2015/07/13 - 04:56~05:09 のログ
ご案内:「常世保険病院・荷物置き場」に石蒜さんが現れました。<補足:今は刀に封じられている。>
石蒜 > 搬送された患者の私物など、様々な荷物が積み重なっている。
ここは病院の荷物置き場。その中に、飾り気のない黒漆塗りの拵えの打刀が一振置かれている。

石蒜 > 刀は無銘であるが、その刀に封じられた魂には名前があった。その名は石蒜、這い寄る混沌の眷属として、享楽のままに生きた魂。
しかし今は何も出来ない、かすかに刃を揺らしてカタカタと音を立てるだけ。

石蒜 > 「(鳴鳴様……。)」石蒜は心のなかで小さく呟いた。
私はあの人を裏切ってしまった、もう主人と呼ぶ資格はない。
罪を受け入れ、どんな罰でも受けると覚悟して、私はあの人のもとを離れた。
だが、もう二度と会えないことに、寂しさを覚える。確かに私は愛されていた、可愛がられていた。

石蒜 > 刃が揺れ、鞘とぶつかってカタカタと音を立てた。
時刻は深夜、それに気付く人間は居ない。
「(……あ。ああ……。)」その瞬間、石蒜は感じた。鳴鳴という個が、混沌の中に溶けていったことに。
戦いの後、霞のようにかすかに感じていたつながりが切れた。
もう道が交わることはないだろうけれど、それでも鳴鳴がどこかで生きていることに安堵にも似た感情を覚えていた。だがそれも消えた。
「(ああ……ああ……。)」カタカタと刃が揺れる。石蒜の心の揺れを表すように。

石蒜 > 「(鳴鳴様、石蒜は確かに誰よりもあなたに愛されていました、私も誰よりもあなたを愛しておりました。さようなら鳴鳴様、さようなら……。)」刀は泣かない、ただかすかに揺れて音を立てる。
ご案内:「常世保険病院・荷物置き場」から石蒜さんが去りました。<補足:今は刀に封じられている。>