬が、獣性的な本能から危険を察知し
目には見えない事への警告
或いは、水から上がるザリガニを脅かす天敵として描かれています
ザリガニは、弱い自分、不安の象徴です
不安定な月の輝く夜空の下、危険を察知して吠える――……
或いは自分を脅かす天敵が存在する道を、弱い象徴のザリガニが歩けばどうなるのでしょうか?)
アリストロメリア > (そこから、このカードは不安や危険を警告するカードであり
また、非現実な考えや、騙される事、人の内面に注意する事等が挙げられますが)
(――……今日、カードから引いて感じるのは
月のカードが何処か輝いて見える事
本来であれば、不安になったり疑心暗鬼になる事を促すのだろうけれど
今日は何故か、月が
『信念を持つ事
不安にかられるという事は、それだけ自分自身が揺らぎ
信念を持たない故に足元を掬われるのである』
――……と、語りかけてくるような気がする
確かに、何か物事を行う時に不安な事はあるでしょう
この日は、実際に動くには宜しくないかもしれないけれど
今一つ不安になったり自信を持てない自分自身の内面を見つめ返し
自分の不安や心と向きあうにはいい日かもしれない
――……月は、その人の感情や本能を揺さぶるという
自分自身を知らぬものが足元をすくわれるのだ
彼を知り己を知れば百戦殆うからずと言うではないか
今日は、不安を利用して逆に自分自身を見る鏡とすればいいだろう)
アリストロメリア > (占いを終え、カードを仕舞えば図書館から去っていった)
ご案内:「第二図書館」からアリストロメリアさんが去りました。<補足:由緒正しい魔女のお嬢様。態度は尊大だが非常におおらかで善意的である>