2015/07/03 - 20:48~02:01 のログ
ご案内:「路地裏」に石蒜さんが現れました。<補足:黒髪に漆黒の巫女装束の少女、肌は褐色。【乱入歓迎】>
石蒜 > 「ふんふ、ふんふん♪るら、らら♪」歌を口ずさみながら小走りに路地を行く褐色の肌の少女、その身を包むのは漆黒の白衣に、血のように赤い緋袴。
楽しそうに、嬉しそうに、雨の中傘もささずに、汚れた路地裏を進む。
前方に傘を差した人影、気取られないように近づいていく。自然に、自然に。
石蒜 > そしてすれ違う瞬間に、異能を使って右手の中に刀を呼び出し。
「るった、らんた……らん♪」くるりと右足を軸に回転しながら、その背中を斬りつけた。
返り血が頬にかかり、肉を斬った手応えに、背筋がゾクゾクした。一瞬遅れてあがる悲鳴。
それにはもう何の興味も示さず、刀を投げ捨てると、また小走りに路地を進む。
石蒜 > 「るるるっるーらら♪」歌を口ずさみながら小走りに路地を行く。
楽しそうに、嬉しそうに、雨の中傘もささずに、汚れた路地裏を進む。
前方に傘を差した人影、気取られないように近づいていく。自然に、自然に。
石蒜 > そしてすれ違う瞬間に、異能を使って右手の中に刀を呼び出し。
「ふふん♪ふん♪……ふん♪」くるりと左足を軸に回転しながら、その胸を斬りつけた。
返り血が頬にかかり、肉を斬った手応えに、背筋がゾクゾクした。一瞬遅れてあがる悲鳴。
それにはもう興味を失い、刀を投げ捨てると、また小走りに路地を進む。
ご案内:「路地裏」に東雲七生さんが現れました。<補足:1年生の赤い髪の少年、身長160、童顔、紺色のフードパーカー着用/乱入歓迎>
東雲七生 > げっ……
(悲鳴を聞きつけたのか建物の屋根伝いに移動してくる影が一つ。
立て続けに上がる悲鳴を辿り、その先へ回ると雨の中傘もささずに歩く姿が目に留まった。)
……辻斬り、にしても異様過ぎるだろ……。
ご案内:「路地裏」に焔誼迦具楽さんが現れました。<補足:黒いセーラーに黒髪、赤い瞳の小柄な少女。>
石蒜 > 「ららん、らら……。」視線を感じて足を止め、ぐるりと首を回し、上を見る。
「あはぁ……♪」見つけた、口が三日月のように裂けて歪む、笑っている。
焔誼迦具楽 >
「騒がしいと思って出て見れば……」
【石蒜の背後から少女の声が聞こえてくるだろう。
それは嫌悪感混じりのあきれた声】
「やめてよね、あんまりここではしゃぐの。
風紀とか公安とかやってくると、私まで巻き込まれちゃうんだけど?」
【路地裏の住人として、苦言を呈す。
どうせ相手には自分の正体なんてバレてるだろうと思いながら。
振り向けば嫌悪感を露に表情をゆがめた小柄な少女が、雨に打たれながら赤い瞳を向けているだろう】
東雲七生 > うわぁ……。
(こちらへと向けられた笑みに生理的な嫌悪感を覚える。
すぐにでも目を背けたくなるのを堪え、何か言おうと口を開いた直後、さらなる影に気を取られた。
どことなく、見覚えのある容姿。)
……焔……誼?
石蒜 > 背後に気配、やめろ?「つまらないことを言わないでくださいよ」笑いを顔に貼り付けたまま、振り返りながら、右手の刀を呼び出す。
私の邪魔をする、私の享楽を否定する。なら、敵だ。
振り向く動作のまま、横薙ぎに斬りつけた。
東雲七生 > ──焔誼ッ!
(雨の中俯瞰の状態で人物の判断をするのは東雲にとって難しかった。
既知に似た影が斬り掛かられたのを見るやその名を叫ぶように呼ぶ。)
焔誼迦具楽 > 「別にやめろとは言わないけど――」
【そのまま胴体を上下に分かたれる。
……だが】
「――遊ぶなら、もう少し上手くやってほしいのよね」
【切られた胴が、刀が通り抜けた後で何事もなかったかのように結合する。
通り抜けた刀に何の加護も守りもなければ、溶けないまでも熱が移っているだろう】
「…………?」
【気に入らない気配の向こう。
そこに人間の気配を感じて、なるほど、とわらう】
「大丈夫、これくらいなんともないわよ」
【雨の中だ。
無邪気な笑顔を浮かべて言ったが、さて通じただろうか】
石蒜 > 手応えが違う。肉ではない、ああ……斬ってもつまらない相手か…。
石蒜の刀は血に飢えた妖刀であり、尋常ではない強度と切れ味を誇っている。刃が少々熱せられても問題はない。
だが相手が異形の類なのは分かった、素早く後ろに飛び退いて、距離を取る。
「なんですか、あなたは。」つまらなそうに、気分を害されたといった風に問う。「私は人を斬りたいんです、水の塊じゃない。」
東雲七生 > 馬鹿、避け──ッ!?
(続けて掛けられた声は途中で途絶える。
確かに今、目の前で少女は胴を薙がれた筈だ。それが、こちらを見て笑っている。
軽く眩暈を覚えたが自身のこめかみに一発、拳を入れて。)
なッ……何なんだよ、何だってんだお前らッ!
焔誼迦具楽 > 「……ふうん、わからないのね。
見ての通り、あなたと同じ化け物よ」
【不機嫌そうに笑うと、その場で爆ぜるように体を分解し、雨に溶ける。
そのまま水と共にうろたえている少年のほうへと移動した】
「――私は、そうね、どうしよっかな。
……うん、焔誼。焔誼迦具楽だよ」
【東雲の近くで再び人の形を真似ると、面白そうに微笑みかけ。
そして、今思いついたままの名前を名乗った。
そこで再び石蒜の方を見やると】
「別に人を切るのはいいけど、散らかさないでって言ってるの。
あんまり汚されると、後片付けが面倒じゃない」
【迦具楽は人を喰らっても痕跡は残さない。
自分を守るためでもあるが……単純に住処が汚れるのはすかないのだ】
石蒜 > 焰誼を追って、足に魔術で斥力を発生させ、地面と反発させて飛び、屋根の上に着地した。
「私は……。」何か、と問われれば無表情になり、一瞬考えるように宙を見る。私は、誰だっけ…?ああ、石蒜だ、思い出した。
「私は石蒜(シーシュアン)、見ての通りの、人斬りですよ。」また笑みを浮かべ、頬についた返り血を舐める。
「元から綺麗でもないんだからいいじゃないですか、殺してないから適当にどっか行くだろうし。」斬りつけた傷はいずれも浅く、止血を行えば命に別条はない程度だった。
東雲七生 > 焔誼──迦具楽…?
(名乗られた名を反芻する。
一度姿を消し、そして近くに現れた少女の姿を見れば、知っている姿とは違いが多いことに気付いた。
そもそも東雲が知っている少女は、ここまで饒舌である印象は無い。──もう、わけがわからない。)
──ああクソ、考えるのは後だ!
(どちらが危険なのか頭で考える前に体が石蒜から距離を取る。
少なくとも、向こうは自分よりも“慣れている”だろう、──人を、攻撃することに。)
焔誼迦具楽 > 「まあそうなんだけどね。
上手くやれって言うのにはもう一つ、治安組織がやってくるような口実を作らないでってのも入ってるの」
【面倒くさそうにため息をついて言う】
「ようやく面倒な敵が消えてくれたんだから、のんびり遊びたいのよ、私は。
バカ騒ぎするなら他所でやってほしいのよね」
【そう話しながら、自身のうちにある魔術を幾つかリストアップする。
やりあうことになったとしても、ひとまずの対処は出来るだろう。
けれど相手はあの『混沌』の同類だ。
力比べになれば負かされてもおかしくない。相性がすべてじゃないのだ】
「……そうそう、迦具楽。
お兄さんは姉の知り合いみたいね。
……ああ、母って言ったほうがいいのかなあ」
【距離をとった東雲に満足そうに笑いかけながら、上の石蒜と対峙する形になる】
石蒜 > 「治安…?ああ、風紀の連中とかですか。いいじゃないですか、来たら殺し合えば、とても楽しくなりますよ。」何が問題なのか、という顔で。例え殺されても捕まっても楽しむ、そういった存在なのだ。
「やるんですか?ああ、面倒だな……あなたを斬っても全然楽しくない、水風船を斬ってるようだ……。斬るなら生身の人間がいいんですがねぇ、ちょうど彼みたいな……。」ため息をつきながら、東雲を一瞥する。だが、焰誼と対峙する形になれば、気だるそうに刀を構える。
東雲七生 > あ、姉……? 母……?
何が言いたいのか分かんねえけど……!お前、あいつと戦り合えんのか?
(少なくとも斬撃は効果が薄いのは先刻見て承知だったが。
効果的な攻撃が出来るのかはいささか疑問だった。
刀を構える石蒜を見て、注意をそちらへ向けつつ迦具楽へと訊ねる。
いざとなったら、自分も戦わなければならないだろう、と覚悟をしつつ。)
焔誼迦具楽 > 「お断りよ。
私は人殺しが好きなんじゃないの。
人は美味しいから食べるけど、殺しあいたいわけじゃないわ」
【構えられれば、特にどうというわけでもなく、そのまま哂う】
「ああ、逃げてくれるつもりだったの?
それなら私も楽でいいなあ。
私もアナタみたいなのは、不味くて食べたくないもん」
【そう言いながら、同じように東雲を一瞥。
少年はまだ美味しそうとはいえないが……何れ美味しくなりそうでもある。
もし狙われるのなら、手厚く保護しなければ】>石蒜
「やりあえるけど……あんまりやりたくないかなあ」
【戦うのは何の問題もない。
最悪でも逃げればいいだけである。
問題は……東雲をどうするかなのだ】>東雲
石蒜 > ああ、面倒くさい面倒くさい
考えるのは面倒だ、享楽に浸りたい、戦うでもない逃げるでもない。
なんで突っ立って話をしなくちゃいけないんだ。
「ああ、もう……。」どっちを狙うかもどうでもいい、だからもう、適当にどちらかを狙って、刀を投げた。
斥力で手と反発させて、とてつもない速度で刀が飛ぶ、狙うのは…… [1d2→1=1]1=焰誼 2=東雲
石蒜 > まず異形の少女のほうだ、好物は後にとっておこう。
東雲七生 > だったら!早くここから離れて誰か呼んで来いって!
(相手が自分を慮っている事など察せられる筈も無く、大通りの方を指して声を荒げる。
自覚は無いが既に自分がこの場から離れるという考えは、既に無くなっている様だ。
たとえ他人の空似だとしても、知り合いに似た少女を危険に晒したままこの場を離れるのは問題外、という事なのだろう。)
──ッ、来た!
(飛来する刀は自分を狙ったものでは無かったが、その頬を汗が伝う。)
焔誼迦具楽 > 「ああ――――」
【迦具楽の哂った顔に刀が突き刺さり……その速度により爆ぜるように散り散りになる】
《キキ――ッ》
【やられたならやり返さなければ。
先ほどのように人間を真似た発声ではない、金属音のような笑い声が響く。
飛散した迦具楽の頭部、その破片が九つのやじりになって、雨を蒸発させながら石蒜へと飛んで行く。
鋭く尖り、4000℃の熱が篭った破片。
刺されば皮膚をえぐり、触れれば肉を溶かすだろう】
《ソレは、ワタしノせりフ!》
【頭を失った体のまま、東雲にこたえる。
ソレはすでに純粋な人間の声ではなく、金属音交じりの異質な声になっていた】
石蒜 > 飛んでくる灼熱の矢じりに、頬を釣り上げる。なんだ、面白いものもってるじゃないか。
右手を、人差し指と中指を立てた剣指の形にして振るう。飛ばされた刀は弧を描いて石蒜の前を横切り、その矢じりを7つまで弾き落とす。
残りは2つ、その2つを、陶酔した目で見つめながら、左肩と左の二の腕に受けた。肉をえぐり、骨まで焼くその熱に、恍惚とした顔になる。
「あは……っ、いいですね。素晴らしい……」痛みが、苦しみが快楽へと変換され左腕を焼いている。
右手の剣指を、焰誼に向ける。また飛んでいった刀が軌道を変え、その胴へ回転しながら飛んで行く。
東雲七生 > ィ──ッ!?
(少女の頭が爆ぜ、そして響く異質な声に顔を顰める。
一転攻勢に転じ、飛ばした鏃を目で追うとともに激しい熱を感じた。
人間ではないのだろう、と薄々勘付いてはいたもののここまであからさまに見せられると言葉を失う以外に出来る事が無い。)
……は、はは……まともじゃねえな……。
(鏃を受けた石蒜の表情にも、それと交戦している異形の少女も、東雲の理解を超え掛けている。
それぞれ別の理由で、ではあるが。)
焔誼迦具楽 > 《キキ――モったイナい。
ソれでニンげンなら、おいシソウなのニ!》
【弾かれた破片を自分に戻し、命中した破片は貫通した勢いのまま雨に紛れ別の場所へ】
「――その刀、邪魔だなあ」
【頭部を作り直し、再び人間の声を発する。
そして飛来する刀に腕を向けると、その腕が解ける。
黒い糸のようになった迦具楽の腕が、刀を絡めとる。
同時に硬化し、刀を受け止めた】
「返して、あげる!」
【刀を黒い糸で丸く覆い硬化。
ソレを錘にして、石蒜へとぶつけるように振った。
腕が鞭のようにしなり、糸のように細くなりながら伸びて行く。
振り子のように振られた先端、錘となった部分をたたきつけるように】>石蒜
『見世物じゃないんだから、早く逃げてほしいなあ』
【東雲の足元から声が聞こえるだろう。
そこには手のひら大の迦具楽の姿がある。
雨に混じった鏃が、別個に動いているのだ】>東雲
ご案内:「路地裏」にルフス・ドラコさんが現れました。<補足:火龍。ディアンドルめいた服装の、人間の少女の姿をしている。>
石蒜 > 「くふ、くふふ。あなただって、それで斬り心地が人間なら、もっと楽しいのに、残念だ!」肉だけではない、存在を焼かれるような炎。この炎、畝傍が放ったものに似ている。つまり、相手は『生きた炎』の関係者か?
「ああ、私の刀が奪われてしまった。これは大変だ!」嬉しそうに、楽しそうに、飛んでくる運動エネルギーの塊を、腕を交差し、斥力を発生させて受け止める。肉が裂け、骨が砕けるのがわかる、関節が悲鳴を上げる。気持ちいい……♥「あはぁ……♥」あまりの快感に、声が漏れる。
黒い糸の中から刀を引き抜く、妖刀の切れ味で、軽く揺するだけで糸は斬れていった。
そして駆ける、距離を取るのは不利だ、床に足がめり込むほどの踏み込みで、一気に距離を縮めようとする。
ルフス・ドラコ > スラム街の方から…とたた、と軽快に走る足音が聞こえる。
印象としては"逆に軽すぎる"とでも言うような、あからさまな人以外の気配で、
炎熱に揺れる路地裏を目指し、何かが駆けてくる。
「そっち行きますから……怪我、してないでくださいね」
大きな声というわけでもないのに、幾つもの曲がり角を超えて確かにその声は聞こえた。
次いで、屋根の上、東雲七生の近くに少女が降り立った。
服は少し焦げがあるが、人間の少女…に見える。
「これまた豪勢な状況ですね、大丈夫ですか、東雲…ナナオ、さん?」
間違いなく初対面にもかかわらず、少女はそう言って東雲七生を間違えて呼んだ。
…良く、字だけを知っている時に行う間違いだ。
東雲七生 > ──ッ!?
……だ、ダメだ!お前ほっといてどっか行けるかよ!
(足元からの声にそちらに目を向ける。
小さな迦具楽に驚き、その言葉に反射的に首を振る。)
見るからにヤバいだろあんな───の!?
って、今度は何だ、誰!?ていうかまた女子かよッ!?
(今度は新たに現れた少女に驚く。
名前が間違われた事には気付く余裕が無かったようだ。)
ルフス・ドラコ > 「ああ、それはまた勇ましい。
…チクリと良心が痛みますね、私ができるかぎりで最大限何も無いことを祈っておきます」
平坦に紡がれる言葉は、まるで気遣いという雰囲気とは逆の方向にある。
「実際に会うまでわからないものですね、
攫って来いと言われた対象がこうも好漢だとは」
ね、東雲ナナオさん―
繰り返して少女はそう呼んだ。"依頼書で名前を読んだだけ"だからだ。
焔誼迦具楽 > 「ああもう、これだから化け物相手は面倒なのよっ」
【自分も化け物であることは棚に上げ、伸びた腕を切り離す。
切り離された腕は再び形状を変え、太い杭のようになって飛び込んでくる石蒜の後ろから迫る……が、速度が負けている】
「あ、だめだこれ」
【おそらく迎撃も防がれるか、悦ばれるだけだろう。
あっさりあきらめて、体の固定をやめて、ばしゃりと、足元に黒い液体が広まった。
そのまま踏み込んでくれば、自身の体を5000度にまで熱し、雨によってたまった水を蒸発させるだろう。
その結果発生するのは小規模の水蒸気爆発。
高温の蒸気と、衝撃による反撃と……めくらましだ】>石蒜
『斬られたって死なないからいいのに――ってまた妙なのが増えた!』
【ちび迦具楽は逃げない東雲に眉をしかめ、新たな闖入者には面倒くさそうな声を上げた】>東雲、ルフス
石蒜 > 相手が、溶けた。罠かな?罠だ、じゃあかかろう。その方が楽しい!
躊躇いもせず、黒い水たまりの真ん中に踏み込む。
そして
ボンッ
発生する熱による蒸気の爆発的膨張に、全身を打ちのめされ、焼かれる。
「~~~~~~~~ッッッ♥♥♥♥♥」歓喜の声を上げるが、それは爆発にかき消され誰の耳にも届かない。
「あはっ……♥♥あはぁ……。」爆発が終われば、全身に火傷を負って、倒れそうになるのを刀を杖代わりにしてなんとかこらえる。
「いい、すごくイイ……。」全身が焼かれて、衝撃を食らった、その疼痛が、鈍く残る痛みが、快楽になって、脳を浸している。
「もっと、もっと下さいよ!楽しい、とても楽しい!!素晴らしい人だ、たまらない!!」
東雲七生 > 攫って……て?俺を!? つーか、ナナオじゃねえよ!ナ・ナ・ミ!!
あんましたくねえ訂正だけどさ!!……てか攫ってこいって何だよ!?お前は誰っ!?
(矢継ぎ早に疑問を口にする。そうでもしないと頭がこんがらがりそうだった。
その過程で名前の間違いにも気づき、律儀に訂正を入れる。実のところ、この訂正はあんまりしたくはないのだが。)>ルフス
死なないとか、そういうのじゃなくて!
……だぁぁぁっ、もうっ、敗けんじゃねえぞ!?
(お前について訊きたい事がまだあるんだからな、と迦具楽(大)へと人差し指を突き付ける。
雨の中だというのに感じる熱が大きくなった気がした、反射的に腕で顔を覆って爆発の余波を凌ぐ。
しかし、それでもなお立ち続ける石蒜の姿に若干血の気が引くのを感じた。 あれは明らかに異常だ、と。)
焔誼迦具楽 > 「……うっわ、ど変態」
【蒸気が止むまでの間に分離した腕と合流し、再び人型になる。
どうやら興味は自分に移ったらしい。それ自体は助かるが……正直変態に好かれるのは勘弁願いたいところである】
「どうせさ、死なないんだろうけど……そろそろやめにしない?」
【言いながら、再び数メートルほど離れた距離から腕を向ける。
またも腕が解け、五本の鋭い棘になって石蒜へと伸びる。
これもまた超高温。それが石蒜を囲うように五方向から】>石蒜
『むりー、たぶんかてませーん。
でも無理っぽかったら逃げるから大丈夫だよ』
【いい加減な言葉で答えながら、とりあえず笑って答えた】>東雲
『攫う、ねえ。まあこの人を逃がしてくれるなら幸いなんだけど~……』
【攫って、害される用じゃ意味がない。
ちびの方が一度液体になり、東雲の体を這い登って行く】>ルフス
ルフス・ドラコ > (炎使い…と言うか、炎ですね、あれ)
(真正面からやりあうことになったらひどく面倒そうです)
「……まあ、それを焼いて燃やして滅ぼすのが一番、というところではありますが」
生憎と、ここまで依頼達成に近い状況を放り出してまで楽しみを優先するには人手が足りない。
……刀使いにはもう少し頑張ってもらわなければ、困る。
「火よ…」
せめて火の支配権争いにでも持ち込んで、火勢を弱めようとしたところで声がかかった。
「ええ、そうですよ東雲なな…すみませんでした、ナナミさん。」
「なにしろ…回ってきた書類にルビが振ってなかったので。」
「さ、それじゃ行きましょうか。
…私のことなら、どうせクライアントに引き渡すまでの付き合いですからお気になさらず。
ルフス・ドラコと言いますけど、覚えなくていいですよ、ええ。」
足元の小さな迦具楽に目をやりつつ、ルフスは七生を急かす。
…当然、こちらに更に分身を割かれれば邪魔が入るからだ。というか今眼の前で入った。
「随分とご熱心というか…知り合いなんですか?例えば命をかける程度には」
七生と迦具楽、二人共に問うような形。
「しかし、貴方がここにいると危ないですし、彼女もやりづらそうですし、ついでに言えば…
何か、出来るんですか?」
言葉の端々に有った、遊んでいたような態度が少し鳴りを潜めた。
全く変わらなかった表情が、ようやく態度に見合うものになった。
ひどく真正面から七生を見る。
石蒜 > 「どうして、どうしてやめるんですか。こんなに楽しいのに!こんなに気持ち良いのに!!」まるで大好物を食べている最中に、待てをされた犬のような悲しげな顔で叫ぶ。
「ああ、私ばかり楽しんでいるせいですか?あなたがつまらないからもう遊んでくれない?申し訳ありません気付かなかった、でもどうやればあなたを傷つけられるのはわからないんですよ。」許しを請うように、早口にまくし立てる、やめてほしくない、もっと傷めつけて欲しい。
「ああ、いや……。そうか、すみません見逃してました、そこの彼、そこの彼を殺せば、あなたも苦しみそうですね。熱中すると視野が狭くなってしまいますね、わかりましたよ。そっちを狙います、いいですね?わかりました!」一方的に決めつけると、伸びてくる5本の刺を、斥力による大ジャンプで回避する。その軌道は、東雲を目指している。
着地と同時に斬りかかるつもりだ。
東雲七生 > ──むりーって、そんなあっさり!?
まあ、逃げるんなら……良いけど、さ。
……だったら勝てなくても良いから、せめてあいつが悪さ出来ない様にしないと!
(その時、あの刀使いの少女はどうなる、と石蒜を見る。
見たところ動ける状態では無さそうだが、それでもまた同じ凶行を繰り返すのではないか。
そう考え、迦具楽へと言葉を投げる。)>迦具楽
ちょ──ちょっと待ってくれ……ええと、ルフス!
その、クライアントってのが俺にはさっぱりなんだけど、一体誰の依頼だってんだよ、そんな依頼出される筋合い──
──避けろッ!!
(話の途中だったが、石蒜が跳んだと同時にルフスの身体を突き飛ばそうとする。
その反動を使い、自分自身も跳躍して石蒜の軌道、およびその刀の間合いから逃れるつもりなのだろう。)
……何が出来るのかなんて、わっかんねぇけど!
捨て置けるような……そんなんじゃ、ねえだろ、これッ!!
焔誼迦具楽 > 「あ、ミスっちゃった」
【不味いなあと思いつつ、考えるより先に体が動く。
腕を戻しながら地面を蹴って飛ぶ。
まったくもっと狂った人間を食べておけばよかった。そうすればあの思考も多少理解できただろうに】
「いや、やっぱむり」
【狂った人間は好きだけど、自分がああなりたいわけじゃないのだ。
体を人間から球体にして硬化、魔術を連続して行使。
強化――加速。
加速。加速。加速。加速。加速。加速。加速。加速。加速。加速。加速。加速。加速。加速。加速。加速。加速。加速。加速。加速。加速。加速。加速。加速。加速。加速。加速。加速。加速。加速。加速。加速――――】
《――――》
【球体になった体は加速の魔術によって、地面を蹴った際のエネルギーを増加、ひたすらに速度を加速させて行く。
それは高速飛来する大砲の弾。
着弾地点は東雲の居たはずの場所。
着弾すれば地面を抉りながら衝撃と破片を撒き散らすだろう】>石蒜
《ベツにわタしヒーローじゃナいんダケ――あっ》
【体を這い上がりながら、間の抜けた声を出す。
ちょうど石蒜が跳んだ瞬間だ】
『やっちゃった!』
【液体のまま飛び退いた東雲の前に飛び出し、薄く傘のように広がる。
強度は非常に高く、着弾の衝撃を防ぎながら、ばら撒かれた破片は触れた瞬間に熔解するだろう】>東雲
ルフス・ドラコ > (…熱中して見えていないのは変わってないと思うのですが)
刺を回避しながら近づく軌道。囲みから脱出するようなそれは、全くもって最速で最短を目指すものではなかろうか。
つまり、七生の傍に備えるルフスの正面、攻撃機会に余りあるエリアを通過することに他ならず…
(案外、ああ見えてわかってるんでしょうか?)
ルフスが割って入るとしてもそれは迦具楽の後であり、
それも石蒜を大きく傷つけることがないだろうという状況が。
「私も理由については別に。ただ、研究区へ出入りしてるという補足が載って…」
一瞬の当惑。当然の緊張。聞き流しながらとは言え会話中。
舞台袖から壇上への場面転換のタイミングに、七生の行動はきっちりと嵌っていた。
「ちょっ……と!?」
押し飛ばされれば反射的に手を出す。
もとから"こちらを突き飛ばして逃げ出す"行動には備えてあったのだから、
顕現させた龍の腕(と自分の腕)で力加減を行いながら引き寄せるだろう。
そして、もう片方の腕を前に伸ばし、待っていたもう一つのタイミング、"焔誼迦具楽がこちらに隙を見せる"瞬間に、広がった傘を龍の腕で前に押して弾着点に突っ込ませるだろう。
「好いですね、七生さん」
「私もそういうのは好きですよ」
少女は囁くように言う。
「ただ…好い人から先にいなくなるってのは本当の話なんですけどね」
身柄は確保できた、とルフスは把握するだろう。
ただただ立ち向かおうとする姿を、懐かしささえ持って眺めながら。
東雲七生 > いぃッ!?
(つい数瞬前まで居た場所に着弾した物が何かまで確認する余裕も無く、雨で塗れた足場に骨を折りつつも着地した。
直後、唐突に展開された盾と飛来する破片に面食らう。訳も分からないままに礫から身を守られ、気が付けば、)
──はぁッ!?
(ルフスの腕によって引き寄せられていた。
先程から訳が分からないでいたが、ここまで来るともう何が何だか、の域である。)
石蒜 > 「アハハハハ」着地、しかし目標は既に移動していて、いつの間にか居た少女と一緒だ。着地の衝撃を殺して、流れるように振り向きながら切りつけようとして「ギッッ!!♥♥」
全身を砕くような衝撃が突き抜ける。焰誼の体当たりをまともに食らった。
「あがっ…♥がっっ……♥♥」軽い体は何度もバウンドしながら吹き飛び、ゴロゴロと転がって止まった。
「あ、あはっ……♥あぁ……♥♥」痛い、痛い、痛い、気持ちいい……♥ダメージと快楽で身動きが取れず、横たわる。
焔誼迦具楽 > 《うワア、もロニはイッタ……》
【金属音混じりの声を発しつつ、抉れた地面から起き上がる。
形状は流体であり、∩の形に盛り上がった。
石蒜の様子を伺いながら、東雲らとの間に立つ】>石蒜
《――そノヒとニ、ヨケいなこトシなイデよ?》
【分身とも合流しつつ、東雲を捉えた相手に忠告する。
ご馳走になりそうな相手を、つぶされたんじゃたまらない。
直接そうとは言わないし、連れ去ろうとすれば邪魔はしない。
しかし、着弾と雨に紛れ東雲の体には自分の破片を、親指大程度の破片を付着させた】>東雲、ルフス
ルフス・ドラコ > 「七生さん、何の備えもない美少女が健全な青少年をさらいに来た挙句」
「守ってもらって腕の中で『七生さん、どうして…?』とか言い出すのはファンタジーの世界ですよ」
刀使いの少女の動きが止まった。バランスが崩れた。
五体がバラバラになってないのが不思議なほどの衝撃だったと思うが、あれで即立ち上がるのはバケモノだろう。そう、化け物。
それなら今、この路地裏にぞろりと揃っている。次の喰い合いはすぐに始まるだろう。
「……まあ、どう見たってファンタジーなのは間違いないですけどね」
だから、と。呟きながら、今度は羽を顕現する。
先ほどの迦具楽の速度を見ればとても逃げ切れなさそうだが、
生憎と他に足がない。……依頼主の支援でも有れば、別だろうが。
「リアルに戻るのが先決じゃないですか?
化け物でもないのにこんなところに来ていれば、
持ち帰られて貪り食われるっていう極普通のリアルに」
「余計なこと?……だって、大方貴方だって食うつもりだったんじゃないんですか?」
あの炎は、人を薪にした火の臭い。
……お互いの好物がよく似通っているのに、まさかそんなことがわからないわけがあるのか、と。
そう思いながら翼を打って空へ舞うだろう。
東雲七生 > うわぁ……。
(石蒜へのダメージは見ていただけの東雲も顔を顰めるほどに甚大に見えた。
しかし、そんな状態でも、痛みに悶えているようには見えない。
その姿に、ただの狂人とするには多少の違和感を東雲は覚えた。
その違和は、とても理解し難く見え、それなのにどこか既視感があるような──
しかしその違和感と既視感は少女の声と浮遊感にかき消される。)
って、お、あ!?浮い──ってか飛んだッ!?
ま、待ってくれルフス!別に食われる気なんて俺には毛頭ないし……ッ!
(自分を抱えているであろう腕を軽く叩いて主張する。
そもそも本当に攫われる謂れが無い。それに─)
持ち帰られて食われそうなのはむしろ今まさになんだけどーッ!?
石蒜 > 息をするたびに、燃えるような痛みが全身に走る。あちこちの骨が折れているのだろう。
これ以上攻撃を受けたら死ぬかもしれない、死んだら終わりだ、それはつまらない。調子に乗りすぎたかもしれない、でもこんなに遊んでくれたのは初めてだ。嬉しかった。
刀を地面に突き立て、杖にして立ち上がる。
足がガクガクと震える、身動ぎするだけでダメージが蓄積していくのがわかる。
「はぁっ……ああ……はぁ……。」少年が攫われていくのが見える。
左手を突き出して握る。斥力を手に集め、空気を押し固める。
「それ、はぁ……。私の、獲物……ッ!」それを親指で、翼を狙って弾いて飛ばす。大した威力ではないが、当たればバランスを崩すぐらいのダメージにはなるだろう。
ルフス・ドラコ > 「ようこそお帰りなさいませリアルへ、今まさに帰還できたみたいですね」
ざっくりした物言いは食べられることへの全肯定である。
「大丈夫ですよ、島外行きの船とかに乗るときにちょっと強引な検査とか有るかもしれませんが」
「そこではまだ食べられないですから」
具体的に言うとこの後は常世港の倉庫の一角が受け渡し地点として指定されており、
そこで簡単な検査など行った後に島外へ出荷されるのではないかな、とルフスは見ている。
当然必要な偽装を施して連絡船が来るまでには二、三日かかるが、引き渡した後のことは生憎と契約外である。逃げてくれたらそれはそれ。
と、ブリーフィングを思い起こしていたところで刀使いの少女が動いた。…つまり、あれもバケモノだ。
「彼女とはやりあわなくてすんで幸いでしたね、いえむしろ善戦に感謝したほうが…っと」
あの状態で…私を狙うか。この少年さえ居ればまだまだ楽しめると、そう考えているのだろうか。
だが、ただ登るために羽ばたく機動性は決して良好とは言いがたい。
一度高度を下げて回避してから、今度は水平飛行に移行する。
家々の屋根が近くなるが、まさかここまでの戦闘を聞いて登ってくるような者も居ないだろう。
この路地裏の弱肉強食のリアルを理解していないものなど、そうは居ない。
焔誼迦具楽 > 《ソれデよ――く、生きてるわね」
【流体から人間の体に戻る。焔誼玖杜によく似た姿に。
石蒜に特別恨みがあるでも、『本体』ほど混沌を嫌ってるわけでもない。
止めを刺すつもりはないのだが……いや、さすべきではないだろうと判断し】
「――食べるにも、私流のやり方があるの。
一緒にしないでよ、トカゲ」
【石蒜から飛ばされた斥力は、見えていたが止めず、何もしない。
東雲らを振り向くこともなく、不機嫌そうに吐き捨てた】>石蒜、ルフス
「無事でいたらまた会おうね、お兄さん」
【そのまま連れ去られるようなら、そう言葉だけなげかける。
付着させた欠片によって位置はわかるのだ。
……気づかれて処分されなければだが】>東雲
東雲七生 > いやマジで待ってーェ!?
俺島の外に行くような覚えは全く無いから!?ガチだ!これガチの人攫いだ!?
いや、冗談じゃねえよホント!まだテスト残ってるし!!
離せって、オイ!はーなーせー!!
(懸命に抵抗をするが、同級生の仲間内では腕力は最も低く、地面に足がついていない状態では腕をこじ開けるのも難しい。
それに怪我の一つも無いとなると異能も使えず、ほとんど打つ手なしである。
──捨て身で全身での抵抗を試みる以外は。)
……落ちて変なとこ打ったらどこに文句言えば良いんだろう……なッ!!
(物は試し、とルフスの腕の中で思い切り体をよじる。
そもそも異性に抱えられてるという状況は今後とか関係なく脱したい。)
石蒜 > 避けられたか、二発目を撃つ気力は、もうない。痛みと快楽で魔術を使う集中が維持できないのだ。
体重をかけていた刀が倒れ、一緒に仰向けに倒れる。
「アハハハハハ、ああ……楽しかった……。」満足気に呟く。
視界の端で飛んで行く影が見える。次会ったらあっちとやろう、多分楽しめる。
ルフス・ドラコ > 「それはそれは、申し訳ないですね」
頭のなかの片隅で、食べ方の違いなんて物を議論されてちゃ、普通はニンゲンはたまらないんだろうな、と思考する。
だがそれも、昔の思考だ。…ただのトカゲが否定できる話ではない。
「七生さん。……それ(単位)は要りません。要るのはこの目隠しの方です」
竜の腕を再び顕現させるとそちらに七生を受け渡して、自分の腕の方で目隠しを取り出そう…としたが、
東雲七生のタイミングを図る感覚はもはや能力と行ってもいいのではないかと思うほどに今回もハマった。最も拘束の緩んだ瞬間に身を捩られては、
「ちょっと、やめてください、下手なことすると握り潰しちゃうじゃないですか、今回はデッドオアアライブとは言われていないんですから!」
ましてやルフスごと墜落してもあるいは生命に関わる可能性さえ有る。
「ちょっ、ちょっと!止めてくださいってば!」
ずるずると無理矢理に力を入れてでも持ち上げようとしていたルフス自身の手が離れていき、高度が下がる。
やがて、歓楽街との境目にさしかかり、
現在高度まで突き出した雑居ビル(6F)を眼前に捉えるに至ってルフスはようやく決心した。
「お生憎ですけど…私は絶対に払いませんからね?」
羽でブレーキを掛け、屋上の一角を龍の脚で蹴り飛ばして上方に逸れて衝突を回避しつつ、更に減速する。
そのさなかで、自然と指がすり抜けて、七生を屋上に残す形で…
自分はその先、歓楽街の大通りへコントロールを失って落下していく。
焔誼迦具楽 >
「私はぜんぜん、楽しくなかったけどね。
……ねえアナタ、しばらくこのあたりで暴れるのやめてもらえない?
そうすれば、私も止めを刺さなくて済むんだけど」
【倒れた石蒜に話しかける。
もちろんハッタリだ。ここで万一倒せてしまったとして、大本の混沌に目をつけられたらたまったものじゃない。
この相手のように物理攻撃をしてくるのならどうにでもなるが、そういう相手でもないだろう】>石蒜
「……お兄さん、大丈夫かなあ」
【すでに視界の外である相手の身を案じる。
欠片を通じて聞いている限り、助けに行く必要はなさそうだが。
……まあ、大丈夫だろう、と思っておく】>東雲、ルフス
東雲七生 > ぐぬぬぬ、んのォ……!
かくなる上は──
(制止の声はほとんど聞き流して体をよじる。幸い効果があったのを確認し、さらに体を捻った。
そして最後の抵抗、とばかりに自身のズボンの後ろポケットに手を伸ばそうとしたところで、拘束が解けその身が宙に投げ出される。)
う おわぁぁぁぁあぁあぁあ!?
(突然の自由落下に悲鳴を上げつつ、その視界の隅に落下していくルフスの影を捉える。
それからはほぼ無意識に、ズボンのポケットから折り畳みの小さなナイフを取り出すと、右掌に横一線の傷を付けていた。)
ちょッ、説明くらい……してけ!!
(ごしゃ、とビルの屋上に肩から落ち、鈍い痛みに顔を顰める。
しかし、傷を負った手を歓楽街、落ち往くルフスへと翳すと。
傷口から更なる腕が生え、延び、その翼を掴もうとする。)
石蒜 > もう暴れるな、と言われれば、顔をしかめて嫌そうな顔。だが止めを刺されるのは嫌だ。本当に頑張れば逃げ出せるかもしれないけど、わからない。
「そしたら、また遊んでくれますか?あなたはとてもいい、気に入りました。
あなたとまた遊べるなら我慢します。」期待に目を輝かせながら、交換条件を出す。
もう向こうで騒いでいる2人は意識の外で、騒いでいるのも無視する。
ルフス・ドラコ > 「…五点着地法、久々ですがやるしかないようですね」
速度は安全域まで緩められたが、先ほどの蹴りのスピンが体中に掛かってタイミングを図ることが一番難しい。滞空時間の長さを見極めに活かせるか…!
そう考えていたところで、体がぐらりと衝撃を受けた。
振り返れば、さっきまで攫おうとしていた人物が、何故だか手を伸ばしている。
「えっと。……あのですね。」
何を言おうか。
さっきからバケモノばかり見ていて、一度庇った時には夢見んなとまで言われているはずなのに、
どうしてこんなことを迷わずに出来るのか、とか。
「爬虫類を触るときは羽とかから持っちゃいけない、と聞いたことないですか」
私をなんだと思ってるんですか、という言葉は引っ込めた。
こちらからも、腕を…龍の腕を、差し伸ばす。
さきほど、まさか振りほどかれたのは非常に心外だっただけに、相手が無理をしているのはわかっているし。
焔誼迦具楽 > 「……気が向いたらね。
ほかの場所で会ったら、考えてあげる」
【多少疲れるものの、それ自体は構わないと言えばかまわない。
とは言え、頻繁に絡まれてしまえば消耗が大きくなってしまうのだが……】
「ああ、そうだ。
それなら、人間の食べ物を食べさせてくれたら、相手してあげる。
もちろんこのあたり以外でだけど。
暖かくて美味しいものを持ってきてくれたら、文句なしかなあ。
あ、量はちゃんとそれなりに用意してね?」
【生殺与奪を握っている、そう勘違いしてくれてるならと、思いついた条件を加えて見た。
色々と食べてみたいのだが、そのたびに人間から金を盗るのも面倒くさい。
ついでに、エネルギーの補給にもなるのだ、願ったり叶ったりなのである】>石蒜
【そうやって石蒜と話しつつも、東雲の様子を音を頼りに伺う。
なるほど、やっぱり大丈夫そうだ。
まあ少しばかり……思った通りのお人よしみたいだと感想を抱いたが】>東雲
東雲七生 > とっ……たぁぁぁぁぁーッ!!
(延ばした腕、それは血の様に真っ赤な腕だった。
伸ばされた龍の腕を、がっしりと掴むとその落下の勢いを殺し、無理のない着地を可能とさせるだろう。
しかし、その腕を繰る東雲の顔色は良くない。その理由は天気──雨にあった。)
血が……流されて、維持が……!
こんな天気じゃ無きゃ、このまま縛り上げてやるとこだってのに……ッ!
(ルフスの足が地につけば、そのまま雨に紛れて腕も消えてしまうだろう。
そこから追跡をしたりする気配は恐らくない。)
石蒜 > 「わかりました、きっとですよ。忘れませんからね、あなたの匂いは覚えましたから。」親と遊園地の約束をした子供のように執拗に念を押す。
そして相手からの交換条件には「食べ物?」と眉をひそめる。
真人となった石蒜は飲食が不要なのだ、むしろ何を食べても体が受け付けず戻してしまう。
だから、食べ物にそんな価値があるとは思えなかった。
「まぁ、いいですよ。常に持ち歩くわけにもいかないので、会った時近場で買うという手順になりますけど。」本当に食べ物ぐらいで遊んでくれるのかな?という疑問はある。だがまぁ、約束はした、破られたらこっちもまた暴れればいいだけだ。
「それじゃあ、さようなら。楽しかったですよ、次はあなたも楽しませられるといいんですが……。」自分だけが楽しんだというのが心残りだ、なんとか方策を見つけておかないと。
そう考えながら、石蒜の体は漆黒の液体へと溶けていき、床のひび割れや隙間へと流れこんでいく。
ルフス・ドラコ > 「……」
足が地につく。路上を行き交う者達も関わり合いになりたくないのか、
ルフスを避けてただ歩いて行く。何人かが写メとか撮っているかもしれないが…まあ、別にいい。
視線を上に戻したところで、すでに真っ赤な腕は消えているだろう。
「結構な量の出血を……してた、みたいですけど」
一人呟いたところで、何も変わらない。
おそらくは屋上を襲った蹴りの轟音に、ビル内のテナントの店員が向かっているはずだ。
踵を返すと、歓楽街の統一感のない群衆に紛れ込み、ビルから離れる流れに加わる。
「……全然、何も出来なくないじゃないですか。とんだ見込み違いでした」
何が最良の状況だ、一番厄介なのが残っていたじゃないか、とそう思いながら。
焔誼迦具楽 > 「いいよ、約束。
口約束だけど……そっちが守ってくれれば、私も守ってあげる。
……そっか買い物か。それもいいね、じゃあそうしよう」
【小指を立てて、倒れたままの石蒜の小指に触れる。
相手は混沌だ。触れてもお互い、あまりいい気分じゃないだろう。
けれど、多少の誠意くらいは見せて置こうと思ったのだ。けっして、嫌がらせではない】
「いいよベツに。私は色々食べて遊べたら満足だから。
じゃあね、混沌の片割れ。ご馳走期待してるからね」
【消えて行く石蒜を、笑いながら見送った】>石蒜
「……さて、とりあえず問題解決っぽいし」
【多少壊れたものの、路地裏の平穏は守られたし、東雲は無事だ。
何も問題はない。
満足そうに伸びをしながら、石蒜がそうしたように自分もまた、地面へと消えて行くのだった】>ALL
ご案内:「路地裏」から石蒜さんが去りました。<補足:黒髪に漆黒の巫女装束の少女、肌は褐色。【乱入歓迎】>
ご案内:「路地裏」からルフス・ドラコさんが去りました。<補足:火龍。ディアンドルめいた服装の、人間の少女の姿をしている。>
ご案内:「路地裏」から焔誼迦具楽さんが去りました。<補足:黒いセーラーに黒髪、赤い瞳の小柄な少女。>
東雲七生 > ………手相が変わるー。
(雨の中、身を起こして思ったのはそんな事だった。
続いて自分で傷を付けた掌を見る。傷はそんなに深くは無かった。そこから形成した腕も、一見派手だが使っている血液の量は多くない。だから雨に流れて崩れてしまったのだった。)
結局、何だったんだ一体。
──人斬り女に、迦具楽に、人攫い……ルフスって言ったっけか。
(あまりにも多くの事が起こり過ぎて、軽く眩暈がした。
そういえば、戦闘の結果はどうなったろう、あの様子ならあの人斬りの再起は時間が掛かりそうだ、
迦具楽は、まあ無事だろう。その事に関しては確認を取らないといけない相手がいる。
そして、自分が攫われそうになったという事実。)
──どこに相談すりゃ良いんだぁ?
東雲七生 > (そもそも落第街に来た時点で、東雲の立場は悪いだろう。
下手すれば自業自得と言われかねない。それはまあ、もっともだと思う。
ルフスはファンタジーと揶揄したが、今宵起きた事は間違いなく現実、のはずだ。東雲が普段生活している裏側の現実。
そこまで考え、一つ息を吐いた。)
──帰ろ。
(雨音に混ざって足音が聞こえた。
きっと物音に気付いて誰かがこちらに向かってきているのだろう。
東雲はもう一度掌の傷を見る。多少雨に濡れ滲んではいるがまだ出血は続いていた。
それを確認すると、近くの手すりに手を掛ける。)
東雲七生 > (そこで初めて右肩が外れていることに気付いた。
きっとさっきの着地の際に外れたのだろう、と妙に冷静な頭で思う。
帰る道すがら嵌め直さないとな、と呑気に考えながら手すりを飛び越え、東雲の体は二度目の自由落下を始めた。)
………っと、と、たっ。
(ビルの4階を過ぎた辺りで掌から伸びていた真っ赤なロープがピンと張られる。
ロープの先はてすりに繋がっており、そこから少しずつ東雲はロープの先を追加で形成して、ほどなく着地した。)
東雲七生 > (道行く人々から顔を隠す様に、フードを目深に被り直す。
今から落第街に戻る気にもなれず、かと言って日課のランニングを始める気分にもならず。
東雲はそのまま、足早に駅へと向かうのだった。)
ご案内:「路地裏」から東雲七生さんが去りました。<補足:1年生の赤い髪の少年、身長160、童顔、紺色のフードパーカー着用/乱入歓迎>