2015/07/13 - 01:15~02:47 のログ
ご案内:「路地裏」に『癲狂聖者』さんが現れました。<補足:学生服の上から外套、そして仮面。>
『癲狂聖者』 > 「さぁ、チケットのお買い求めはこちらです」
「チケットを劇場までお持ちいただければ…そう、あなたがたが欲しいものも手に入ります」
「無論! 我々の公演もお楽しみいただけます!」

チケットを売りさばく仮面の怪人の姿。
彼はフェニーチェの演者。
直接金になることならば積極的に手を出す男。

―――――癲狂聖者(ユーロジヴィ)

『癲狂聖者』 > 芝居がかった口調で民衆を煽りながらチケットを手渡していく男。
もちろん、金を受け取ることは忘れていない。

このチケットは彼と彼に従う人間が勝手に売りさばいているものだ。
薬物と、彼の演技を提供する小劇場への招待チケット。
結局、彼は金になることがやめられない。
沈み続ける天秤を力ずくで持ち上げるだけの金を得るために。

フェニーチェの中でも彼は小者であった。
舞台監督に憧れ、狂気に憧れ。
それでもどちらにもなりきれない半端者。
どうしようもない小悪党。それが彼だ。

『癲狂聖者』 > 人がまばらになった頃、彼にチケットを催促する女がいた。
しかし女は金を持っていないという。

「ははは、レディ。あなたはご冗談がお好きなようだ」
「フェニーチェの名の下にあなただけ特別扱いはできませんな」

こうして都合のいい時だけ組織の名を語るのも彼の特徴だ。

「この我々の紡ぎだす綺譚を前に、タダで劇場に足を運ばれるととても困ります」
「演劇というのは、とても金がかかるものです」
「有体に言えば、食える演劇と食えない演劇の差は―――……」

チケットをくれとせがむ女を足蹴にした。

「この対応ができるかどうかの差でしょうな! はははははは!!」

ご案内:「路地裏」にスラッシュ!?さんが現れました。<補足:セミロングの金髪。コレと言って特徴の無い制服姿のメガネ少女。>
スラッシュ!? > 「あら、酷いことをおっしゃらないでくださいな。
彼女の分は私がお支払いいたします、どうか許して差し上げてくださいな。」
疎らになった人の中から一人の少女が進み出て、アナタに近づいていく。
この街に居るにしては良い身なりをしている。
肩にかけたバッグから高そうな財布を取出すことからも、充分な金を持っていることが伺えるだろう。

『癲狂聖者』 > 「私の記憶の中で一番最初に出逢ったサイコキラーは、ロバート・ブロックでもヒチコック映画でもなく」
「暗号ものミステリとして評価されるモーリス・ルブランの『813』で、アルセーヌ・ルパンの命を脅かした殺人鬼でした」

ユーロジヴィは倒れこんだ女の周りをゆっくりと歩きながらカタり続ける。

「以来、ミステリに<仮面>というオブジェが登場するたびに心が躍る!」
「斜め屋敷の天狗の部屋にしろ」
「カーター・ディクスンの仮面荘にしろ」
「あの犬神家の相続話も………」

「全ては仮面ありきなのですよ、レディ」

現れた少女に振り返り、深々と一礼。

「これはこれは。ご機嫌麗しゅう…」
「貴方様がそう仰るのであれば……私としてもこのような真似は心苦しいものなのです」
揉み手擦り手で彼女に近づいていく。
金払いのよさそうなヤツだ。なんとも良いことが起きそうな気がする。

スラッシュ!? > スカートの裾を持ち、恭しく礼を返す。

「ふふ、わかりますわ。
本当は、ただ皆に劇を楽しんでいただきたいだけだというのに、此処で甘さを見せてしまっては大好きな劇が出来なくなってしまいますもの。
仮面を被って優しさを隠し、厳しさを持ってフェニーチェを護ろうとする姿、感動すら覚えてしまいそうですわ」

2枚分のチケット代、色を付けて差し出す。

「とはいえ私達もフェニーチェを愛する者ですわ。
どうぞお手柔らかに。」

「少し偉そうに喋ってしまって申し訳ありませんわ」

『癲狂聖者』 > 「これはこれは……私のような者をお気遣いいただけるとは」
「ますますもって嬉しい限りでございます」

恭しく代金を受け取ると、自分が蹴倒した女を手を引いて立ち上がらせる。
彼女にチケットを握らせると、丁重に送った。

「我らフェニーチェの演劇を愛する心! なんと素晴らしきか……」
「この芸術を理解するあなたこそ本物の美意識を持ったお方だ」

「いえいえ、私としてもこのようなカタりで申し訳ない」
「ですが、仮面とは本来、霊(モノ)を騙る(カタル)もの」
「モノガタリを続けることこそ私の目的……どうかご容赦を」

スラッシュ!? > 「いえ、劇場の外でも演劇を続けるとは流石ですわ。
それに私もただのしがないファンの1人です。」
と自分のチケットを受け取る。

(テメェでもこんな言葉がスラスラ出るたぁなぁ・・正直ドン引きだわ。)
と心の声を漏らしつつ。
別にフェニーチェを潰してやろうと情報収集をするわけではないが、同じ場所で商売をするんだ。少しくらい動きを知っていても良いだろう。

それにこの男の態度の代わり様、自分と同じ匂いを感じる。もう少し金をチラつかせたらどうなるだろうか。

『癲狂聖者』 > 彼女の分のチケットを手渡してからも仮面の男は諂う。
「ありがたく存じます……あなたのような一人一人のファンが!」
「我々の劇を支えているのです!」
芝居がかった口調、芝居がかった動き。

内心、笑いが止まらない。
このような金払いの良く身なりのいいヤツがフェニーチェを好んでいるとは。
上手くおだてて良い気にさせておけば甘い汁を吸えるかも知れない。

「私の名前は癲狂聖者(ユーロジヴィ)、以後お見知りおきを…」

スラッシュ!? > 「ふふ、そう仰っていただければ光栄ですわ」
と口元を隠し小さく笑う。

「ええ、存じておりますわ、癲狂聖者様。
私は、仁原 ミコと申しますわ」
と頭を下げる。

「・・・名乗るなんて、ファンにしては出過ぎたマネかしら」

『癲狂聖者』 > 「私めの名前をご存知とはますます好ましいお方だ!」
「仁原ミコ様……なんと麗しい名前でしょうか」
「私は生涯、あなたの名を忘れることはないでしょう」

初めて聞く名前だな、と脳内を総ざらいしてもわかるわけもなく。
そもそも彼は人の名前を覚えるのが苦手なほうだ。

「とんでもない! 演者が一人一人の名前を覚えるのはとても無理ですが」
「演者が一人一人の名前を覚えることを放棄したら、顔のない演劇が始まってしまう!」
「そう、無貌のマスクでもつけているかのように!」

スラッシュ!? > 「お褒めに預かり光栄です。
それにしてもなんて立派な志なのでしょう。
顔の無い演劇なんて、まるで私のつまらない日常の様・・・。
ああ、ますます“本物の演劇”が楽しみですわ。」
とやや興奮気味に語る。
しかし、あまり深い話になってボロが出ても困る。

更に一歩だけ歩み寄り小さな声で。
「そうはおっしゃっても、ファン同士の争いなんて醜いものですわ。私が癲狂聖者様に、名前を憶えていただいたなんて言ったら…
だから、私と癲狂聖者様、二人の秘密でお願いいたしますわ。」
とウィンクをして見せる。

『癲狂聖者』 > 「ええ、是非我々の劇を楽しみにしていただきたく存じます…」
「貴方様が日常をつまらないと断ずるのであれば!」
「その彩に本物の芸術を見せたい!」
冷や汗をかく。こいつはどこまでが本心なのかもわからない。
ただの金蔓か、とんだ食わせ物か。

「ええ、ええ。わかりました仁原ミコ様。このことは内密に……」
時計を見てから、ターンをしながら下がって恭しく一礼。
「斯様な時間にございます、私はこれで失礼させていただきましょう」
「仁原ミコ様、帰り道どうかお気をつけて…では」
闇の中にその身を潜らせるように立ち去っていった。

ご案内:「路地裏」から『癲狂聖者』さんが去りました。<補足:学生服の上から外套、そして仮面。>
スラッシュ!? > 「ええ、チケットも買わせていただきましたから、後は日が経つのを待つだけ。
嗚呼、待ち遠しいです…」

「あら、本当ですわ、こんな時間。」
自分も腕時計を確認する。

「本日はお話ができて楽しかったです。
また、お会い出来ることがあれば。
癲狂聖者様もお気をつけてくださいな。」
会ったときと同様、スカートの端を持って恭しく頭を下げる。

スラッシュ!? > シバラクして癲狂聖者さんが見えなくなればチケットをバッグにしまい、しばし考え事。

(手前のやるべきことはっと、とりあえずはさっきの女捕まえて仲良くお話でもして見るかね。
…これ以上関わるかはさて置き、ある程度話せる知識が無いとな。
何にせよ、劇団サマが元気に公演チケット売れるくらいに復活したことを実際に確認できただけで良しとするかね。)

いつもの様に胸ポケットから煙草を取ろうとする。
おっと今日は無いんだったな。

先程の女が向かった方へとゆっくり歩きだす。

ご案内:「路地裏」からスラッシュ!?さんが去りました。<補足:セミロングの金髪。コレと言って特徴の無い制服姿のメガネ少女。 変装中>
ご案内:「路地裏」にスラッシュ!?さんが現れました。<補足:セミロングの金髪。コレと言って特徴の無い制服姿のメガネ少女。 変装中>
ご案内:「路地裏」からスラッシュ!?さんが去りました。<補足:セミロングの金髪。コレと言って特徴の無い制服姿のメガネ少女。 変装中>