2015/07/15 - 20:57~05:08 のログ
ご案内:「カフェテラス「橘」」にヨキさんが現れました。<補足:人型。黒髪金目。197cm、拘束衣めいた長衣、ハイヒールブーツ。『夏タルトを食べる会』主催。>
ヨキ > 「――湖城惣一。マティアス・ベルンシュタイン」
(カフェテラス『橘』。二階奥のテーブル席。予約名『お茶会』。その上座。
かの掲示板に貼られた、ポップでキッチュな便箋のイメージとは遥かに遠い長身の男が、教師用の生徒名簿を繰っている)
「あの誘いの文言に乗ってくるとは……相当の助平か、大食らいか。
それともただのお喋り好きか?」
(古参のウェイトレスが、ヨキ先生、今年もやるんですね、などと笑いながら紅茶を供して席を離れていった。
入り口のカウンタに、予約者であることを伝えればこの席まで通されることになっている。
さてどんな人柄やら、椅子の背凭れに深く上体を預けて彼らを待つ)
ご案内:「カフェテラス「橘」」に湖城惣一さんが現れました。<補足:どなたでも乱入歓迎。身長181cmの痩せぎすで目つきの悪い男。勘違いしたような和装ベースのファッション。横一文字に傷痕の残る腹を丸出し。>
湖城惣一 > カフェテラスの二階。そこへ至る階段を足音もなく登る男が一人。
湖城惣一。和風のジャケットに身を包み、腹を丸出しにした、いかにも不審者という容貌。
別に出会いを求めたわけでも大食らいというわけでもない。
ただ他者と関わる機会というのも求めていた。
竹刀袋を引っさげながら周囲を探す。指定されていた席は――。
「なるほど」
特に驚いた様子はない。他者に頓着がない男であったが、
それはつまり偏見もないということ。
全身を包む拘束衣めいた服装。
その文面に似つかわしくない長身。
――性の境が曖昧な御仁だったか。
思いながら、その席へ向かった。
「湖城惣一だ。夏タルトの会というのはここでよかったか?」
その様は完全に不審者である。
ヨキ > (やがて姿を現した湖城の姿に、腕組みをしていた教師が片手を挙げて出迎える。
その様相を頭から足先まで見遣って、うむ、と頷く)
「美術のヨキだ。いかにも、君が乗ってくれた会はこの席さ」
(にっこり。両目と口が、ひどくご機嫌そうに笑った。
その語調や所作から、いわゆる女性らしさは微塵も感じられない。
あの文体はどうやら人を誘い出すための、あくまでフェイクであったらしい)
「――ようこそ、『夏タルトを食べる会』へ。
そら、座りたまえ。ベルンシュタイン君はどうやら遅れるとのことだから……、
先に君の注文を訊こう。ホールでもピースでも、1ホールまでなら好きなタルトやケーキを頼むがいい。
但し、独り占めは禁止だぞ。
あとは……そうだな、好きなドリンクでも頼むといい。今日は暑いからな」
(残り三つの空席を示し、彼の前へカフェのメニューを差し出す。
『橘』の店名どおり、柑橘系のタルトから、フルーツやチョコレートをふんだんに使ったケーキなど、大抵の種類はありそうだ)
湖城惣一 > 「ああ……教員の方でしたか」
そうなると、と顎に手をやり考える。
文章と本人の口調には乖離が認められた。
いわゆるドッキリ、という奴だろうか。
漫画で見たことのあるようなシチュエーション。
いわゆるラブレターが来たと思ったら……という奴に状況は近い。
しかし悪意は感じられないし、そこに特に頓着する男でもなかった。
「ふむ。それでは……このトリプルベリータルトというのを一つ」
選んだのは、三種のベリーを使ったオーソドックスなタルトだ。
個人的な好みでもあり、分けるにしても無難なチョイスだ、と思ってのものだ。
「もちろん、独り占めはしませんよ。食べる会、でしょうから」
ここである程度他者へ気を払ったような動きを学んでいきたいという、生真面目な考えであった。
ひとまず座り込んで。
「ところでお聞きしたいのですが、何故あのような文面に?」
折角なので話題のタネにと疑問を投げる。
ヨキ > 「そう。だが教員だからといって、何も学園に関わるようなものじゃない。
単純に、ヨキの遊びだとも」
(彼が選んだタルトに、ほ、と小さく声を上げる)
「ふふ、ヨキもちょうど目を付けておったのだ。
ここであれこれ食べ比べるのが好きだが、毎回独りというのも退屈でな」
(湖城へ水とおしぼりを持ってきたウェイトレスを呼び止めて、ベリーのタルトを注文する。
意図を問われると、目を細めて笑み、グラスの冷えた紅茶を一口)
「あの便箋は、ヨキの授業に来ている女子の筆跡を真似たものでな。
多少なりとも面白がってもらいたくてやっている。
二、三年に一度、ヨキを知らない者が増えた頃に、こうして会を開くのさ。
女子が面白がってくれれば儲けたもの、男子がいたくガッカリするとなれば、また見ものなのだ。
君はといえば、それからも外れてどうやら生真面目そうだが。
何故、あの『怪しげな』誘いに乗ろうと思ったね?」
湖城惣一 > 「そうでしたか。ここで食事を摂るのは初めてですが……。
この手のものはあまり外れた試しがないもので」
どうやらチョイスは外してなかったようだと一つ、息を吐く。
どうにも人から不興を買いやすい彼は、とかく丹念に一つ一つ言葉を発していく。
ウェイトレスに一度頭を下げてから、改めて向き直り。
ヨキの口上を最後まで聞く。
なるほど、面白がって。ということは、
「あまりご期待に添えませんでしたか」
元から特にそこに何かを期待していたわけではなく、
無表情無感動といった素振りで、淡々と語るのが湖城という男だ。
「ふむ。何故……いえ。自分は去年まで、概ね一人で過ごしてきたもので。
二年はこうして、少し交流を広めようと思ったのが一つ」
一つ呼吸を置いて。
「自分は誰かと話すことが得意でないもので。機会を見て、誰かと友好的に話す機会が欲しかった、というところでしょうか」
大真面目。嘘もつかず、ヨキの方を真っ直ぐに見て言うだろう。
ご案内:「カフェテラス「橘」」にマティアスさんが現れました。<補足:白い半袖ワイシャツ、クリーム色のサマーベスト、灰色のスラックス、黒髪黒目に白い肌、身長156cm>
ヨキ > 「いいや、期待に添えないなどということがあるものか。
学内の掲示板で募集を掛けたのも、そういうことさ。
あの学園の中で誘いに何かしら反応してくれることは、誰であれ嬉しいとも」
(湖城の堅実な話しぶりには、むしろ好感を持ったと見える。
くつくつと笑って、穏やかに相槌を打つ)
「そうか。君にとって、交流を広げる場になってくれたか。この会が。
斯様な場に集まるといえば、兎角話好きの明るい者が多いからな。
このテラスはなかなか好いぞ。人は多いが、その分話をする機会も増える。
ヨキなどは好きこのんで相席するタイプだからな……苦手な者には避けられそうだが。
……去年まで独り、というのは、何か理由でも?
憚られるならば、答えずともよいのだが」
マティアス > (色々な事情が重なってお茶会参加に遅れてしまった、一応手紙には「遅れるかもしれない」と書いておいたが、急いだほうがよさそうだ)
(そんなこんなで急いでカフェテラスに直行、ヒトガタを崩し倍のスピードで裏路地や屋上を駆け抜け、ショートカットを重ねたが、集合時間にはかなり遅れてしまった)
(サクッと人目の無い場所で見た目を清楚な美少年スタイルに整え、店員に「お茶会です」と伝える)
「すみません、遅れました」
(そう言いながらお茶会の席に近寄る、すでに背の高い青年が二人、ケーキをつつきながら談話しているようだ)
湖城惣一 > 「そういうことなら」
無表情で淡々と。あまり安堵しているようにも見えないが、
元々感情の起伏も少ない男である。
ひとまず水を一口ゆっくり飲んで、改めて呼吸を整える。
「相席。……積極的にやるわけではありませんが。
もし自分を見かけることがあったら、是非どうぞ」
相手の言葉には丹念に答えていく。
その面白そうに、穏やかに話を進める姿をまっすぐに見返しながら湖城は話を進めた。
「いえ。元々こちらには"依頼"で来たもので。
生徒という身分も、仕事のようなものでした」
財団から依頼され、風紀・公安の対処できぬ暴力的トラブルを解決するのが彼の仕事だ。
怪異、異能者、その他問わずに切って捨てる。
この学園に来る前も、退魔稼業として変わらぬ生活を繰り返していた。
「しかし、今年は友人が増えまして。
……人を不快にさせることも多くなった。
故、自分も意欲的になろうかと」
自分語りを終えて、新たに現れた気配を見る。
若い少年だ。どうやら最後の一人らしい。
「こちらだ」
と、軽く手を上げて、席を促した。
ヨキ > 「ヨキは異邦人であるからな。受け入れてもらえるとき、そうでないときの触れ幅が大きい。
君のところへは、安心して邪魔が出来そうだ。
語り口は真面目とて、退屈はない。すぐに友人も増えようぞ」
(椅子の肘掛けに腕を置いて、腹の前で指を組み合わせる。
『依頼』についての話に、静かに耳を傾ける)
「ほう……陰で動く仕事か。
ならば確かに、人との関わりを避けがちになるのも頷ける。
そうして人と交わることと、快不快は切っても切り離せんよ。
……それに、この島の脅威は過分に厄介だ。
独りでは太刀打ちできないこともあろう」
(そこまで言って、席へやってきたもう一人――マティアスを見る)
「やあ。君が……マティアス・ベルンシュタイン君かね。
美術のヨキだ。あの茶会を立ち上げた者さ。
誘いに乗ってくれて有難う、随分と男らしい会になった」
(愉快そうに笑いながら、着席を促す。
間を置かずして、ウェイトレスが水とおしぼりを手にやってくる)
「いま、彼――湖城君の頼んだ、ベリーのタルトを待っているところだ。
君も、ピースでもホールでも、1ホールまでなら好きなタルトやケーキを頼むといい。
飲み物も、このヨキが馳走しよう」
(言って、マティアスへメニューを手渡す。
フルーツに生クリーム、チーズにチョコレート。大抵の種類はありそうだ)
マティアス > (軽く会釈したのち着席し、まずはおしぼりで手を拭く、汚い道を通ったし汚れは落としておきたい)
「はい、マティアス・ベルンシュタインです、よろしくお願いします」
(手紙のクソテンションとは真逆な礼儀正しい物言い)
(なんとなく外見に言動を合わせてみようというちょっとした気まぐれである、飽きたら普段通りのクソテンションで行くつもりだ)
「しかし男性だけの会になるとは、そういう可能性もあるかなって軽く考えてたんですけどねぇ」
(メニューを開きながらお茶会参加者の顔を見回し、軽い調子で言う)
(手紙の主がネカマみたいなもんの可能性もあるかなぁ程度に考えていたが、まさか当たるとは)
(それだけ言ってメニューの方に顔を寄せ、ケーキの欄を見てみる)
「それじゃあ、ザッハトルテ1ホールとオレンジジュースを1つ」
(ザッハトルテが中々美味しそうなので、オレンジジュースと一緒に頼んでみた)
(今日はチョコを食べたい気分である)
湖城惣一 > 安心して邪魔が出来そうだ、という言葉に目礼してて応じる。
ありがとうございます、と端的に述べた。
続く自分の語りと、ヨキの答え。
独りでは太刀打ちできない、という言葉にはいささか対応できず。
彼の剣のあり方は、孤高でしかありえない代物だ。
肯定も否定もせず、
「ええ。もし人と関わるならば、あまり相手を不快にさせたくはないもので」
ただその本心だけを述べた。
あまり話すことが得意でない彼は、とかくそのようであろうと思っている。
席に座った少年、その自己紹介に答えるように頷いて。
「湖城惣一だ。……俺としては男でも女でも、どちらでも構わなかったが、君はどうだ」
落胆しているようにも見えない軽妙な口調。
折角なのでこちらにも尋ねるように。
ヨキ > (マティアスの挨拶に、にこにこと満足げに頷く)
「ああ、こちらこそよろしく頼む。
男は男で集まるのも、楽しいものであるからな。
……なるほど、ザッハトルテ」
(いい選択だ、と言わんばかりに低く唸る。
ウェイトレスが席を離れたのち、マティアスへ向けて)
「それで……ベルンシュタイン君。
よくぞあのような誘いに乗ってくれた。
匿名ゆえに、お流れになることもあるのでな。
ふふ、どうして乗ってみようと思ったね?」
(便箋の雰囲気とは、似ても似つかない男の語調だ。
湖城がマティアスに尋ねたのに併せ、緩く首を傾げる)
(次いで湖城の答えに、小さく頷く)
「不快にさせたくない、か。
そうだな。避けられるならば、ヨキも無用な衝突はしたくないものだ。
人の言葉は便利だが、使いどころが難しいと――そう思う」
(その服装と、竹刀袋とを一瞥する)
「ヨキは……万が一の場合には刃を取るが、何しろ我流でな。
こうして見ていると、その佇まい、君は随分と強そうだ。
このように平和な場で知り合えたことは、何とも安心するものだ」
マティアス > 「参加理由ですか?」
「面白そうだったからです、ぶっちゃけ参加者の性別はどうでもいいですね」
(くるくるとペン回しのようにフォークを手の内で遊ばせながら、二人の質問に答える、すでに清楚美少年の皮を被るのに飽きてきた)
(正直性別とか年齢とかはそこまで重視しないし、重視するなら「面白さ」に他ならない)
(そういう意味ではこのお茶会のメンバーは中々好みである)
「それより、気になってたんですけど……」
(ペン回しならぬフォーク回しを止め、フォークの先端を湖城へ向ける)
(先端は彼の丸出しな腹部に向けられている、正直すごく行儀が悪い)
「そんなに丸出しだとお腹冷やしますよ? ベスト貸しましょうか?」
(何故にクーラー付けながら寝たら腹下しそうなファッションなのか、ちょっと気になる)
(このあと結構食べるだろうし、お腹冷やしたらキツいだろう、マティアスなりに気遣ったつもりである)
湖城惣一 > 「面白そう、か」
ふむ、と一つだけ唸る。
自分はあまり面白くない人間だと思っていた。
しかし、変人であるという認識もある。
つまり求められたのは変人であることだろうか、と彼なりに思案する。
目の前のこのヨキという教員も、『面白そう』という理由で便箋の筆記を変えるほど。
面白いかはともかく個性的なことには間違いない。
「む」
マティアスの言葉に納得しながら水を飲んでいると飛んできた疑問。
丸出しの腹筋。見れば、美しい真一文字に傷跡が残っている。
「ああ、いや。大丈夫だ。
俺の都合でな、"有事"の際には腹を出していた方がいい。
腹の調子を崩したことはないから、」
一度飛んできた言葉に丁寧に答えながら、最後に、
「そう、安心してくれ」
と、思案げに締めた。相手を気にさせたのならこう答えるのがいいだろう。
わずかに目を伏せたあとに、ヨキの言葉を反芻してから一度頷く。
「言葉。確かに難しいですね。
神へと奏上する言葉を知っていても、それは人と話すには役に立たない」
こう見えて神道に携わる神職である。
もちろんその経験が対人関係に役に立ったことはない。
難しいものだ、とわずかに表情をこわばらせながら、
しかし、ヨキの言い回しには少しだけ首をかしげた。
「普通は、平時に出会えば緊張するものかと思いましたが……いずれにせよ、周囲でどうしようもないことがあれば、連絡を。
そのための自分でもあります」
ヨキ > 「面白そう、か。ふふ、それでいい。
そう感じて参加を決めてくれたならば、幹事としてはしめたものだ。
それに……君の書いた返事。ふざけてくれた方がヨキも楽しいでな」
(マティアスのカトラリー使いには、特に口を挟むこともしない。
彼が湖城に尋ねるのを見ながら、その白い肌を見る)
「今日はやたらと暑くなったが、君は何とも涼やかであるな。
その肌の色、種族柄によるものかね?」
(『有事の際に腹を出す』。変わった作法もあるものだと、半ば感心しながら湖城の言葉を聞く)
「君は……神職か。
ならば、カミと人とを繋ぐ務めでもあるのだろう?
カミを知り、人を知ることに、役に立たないことなどあろうか。
辿り着く答えはどうあれ、見識を広げる手掛かりにはなろう。
あの朗誦される歌……のようなもの、祝詞と言ったな。あれはヨキの耳にも見事であった」
(湖城の訝しげな様子にも、然して気にした風もなく)
「安心できるのは、今のところ君と敵対することがないからさ。
人を不快にしたくないのと同じように……荒事もまた、無用に重ねたくはないからな。
……覚えておこう、仕事人。だがヨキは、単に人に任すを是としないのでな。
もしものときには、君の背中を借りるとしよう」
(やがて飲み物や、彼らの選んだデザート――トリプルベリータルトと、それにやや遅れてザッハトルテが運ばれてくる。
ヨキの顔が見る間に晴れ渡り、いかにも甘味好きが見て取れる)
マティアス > 「なんとなく、ですよ、色素が薄いほうが「雰囲気出る」でしょう?」
(ヨキの問いに悪戯っぽく笑う)
(その気になれば肌の色は自由に変えれるし、普通の肌色にすることもできる、幽鬼の如き白はただの趣味だ)
「タッパがこんなんなので、こういう細かいところで雰囲気出さないと舐められやすいんですよ」
(魔術師を外見年齢で判断するなんて無理ですよ、と呟きながら、お冷を飲み干す)
「そうですか? なら大丈夫ですね」
(湖城の丁寧な受け答えにあっさりと引く、本人が大丈夫というなら大丈夫だろう)
(しかし慎重に喋る男だな、と思う、もう少し気を抜いて自然に喋れれば、愛想良く見えるだろうに)
(まあその場のノリでベラベラ喋って敵増やす自分よりはマシだが)
(とかやってたらケーキが運ばれてきた、期待を隠しきれない表情でザッハトルテを切り分けていく)
湖城惣一 > 運ばれてきたタルトやザッハトルテ。
それに表情を晴れ渡らせるヨキには少々意外な印象を受けた。
次いで、やはりマティアスも表情を弾ませているように見える。
喜色の浮かぶ白い肌。
続く言葉に彼の"不思議な空気"が魔術師であるからくることかと納得した。
ヨキの、感心したような言葉から続く神職への言及。
これはいかにも教師、といったような言葉であった。
嫌ではない。あれが人との会話に役に立つことがある、と聞いて。
ふむ、と改めて考えなおしてみることにした。
「……自分も切った張ったを進んで演じることはありません。
しかし、ええ。力になれることもあるでしょう」
自分の力を押し付けることはしない。流儀でもない。
今はひとまず、切り分けられたザッハトルテを器用な手さばきで皿へと移して配膳するだろうか。
トリプルベリータルトも同じように。
ヨキ > (マティアスの微笑みに、共犯者めいた笑みで返す)
「雰囲気か。なるほど分かりやすい。
何だ、この広い学園とあって、まだ背丈で人を判断するような者が居るのか?
異能や魔術の前には、命取りとなりかねんな。
では……むしろよい血色を装って、油断を誘うことも可能な訳か。なかなか巧みだな。
ヨキには魔術の素養がないでな、使い手には何かと感心させられる」
(湖城の冷静な受け答えには、目を伏せて)
「そう。答えはどうあれ、というのは、それが決して望まれたものとは限らないからだ。
異能に、出自に、責務に――望まずと過酷な環境へ身を置く者は少なくない。
ヨキは教師として、それ以前に異能の使い手として、それらに携わる人間を支えるのが務めだからな。
君こそ、ヨキのことを覚えていてくれたまえ。
芯まで潔白――を謳うつもりはないが、少なくとも君の味方であることは確かだ」
(だから、と笑い掛ける。
切り分けられたタルトやケーキをにこやかに受け取って、今はこの時間を楽しもう、と。
飲み物を手に取って、二人へも改めて乾杯を促す)
マティアス > 「魔術に異能に異世界にと闇鍋状態な常世に比べれば、外には結構そういう人いますよ?」
(というか常世の人材の質がおかしいのだ、外では中々お目にかかれない怪物がゴロゴロ転がりすぎである)
「私にはヨキ先生のほうが感心しますがねー、ここの教師はなにかと大変じゃないですか」
(個性的な生徒達を纏めあげ、道を外れないように教え導く)
(自分には到底できないことだと思うし、そういう道を歩くのはどんな魔法よりも難しいし大変だと思うのだ)
(ヨキの掲げたグラスに自分のオレンジジュースを小さくぶつけ、乾杯と笑う)
(そのまま「いただきます」と律儀に呟き、ザッハトルテにフォークを刺した)
湖城惣一 > 「真の潔白など、先ず居ないものでしょうから。
ええ、約束しましょう、ヨキ先生。
そして、マティアス、よろしく頼む」
グラスを鳴らしこちらもゆっくりと食べ始める。
男の食事は非常にゆったりしたものだ。
物を噛んでいる最中は喋らないし、精々頷く程度。
噛んでいる回数も時間も、一般的に言えばかなり長い方だった。
「相手を外見で判断する、というのは一長一短かと。
未だ世では只人が多数おりますし、
小さな子どもを守ろうとしなくなったら世も末かと」
あまり他者、世間というものには興味がないが、そのために分かることもある。
外見で差別しないということは、外見で区別をしないということだ。
男も一度剣を抜けば、一切の区別を失う故によく分かる。
だからこそ。
ジュースを一口飲んで、二人を見渡すように。
平時の時ぐらいはつながりを大事にしなければ。
ヨキ > 「ヨキは島の外については不勉強であるからな……うむ、君は日本、ないしは地球の出身者か。
世界の異なるヨキにとっては、海の向こうもまた異邦でな。
君の故郷は、どんな土地だったのだね?
感心してもらえるか? ふふ、有難う。
大変さが付き纏うのは、いかなる職業とて同じさ。
その中で――ヨキの幸運は、その大変さの中にも救いの多いことだ。
例えば……君らのように、たまの悪ふざけに乗ってくれる者のあること、とかな」
(マティアス、そして湖城の顔を見比べる。
能天気なまでにリラックスした顔で、笑ってみせた。
湖城の言葉には、ああ、と頷いて)
「何も、誰も彼も十把一絡げに平等に見ろ、ということではないさ。
年齢や性別、異能の有無に関わらず、強者が弱者を守るのは、世の秩序の礎であるよ。
だが……ここは常世島だ。君らのように真っ当に暮らす者が大半なれど、中には不法を働く者も居る。
生徒を守るのが教師の務めだが、各々には自衛をも努めてもらわねばならんのでな」
(乾杯を済ませ、取り分けられたデザートを大きな口で頬張る。
うまい、と唸って、一口ずつもぐもぐと噛み締める)
マティアス > 「私の故郷はヨーロッパですよ、私がいた頃は魔術、というか教会の認めないものへの弾圧がかなり厳しいところでしたね」
「まあ今はかなり自由らしいですが、ここ百年のことはあんまり知らないですね、日本暮らしが長くて」
「そう言って頂けると嬉しいですね」
「何かしたくなったらご自由に呼んでください、私ならいつでも悪ふざけに乗りますよ?」
(そう微笑んで、ザッハトルテを食べ始める)
(まずはザッハトルテを一口、甘さ控えめなチョコレートと生クリームの風味が良く合う)
(そしてオレンジジュースを苦味の残る口の中に流し、苦味と爽やかな柑橘のコラボレーションを楽しむのだ)
「んふー……♪」
(至福の時間、綺麗な顔立ちをほころばせながら、ザッハトルテを楽しむ)
(来てよかった、と心の底から思った)
湖城惣一 > 「俺は見ての通りの日本の僻地だな。魔が多く潜むだけで、あとは鬱蒼とした山が広がっている」
マティアスの故郷の話を聞きながら、自分も話を添える。
「しかし、百年か。そうなると俺が一番の若輩ということになるな」
明らかに気にした素振りはない。話の種がわりなのか。
見た目通り、かどうかはともかくとして18歳。まだ青春の盛りである。
思っていたより和やかに進行している。自分が混ざって違和感がないかとも思ったが、どうやらそうでもないらしい。
ヨキという教師もマティアスという少年も、気さくに話が通じる一点で好印象だ。
「ええ。これが救いに通じるというのなら、いかようにも」
笑ってみせるヨキの姿には、大きく頷いてタルトを口に運ぶ。
たっぷりと咀嚼しながら、ヨキの話に耳を傾けた。
聞き終えて、たっぷり十度咀嚼して飲み込むと、
「ええ。多少のいざこざでまで仲裁に入っては手が足りないですが、
ここでは異能のすれ違いが危険にもなりますね。
用心するに越したことはないのでしょうが、そのバランスが難しい」
などと答えながら再びデザートを口に運んだ。
ヨキ > (おお、欧羅巴、と目を輝かせる)
「ますます異国ぞ。本物は写真の中でしか見たことがないのだ。
異邦人街にも似たような情緒はあるが、現地となれば、吹く風や緑の色も異なるであろうからな。
そうすると、君はなかなか長く生きて居るのだな。
日本で百年と暮らせば、文化の移り変わりも顕著であろう? 長命の者が人里で暮らすには、相応の柔軟さが求められそうだ」
(ケーキとタルトとを贅沢に食べ比べながら、悪戯めかしてにんまりと笑む)
「ふふ、愉快な仲間が出来て嬉しいことだ。
君こそ、何か悪巧みがあればこのヨキを頼るがいい。
『文字どおりの』悪巧みでない限り、最大限の協力はさせてもらう」
(大きな手の短い四指でフォークを摘むように持ちながら、時折紅茶で喉を潤す。
湖城の話に、ほう、と笑って)
「僻地で、鬱蒼とした山か。ヨキの故郷も、そうした緑の奥であったよ。
みなの話を聞くだに日本と似た場所であるから、ともすればルーツが同じであるのやも知れん。
湖城君は、人間どおりの年齢であるのだな。それでも随分としっかりしている。
君より心の幼い大人とて、少なくはないぞ。このヨキとかな」
(タルトを口に運びながら、やはり君の目は確かだ、などと舌鼓を打つ。
話の合間に、視線を天井へやって考える風の顔で、)
「一筋縄では行かぬ、とは、まさにこの島全体のことだ。
生真面目な君にとっても、心休まる時間が少しでも多ければいい。
それで、だ。心休まると言えば――せっかくの男子会であるのだし」
(視線を正面に戻す。
わざとらしく目を細め、これこそ本題と言わんばかりに)
「ベルンシュタイン君に、湖城君。
君ら、気になる女子などは居らんのかね。まだ居はしなくとも、好みのタイプとか?」
マティアス > 「……これ、もしかして私が一番歳食ってたり?」
(メンタルが永遠の若者なのでよく忘れるが、自分は寿命を投げ捨てかれこれ千年以上も生きてるのだ、爺どころかミイラである)
「ええ、一般人と一緒に暮らすのって本当に大変ですよー? 主に認識の操作と戸籍問題」
「まあそこそこ権力ある人間と仲良くして、そこらへん融通するのが一番簡単ですね、権力者に取り入るのは錬金術師の十八番なんで」
(タルトを口に運びながら、さらっと黒い事を言ってのける)
(一応学生証は本物だが、取得に使った戸籍はぶっちゃけ真っ黒だ)
「魔術に恋してます」
(ノータイムで言い切った)
(恋愛感情を人間に抱いたことはないが、よく「恋」と説明される精神的変調を魔術と接しているときは感じられるのだ)
(つまりこれは魔術に「恋」しているのではないのだろうか)
湖城惣一 > 仲間、と聞こえてきた言葉を口中で反芻しながらタルトを咀嚼。
飲み込み、軽くジュースにくちづけながら再び頷いた。
「言った通りに自分は対人関係が特に苦手でして。
マティアスのような腹芸も得意ではありません。
人生経験という点において、先生より大人びているかは分かりませんね」
客観的に物事を見ることも、主観的に物事を判断することも。
どちらも苦手なのが湖城惣一という男だ。
権力者に取り入り、仲良くするというマティアスにも、
こうして、まさに教師然とした振る舞いでありながら人生を楽しむようなヨキにも。
どちらとくらべても己が大人びているとは思っていなかった。
なにせ、と。二口目のタルトを咀嚼しながら思う。
その折、ちょうどヨキの最後の問いが重なり。
「この間、ようやくこちらでの友人が出来たばかりでして。
彼女のことは好ましいとは思いますが」
思ったままのことを答えた。
漫画の知識で、そういった問いが色恋の話であることはわかっていた。
そのため一応はすんなりと話を返し。
しかしながら、恋だとか、愛だとか、そこまでは未だ想像もつかない男であった。
ヨキ > 「ふふ、どうだか。ヨキが暦の区切りを意識するようになったのは、この島へ来てからのことであるから……
あるいは本当に、君がいちばんの年長であるやも知れんよ」
(そうは言ったものの、ヨキのその顔を見るに、年齢というものを本当に数えたことがないらしい。
実際の答えは、杳として知れない)
「錬金術師も、芸術家も、パトロンの獲得は死活問題であろう?
山師と目されることも少なくないとなれば、難儀な生業だ。
……だがその難儀のうちにも、君は秘儀の術を愛して止まぬのだな。天晴れなことだ」
(魔術への恋、大いに結構、と満足げに頷く。
湖城の真摯な受け答えにも、特に鼻白む様子はない)
「大人びているとは分からない、か。
ならばヨキは、これから大人になろうとしている君と、今こうして話をしているのだな。
男子三日会わざれば何とやら、だ。このヨキを、大いに刮目させてくれたまえ」
(そうして、湖城が好ましい、と思う『友人』の話には、穏やかに笑みを深めて)
「そうか。好ましい娘が居る――か。いいことだ。
男が娘から学ぶことは、男が男に施せるものではないからな。
その娘もまた、君から学ぶことも多かろう」
マティアス > 「そういう風に捉えれるならそれでいいんじゃないですか?」
(二切れ目のザッハトルテに口をつけながら、湖城に視線を向ける)
「自分の劣っている部分をちゃんと理解して、伸ばす努力もしている、そこらへんちゃんとできる人は将来成長できますよ」
(一つ一つ言葉を考えながら喋るのは相手を思いやった結果だ)
(そういう風に努力していけるのなら、将来きっと善い人間になれるだろう、まだまだこれからということだ)
「……ええ、私にとって魔術とは、守り高め求めるもの」
「研究を守るためならば聖水も飲み干せる、研究を高めるためなら何人でも斬れる、魔を求めるためなら心臓だってくべられる」
「魔性に惹かれるこの感情は、まさしく恋でしょう」
(頬を僅かに紅潮させ、恋する化生は語る)
(魔術のためならば毒も刃物も望むところ、マティアス・ベルンシュタインという化生を突き動かすのはただそれだけなのだ)
湖城惣一 > 将来成長できますよ。マティアスの言葉には、ふむ、と顎を撫でながら思案した。
「そうであることを願うばかりだ。いや、そうであろうと思う」
願うだけでは叶わない。だからこそ、その言葉に沿うように自分を律さねばならない。
いずれの二人の言葉からも、こちらを慮るような意識が感じられる。
空気も感情も読めない男であったが、それでもなおそう感じた。
続くマティアスの朗々とした語りには、湖城も一つ思う所があった。
彼もまた剣に生涯を捧げてきた身だ。
しかし、目の前の少年――否、魔術師ほどの熱量はなかった。
まるで"剣を磨くしかすることがなかった"とでも言うが如く、
ただ当たり前のものとして剣の境地に挑み続けていた。
マティアスのような熱意があったならば、己の剣に対する心境もまた変わったのだろうか――と、思うところがないでもなかったのであった。
しかしいずれにせよ、湖城惣一という男は今変化を迎えようとしてはいる。
だからヨキに対しても、
「ええ。学ぶことばかりです。どこまで行けるかは分かりませんが……。
やれるだけはやりましょう」
ヨキ > (半ば蕩けるようなマティアスに、ふっと笑った。
さながら熱意への褒美のように、彼の皿へタルトを取り分ける)
「大したものだ。すると、聖水にそれだけリスクを負うとは……魔の眷属か。
まあ、それだけの意欲は大いに結構だが、くれぐれもこの島では暴れぬように。
このヨキが、君のせっかくの勉学を阻まねばならなくなってしまうからな」
(あっけらかんとした調子で口にする。
それから、自分とマティアスと、あまりに性質のかけ離れた湖城の顔を見遣る)
「後悔だけはするな。
ヨキが時として君の考えに異を唱えようと、君が何かを成そうとすること、それ自体に反対はせんよ。
教師とて単なる木偶ではない――君にとって、何かしらの意義があればいい」
(言って、湖城の皿へはザッハトルテを取り分ける。
自分は残りのケーキとタルト、半ピースずつを)
マティアス > (魔術への愛で正気を失っていたが、お皿にタルトが分けられたあたりで正気に戻る)
(わりと現金な奴である)
「ええ、わかっていますよ? 研究は誰にも邪魔されたくないですし、邪魔されるようなコトはやらかしませんって」
(研究も大事だが、それに執着しすぎてヘイトコントロールを疎かにするつもりはない)
(ヨキの忠告を受け流し、さっそく分けてもらった分のタルトを食べる)
湖城惣一 > 目礼でザッハトルテの礼をヨキに対して告げる。
それを口に運びながら、湖城はヨキをじっと見つめていた。
もとより、人と話すときは相手の目を見返すことを常としているが、
やはり目の前のヨキという教師は手馴れている。
幼い、とはいうもののこの場の会話の手綱を握り、
マティアスと、自分の間で上手く話を進めていると思う。
警告にせよ箴言にせよ、ヨキの言葉は相手に対して受け止め返すような言葉に感じる。
会話とは、こういうものだろうか。と。
そこまで考えて、ようやくザッハトルテを飲み込むのである。
「ええ。自分は莫迦故、ただ道を往くしかできませんので。
進んだ先で何かをつかむ、その道標とさせていただきます」
と、感謝を述べた。
ヨキ > (タルトで正気に戻るマティアスに、愉快げにくつくつと笑う。
“くれぐれも『この島では』”。理性的な人物と見えて、マティアスへそれ以上の示唆はしなかった)
「このヨキも、自分の作品については随分と我侭であることだ。
よく寝食を忘れては、保健委員などに呆れられてしまってな。
……君ともなれば、そのような粗相をしそうには見えんが」
(ザッハトルテを口へ運びながら、湖城からの視線に気付く。
が、その心中を想像するまでには至らずに、不思議そうに片眉を上げてみせるに留めた。
話の合間に視線を動かしたとて、このヨキが持つ金色の双眸は、常に自分が声を掛ける者、人から声を掛けられた者へと注がれている。
もはやそれがひとつの習性であるらしい)
「君ならば……均された道を行くことも、道なき道を切り開くことも可能であろうな。
そういうとき、人や獣や、星さえも、何もかもが君のしるべにも、慰めにもなる。
君と巡り会えたこの悪戯は、ヨキにとっても一つのしるべと成り得たのだよ」
マティアス > (タルトをもりもりしながら二人の会話を傍観していたが、ここで携帯のアラームが鳴った)
「……あー、そういえばそろそろ帰らないとヤバい時間ですね」
(アラームを解除しながら呟く)
(現在自室に試作品の使い魔特化の黒猫を飼っているのだが、もうすぐ定期検査の時間だ)
(とりあえず残ったタルトを腹に詰め、帰り支度をする)
「と、まあ帰宅時間になったので、そろそろ帰ります」
「湖城さん、ヨキ先生、本日はありがとうございました」
(ぺこりと一礼)
湖城惣一 > 「ああ。……また、会う機会があればその時ゆっくり話の続きでも」
思えば、あまりマティアスに話をつなげることはできなかった、と。
そこを少し反省してから目礼で別れを告げる。
こちらもそろそろ儀式を行なう時間だろうか、と時計を眺めた。
彼と同じく、話をしている相手に対して視線を向ける様、
何度も目を合わせる機がかぶっただろう。
「……出会う全てが。なるほど、確かに今それを実感しています」
他者への感心が極端に薄かった男にとって、
今、その意識がやや外に向いただけでもめまぐるしいほどだった。
去りゆくだろうマティアスと、そして話を続けるヨキに。
それぞれ視線を向けてから、静かに頭を下げた。
「いずれも心に留めるとしましょう」
そう言ってから、最後の切れ端を口に放り込んだ。
ヨキ > (マティアスの言葉につられて、おお、と柱の時計に目をやる)
「いや、すっかり時間を忘れて話し込んでしまったな。
君らが良い話し相手となってくれたお陰だ」
(最後のデザートと紅茶を味わったのち、それではご馳走様でした、と笑って手を合わせる。
食物への畏敬とはつかず、日本人の慣習に従っているだけ、という具合に見える)
「湖城君も、ベルンシュタイン君も、今日は来てくれて感謝する。
広い上に人も数多い学園だが、このヨキとの縁を覚えていてくれれば嬉しいよ。
そう、君らもまたそれぞれが『出会ったうちのすべて』だからな」
(心底から満足した様子で席を立つ。長身の湖城より、更に大きい……が、大柄というよりは、細長い印象が勝る)
「では、そろそろ出るとしよう。
またの機会を、ヨキは楽しみにしているぞ。何度でもな」
(そうして二人に先んじて出口へ向かい、三人分の会計を済ませる。
これにてお開き、と。年かさの友人のような顔をして、笑って別れるのだった)
マティアス > 「そうですね、次は湖城さんの話を聞かせてほしいです」
(自分のことは結構語ったし、次に会うときには彼の話を聞かせてほしいものだ)
(彼の喋り方は結構気に入っているし、次に会ったときはどういう風に成長しているのか楽しみだ)
「ええ、ヨキ先生も今日はありがとうございます」
(よい笑いかたをする男だった、教師として生徒と真摯に向き合う姿をきっと忘れない)
「それでは皆さん、本日は本当にありがとうございました!」
(最後は笑顔で別れよう、そう思いながら手を振り、二人の姿が見えなくなったら帰路につくのだった)
ご案内:「カフェテラス「橘」」からマティアスさんが去りました。<補足:白い半袖ワイシャツ、クリーム色のサマーベスト、灰色のスラックス、黒髪黒目に白い肌、身長156cm>
湖城惣一 > 「ええ。忘れはしないでしょう。今度は学園ででもお会いしましょう」
そういってヨキを見送った。
湖城が立ち上がったのは最後だった。
ゆっくりとザッハトルテを咀嚼し、最後まで味わいきって飲み込んだ。
その代金を幾ばくか払おうかとも思ったが、ここはそういう場所で、
むしろ支払おうとすることこそが無礼に当たるはずだ。
今はただ、二人との会話を思い返して軽く目を閉じる。
悪くない、いや、いい時間だった。
次に会うときは何か己は変わっているだろうか、と。
無表情で淡々と話をしていた湖城だったが、最後の瞬間、ふと小さく笑みを漏らした。
そうしてようやく踵を返し、カフェテラスをあとにするのであった。
ご案内:「カフェテラス「橘」」からヨキさんが去りました。<補足:人型。黒髪金目。197cm、拘束衣めいた長衣、ハイヒールブーツ。『夏タルトを食べる会』主催。>
ご案内:「カフェテラス「橘」」から湖城惣一さんが去りました。<補足:どなたでも乱入歓迎。身長181cmの痩せぎすで目つきの悪い男。勘違いしたような和装ベースのファッション。横一文字に傷痕の残る腹を丸出し。>