2015/07/08 - 09:45~22:24 のログ
ご案内:「ロビー」に紺 死郎さんが現れました。
紺 死郎 > 朝。着流し姿の男が伸びをしながらロビーへ現れる
「んん・・・」
開いているのか閉じているのか判断の難しい彼の細い目に留まったのは色とりどりの短冊達。
鮮やかな色彩に目が覚めて。ああ、昨日は七夕だったな。と思い出す
「あれま。懐かしいですねぇ七夕の願い事」
どれどれと筆を執り適当に短冊を一枚取る
「さてなんと綴りましょうか・・・」
紺 死郎 > 具体的な願いが浮かばずふと顔を上げる
『一日一枚』
誰かの書いた短冊だ。
「へぇ。どなたさんが書いたんでしょうかね。 あたしにはちぃとも分からないや」
誰かに見せて語るわけでもなし。個人の願い事というものはこのくらいでいいのだろう。そう思うと気が楽になって自然と筆が動いた
『たらふく 喰えますように』
紺 死郎 > 「書いてどうにかなりゃ苦労はないんですけどねぇ」
へへへ・・・、と苦笑しながら欠伸を一つ。そういえば朝食はまだだったとロビーを後にする
ご案内:「ロビー」から紺 死郎さんが去りました。
ご案内:「大浴場」に日恵野ビアトリクスさんが現れました。<補足:これはわたしのタオルだ [乱入歓迎]>
日恵野ビアトリクス > 昼ごろ。
寮の大浴場が最も空く時間帯。
最終日の試験は筆記ばかりで特に問題なく終わった。
進級に支障が出ることはないだろう。
試験時間は午前の数コマに集中しており、
早く下校が叶ったので、浴場に誰もいないのを確認して一人で入った。
同性異性問わず裸を見られることを好まないため、
普段は個室のユニットバスばかり使っている。
「ふう……」
やはり広い湯船を自分だけで独占というのは気持ちいい。
ユニットバスでは得られない快感だ。
日恵野ビアトリクス > だら、と湯船の縁に腕を置き、その上に顎を乗せる。
あまり筋肉のない二の腕の肉を指でつまんだ。
先日いきなり水着ファッションショーになったのはビビった。
日頃から肌の手入れをしていてよかったと思う。
女物の服や水着を着るのに日々のスキンケアは欠かせない。
保湿をする。早寝早起き。紫外線を浴びない。
脂っこいものばかり食べず、ちゃんとビタミンのある食べ物を摂る。
etcetc...
普通の女性も大変めんどうくさく思っているだろうが、
女装を行う男性は普通の女性以上に失点が許されないのだ……。
日恵野ビアトリクス > 毎日ちゃんと一般教養の勉強をして、
絵や魔術の修行を欠かさず、毎晩早めに寝て……
まるで修行僧のようだ、とビアトリクスは思う。
女性のように装って生きることは別に構わない。
けれどそれは自分に求められていることなのだろうか、
とは思う。
自分のしたい格好とは果たして何なのだろうか。
水着は男物でもいいかと一瞬思ったが、自分への似合わなさは致命的だ。
本来の性別と合っていなくても女性物を纏ったほうがはるかにましだ……
湯船から上がる。
誰に見られているというわけでもないが、腰にはタオルを巻いておく。
日恵野ビアトリクス > 汗を流し、身体と頭を洗う。
誰も居ないのをいいことに、毛の処理もすませておく。
入浴時に毛を剃るのは手軽だが、高温多湿の環境ゆえに肌を痛める原因となることもある。
(まあいいや)
肌を持ち込んだ化粧水で整え、全身の各所にクリームを塗って
剃刀で剃っていく。
ご案内:「大浴場」に湖城惣一さんが現れました。<補足:どなたでも乱入歓迎。身長181cmの痩せぎすで目つきの悪い男。勘違いしたような和装ベースのファッション。横一文字に傷痕の残る腹を丸出し。>
湖城惣一 > 裸。一糸まとわぬ裸のままで目付きの鋭い男が入ってきた。
一応肩にタオルはかけているが、さらさら隠すつもりはないらしい。
「……む?」
誰も居ないとは思っていたが、どうやら先客が居るらしい。
湯気でかげって良くは見えないが――あれはどうやら、一度出会った少年のような……。
日恵野ビアトリクス > 丁度処理が終盤にさしかかり、そろそろシャワーで流そうかなという時に。
「あっ」
毛の処理というのは肌を傷つける可能性があるために集中を要する繊細な作業だ。
だから人の気配に気づけなかった。
目が合う。
「……」
見られていただろうか。いや見られたに違いない。
「…………」
油断していた……なぜ空く時間帯とはいえ人が来る可能性がある大浴場で
自分はこんなことを…………
「………………」
流し台で、細く白い手足を亀のように丸めて頭を抱える姿があった。
湖城惣一 > 「…………何か拙かったか」
顎を撫でてから思案する。ひとまず、視線を逸らした彼の様子を見て、一度こちらも視線を外す。
やや離れた位置の流し場に座り込むと、身体を流しながら。
「……」
何が悪いかがわかっていないままに謝るのも違う。理由を考える。
「日恵野だったか。……どうやら、気分を害してしまったようだな」
日恵野ビアトリクス > 「いえ、その…………お見苦しいところを……」
このまま固まっていても仕方ないのでシャワーでクリームを流す。
さっぱり。ビアトリクスはこのシャワーで流す工程が密かに好きだ。
とてもいい気分――誰かに見られていなければ。
「…………湖城先輩は……悪くありません、から……」
ようやくそれだけを言う。
今自分がどんな顔になっているか見たくない。
さっさと去りたい気分でいっぱいだが、
あまりにもいたたまれなくて立ち上がる気力と勇気が起きなかった。
湖城惣一 > 「見苦しい? 何がだ?」
あまり人の機微を介さない湖城という男。
ひとまず頭を洗いながら尋ねる。
いつもは相手の目を見つめながら話す男だが、
流石に頭を洗いながらそれはできない。
「見苦しいというだけなら、俺の腹などよほどだろう」
自覚はあるらしかった。男の腹には常に、真一文字の傷が刻まれている。
日恵野ビアトリクス > ビアトリクスにとって化粧やスキンケアなどの瞬間を
見られることはたまらなく恥ずかしいことだった。
通学電車内で化粧を始める女性の気持ちなど全然わからない。
「腹……」
横目でちらりと伺う。
腹の傷だけではなく、湖城の鍛えられた逞しい肉体が目に入り慌てて目をそらす。
自分の裸体を見られるのも嫌なら、他人の裸体を見るのも苦手であった。
「見苦しいとは思いませんけど……何かの風習なんですか、それ?」
俯いて座り込んだまま、そう尋ねてみる。
着衣していた落第街でもそこだけはだけさせていたし、まさか露出趣味なのだろうか。
ととんちんかんなことを一瞬考える。
湖城惣一 > 「俺は……」
隠すつもりはない。頭の泡を流し洗い終わったあと、いつまでも残る腹の傷を撫で。
「俺は深い意識の底に潜ることで"神域"へと至る」
さも気にしないといった素振り。無表情で、淡々と。
「だが、ただの精神統一では俺の求める境地には至れない。
故、俺は神に命を捧げることによって、その剣技の深淵に沈む」
つまりは供犠だ、と、事も無げに告げて。
「趣味といえば、趣味だろうな。俺は誰かと競いあいたいわけではない。
ただ、己の剣の果てを見たいだけで、な」
日恵野ビアトリクス > 少し気持ちを紛れさせようと思って、もう一度シャワーの栓をひねり
流しっぱなしにしてそれに打たれる。
「命を……」
そのために腹を割く、ということだろうか。
供犠、と聞いてもうひとり思い浮かぶ人物がいる。
湖城とは正反対のような人物だが。
「……なぜそこまでして?
あるいは、なにかきっかけでもあったんですか」
“己の剣の果てを見たい”――そう思うように至ったのは。
湖城惣一 > 「キッカケか」
果たして、それはどこからだったろうか。
「特には――無いな」
無い。そこに理由はない。あまりにも己の命に頓着しないあり方。
「俺は勝ち負けに価値を見いだせない。
だから、俺はただ俺の剣を独りで追求することだけが人生の目的だった」
ただ神域に沈みたい、というシンプルな願望。
それだけが男の心にある。
「趣味も、使命もないような男だ。だから、俺にはこれしかなかった」
だから腹を切る。それは家族にも理解されぬあり方であった。
日恵野ビアトリクス > 「無い……」
さすがに二の句が告げない。
ビアトリクスにも湖城の精神を理解する
(あるいは、理解したつもりになる)ことは難しかった。
剣士――というよりは剣そのものになることを望んでいるような。
研ぎ澄まされた刀身をつきつけられたような戦慄。
シャワーを止め、蛇口から冷たい水を洗面器に出し
ぱしゃぱしゃと顔を洗う。
「――すごいですね」
ようやく出てきた言葉がそれだった。
羨ましいとすら感じる――その迷いのなさは……
何か一つのことに殉じようとするその姿は、自分の得られないものだったから。
湖城惣一 > 「すごくはない」
それは心の底から出る言葉だ。
「結局、俺は阿呆なだけ。君の気分を害した理由も分からん男だ」
そういって、身体を洗う。ただただ、男は一人で完結しているようで。
自分のあり方も、自分の剣も。そのどちらにも価値を見出していなかった。
「人生経験、という一点では、恐らく俺よりも君の方が豊富だろう」
日恵野ビアトリクス > 「…………」
否定の言葉に、納得行っていないという表情を浮かべ。
「でも――」
言いかけて、口をつぐんだ。
いつも、他人の生き方に触れる機会があると、劣等感に慄く。
何者にもなれない自分の卑小さが恥ずかしくて、いつも下を向いている。
しかし本当は、単に目指す方向、重きをおくところが違うだけなのかもしれない。
それがまだわかっていないだけにしても。
ふう、と息をついて軽くタオルで身体を拭く。
「興味深い話でした。……お先に、失礼します」
そろりと、湖城の後ろを通りすぎて、浴場を後にした。
ご案内:「大浴場」から日恵野ビアトリクスさんが去りました。<補足:これはわたしのタオルだ [乱入歓迎]>
湖城惣一 > 「…………」
参った、と。口をつむぐ彼の気配。
やはりどうにも自分は話すことに向いていないと湖城は思う。
身体を洗い終わり大きく息を吐く。
今学期からは色々と考えさせられることが多いことに気づく。
「ああ。また会おう、日恵野」
言いながらすれ違う。自分は湯船へと向かう。
熱い浴槽に浸かると、軽く目を閉じた。
湖城惣一 > タオルを頭に乗せて肩まで身体を沈めていく。
熱い湯がじわりと傷跡に染みこんでいくような感触。
知れず大きな息が漏れた。
――人付き合いとは、難しいものだ。
思えば人の気分を害することの、なんと多いことか。
他者と関わりが薄かった男は、ただ大きく息を吐きながらその難しさを思い知った。
湖城惣一 > 生涯で悩みを抱えたことはほとんどない。
しかし人と関わることで考えることは増えたように思う。
立ち上る湯気を何気なく見上げ、三度目の息を吐いた。
なるほど、自分もやはり未熟なのだ、と。そんな自覚。
ご案内:「大浴場」から湖城惣一さんが去りました。<補足:どなたでも乱入歓迎。身長181cmの痩せぎすで目つきの悪い男。横一文字に傷痕の残る腹を丸出し。>
ご案内:「大浴場」に湖城惣一さんが現れました。<補足:どなたでも乱入歓迎。身長181cmの痩せぎすで目つきの悪い男。横一文字に傷痕の残る腹を丸出し。>
湖城惣一 > そのまま、湖城惣一は空腹を覚えるまで湯船に浸かり続けるのであった。
ご案内:「大浴場」から湖城惣一さんが去りました。<補足:どなたでも乱入歓迎。身長181cmの痩せぎすで目つきの悪い男。横一文字に傷痕の残る腹を丸出し。>