2015/07/03 - 00:10~01:17 のログ
ご案内:「◇単位FREE(期間限定)」に秋尾 鬨堂さんが現れました。<補足:悪魔のLと呼ばれたマシンを操るドライバー。踏んでいける教師。>
秋尾 鬨堂 > 大きな螺旋階段を登った先。
学園都市の中に建設された景勝地の中でも、都市部の景観に沿って作られたたぐいの広場。

自動空中庭園、と呼ばれている。
何故なら、そこが機械工学教師。
昼間の秋尾が、本拠にしている場所であり。

無数の自動車が、そして自動車部品が、乱雑に積み上げられた巨大ジャンクヤードであるからだ。

その片隅には、AUTOガレージTOKIという看板のかかった小さな事務所と、ガレージがある。

その小屋の前に立つ姿はいつも通り、全く必要がないのに壁に手をついた傾き姿勢。
全く必要のない流し目。

秋尾 鬨堂 > 「…さて。今日はダレか、合格までいけるかナ…」
ぎゅらっと指をさす。誰に。虚空にだ。
2週間前、試験内容を発表した。

この空中庭園にある廃車を己の知識と技術を持って再生し、自走させること。
範囲はこの空中庭園の螺旋道路上りと下り。

完走を持って単位を認定する。
なお、タイムおよびクルマの芸術点により上から優がつきます。

現在までに完走0、途中停止4、クラッシュ16、病院送り9名。

秋尾 鬨堂 > 「ううん、おっかしーナ…」

暗澹たる結果。
いくら廃品の整理がてら行った試験とはいえ、
生徒たちの実技レベルからすれば決して難しいことではなかった。

特に、停止よりクラッシュが多いあたり、明らかにおかしい。
おかしいがしかし。

「呪い?それとも妖怪の類?…どっちでもボクには縁遠いな」
男の専門は機械工学なのだ。

秋尾 鬨堂 > 「まさか本当に、悪魔でも出たかな…」
思い浮かべるのは、乗り物にいたづらするヤツである。

そんな存在はこの島にありふれている。
が、確かめる術もない。

機械工学教師はデビルバスターではないのだ。

秋尾 鬨堂 > このままではせっかくゴールのお祝いとして用意したメックボルトハンバーガー社製・ビッグメックが今日もせんせいの晩御飯になる。
それだけは避けたい。

なんだかんだで4日目、毎日ビッグメック。
おかげでその間、全く踏めていない。

夜の高速でビッグメックを頬張ることが許されるのはアメ車に乗った体脂肪率と肝機能にチャレンジブルな男だけというポリシーゆえ。

秋尾 鬨堂 > しかしこうもビッグメック漬けであるとやがてそのカロリーはチカラへと変わり、やがて蓄えられアメ車の似合う体型に…

「…」
ぞっとしない話だ。

そうこうしていると、
また螺旋道路の中腹でクラッシュ音。
甲高いブレーキ音と、ぶつかった音からすると地上までは落下していない。ガードレールで止まっている。

秋尾 鬨堂 > 「救急車は…待ってられないナ」
くるりと鍵が、人差し指の周囲で回る。

事態は一刻を争う可能性がある。
昼間とはいえ――今、踏まないという選択肢はない。

つまりそこがミッドナイト。

ガレージから、《悪魔のL》の咆哮。
調伏すべき悪魔は見えずとも。
こいつだけは、確実にそこにいる!


………
…………
……………

秋尾 鬨堂 > 結局のところ、合格率は三週間目から急激に回復。
ビッグメックは男の体重を少々増やした程度でその役目を終えた。

その原因は、三週間目に差し掛かったところで生徒が捕縛した不法侵入異邦人・『グレムリン』。
当局はその習性を本試験の明確な障害と認定、前半で不合格となった生徒たちに再試験を許した。

なお自動機械のオイル、そして熱、更には錆と樹脂、おまけにクラッシュ時のエネルギーまで喰らう事故原因の見本市のような異邦人は、
総合クリーニング業者にヘッドハントされ毎日油汚れやサビ取りに励んでいるという。

ご案内:「◇単位FREE(期間限定)」から秋尾 鬨堂さんが去りました。<補足:悪魔のLと呼ばれたマシンを操るドライバー。踏んでいける教師。>