2015/07/08 - 22:22~01:22 のログ
ご案内:「学生街 路地裏」に風間蒼介さんが現れました。<補足:忍者/赤いスカーフ/半袖学生服>
風間蒼介 > ……
(通りと通り、併走する二本の動脈の間を繋ぐ入り組んだ路地がある
 それは本流から一歩はずれ、しかし闇どころか影とも言えぬ薄明かりと言うべき場所
 落第街やスラムと違い、ここでは血腥い事件などとは縁遠い
 しかし、だからこそ浅瀬で生きる一般の住民達の隠れ蓑として機能する時がある
 それが今だった
 注意を引くほど気配は消さず、しかし顔の角度、影の入り方、周囲の意識の動き、それらを巧妙に計算し、視界の端に映りこもうともそのまま流されるような存在感を維持し
 しかし周囲を細かく観察しながら、歩き続ける)

風間蒼介 > (その手に提げられているのはなんの変哲も無い紙袋
 学生街にもいくつか出展している大手家電量販店の物で、中には有名ロボットアニメのプラモデルの箱が覗いていた
 それはどこにも不自然なところもなく、誰がどこで持っていてもおかしくは無い物)

……
(ゆえに、反対側から全く同じ紙袋を持った男が近づいてきても、誰も疑問には思わず、日常の背景として処理していたであろう
 無言で、視線もやらず、ただ自然な動作として道を譲り合い、狭い路地の左右に別れ…
 そして手にした紙袋を地面に置き、すれ違い、互いが置いた紙袋をそれぞれ手にする
 その歩調は変わらず、その流れによどみは無く
 言葉も視線も交わす事すら無く…変化したのは互いに手にした紙袋のみ
 それすら内容物は全く同じである…外見上は)

風間蒼介 > 忍務完了…
(思わず、声が漏れる、スカーフの下で口の端がわずかに上がる
 忍者とは本来ほの暗い世界の存在である
 光の世界の法をハズレ、影の世界の掟に生きる
 そこには真っ当な倫理は存在せず、ただ目的を達成するという金科玉条の元、様々な手管が一枚の絵図を仕上げるために絡み合わされる
 常世学園の一般的な法は外の世界のそれに準じる
 しかし異能を持った学生達が管理運営するという類を見ない構造はそこに歪みを生じる
 自己を律し責任を負うというのはこの社会では当たり前の事、しかし外の世界では責任を取れぬ子供と扱われる年齢
 ここに目に見えぬ鎖が産まれてしまうのだ
 その鎖を振りほどきたいと願う事に何の罪があろうか?
 自由とは責任の上に生じるもの、ならばその責任を背負おうとする覚悟の上で踏み出す事のどこに悪があろうや?
 これはその先に待つ処罰すら覚悟の上で自由を求めるための、そう、戦いだった)

ご案内:「学生街 路地裏」に畝傍さんが現れました。<補足:短いブロンドの髪と赤い瞳、オレンジ色のボディスーツ姿。散弾銃を携帯>
風間蒼介 > (金脈会、という組織がある
 それはインターネット上にも、現実世界にすら交流の存在しない組織である
 構成員はそれぞれ交流地点、連絡方法の断片を持ち、それらを組み合わせたセルと呼ばれる小集団を絡み合わせることで網目のようなネットワークを構築している
 風間蒼介はその中でも忍者という特性を活かし上位セル構成員として働き、そしてこの直接取引はその特権であった
 本来はこれをさらに何度も繰り返すことで分散していくが、その前の段階で受け取ることで「鮮度」が保障されるという特権)

発売日をどれほど待ちわびたか…
壇まち…
(つまり学生間のエロゲエロ本の流通及び健全系のフラゲ組織であった
 上記の正式名称壇ノ浦に出会いを求めるのは間違っているのだろうか?~おにいちゃんダメ…私達源平だよぅ…~は源氏側の主人公が壇ノ浦という戦場ではぐくむ愛の物語~18禁~であった)

畝傍 > 橙色に身を包んだ少女は、その背に備えたフライトパックで学生街の空を飛ぶ。
彼女は自らの協力者に、今すぐにでも伝えねばならないことがあった。
最初は人通りの多い場所を探していたが、姿は見当たらず。
やがて路地裏にさしかかった時、畝傍はようやくその姿を見つけ、
「ソースケ!……ソースケ!」
彼のもとへ降下しつつ声をかけんとするが――その脚は震えていた。

風間蒼介 > くう
        空 か!?
(周囲を警戒していた、していたはず
 しかし上空からのパワーダイブは予想外だった
 超予想外だった
 二重三重のカモフラージュを施してはいたが、今の発言は聞かれていなかっただろうか?
 そう思うと自然と動悸が…
 呼吸を一つでそれを押さえ込む、大丈夫、大丈夫なはずだ
 ここで「そのプラモデルちょっと今説明書だけみようよ」とか小学生ナイズされた発想さえ来なければ、セーフのはずである)

畝傍 > 蒼介が持っている『それ』が何であるか、畝傍は知らない。
仮に蒼介の言葉が畝傍に聞こえていたとしても、その意味を推し量るのは難しいだろう。
畝傍は震える足をどうにか地面に着けると、蒼介にゆっくりと近づき、用件を伝えんとする。
「……ソースケ。きいてほしいことが、あるんだ。……ボク、みつけたんだ。『鞘』を」
その表情は真剣であった。

風間蒼介 > あ…うん、ちょっとまってね畝傍殿
今ちょっとテンションアップダウンの落差で高山病起こしそうなところでござるから
(スゥハァと深呼吸して頭の中のスイッチを切り替える
 学生としての当たり前の日常と、当たり前ではない非日常のギャップ
 理解していたはずだがこのタイミングで来るとアレ、ソフトクリームと思って頬張ったパッフェが生クリームだったくらいのガクっと来るこう、階段踏み外したような感じがある)

畝傍 > 「あ……うん……まってる」
弾を抜かれ折り畳まれた散弾銃をその腕に抱えたまま、
きょとんとした表情で、ぱちり、とまばたき。
畝傍にとっても想定外の出来事であったためか、無意識のうちに脚の震えも止まっていた。

風間蒼介 > 鞘…というと、サヤ殿が言っていた…石蒜に対するアレ、でござるかな?
(提げた紙袋を忍者収納すると、頭を切り替えて)

畝傍 > 再び真剣な表情に戻り、問いに答える。
「うん。サヤの残りのたましいが、はいってるっていう……『鞘』だよ。学生通りにおちてたんだ」
説明の後、畝傍はヘッドギアに触れて収納ポータル解放の操作を行う。
畝傍の頭上に開いた円形の収納ポータルからその『鞘』をそっと取り出すと、ポータルはひとりでに閉じていく。
そして、畝傍はそれを蒼介の眼前に差し出し、細かい部分まで見せようとした。

風間蒼介 > ふむ……拵えとしてはそう変わった者はござらぬが…
ううむ、拙者系統だった解析術式持ってござらんからなあ
浄眼でも持っておれば何か気付いたのかも知れぬが…
しかし、これでカギが揃った、という事は、動き出せるという事でござるな
(鞘を一通り眺めるも、自分にはイマイチわからない
 おそらく彼女…サヤの異能に関わってくるのだろうが)

畝傍 > 「うん……そう、だね。これで、うごきだせる……」
蒼介のその言葉を繰り返す畝傍の心中には、まだ一抹の不安が残っていた。
だが、蒼介が――目的を共にする仲間が傍に居ることで、少しずつその不安は払拭されはじめている。
畝傍は、鎮守の森で石蒜と交戦した際のサヤの言葉を思い出す。
「あの時……サヤは、これで刀を封じて、っていってた。だから、たぶん……シーシュアンの刀を、この鞘におさめられたら」
石蒜を封じ、サヤとしての彼女を取り戻せる――そう推察していた。

風間蒼介 > 彼女の世界の刀がどういうものかは判らぬでござるが…
鞘というのは収めるものにござる
刃を外界と遮断し、剣呑な武器として周囲に威を放つ事を留める
彼女が刀としての特性を身に帯びているというのならば、そういう事でござろうな
最も、鞘の要らぬ抜き身の刃としての在り方を定義した本人をどうにかせねば元の木阿弥でござろうが
(ふむ、と糸の絡んだ盤面を思い、思案し)

畝傍 > 畝傍も鞘を持ったまま、しばし考えた後。
「……だいじょうぶ、だよ」
蒼介に笑顔を向け、そう告げる。わずかな足の震えは、もう完全に治っていた。
「シーシュアンは、ボクのことばにこたえてくれた。だから、だいじょうぶだよ。ボクは何度でも、シーシュアンによびかけてみるから」
事実、石蒜は幾度となく『ご主人様』たる邪仙――鳴鳴の力に染められ、その存在さえも塗り替えられようと、畝傍の言葉に応えてきた。
ならば、どれだけ彼女の意思が塗り変えられ、その言葉が何度拒絶されようと、石蒜に呼びかけ続ける。
それこそが、『トモダチ』であり『いちばん』である石蒜に対して畝傍のできる、ただ一つの手段であった。

風間蒼介 > ふむ…つまり畝傍殿は黒幕…例の邪仙に対する切り札と…そして石蒜への切り札二つを同時に持っている…というわけでござるな
(つまりこちら側の決戦力は一人に集中している
 しかし…その切り札の一つは人間には過ぎたもの、そして使えば必ず何かの反動が使い手に襲い掛かるという)

ううむ…となると畝傍殿が石蒜殿に呼びかけ続け、拙者が邪仙を相手に抑え、決定打はそちらに任せる、というのが手でござるかね?
あまり…連射できぬのでござろう?例の炎の力というのは
(その決意の表情は澄んでいて…その澄みすぎた覚悟には一抹の不安を覚える
 だから…自分が潰れ役となってでも温存させるべきだろう、と、そう思って)

畝傍 > 「ボクも、そういうのがいいとおもう。このまえも、ソースケがいてくれてたすかったから」
蒼介の提案に、畝傍は素直に賛同する。
しかし、畝傍には蒼介にまだ説明していない重要な事柄があった。
畝傍の表情は再び真剣なものとなり、目が細まり、声が低くなる。
「……ボクのチカラ……『炎鬼変化<ファイアヴァンパイア>』のことなんだけど。あのあと、わかったんだ。クトとフサッグァさんがいってた、『代償』っていうのは……ボクの『正気』なんだって、こと。シーシュアンにも、話したんだ。シーシュアン……泣いてた。もうこれ以上狂ったらだめだって……『ご主人さま』のことも、ボクのことも、うしないたくない……って」
歓楽街の路地裏で石蒜と出会った時、畝傍は石蒜に、自身が異能を行使するために支払わねばならない『代償』について話していた。
そしてその時、石蒜は――畝傍が今以上に深い狂気に陥ること、そして鳴鳴と畝傍のどちらか、あるいは両方を失うことを恐れ――涙していた。

風間蒼介 > 正気……にござるか
なるほど神に触れればその魂は少なからず影響を受ける
炎のように破壊の神性の強い荒神に触れれば……
幸い、拙者の異能はイカズチにござる
威ず霊、あらぶる霊威を示す力にござれば全く届かぬという事はないはず
(頭の中で自分の放てる最大の術を思い浮かべ
 しかしそれでは届かない気がする
 何か、もっと壁を越える何かが必要とされている)

畝傍殿、こちらの勝利目標はサヤ殿の救出…ではござらぬ
二人揃って帰って、あの時は大変だったと振り返れて、ようやく成功と言える事
ゆめ無茶はいたさぬよう
(彼女が身を犠牲にしてはそれは成功とはいえない、それは傷をサヤに移し変えるだけの話、それだけは、とまっすぐに目を見て)

畝傍 > 蒼介のその言葉を受け、畝傍もまたまっすぐに彼の瞳を見つめた後、鞘を持つ手を強く握りしめて決意を新たにする。
「うん……ボクがいなくなったら、シーシュアンはかなしむって……わかってる、から。サヤも、きっとかなしむから。ボクは……自分を犠牲にしたり、しないよ」
自らの身を焼き滅ぼしてしまうことなく、サヤ/石蒜を救い、蒼介とともに帰還する。
それこそが、畝傍の新たな決意であった。
畝傍は鞘を持つ手を蒼介に近付け、一寸瞼を閉じ、伝える。
「……ねえ、ソースケ。この『鞘』は……ソースケに、もっててほしいんだ。だいじょうぶ、ボクは自分を犠牲にしたりしない、そう決めた。けど……ボクに万が一のことがあったら、ソースケがこれでサヤをたすけてあげて」

風間蒼介 > まあ、とはいえ拙者もリカバリ可能なレベルならギリまで削るつもりで挑むでござるがね
なにしろやる事がやる事、無傷では済みそうもないでござるし
(視線が交差すれば目を笑みの形に細め、軽く肩をすくめて)

む……いや、判り申した
同じ戦場に居るならば拙者もそちらに高速で投げ渡すなど出来るゆえ
必要とあらば声を…鞘を、と言えば感づかれてしまうでござろうし、弾を、など適当に言い換えてくれれば
(たとえば畝傍が鞘を所持し、こちらにチャンスが巡って来た時は受け渡しに苦労するだろう
 しかし逆のパターンなら、電磁投射で数百mまでなら狙った位置に飛ばせる、であれば戦術の柔軟性を考慮し自分が持って居よう、と、それを受けとる)

畝傍 > 「……ありがと。ソースケのおかげで……あんしん、できたよ」
蒼介が鞘を受け取ると、畝傍は再び微笑んだ。
つい先程まで、畝傍の心は罪の意識と無力感に覆われ、その負担が身体にまで表れていた。
しかし、蒼介と出会い、彼の言葉を聞いたことで、また自らの信念を確固たるものにできたのである。
「それじゃ、ボクはほかの用事もあるから……また、こんどね」
そう言って、畝傍はまたフライトパックを脳波操作し起動する。
背中に装備された円形の中心ユニットから板状の羽が伸び、その先端に備わった卵型の噴射装置に点火されると、畝傍の体は徐々に宙に浮きはじめた。
彼女が飛び立つまでに、蒼介から別れの言葉を聞き、それに答えるだけの時間はあるだろう。

風間蒼介 > うむ、確かに
後は決戦の場を整えるのみ、でござるな
それまでに拙者も取れる手筋を増やせるよう頑張るでござるかね
それでは、また
(受け取った鞘を手品のように背中に収めしまい込むと、家路に向かう道に背を向け
 訓練施設のある方へと)

ご案内:「学生街 路地裏」から風間蒼介さんが去りました。<補足:忍者/赤いスカーフ/半袖学生服>
畝傍 > 「ばいばい、ソースケ。ボクも、がんばるから」
そう返し、やがて橙色の少女は学生街の空へ飛び去ってゆく――

ご案内:「学生街 路地裏」から畝傍さんが去りました。<補足:短いブロンドの髪と赤い瞳、オレンジ色のボディスーツ姿。散弾銃を携帯>