2015/07/13 - 23:31~03:32 のログ
ご案内:「常世学園グラウンド」に『鮮色屋』さんが現れました。<補足:スケッチボードで会話する車椅子の少女。 西洋の昔話に出てくるような貧素な服装。勿論衣装>
『鮮色屋』 > 深夜。
月は丸く、島全体を明るく照らすような明るい夜。
このぐらいに明るいならばグラウンドを染めるには丁度いい…わざわざ野球部の照明を使わないでいいと思えば幸運である。
舞台は常世学園グラウンド。
あちらこちらの教室や屋上、廊下に大時計塔。はたまた更に高い場所からこちらを見てくださっていると考えれば役者冥利に尽きるもの
(―――ただしこれは序章に過ぎないし、ここはフェニーチェ全体の舞台には相応しくない)
『鮮色屋』はまだ何も操作はしない。
構図を決めずに染め始め無様な不死鳥を蘇らせる訳にはいかない。
一先ず野球部がウォーミングアップするように『鮮色屋』もウォーミングアップを始める為にグラウンドを一周し始める
『鮮色屋』 > (…場所の選定を間違えたかもしれない)
野球部も使っている学校といえど野球のグラウンドということでファールラインもあれば、バッターボックスやネクストバッターボックスの円。
鮮やかではない色を消すのは当たり前だが、それを消すというのはそれ相応に手間がかかってしまう。
(このグラウンド全体を染め潰すぐらいに粉は持ってきたけども…)
車椅子背後にはタンクのようなものが取り付けられている。この中身は作品から『善意で頂いた』血を粉末として加工し、
染めやすいように、舞台に優しい素材にしてある。
(ラインは不死鳥の身体に、ベースは骨、芝生の余った場所に羽のように柔らかいようなものを…)
グラウンドを一周して今見てきたものをどうするか、どう手間をかけずに処理するかをジッと考えている。
ご案内:「常世学園グラウンド」にヨキさんが現れました。<補足:人型。黒髪金目。197cm、拘束衣めいた長衣、ハイヒールブーツ>
ヨキ > (――照らされたグラウンドの中を、人影が動くのを視認する)
「(斯様な時刻に?…………、)」
(人気のない校舎の上から、人物が一周するのを見下ろしていた。
走るどころか、歩いてさえいないように見えた。
少ない手荷物を携え、校舎を後にする。
グラウンドへ降り、考え事に耽るらしい少女の姿を認めるや、ゆっくりと歩み寄って声を掛ける)
「――君。こんな夜更けにどうしたね。何か忘れ物でも?」
『鮮色屋』 > (観客席から見える角度。何より色を見た時の印象付けをどうするか。
綺麗な紅、紅粉。紅い紅い、赤朱朱紅朱、紅朱赤紅紅朱、赤紅。
紅朱赤紅紅、朱赤紅紅朱赤紅。紅朱赤紅紅朱赤紅紅朱赤紅紅朱赤紅
紅朱赤紅紅朱赤紅赤紅紅朱赤朱紅紅朱赤紅)
(深紅……)
車椅子の少女は胸に溜まっていた夢をグラウンドに振りまくように、
ぷすぷす、と空気が抜ける音を発する。それほどまでに楽しい、朱は楽しい―――
(朝学校に来て、ふと窓から見える異様な色が見えて視界の80%をそちらに向けたら深紅の不死鳥が生徒を睨みつけ、
その人間本来の活動力を蘇らせるような――そんな深紅―――)
(欲しい、欲しい。言わば『鮮色』の目指すそのもの、その為ならば深紅を出すためならばこの身も惜しくもない――
望むのならばこの耳、髪、口。必要ならば捧げてしまっても構わない。渡せないものは『それ』を染める本能だけである)
―――声をかけられる。
あぁ、こんなにも幸運があっても良い事なのか、
無意味ながらも口元に手を当ててぷすぷすと空気を抜ける音を出した後に
スケッチボードにメッセージを描いた後に車椅子ごと振り返り、メッセージを見せる
【 忘れ物という訳ではない
ただ考え事、構図を考えていただけ
そういう貴方こそ、こんな時間に学園
にいるのは何事だろうか 】
メッセージ自体は辛辣な印象を受けるかもしれないが本人の表情は夜に出歩く少女とは思えないぐらいににこやかである
これが『茶久』のいつも通りであり、演技でもある
ヨキ > (車椅子。ボードにペンを走らせる音。
その文面を一読し、少女と目を合わせる。
筆談の常とあって、事務的な文面には然して気を払わずに)
「構図?何か絵でも描くつもりかね。
ヨキはここの教師だ。
事務室からの掲示を知らないか? 夜の見回りは教師の務めぞ」
(穏やかな語調。
少女が記した『構図』の語に、無味乾燥としたグラウンドを広く見渡した)
(※http://bit.ly/1CAdd9s)
『鮮色屋』 > 【 絵、絵といえば絵
ヨキ、でここの教師と
申し訳ないが最近掲示物どころか
学校にはあまり来ていない 】
教師、そういうものもあったなぁ、などと思考を心の中で呟きながら無難な解答をスケッチボードの黒で答えていく
学校はフェニーチェ解散以来から来ていない。
言ってしまえば犯罪者の共犯みたいな立ち位置だったがために通いにくくなったというのもあるのだが
【 申し遅れたが濡衣茶久《ヌレイ チャク》という者
絵、主に染色に没頭している人間である 】
簡単に自己紹介をスケッチボードを見せながら下半身が動かないが為に上半身だけ前を倒し、形だけの礼を見せる
ヨキ > 「最近……ということは、籍を置いてはいるのだな。
濡衣君、か」
(ボードの文字に二三頷き、言葉を返す。
絵に染色。表情が和らぐ)
「奇遇だな。ヨキの担当も美術だ。
絵も描くが、専門は工芸であるからな。教師として長く居れど、縁遠い生徒も多くて。
もう少し早く、君を知れていればよかったものを」
(相手に併せ、緩い目礼をひとつ)
「この学び舎が、君の創作意欲を刺激したかね?
どこか行きたい場所があるのなら、ヨキが車椅子を押してゆくぞ」
『鮮色屋』 >
【 籍は置いてたが…
ここの生徒が普段通学しないのは良くある事
だからどうでもいいだろう? 】
特に表情をぶらすこともなくスケッチボードを向ける。
実際に留学していた生徒は何人か見覚えがある。
今生きているか、まだだらだらと通学しているか、土の下で『エクストラ』と化しているかなんて最早どうでもいいことなのだが
【 美術担当…ふむ。
なれば人の記憶に残る作品というものは残したくはないか?】
【 教師である前に、芸術家として、
1人の生を受けた者として作品は残してみたくはないか? 】
この教師が本当に作品を遺したがる程の人物かを測る為にもこの一言は『茶久』としても『鮮色屋』としても大事な質問。
どう答えるか、それを期待する意味でも自然に笑みが溢れる
(行きたい場所…?行きたい場所なんて決まっている)
茶久はスケッチボードを膝上に起き、右腕まっすぐ伸ばし、夜空に、天に
―――躊躇いもなく今この島を光で照らしている月を指差す
ヨキ > 「理由は訊かんよ。
君がこの島の人間として、生きてヨキと言葉を交わすこと、それ以上の望みはない」
(彼女が学園に居ようが居なかろうが、真にはどうでもよかった。
眼前の『濡衣茶久』と言葉を交わすことが、文字どおりのよろこびに尽きるかのように)
「……作品を?」
(ボードの質問に、浮かべていた笑みを消す。
唇を真一文字に結んで、相手の顔を見る)
「愚問だな」
(大きな口で、裂けるように笑う)
「それこそがヨキの異能よ。金も紙も木も土も布も、この手に触れて未だ足りぬ。
色に没頭する君とて同じであろう?
『美と善と同意なり』。
美に殉ずること、それこそヨキの定めぞ」
(少女の細い指。
――その先へ導かれるように、天を仰ぐ)
『鮮色屋』 >
【 それでこそ芸術家、1人の人間。ヨキ
私もその作品を残す為に、このグラウンドを善意で借り
地上絵を描こうと今、考えていた所なのだ 】
仲間、仲間。
それは芸術家仲間なのか、同類を見つけたような幸福に満ちた顔。
なれば仲間として本音を晒す『茶久』ではなく『鮮色屋』として答えるのみである
【 月 】
【 彼の地を貰い受け、堂々と月の地面を私の鮮色で、
私の絵をかけば
夜になれば万人の観客がそれを見て嗤うか、
喝采するか、
恐怖するか 】
大きく、スケッチボードに月と書いた後に『茶久』は月を視る。
それは夜になれば地球から見えるもの。逆もまた然り
『茶久』は何よりも万人から見える場所も欲しがった
【 私はそれを見てみたい
ただ、そう簡単に事は運ばない。
これは戯言と聞き流してくれていい 】
【 ただ、それを再現するためにこのグラウンドを選んだ
万人とまではいかない。ただここの生徒は視る。色を視る
私の、私の鮮明な朱を、人はグラウンドの広さより色を視る】
【 ヨキ、《フェニーチェ》の啼き声を島に響かせないか? 】
それは『鮮色屋』としても『芸術家』としての誘い。
ヨキ > 「地上絵か。面白い」
(愉快げに、くっと喉で笑う。
何ものかが人間によって創られようとしていることを、嗤いはしない)
「赤は、太古の昔より焔と生命の色であるからな。壮麗の、……あるいは破壊の。
それでここに絵を描くつもりか。夜半のうちに、みなを驚かせようと?
学園に話を通したならば、ヨキに引き留められずに作業が出来たろうに、」
(そうして少女が口にした誘いの言葉に、耳を疑う)
「『フェニーチェ』?」
(金の目を見開く。男はその名を知っていた。
かの劇団がかつて織り成した舞台を)
「……君は、フェニーチェの残党なのか?」
(大きな足で砂を踏み締め、少女へ一歩ずつ歩み寄る。
自身に比べてあまりにも小さな少女の、視界を塞ぐように立ち塞がる。
その顔を覗き込む)
「教えてくれ。
今一度啼くというのか、不死鳥 fenice が?
――フェニーチェは今、何をしている?」
『鮮色屋』 >
【 地上絵は人が生きている、生きている人だからこそ出来るもの 】
一枚、二枚、三枚。
何かを書きかけたものを書いては破り捨て、書いては破り捨ててやっと伝えたいものが決まったのか書いたものを見せる
【 私はそういうものが特に好きでね。
生きていた跡というものも好きだが特に地上絵という
目立つものが特に好きなんだ 】
まだ其れは好きな物を語る、いや書く少女『茶久』の顔。
誰しも自分の好きなものを書けと言われれば伝えたい物が沢山有るために興奮し、冷静でいられなくなるものだ
故にスケッチボードは何枚か破り捨てたれた。
そのスケッチボードには『茶久』の好きなものが書き連ねられている
【 学園に話を通せばヨキのような教師が知ってしまう
それでは意味がない。
これは、先程も言ったフェニーチェ 】
(いやもう隠す意味はない)
【 劇団フェニーチェ『鮮色屋』として、
学園に宣伝しようというのだ 】
先程好きなものを語る少女の顔ではない
少女『茶久』の役をやめてそこには劇団員として『鮮色屋』が現れる
【 ヨキがどこまで知っているかは知らないが、言うならば夢の跡。
何しているかなんて、『鮮色屋』が全て知ってる
訳がなかろうて 】
(ただ言えるのはこれだ)
【 不死鳥はもう飛びだっている 】
目の前で表情を覗き込む男にも動じることなく伝えるべきことをヨキへ伝える。
ただ単純にフェニーチェを知っている男に復活したフェニーチェがいることを知らせたかったのだ
ヨキ > 「地に刻まれ、人の目を焼き、時として風に消える地上絵か。
見逸れていたな。それほどの情熱の持ち主だったとは」
(何気なく口にしたが、しかしその地上絵が『濡衣茶久』ただひとりが為そうとしているのではないと。
フェニーチェの喧伝がこの足元に刻まれようとしていた事実に、ぞわりと肌を震わせた)
「………………、」
(『不死鳥はもう飛びだっている』。
過日の落第街で聞き知った騒ぎが、目の前の少女と結びつく。
数知れぬ者たちが結びつき形づくる、一羽の不死鳥)
「……おい」
(口の端が震える。左手を、す、と伸ばす)
「おい。」
(手袋を嵌めながらにして爪の鋭く尖った指先を、少女の額に、とん、と宛がう)
「フェニーチェ。
――貴様らのうちの誰かが、落第街の人間を斬ったな」
(声が低く重く響く。
細めた金の瞳が、粘り気を帯びて光る。
裂けた口がいよいよ弧を描き、白く尖った牙が覗く)
「己が住処を知れよ、フェニーチェ。
貴様らには貴様らの、そして落第街には落第街の秩序がある。
公安がどう動こうが、ヨキの知ったことではない。
ヨキの命はこの島の『完美なるもの』を守るためにある」
(誘いの言葉を断じて、言い切る)
「――『鮮色屋』。そしてフェニーチェ。
もし貴様らの混沌が舞台の外へ延びるとき、ヨキがそれを阻むと思え」
『鮮色屋』 >
【 《茶久》もとい《鮮色屋》の情熱はその程度ではない
事の次第が上手く行けば地上絵、月絵、星絵。
あゝ私の色が続くまで上、上の上を目指し続ける。】
【 私の生が続く限り星を染め続けたい 】
それは『芸術家』としての願望。
この島から出られる事さえも分からないのに願望は持つ。
人の夢は人の夢を刺激する。人の生は人の生を刺激する。
尖った指が額に当たり、ヨキの質問には不敵に笑みを浮かべる。
目の前の男が本気を出せば殺される。そのぐらいは分かっている
でもそれは笑みを浮かばさずにいられない。
【 ヨキ、人を斬ってはいけないなんて決まりは劇にはない
演劇部だって、勇者が悪役を裁く為に王より
与えられし聖なる剣で斬り捨てている 】
【 我々がやっているのは劇だよ。ヨキ
私が知っている限りエクストラにさせる劇団員は少ないはず
斬られた人物はエクストラになったのか?
それともまだ生を輝かせているのか? 】
まずはそこが大事と言わんばかりに『鮮色屋』は目の前の『教師』に問いかける。
ヨキ > 「君のうちに『あまねく拡がる星ぼしを染めたい』と、無窮の情熱があることは認めよう。
――だが、」
(額に押し当てた指は、退くことも、それ以上少女の肉を貫くこともしない)
「全く成っていないな。先人たちの演劇論を読むがいい。
斬られた者が、生きていればいいのか?死ねば失敗か?
ヨキはその者の末路を知らん。どうなったかなどとは、あまりに瑣末に過ぎる。
舞台上の害意と死は、作為と感性と筋力によって統御されるものだ。
貴様らの生み出した時間と空間が、観客各々のうちにいかなる情動を引き起こすにせよ。
劇場の外で、貴様らの演劇に全く関知することのない人間を害したならば、それは演劇ではない。
ただの悪党だ」
『鮮色屋』 >
【 先人の演劇論、大いに結構。
確かに劇団フェニーチェは
グラン・ギニョールの再現 】
我らが悲願グラン・ギニョール、
妖怪譚、嫉妬からの殺人、嬰児殺し、バラバラ殺人、火あぶり、ギロチンで切断された後も喋る頭部、外国人の恐怖、伝染病の恐怖の再現
我らが今亡き団長の悲願である
『鮮色屋』にとって『鮮色』よりも優先されるべき事項である
【 ただ、単純に再現をするだけでは文字通り再現でしかない
我々の演劇を知っている者だけに演劇をやってもそれは感動も生まれない
それは脚本通りに動くだけで終わってしまえば小説を読み直すだけにすぎない 】
【 私は書いた。フェニーチェをこで啼かせると
常世島全体が劇団フェニーチェの劇場となる 】
【 悪党で結構。私は私で自分の正義、『教師』の言う悪を貫かせてもらう 】
そう言うと車椅子を数m下がりグラウンドの出口へ方向を向ける
「できれば もっと 芸術を語りたかったものだ」
ヨキに分かるかは分からないが、ボソリと呟くように誰かに向けているかも分からない手を動かす。
引き止める事をしなければこのまま出口まで向かっていくだろう
ヨキ > 「………………。
知らぬ者に対しても新たな芸術を広める方法を、他に生み出せぬのか?」
(声に、苛立ちが交じる)
「安直な害意によってのみしか、喧伝する方法が浮かばんのか。
真なる換骨奪胎の法も作り上げずして、『再現にしかならぬ』と。
……本当に、そう思っているのか」
(指が離れる。少女から身を離す。顔中に満ちていた笑みが消える。
心底落胆したような表情になる)
「その程度の創造力で『フェニーチェ』を名乗り、『鮮色』を名乗り、手わざへの没頭を謳い、芸術を語るのか。
――ふ。呆れたな」
(車椅子を引く少女へ、それ以上歩むことはしない。
ただその場に立ち尽くし、相手の姿を力なく見ている)
「……今ヨキが語った『悪』は、『教師』として考えた悪ではない。
ひとりの芸術家が、『鮮色屋』という芸術家へ向けて語った『悪』と、そう考えるがよい」
(言葉が、声が、徐々に乾いてゆく)
「ヨキは……芸術に携わるものを、芸術を愛するものを、芸術を生み出すものを、そのすべてを愛する。
新たな技法を、新たな表現を、新たな思想を。人々の肉体ではなく、精神のうちに作用する鮮やかな一撃を。
……覚えていろ『鮮色屋』。
そして他の残党どもへも伝えるがいい。
もしこの島全体を劇場にする方法が、あまりに『陳腐』に過ぎるならば。
ヨキの愛した不死鳥が『地に墜ちた』と――そう確信した、そのときには。
ヨキは、貴様らを、――潰す」
(暗闇の中に、金の双眸が光る。
月の光ではなく、内から沸き上がる呪いの焔によって)
「――このヨキを、もう一度愉しませてみせるがいい」
(傲慢に響く言葉を、淡々と吐き捨てる。
去りゆく少女に背を向けて、歩き出す。ついぞ振り返ることもせず、夜の向こうへ姿を消した)
ご案内:「常世学園グラウンド」からヨキさんが去りました。<補足:人型。黒髪金目。197cm、拘束衣めいた長衣、ハイヒールブーツ>
ご案内:「常世学園グラウンド」から『鮮色屋』さんが去りました。<補足:スケッチボードで会話する車椅子の少女。 西洋の昔話に出てくるような貧素な服装。勿論衣装>